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迫り来る惨事 ~ 第10話 ~

[修羅城内]

ショウコ「……」
???(フォルカ)「………」
ショウコ「…………」
???(フォルカ)「……………」
ショウコ「………………」
???(フォルカ)「…………………」
ショウコ「んああ~っ、もう我慢できない!  何か喋りなさいよっ!!」
???(フォルカ)「……何を?」
ショウコ「ショウコをさらった理由とか、目的とか!  説明ぐらいしてくれたって、いいんじゃない!?」
???(フォルカ)「………」
ショウコ「いったい、あなたは何者なの!?」
???(フォルカ)「俺は修羅…… 戦うためにこの世界へ来た」
ショウコ「それって…… つまり、地球を侵略しに来たってこと……!?」
???(フォルカ)「侵略……?  それはどういった行為だ?」
ショウコ「たっくさんのUFOで地球を攻撃したり、 隕石爆弾を落としたり、怪獣を送り込んできたり…… 色々よ」
???(フォルカ)「そんなことをして、何の意味がある?」
ショウコ「意味って……。 じゃあ、逆に聞くけど、何のために あなた達は戦ってるの?」
???(フォルカ)「戦いが修羅の全てだ。 戦いのない世界で修羅は生きられん」
ショウコ「何それ?  『マグロは泳ぎ続けていないと死んじゃう』 みたいな感じ?」
???(フォルカ)「マグロ……?」
ショウコ「あ、え~っと……サメだったっけ」
???(フォルカ)「サメとは何だ? この世界の生き物か?」
ショウコ「知らないのに突っ込んだの!?  サメだけに、シャークに触るっ!」
???(フォルカ)「?」
ショウコ(う、うけない……。 っていうか、ホントに知らないの……?)
???(フォルカ)「………」
ショウコ「もういいわよ!  あなたと喋ってると疲れちゃうわ!」
???(フォルカ)「………」
???(フォルカ)「お前の兄の鎧……あれは何だ?」
ショウコ「鎧……?」
???(フォルカ)「そう、赤い鎧だ。 お前の兄は、それを着て赤い修羅神に乗っていた」
ショウコ「赤い……!?  じゃ、じゃあ、あのヒーローって……」
ショウコ「お兄ちゃんだったの!?」
???(フォルカ)「……知らなかったのか」
ショウコ「う、うん。 声は似てるなって、思ってたけど……」
ショウコ「でも、どうしてお兄ちゃんが……?」
???(フォルカ)「あの鎧と修羅神は、 この世界のものなのか?」
ショウコ「そんなの知らないわよ。 それより、あなた……」
ショウコ「さっきから、 『この世界』って言ってるけど……どういうこと?」
???(フォルカ)「俺達はこの世界の住人ではない。 『修羅界』から来た」
ショウコ「修羅界……? 何それ?」
???(フォルカ)「ここではない、別の世界だ」
ショウコ「それって……異次元世界か何か?」
???(フォルカ)「俺も詳しくは知らん。 だが、俺達以外にも別の世界から この地へやってきたものがいる」
???(フォルカ)「連中も俺達と同じく、 この世界を戦いで染め上げる気のようだ」
ショウコ「ちょっと待ってよ!  あなた達もその人達も、あたし達の世界を 何だと思ってんの!?」
???(フォルカ)「わからん。 修羅は修羅の戦いをするだけだ」
ショウコ「わかんないのはこっちよ!  戦う、戦うって……そんな答えばっかじゃない!」
???(フォルカ)「俺は修羅だからな」
ショウコ「じゃあ、友達とお喋りしたり、 美味しい物を食べたり、貯金したりとかしないの?」
???(フォルカ)「お前の言うことは、よくわからん。 それに何の意味がある?」
ショウコ「意味あるとかないとか、 そういう問題じゃないわ!」
ショウコ「人って、 楽しみがあるから生きてけるんだよ?」
???(フォルカ)「楽しみ?  戦いを前にする高揚感とは別物か?」
ショウコ「………」
ショウコ(楽しむことを知らないって…… まさか、ねぇ)
???(フォルカ)「………」
ショウコ「ねえ…… あたしをさらって、どうするつもりなの?」
ショウコ「身代金目当てだったら…… うちはお金ないわよ。お爺ちゃんもお兄ちゃんも 無駄遣いばっかするから」
???(フォルカ)「……『彼の者』がお前という存在を 必要としているらしい。だから、俺に命令が下り…… お前を捕らえ、ここへ連れてきたのだ」
ショウコ「カ、カノモノって……何?」
???(フォルカ)「先程も言った通り…… 修羅界とは違う世界から、この世界へ訪れた者だ」
???(フォルカ)「そして、戦乱の火種を撒いていると聞く」
ショウコ「火種って……何のことなの?」
???(フォルカ)「わからん」
ショウコ「んもう、そればっかじゃない!  あなた、そんなんでいいの?」
???(フォルカ)「俺は……」
ショウコ「修羅だからな、って答えも犬の卒倒!」
???(フォルカ)「?」
ショウコ「ワンパターン、ってことよ!」
???(フォルカ)「………」
ショウコ「戦うこと以外はどうでもいいっての?  そんな生き方、つまんなくない?」
???(フォルカ)「……そうかも知れないな」
(扉が開閉する)
ショウコ「ちょっと! どこ行く気!?」
???(フォルカ)「出陣の時が来た」
ショウコ「じゃあ、最後の質問に答えて。 修羅とか、わからんとか言うのはなしよ」
???(フォルカ)「何だ?」
ショウコ「あたしはショウコ・アズマ。 あなたの名前は?」
フォルカ「フォルカ……。 フォルカ・アルバークだ」

