スペクトラ「クロスゲートの各種放射反応は、
加速度的に強まっているわ」
キャリコ「これだけ捜してユーゼス様の痕跡が
見当たらないのであれば……」
スペクトラ「とは言え、ゲートの中に入るわけにはいかない」
キャリコ「わかっている。地球軍の動きは?」
スペクトラ「クロスゲート付近に艦隊を集結させている。
鋼龍戦隊もそこへ移動中よ」
キャリコ「今回は強行偵察では済まなさそうだな。
情況次第では、俺も出る」
スペクトラ「了解よ」
カイ「30分前、中性子線、重イオン線、ガンマ線の
放射に加え、未知の粒子放射線であるCGPが
通常時の200倍まで増加した」
(ざわめき)
カイ「このままだと、3~4時間以内に
バースト現象が発生すると思われる」
カイ「クロスゲートよりラマリス、またはルイーナ、
それらに類似する敵性体が出現した場合、
我々は水際で食い止めなければならない」
カイ「その上で、グランティード・ドラコデウスによる
クロスゲート封印を試みる」
カイ「情況は予断を許さない。
各員、気を引き締めて事に当たるように。以上だ」
(ざわめき)
リュウセイ「……ルイーナが出て来たとしても、
前の奴と同じだとは限らないんだよな」
ジョッシュ「ああ、
最初に接触した知識所有者のイメージが基となる」
リュウセイ「誰も接触しなければ?」
ジョッシュ「それがラマリスかと思ったが、どうも違うみたいだ」
ラーダ「その後の調査の結果、ラマリスの出現は
クロスゲート・バーストの影響だという
仮説が立てられているわね」
アクア「確かに、バースト現象が発生してから
ラマリスが各都市に現れましたけど……」
アラド「じゃあ、クロスゲートから出た光のシャワーが
あいつらの素なんスか?」
ラーダ「あれが直接地上まで達したわけじゃないけど、
そうかも知れないわね」
カーラ「あ~、やだやだ。たまにはクロスゲートから
正義の味方とか出て来てくんないかな」
カルヴィナ「あり得ないと思うけど」
ハーケン「決めつけるのは早いな。
正義の味方って奴が現れることだってあるさ」
カルヴィナ「その根拠は何?」
ハーケン「エンドレス・フロンティアのゲートでは、
ヒーローから魔獣まで、色々出てきたもんでな」
カルヴィナ「異空間につながるゲートは何であれ、
災いをもたらすっていうイメージが強いけどね」
ジョッシュ(だが、今度は食い止めてみせる。
絶対に破滅の軍勢を具現化させない)
リム「……アニキ、思い詰めないでよ」
グラキエース「そうだ。私達もいるのだからな」
ジョッシュ「ああ、俺一人で成し遂げられることじゃないって、
わかっているさ」
(扉が開く)
ジンプウ「ワン博士、フェアリを連れてきたぜ……」
(システム起動)
ジンプウ「って、何だ!?
アリアードを起動させてんのかよ!?」
エリック「正確には、ジーベ・ドライブじゃがの」
フェアリ「えっ……!?」
エリック「宇宙に上がって
ジーベ・ドライブのチェックをしたらの、
出力が上がっての」
エリック「30分ぐらい前から、調子がどんどん良くなっての」
ジンプウ「ど、どういうこった?」
エリック「もしかしたら、
クロスゲートに反応しとるんじゃないかの」
ジンプウ「何だって!?」
エリック「フェアリ、お前さんがアリアードに乗っておった時、
ジーベ・ドライブはこんな感じになったかの?」
フェアリ「い、いえ……」
エリック「ふむ……
その時、クロスゲートは落ち着いておったからの」
ジンプウ「だけど、何で異星人のヘルルーガが
クロスゲートに反応するドライブを作ったんだよ?」
エリック「もしかしたらの、ガディソード星にも
あれがあったんじゃないかの」
フェアリ「!」
ジンプウ「どうなんだよ、フェアリ?」
フェアリ「そ、そんな話、聞いたことがありません……」
エリック「まあ、クロスゲートの存在が
秘密にされていた可能性はあるでの。
真実はヘルルーガに聞くしかないかもの」
フェアリ「………」
イング「イルム中尉、よろしいですか?」
イルム「何だ?」
イング「実はさっきから妙な気配を感じているんです」
イルム「どういう感じなんだ?」
イング「誰かに見られているような……」
リョウト「封印戦争で宇宙に上がった時も
そんなことを言ってたね」
イルム「ああ……確か、その後でアレス・ガイストが
出て来たんだっけな」
イング「ええ」
イルム「それで、どうやって確かめるんだ?」
イング「出来れば、エグゼクスバインで先行出撃させて下さい」
イルム「いいだろう。リョウトと一緒に行ってこい。
上の許可は俺が取っておく」
イング「はい。
よろしくお願いします、リョウト少尉」
リョウト「うん。じゃあ、行こうか」
(南端にエグゼクスバインが出現した後、ユニットが分離しリョウト機が出現する)
イング「……すみません、少尉。付き合わせてしまって」
リョウト「構わないよ。気配はまだ感じるかい?」
イング「ええ、進行方向から……
徐々に強まっているような気がします」
リョウト「情況が情況だし、用心して進もう」
イング「了解です」
(エグゼクスバインに念動共感)
イング「!」
(北側に敵機が浮き出るように現れ、機体にはプラズマがまとわりつくように見える)
リョウト「彼らは……!」
イング「バルシェム……!」
リョウト「どうしてこんな所にいるんだ?」
スペクトラ(あの機体が先行しているとはね。
願ってもない好機……いえ、あの方の
お導きかも知れない)
スペクトラ「各機、イーグレット・イングの機体をろ獲する。
アイン、お前は様子を見た上で先行なさい」
バルシェム(アイン)「了解」
リョウト「イング、君の勘が当たったね。
鋼龍戦隊が来てくれるまで、何とか凌ごう」
イング「わかりました」
スペクトラ「イング……お前はユーゼス様の手掛かりだ。
逃がしはしない」
イング(おそらく、狙いは僕……
誘い出されてしまったのか?)
