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それぞれの思惑

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

マサキ「それ、マジか?」
セニア「大マジ。こっちの人手が足りないのを 見越して、嫌がらせしたのよ」
マサキ「嫌がらせ云々より前に、 あいつ、犯罪者じゃねーのかよ!」
セニア「アンティラス隊へ配属になる事で、 罪状が帳消しになるんだって。 司法取引ね」
マサキ「断れ、そんな話!」
(扉が開く)
シモーヌ「ちょっと、何興奮してんのさ。 外まで声が聞こえたよ」
デメクサ「落ち着いてください」
マサキ「あっと……ちょうどいいや。 みんなに集まってもらって意見聞こうぜ」
セニア「もう手配済み。 みんなここに来るから」
マサキ「相変わらず手回しがいいな」
シモーヌ「何の話なの?」
セニア「今話すと、マサキみたいに 騒動になるから、みんなが集まってからね」
デメクサ「何だか、剣呑な話みたいですね~」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ワグネル「主要メンバーは、全員集まりましたね」
ミオ「ツレインとメフィルがいないよ?」
ワグネル「んー、あの二人はパトロール中ですので、 今回は欠席になります」
ベッキー「で、なんだい?  重大発表らしいけど」
ワグネル「今回の交渉は、セニア主導でしたから、 セニアに説明してもらいます」
セニア「えー、アンティラス隊に 新入操者が参加します」
テュッティ「あら、いい事じゃないですか」
マサキ「問題は、その新入りの名前だ」
テュッティ「名前って……知り合いなの?」
マサキ「ああ、ここにいるみんな、 大体知ってる」
ミオ「ね、誰? 誰?」
セニア「……ガエンよ」
ベッキー「ガエン? ガエンって……
 あっ!? あのガエンかい!?」
セニア「そう。元ヴォルクルス教団の暗殺者で、 あたし達に投降してきた……
 あのガエンよ」
シモーヌ「ちょっと待って!  あいつは犯罪者でしょ!?」
マサキ「はは、俺と同じ事言ってら」
(机を叩く)
シモーヌ「笑い事じゃなくて!」
マサキ「……わりぃ」
ワグネル「んー、もう少し静かにして もらえませんか?  詳しい事をセニアが説明しますから」
シモーヌ「あ……ごめんなさい」
セニア「えっとね、簡単に言うと、ラングラン 政府からの取引なのよ。
 ある魔装機と資金を受け取る代わりに、 ガエンを引き受けろって」
アハマド「ふん……ラングラン政府もサジを投げた 問題児、という事か」
ベッキー「また、無茶苦茶な注文を出してきた もんだね」
セニア「ただ、データを見る限りにおいては、 ガエンの能力値は高いわ。 操者としても、整備者としても」
シモーヌ「問題なのは人格でしょ?」
セニア「精神鑑定でも異常はなし。 やや非協調的ではあるものの、 特に脳内ホルモン異常もなし」
ミオ「あたしはよく知らないんだけど…… そんなに問題児なの?」
ベッキー「忘れたのかい、ミオ。 ガエンっての……あの、カテキスや ウーフの仲間だよ」
ミオ「あっ!?  ティアンさんを殺した……
 ウソでしょ! そんなのが仲間になるワケ ないじゃない!!」
ベッキー「そういう事だね」
デメクサ「あの~、いいですか?」
セニア「どうぞ」
デメクサ「まず、そのガエンさんが入る事による メリット、デメリットを正確に教えて くれませんか?」
セニア「あ、そうね……それじゃ、 感情論は抜きにして、その点だけに絞って 報告するわ。
 まずメリットとしては、戦力の補充ね。 操者、魔装機共に増えるのはありがたいわ。 それに、資金もね」
