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引き付け合う者達 ~ 第36話 ~

〈スペクトラ機のHP20%以下〉

スペクトラ「……やってくれるわね」
キャリコ「下がれ、スペクトラ。後詰めは俺がやる」
スペクトラ「……わかったわ」
(スペクトラ機が撤退)

〈キャリコ機のHP19000以下〉

キャリコ「……潮時か」
キャリコ「各機、撤退するぞ」
(キャリコ機以外の敵機が撤退)
キャリコ(さて、クロスゲートに何が起きるか…… それを見極めねばな)
(キャリコ機が撤退)
エイタ「戦域内の敵機反応、全て消失!」
ギント「CGP反応は?」
エイタ「ますます強くなっています!」
ギント「全艦に告げる。 各機収容後、直ちにクロスゲート宙域へ向かう」

[ハガネ 格納庫]

リュウセイ「結局、イングはあいつらに 誘き出されたってことになるのかよ?」
リョウト「そうだとしたら、鋼龍戦隊から もっと離れた所で仕掛けてくると思うけど……」
マイ「イングが感じていた気配は、どんなイメージだった?」
イング「漠然としていて……視線のようなものを感じた」
イルム「その先にはバルシェムが?」
イング「それだけではなかったような気がしたんですが……」
ヴィレッタ「………」
リョウト「何にせよ、彼らも直前まで 僕達に気づいていなかったんじゃないでしょうか」
ヨン「なら、ライディース少尉が予測した通り、 本来の目的はクロスゲートの調査だった……?」
イング(バルシェム達が僕を狙う理由は……)
ヨン(私達がバラルの園の跡地へ行った時、 バルシェム達はチーム・ジェルバと戦闘していた……)
ヨン(あの時、セレーナ少尉達が遂行していた任務は、 極秘事項で詳細がわからない)
ヨン(でも、チーム・ジェルバとバルシェムは 偶然あの場所で接触したとは思えないわ。 今回の件も含めて、何か共通点があるはず……)

[ハガネ 艦隊司令公室]

トーヤ「冗談じゃない、コックピットに爆弾を仕掛けるなんて!  俺達を何だと思っているんです!?」
マイルズ「……これは、統合参謀本部の決定だ」
トーヤ「それで納得できるわけないでしょう!」
マイルズ「いいか、理由は二つある。 まずは、シャナ=ミア皇女殿下が 利敵行為を行った場合への対抗手段」
シャナ=ミア「そして、玉座機がグ=ランドンの手に 渡った場合に備えて……ですね」
マイルズ「ご理解が早くて助かります」
トーヤ「だからって、爆弾で脅すなんて……!」
シャナ=ミア「いえ、そうは思いません」
トーヤ「え?」
シャナ=ミア「本当に非道な場合、 私達に爆薬の存在を告げるとは思えません」
シャナ=ミア「黙って設置した上で、都合が悪くなったら、 即座に起爆させることでしょう」
トーヤ「それは……そうかも知れないけど……」
マイルズ「なお、この件を知っているのは私だけだ。 よって、他言を禁ずる」
マイルズ「カティア・グリニャール、フェステニア・ミューズ、 メルア・メルナ・メイアにも教えてはならん。 いいな?」
トーヤ「他の人に言えば、どうなるんです?  俺をグランティードから降ろしますか?」
マイルズ「隊内での無用な混乱を避けるためなのだがな……」
(通信)
マイルズ「む……ブリッジからか」
(モニターオン)
アヅキ「司令、クロスゲート監視艦隊より緊急入電!  ゾヴォークの機動部隊が艦隊前方に 転移出現したそうです!」
マイルズ「何だと!?  艦長に最大戦速で特別警戒宙域へ 進入しろと伝えろ!」
アヅキ「はっ!」
(通信が切れる)
マイルズ「皇女殿下、お聞きの通りです。 場合によっては、グランティード・ドラコデウスで 出撃していただくことになるでしょう」
シャナ=ミア「前にも言った通り、覚悟は出来ています。 一連の事態を収拾するあなた方に助力致しましょう」
トーヤ「………」
マイルズ「トーヤ・シウン、貴様はどうだ?」
トーヤ「戦って、証を見せろと言うんでしょう。 地球人である証を」
マイルズ「……そうだ」
トーヤ「だけど、俺はフューリー人としても戦います。 父さんから受け継いだ血を否定しないために」
トーヤ「そして、他人に否定させないために……」

《クロスゲート近傍宙域》

(ゼ・バルマリィ艦 ブリッジ)

キャリコ「……これ以上の深入りは望ましくない。 いったん月軌道外へ退き、情況を静観する」
スペクトラ「クロスゲート絡みで混乱している今こそが チャンスではないかしら?」
キャリコ「鋼龍戦隊と不用意に接触し過ぎた。 彼らに俺達の目的を悟られるわけにはいかん」
キャリコ「そして、クロスゲートには慎重に対応せねばならん。 あのような状態ならば、尚更だ」
スペクトラ「だからこそ、手掛かりとしてイングを……」
キャリコ「いや。 以後、手出しは無用……ヴェートに対してもな」
スペクトラ「………」
キャリコ「俺の命令に従え、スペクトラ」
スペクトラ「……わかったわ」
キャリコ「アイン、お前達にも厳命しておくぞ」
アイン「了解」
アイン(イーグレット・イング、か……)


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