(作戦目的表示)
(リョウト機に警告シグナル)
リョウト「イング、鋼龍戦隊が来てくれたよ」
(南端にハガネとヒリュウ改が出現)
テツヤ「機動部隊各機、出撃せよ!」
(ヴィレッタ機が出撃、出撃準備)
リオ「リョウト君、イング、大丈夫!?」
リョウト「うん、何とかね」
ヴィレッタ「バルシェムか……!」
スペクトラ(ヴェート……ここであの女との決着を付けてもいい)
ヨン(彼らがチーム・ジェルバを……
アルバーダ少尉やセレーナ少尉を……!)
ラウル「あいつらは……」
ラミア「ゼ・バルマリィ帝国の人造人間、
バルシェムの部隊だ」
コウタ「目的が何なのか、
いまいちはっきりしねえ連中なんだよな」
トウマ「じゃあ、何でこんな所に……!?」
ライ「彼らがモンテ・ディルーポの時のように、
ユーゼスに関わる物を捜索しているのなら……」
ライ「あの男が取り込もうとしたクロスゲートに
異常が起きていることを知り、
調べに来た可能性がある」
リム「でも、ユーゼスは消滅したのに……」
ヴィレッタ「そう、それは紛れもない事実。
しかし、彼らにその確証がないとしたら……」
ヴィレッタ「少しでもあの男の手掛かりを得るために、
先行していたイングを狙ったのかも知れないわね」
リュウセイ「どのみち、俺達が来た以上、
あいつらの好きにはさせねえぜ!」
カイ「その通りだ。各機、攻撃を開始せよ!」
(作戦目的表示)
(ハガネにアラート)
エイタ「アンノウン接近!
3時方向、仰角20より真っ直ぐ!」
(東側に敵機が出現)
キャリコ「深入りし過ぎるな、スペクトラ」
スペクトラ「でも、これはチャンスよ」
キャリコ「成すべきことを忘れるな。
俺が連中を引きつける。お前は退却しろ」
スペクトラ「いえ、クロスゲートが異常反応を
見せている今だからこそ、退けない」
スペクトラ「イーグレット・イングを拉致する機会は
これが最後かも知れないから」
キャリコ「お前が拘っているのは、ヴェートではないのか?」
スペクトラ「……いえ、違うわ」
キャリコ「だとしても、そう長くここに留まるつもりはない。
引き際はこちらで見極めるぞ」
スペクトラ「了解」
リョウト「形と色の違う機体がもう1機……!」
ヴィレッタ「あれも隊長機のようね」
キャリコ「これも因縁か。しばしの間、相手をしてやろう」
(作戦目的表示)
イング「こいつは……!?」
バルシェム「……因子が……」
イング「な……何なんだ、この感じ……!?」
バルシェム(俺は……今、何を……?)
イング(! 収まった……? 今のは、いったい……)
バルシェム(システムの不調だったのか?
だが、与えられた任務は果たしてみせる)
バルシェム「くっ……!」
スペクトラ「退きなさい、アイン。それ以上は無理よ」
バルシェム「……了解」
(バルシェム(アイン)機が撤退)
ヴィレッタ「お前達バルシェムの目的が何であろうと……!」
スペクトラ(私はお前の存在を認めない……!)
イング「お前達がバルシェムだということは、わかっている!
僕を狙う理由は、何なんだ!?」
スペクトラ(心当たりがないとは言わせない……!)
ヴィレッタ「あの指揮官機の動きは、もしや……」
キャリコ(お前には覚えがあるはずだ、ヴェート)
イング「こいつ、他のバルシェムとは違う……!」
キャリコ(お前が本当の意味で選ばれし者なら、俺は……)
スペクトラ機が残っている状態でキャリコ機のHPを19000以下にした
スペクトラ機以外の敵機が残っている状態でキャリコ機のHPを19000以下にした
他に敵機が残っていない状態でキャリコ機のHPを19000以下にした