シモーヌ「金で釣ろうって心根がさもしいんだよ」
セニア「デメリットは、信用できないメンバーを 仲間に入れる事。今の時点で これなんだから、結果は推して知るべし」
デメクサ「それはそうなんですけどねぇ~」
ベッキー「デメクサは会った事ないんだっけ」
デメクサ「ええ。皆さんの意見を無視するつもりは ありませんけど、やはり一度この目で 確かめてみたいですね~、ガエンって人」
アハマド「ふむ……テストしてみるのも 良いかもしれんな」
シモーヌ「あんた達……正気かい!?」
ワグネル「まあまあ。どうも意見が分かれてる みたいですね。では参考までに 票決をとりましょうか。
 反対の方、手を挙げてください」
シモーヌ「決まってるだろ」
ミオ「あたしも、気分良くない」
ベッキー「右に同じ」
マサキ「俺も反対だ」
プレシア「あの、あたしも……」
ワグネル「5人ですか。 それでは賛成の方、挙手を願います」
デメクサ「テストという事でなら」
アハマド「判断はこの目でする」
テュッティ「すぐには決められないけど…… 反対はしないわ。様子見ね。 消極的賛成」
リューネ「…………」
マサキ「リューネ!? お前、賛成なのか?」
リューネ「頭ごなしに反対はしないよ。 積極的に賛成するつもりがないだけ」
セニア「それで、反対なの?  賛成なの?」
リューネ「んー……ごめん。 棄権させて」
セニア「反対5、賛成4、棄権1、と」
ゲンナジー「俺は賛成だぞ」
セニア「あっ! ご、ごめん!  ゲンナジー忘れてた。 これで賛成5か……」
マサキ「ん? 1、2、3…… セニア、お前賛成なのか?」
セニア「うん、決まってるでしょ」
マサキ「何だと?」
セニア「彼の使い道は色々あるのよ。 いざとなれば飼い殺しって手もあるし」
マサキ「……お前、結構えげつないな」
ワグネル「賛成5、反対5、棄権1ですね。 見事に別れましたね」
マサキ「多数決でもするつもりか?」
ワグネル「こんな重大な事を、多数決の様な 乱暴な方法で決めたりしません」
マサキ「なら、結局どうすんだよ?」
ワグネル「マサキ、テュッティ、ミオの 3人で決めてください」
マサキ魔装機神操者で決めろって事か」
ワグネル「はい。アンティラス隊の 最高意思決定機関はあなた方です」
マサキ「代表の意見は?  それにヤンロンはいいのか?」
ワグネル「私は完全に別れた時に裁定するだけです。 強制施行などの、規約に基づいた 行動にしか決定権がありませんしね。
 アンティラス隊の隊規はまだ 細部が決まってませんし、今回は あなた方で決めるのが一番です。
 ヤンロンについては、いない者は 除外するしかありません」
マサキ「連絡は取れねぇのかよ?」
ワグネル「んー、今は無理ですね」
マサキ「ちっ……しょうがねぇな」
テュッティ「でも、ヤンロンなら賛成すると思うわ」
マサキ「……まあ、確かにな。 あいつはその辺ドライだからな」
ミオ「……マサキが決めちゃっていいよ」
マサキ「……個人的には反対だ」
ワグネル「では……」
マサキ「けど、みんなの意見を聞いた以上、 頭ごなしに反対はできねぇ。
 だから、様子を見るだけなら認める。 当分、仮入隊としてな」
テュッティ「いいのね?」
マサキ「ああ、どういうヤツなのかは ちゃんと確かめる必要がある。 ミオ、いいな?」
ミオ「うん。あたしはマサキが決めたんなら 反対しない」
マサキ「何か問題を起こしたら、その時点で クビだがな」
ワグネル「では、ガエンのアンティラス隊 受け入れを、正式に許可します」
マサキ「仮入隊、な」
ミオ「しつこいね」
セニア「それじゃ、治安局法務局に 連絡とっとくね」
マサキ「ツレインとメフィルが戻ってきたら 驚くだろうな」