《地球周辺宙域(移動中・クロガネ)》

[クロガネ ブリッジ]

ゼンガー「……レーツェル、ギリアムが来たぞ」
レーツェル「ああ」
ギリアム「……すまないな、レーツェル。 こちらの都合でクロガネを振り回してしまって」
レーツェル「いや。 大連の件を踏まえれば、『髪の毛』より バルトールの方が厄介だ」
ギリアム「ああ……今の所はな。 連邦宇宙軍の動きは?」
レーツェル「月都市やコロニーを襲った バルトールの対応に追われていたが……」
レーツェル「第2波以降の襲撃がないため、 ヘルゲート捜索を行うつもりのようだ」
ギリアム「宇宙も地上と似たような状況か……。 それに、俺の予想より対応が遅れているな」
レーツェル「仕方あるまい。 身内から不意打ちを食らったようなものだからな」
ギリアム「ハガネには 今の内に宇宙へ上がってもらった方が 得策か……」
レーツェル「ああ。 すでにヒリュウ改はムーンクレイドルから出た。 合流させた方がいいだろう」
ギリアム「うむ」
ゼンガー「……いずれにせよ、我々は後手に回ったままか。 この機を敵が利用せんのは、不可能だな」
ギリアム「おそらく、 ヘルゲートで次の準備をしているのだろう」
ゼンガー「次とは?」
ギリアム「それは……行かねばわからん」
ゼンガー「………」
レーツェル「……我々もヘルゲートを捜索する。 それでいいな? ギリアム」
ギリアム「ああ、頼む」

《月周辺宙域(移動中・ヒリュウ改)》

[ヒリュウ改 ブリーフィングルーム]

カチーナ「おい、ヘルゲートの場所は まだわからねえのかよ?」
ラッセル「偵察用UAVやMOSSを 総動員しているそうですが、 これといった情報は……」
タスク「海ン中に落ちた針を 探してるようなもんだからなぁ」
ラッセル「もし、ヘルゲートが ステルスシェードを使っていたら……」
タスク「厳しいね。 確率で言やあ、天和で九蓮宝燈を上がる方が まだマシなんじゃねえの?」
レオナ「だからと言って、 諦めるわけにはいかなくてよ。 クスハ達が捕らえられているのだから」
カチーナ「そうだ、タスク。 てめえもギャンブラーなら、弱音を吐くんじゃねえ」
タスク「……俺はキョウスケ中尉みたいな 穴狙いの勝負師じゃないッスよ」
タスク「周到な準備と策略、 駆け引きと勘と運、度胸に技をプラスして、 相手を騙すのが俺の博打ッスから」
レオナ「要するに、 得意なのはイカサマということね」
タスク「人聞き悪いなぁ、レオナちゃん。 マジシャンと呼んでちょうだいよ」
レオナ「物は言い様ね」
タスク「けどなぁ……もうちょっと効率のいい 探し方がねぇもんかなぁ」
ラッセル「バルトールの動きから ヘルゲートの位置を逆算しようにも、 今はバルトール自体が現れてませんし……」
カチーナ「それよ。 あれだけ極東や宇宙で暴れておいて、 鳴りを潜めてるってのが気に入らねえ」
ラッセル「大連の工場が破壊されたせい……?  それとも、ヘルゲートで迎撃準備を 進めているんでしょうか……?」
レオナ「おそらく、後者……。 でも、次の作戦行動の準備をしているという 可能性もあるわね」
カチーナ「何にせよ、受け身は性に合わねえ。 ピキーンとヘルゲートの場所が 一発でわかるような方法はねえのかよ?」
タスク「ないから、こうして待ってるッス」
カチーナ「てめえも念動力を持ってんなら、 それで何とかしろよ。ピキピキドカーンってな」
タスク「それじゃ、頭が大噴火ッス」
カチーナ「チッ……しょうがねぇな。 タスク、ちょっと付き合え」
タスク「え!?  お、俺にはレオナという恋人が……」
カチーナ「バッキャロー!  そっちの“付き合う”じゃねえ!!」
レオナ「人前で恋人呼ばわりしないで!」
タスク「ダブルでツッコまれたぁ~ん」
カチーナ「あのな、 あたしが言う“付き合う”ってのは……」
(アラート)
レオナ「!」
タスク「敵襲警報!?」
カチーナ「バルトールだったら、 運が向いてきたかも知れねえな!」
カチーナ「行くぜ!  働き蜂をブッ叩いて、巣の存在を吐かせるぞ!!」
タスク「合点承知の介!!」