<No.023:哨戒中のツレインとメフィル

ツレイン「へくしっ!!」
メフィル「風邪引いたの~?」
ツレイン「違うって。空調下げすぎたかな……」
メフィル「うふふ~」
ツレイン「……何だよ、気持ち悪い笑い方すんな」
メフィル「だって~。 久しぶりでしょ、ツレちゃんと二人で お出かけなんて~」
ツレイン「その呼び方はよせっつってんだろ!  それにお出かけじゃない!  哨戒だ、哨戒!」
メフィル「哨戒って言ってもぉ、国内に敵なんて いないでしょ~?」
ツレイン「テロリストがいるだろ!  晨明旅団とか雀奕の細胞とか、 ヴォルクルス教団とか」
メフィル「そんなの、いつどこに出てくるか わかんないし~、あまり気にしなくて いいんじゃない?」
ツレイン「バカ! 任務中なんだ、 気を抜くな!」
メフィル「もう~、ツレちゃんって 心配性の上に真面目すぎるのよね~」
ツレイン「だから、ツレちゃんって……
(レーダー警告が鳴る)
 !? 救難信号!?」
メフィル「え? あ、ホントだ~。 ピゼン生化学研究所から?」
ツレイン改獣が暴走…… 市街地へ向かっている……
 大変だ! 急いで向かうぞ!」
メフィル「うん!」

≪キシュナート湖畔ピゼン生化学研究所≫


それぞれの思惑

〔戦域:ピゼン生化学研究所〕

(東端にレオゲイラとデルギランが出現し、中央にいるドーゼルを見る)
ツレイン「あれか!  でけぇ……何であんなのが 普通に動けるんだ?」
メフィル「質量低減と慣性制御ってすごいのね~」
ツレイン「技術立国エリアル王国の 面目躍如って事か……」
メフィル「へぇ~、ツレちゃん知ってたんだ」
ツレイン「当然だ!  それともう一度言う!  ツレちゃん禁止!」
メフィル「え~?」
ツレイン「お前、デルギランに乗るのは 初めてなんだろ?  あまり無理はするなよ」
メフィル「大丈夫だってば~。 エリスさん、きちんと整備してくれてたし、 変なクセもないんだもの~」
(西側のドーゼルが西へ進む)
ツレイン「!! まずい、街に向かってやがる!」
メフィル「私達で盾になるしか ないわね~」
ツレイン「ああ、急いで回り込むぞ!!」
メフィル「うふふ~」
ツレイン「な、何だよ、急に?」
メフィル「士官学校時代の事~、 思い出しちゃって~」
ツレイン「え? あ、ああ。 デモンネレイス暴走事件の時か」
メフィル「二人だけで戦うのってぇ、 あの時以来だよね~」
ツレイン「確かに、似た様な状況だな。 けど、今回の相手は改獣だ。 気を抜くなよ!」
メフィル「は~い」
(指定エリアを指す。作戦目的表示)

〈3PP〉

(西端にデュラクシールが出現する)

<No.024:ガエンが乗るデュラクシール>

ガエン「……無様だな」
ツレイン「!? お前……ガエンか!?  どうやって……」
メフィル「乗ってるのは……デュラクシール?」
ガエン「先に言っておく。 俺は味方だ」
ツレイン「味方だと!?  バカを言うな!」
ガエン「識別信号を確認しろ。 そして、この徽章もな」
メフィル「識別信号は…… アンティラス隊になってる……」
ツレイン徽章も……本物か!?  何でお前が……」
ガエン「理由などどうでもいい。 事実を受け入れろ。 俺は、お前達の味方だ」
ツレイン「ふざけるな!  何が味方だ!」
メフィル「ツレちゃん、今はそんな事言ってる 場合じゃないよ~。 あの改獣を何とか止めないと……」
ガエン「ふむ、お前の方が冷静だな、メフィル。 任せておけ、きちんと止めてみせる」
メフィル「いいんですかぁ?  それじゃ、お願いします」
ツレイン「メフィル!  何を勝手に……
 ちっ、確かに今はそれどころじゃ ねぇか……
 わかった!  裏切るなよ、ガエン!」
ガエン「そんなつもりはもとよりない」

〈5PP〉

(東端にサイバスターが出現する)
マサキ「よし、間に合った!  改獣を食い止めるぞ!」
(サイバスターが少し西に進む)

〈敵機全滅〉

(経験値入手)

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

マサキ「結局、俺達の意志は 無関係だったって事か?」
ガエン「いや。お前達があくまで拒否するの ならば、俺は元通り、懲役刑に 戻るだけだ」
マサキ「懲役刑ね……ちなみに刑期は どれくらいあるんだ?」
ガエン「累計で348年と3ヶ月だ」
セニア「事実上の終身刑ね」
マサキ「それで、お前は納得するのか?」
ガエン「逆に訊こう。お前が同じ立場なら 納得するか?」
マサキ「そんなもん!
 ……わかるかよ」
ミオ「いやー、絶対納得しないと思うな、 マサキなら」
リューネ「だね」
マサキ「うるせぇ!  俺じゃなくて、問題はこいつの事だ!  こいつがどう思ってるかなんだよ!」
ガエン「納得していない、と言ったら どうする?」
マサキ「……それは、本心か?」
ガエン「それを知る術はなかろう。 表に出た行動以外ではな」
マサキ「まあ、そうだが……」
ガエン「だったら、俺の意見など最初から 無視しておけ」
マサキ「その言い方が気に食わねぇってんだよ!  いちいち人の神経逆なでしやがって!」
ガエン「それはすまない。 そんな事を意識した経験はないのでな」
マサキ「……厄介なヤツだな」
ウェンディ「ところで、どうして彼が デュラクシールに?」
セニア「あー……実はあたしの根回し。
 デュラクシールの部品関係、 ブラックボックスも含めて、 あたしが管理するって事で」
ウェンディ「……裏取引したんですね、セニア様」
セニア「だって……デュラクシールは あたしのよ! これ以上他のヤツらに 好きにさせたくなかったんだもん!」
ウェンディ「まあ、気持ちはわかりますけど…… ガエンの参入に賛成した本音は そこにあったんですね?」
セニア「……うん。 あ、後もう一つ」
ウェンディ「まだ何か理由が?」
セニア「実は、服役中のガエンに整備テスト させたら、面白い発想しててね」
ウェンディ「面白い発想?」
セニアプラーナコンバータパルク回路が あるでしょ。あれにナノカーボンフラーレン蒸着させて……」
ウェンディ「え? でも、そんな事したら 過負荷がかかって、余計に効率が 悪くなるのでは?」
セニア「それがね、意外な事に効率アップしたの。 しかも、1.2倍も!」
ウェンディ「それは……テスラ賞ものの発明ですよ」
セニア「うん、だからね、こっそりパテント とっといた。アンティラス隊名義で」
ウェンディ「セニア様、それは業務上横領では……」
セニア「気付いたの、あたしだけだったから 大丈夫、大丈夫」
ワグネル「……私も聞いているんですが」
セニア「おじさんはわかってくれるでしょ?」
ワグネル「んー……仕方ないですね」
マサキ「何をワケのわからねぇ話してんだよ!」
セニア「えーと、要するに魔装機の整備士や 設計士としてもかなり優秀なワケよ、 ガエンは」
マサキ「セニア、初めっからその辺を承知で、 お前がガエンを引き込んだんだな?」
セニア「あたし一人の意見じゃないわよ。 単に厄介払いしたかったラングラン政府と 利害が一致しただけ」
マサキ「ったく、ものは言い様だな。 わかった、こいつが優秀なのは認める。 もうしばらくテストする事にする。
 それでいいな? テュッティ、ミオ」
テュッティ「そうね…… 機密に触れない様に注意するなら」
ミオ「あたしは条件つける。こいつに GPS付けて。簡単には外せないヤツ。 それができるなら、とりあえずOK」
ワグネル「ガエン、それで構わないかな?」
ガエン「確認する必要はない。 俺は従うだけだ」
セニア「了解。じゃ、後で医務室に行ってね」
ガエン「わかった」
ウェンディ「それで、セニア様。デュラクシールは どうします?」
セニア「一応、しばらくガエンに預ける。 けど、まだ色々問題あるから、改造は やめといた方がいいわね」
ウェンディ「わかりました」
テュッティ「それにしても、頑張ったわね、 ツレイン、メフィル」
ツレイン「ありがとうございます!」
マサキ「そうだな、ご苦労さん」
セニア「お蔭で政府から追加報酬がもらえたわ。 資金に追加しておくから、改造とかに 使ってね」

インフォメーション

50000クレジット 獲得しました

メフィル「それにしても~、デルギランってぇ、 弾薬の消費がハンパないですね~」
セニア「あー、まあ、機体の特性上、ねぇ」
メフィル「装弾数って増やせないんですか~?」
セニア「難しい事さらっと言うわね」
メフィル「収納の仕方とか~、そういうので 何とかなりそうな気がするんですけど~」
マサキ「片付け上手な主婦じゃねぇんだから」
メフィル「片付け上手……あ、もしかすると」
マサキ「ん? どうした?」
メフィル「はい~、何となくぅ、コツが わかっちゃいました~」
マサキ「コツ?」
セニア「装弾数を増やす方法?」
メフィル「はい~」