第10話
迫り来る惨事

〔戦域:暗礁宙域〕

(バルトールが出現)
ユン「バルトール群、レンジ3へ侵入!」
レフィーナ「各砲座、迎撃準備!  オクト小隊は?」
ユン「今、出撃します!」
(オクト小隊が出撃)
カチーナ「ビンゴもビンゴ、大ビンゴだな。 返り討ちにしてやるぜ!」
ユン「バルトール群、依然本艦へ接近中!」
レフィーナ「バルトールから 生体反応は見受けられますか?」
ユン「いえ、今の所は……」
ショーン「ふむ……まだ無人機ですか」
ラッセル「あのバルトールから、 少しでもヘルゲートの手がかりが 入手できればいいんですが……」
カチーナ「ブチのめして、 1匹逃がしゃあ、巣に帰るだろ。 その後を追うんだ」
ショーン「……それは、 容易ではないかも知れませんぞ」
カチーナ「何……!?」
ショーン「ODEシステムによって、 敵の戦闘能力は時間の経過と共に 向上していきます」
ショーン「つまり、時間が経てば経つほど、 データが集まれば集まるほど、 彼らは“賢く”なっていくのです」
タスク「それじゃ、返り討ちどころか…… 俺達、マジヤバ?」
カチーナ「タスク。 怖じ気づいたんなら、あたしが鉄拳で 気合を入れてやろうか?」
タスク「いやいや!  どんなにバルトールが手強くても、 中尉のお仕置きよりはマシッスよ!」
レオナ「そんな軽口が叩けるようなら、 大丈夫ね」
カチーナ「仕掛けるぞ、野郎共!  人形共にあっさり先を読まれるような 攻撃をするんじゃねえぞ!」
ラッセル「は、はいっ!」
(作戦目的表示)

〈敵機1機撃墜〉

カチーナ「まずは1匹!」
タスク「あいつら……あの動きは……?」
カチーナ「どうした、タスク?」
タスク「どっかで 見たような気がするッス」
カチーナ「あたしらの攻撃パターンが もう真似されてるってことか?」
タスク「まあ、 カチーナ中尉のモーションは ある意味わかり易いッスからねえ」
カチーナ「ぬぁんだと!?」
レオナ「……私も気になります。 私達のものとは違いますが、 回避パターンに見覚えがあります」
カチーナ「しゃあねぇな。 オクト1よりドラゴン2へ!」
カチーナ「データリンクで そっちにも奴らのパターンデータが 行ってるはずだ! 調べてくれ!」
ユン「ドラゴン2、了解」
タスク「……ヤな予感がする」
レオナ「ええ。 私の予測が正しければ、あれは……」
ユン「結果が出ました。 特殊戦技教導隊から提出された モーション・パターン……」
ユン「ケースCA、 ファイルB51-L221の 一連データとの適合率、94.3%」
レフィーナ「そのデータの作成者は?」
ユン「……ラミア……ラヴレス少尉です」
レフィーナ「!!」
ユン「多少のアレンジが入っていますが、 バルトールのモーション・パターンは、 ラミア少尉のものである確率が高いです」
カチーナ「な、何だとォ!?」
ショーン「確か…… 彼女は晴海でバルトールに 拉致されたのでしたな?」
ユン「は、はい」
レフィーナ「生体反応がないのなら、 ラミア少尉がバルトールに 乗っているわけではない……」
ショーン「とは言え、 彼女がODEシステムに 取り込まれたのは確実でしょうな」
ラッセル「じゃ、じゃあ、 自分達はラミア少尉と 戦っているのも同然……!?」
ラッセル「しかも、 あのバルトール全てが 少尉の動きを……!」
タスク「か、“賢く”なるってのは、 そういうことかよ……!」
カチーナ「弱音を吐くな!  奴らの動きはラミアのものかも 知れねえが、ラミア本人じゃねえ!」
レオナ「幾らデータが反映されようと、 本人ではない以上、柔軟な対応は 出来ないはず……」
レオナ「そこを突けば、勝機はあるわ」
ラッセル「し、しかし、この状況で そんな戦い方が……! 相手は エース級の能力を持ってるんですよ!」
カチーナ「ちっ…… だらしねえな、ウチの男共はよ!」
カチーナ「あたしは、てめえらを ラミアのコピーごときに負けるように 仕込んだつもりはねえ!」
カチーナ「特訓を思い出せ!  てめえらだって一級品のパイロットだ!」
ラッセル「カチーナ中尉……!」
カチーナ「伊達に 地獄を見てきてねえはずだろうが!」
タスク(……見なくていい地獄も あったけど~)
カチーナ「どうなんだ、ラッセル!?」
ラッセル「や、やります、中尉!  自分には中尉の特訓を耐え忍び……」
ラッセル「もとい!  やりぬいた自信があります!」
カチーナ「その調子だ。 教導隊のようにはいかねえが、 あたしらにはあたしらの戦い方がある!」
カチーナ「そいつを あの人形共に見せてやりな!」
ラッセル「了解っ!!」
タスク「ラッセルがその気なら、 俺も負けちゃあいられねえ!」
レオナ(さすがです、中尉。 乱暴な言葉でしたが、隊の士気は 上がりました)
レオナ(この勢いがあれば、 無機質なコピーデータ相手に 遅れを取ることはないはず……!)