インフォメーション

メフィルの特殊スキルに
弾薬装填
追加されました

マサキ「へぇ、そりゃ便利だ。 どうやるんだ?」
メフィル「えっとぉ……口じゃ説明しにくいです~」
セニア「ま、そういうのは個人の特技みたいな もんだもんね。説明してできる様には ならないわよ」
マサキ「そっか…… ならしょうがねぇな。
 まあ、デルギランに乗ってんなら、 その特技は有効だろうよ。 上手く使いな」
メフィル「はい~」
テュッティ「それで、暴走の原因は何だったの?」
メフィル「何者かにぃ、改竄された跡が ありました~」
セニア「改竄? エリアル王国製の コンピュータに? そんなの、 あたし以外にできるヤツなんて……
 あっ!  渾沌!?」
メフィル「え~と……聞いた事ある様な 気がしますけど~…… 誰でしたっけ?」
セニア「凄腕のクラッカーよ。 本名は不明。何度も情報局に サイバーテロを仕掛けてきたわ」
ウェンディ「確か……セニア様のライバルとか 聞いた記憶が」
セニア「あんなの、ライバルじゃないわよ!
 ……確かに、何度かしてやられたけどね」
シモーヌ「コンピュータ関係でセニア様を 出し抜いたんですか?  それはまた、凄腕の相手ですね」
セニア「メフィル、こっからデータ検索できる?」
メフィル「あ、はい。できますけど~、 どうせならデュカキスでやった方が 早くないですかぁ?」
セニア「あ、そうね……電算室に行きましょ」

[フリングホルニ 電算室]

セニア「……なるほどね、これか」
メフィル「はい~。改竄跡ですよねぇ、 これって」
セニア「確かにそうなんだけど、 このプログラムって、改獣の基本情動 制御プログラムでしょ?
 こんな基本的なトコにウィルス 仕込めるかなぁ……」
メフィル「じゃあ、このプログラムを組んだ 時から、入ってたと~?」
セニア「ええ、エリアル王国が、最初から 仕組んでいた…… その可能性は否定できないわ」
メフィル「でも、この改竄はぁ、渾沌が やったってぇ、セニア様は 仰ってましたよねぇ?」
セニア「そうよ。つまり、渾沌エリアル王国は、陰で繋がってるかも しれない……あたしはそう思ってる」
メフィル「死の商人と凄腕クラッカーが 手を組んでるんですかぁ?  それは一大事ですよ~」
セニア「詳しい事は、もっと調査してみないと わからないけど……シュテドニアスの 分裂と同じくらい大変な事よね」
メフィル「とにかく、政府にはエリアル王国製の 部品を総チェックする様に、 報告してみます~」
セニア「まあ、多分無理だろうけどね。 数が多すぎるもん。
 それに、それを言い出したら、 このフリングホルニだって、一部は エリアル王国製の部品を使ってるし」
メフィル「そうですねぇ……」
セニア「この改竄跡だけじゃ、 証拠としては弱いわ。 何とかエリアル王国の尻尾を捕まえないと」

[フリングホルニ ブリッジ]

フォルシュ「では、私は任務が完了しましたので 下艦します」
ワグネル「お疲れ様でした。 で、実際のところ評価はどうなんです?」
フォルシュ「具体的な事は教えられませんが、 悪くない、とだけ言っておきます」
ワグネル「それは何よりです」
フォルシュ「ただ、クルーの中に問題児が多いのは 何とかした方がいいですね」
ワグネル「んー、その方が熱気があって いいんじゃないでしょうか?」
フォルシュ「評議長……失礼ですが、 いい加減すぎます」
ワグネル「評議長はやめてくださいよ。 代表と呼んでください」
フォルシュ「……では代表。 くれぐれもしっかり統括してください」
ワグネル「前向きに善処しましょう」
フォルシュ「ふう……余り期待できそうにないですね。 それでは」
ワグネル「はい、さようなら」


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