〈初戦闘〉

[タスク]

タスク「あそこまでハッパかけられて やられたんじゃ、カッコつかねえ!」
タスク「中尉の鉄拳制裁と撃墜、 どっちもノーサンキューだからな!」

[レオナ]

レオナ「ラミア少尉本人ならともかく、 コピーに私を落とすことは出来なくてよ!」

[カチーナ]

カチーナ「負けるかよ、人形!  そっちが教導隊仕込みなら、 こっちはオクト小隊だ!」
カチーナ「てめえらのデータにはねえ 叩き上げの超絶実戦テクを 骨の髄まで味わいな!!」

[ラッセル]

ラッセル「確かに、敵の戦闘力は 畏怖すべきものがあるが、ラミア少尉 本人が乗っているわけじゃないんだ!」
ラッセル「中尉の特訓に耐えた自分を 信じて、戦ってみせる!」

〈敵機全滅〉

ユン「敵機の反応、消えました!」
ショーン「……バルトールは 逃げる素振りを見せませんでしたな」
レフィーナ「ええ…… まだ来るでしょうね、これは」
カチーナ「チッ…… あいつら、囮だったのかよ?」
レオナ「生体反応は検出されませんでした。 捨て駒だったのかも知れません」
ラッセル「ですが、 このまま長期戦になれば、バルトールの 能力がさらに上がっていくことに……」
カチーナ「くそっ、これじゃジリ貧だぜ」
(アラート)
ユン「UE27、 レンジ4に熱源反応多数!」
ユン「識別……バルトールです!」
レフィーナ「やはり、来ましたか!  各砲、迎撃用意!」
(バルトールが出現)
タスク「うわぁ~お、 団体さんのお着きだぁ~」
ショーン「……意外に我々は敵の懐へ 近づいているのかも知れませんな」
レフィーナ「………」
ショーン「どうなさいます、艦長?  一時後退し、こちらの戦力を 立て直しますか?」
レフィーナ「いえ、可能な限り迎撃します。 敵の機動から、ヘルゲートの位置を 割り出すことが出来るかも知れませんから」
ショーン「危険な賭けですぞ、それは」
レフィーナ「現状ではベストだと考えます」
ショーン「了解です、艦長。 では、その賭けに乗りましょう」
カチーナ「あたしらが倒れるか、 人形共の巣がわかるか!  こいつぁ張り甲斐のある博打だぜ!」
レオナ「……限られた戦力で、迅速に バルトールを撃破しなければならない」
レオナ「最も運動性が高い機体は、 私のズィーガーリオン…… 前に出て、敵をかく乱しなければ」
(ズィーガーリオンに通信)
スレイ「その必要はないぞ、レオナ」
レオナ「!」
(カリオンが出現)
レオナ「赤いカリオン!」
スレイ「もらったぞ、操り人形!」
【強制戦闘】
スレイ[マルチトレースミサイル(MAPW)]vsバルトール[攻撃不能]
(西側のバルトール群6機が全滅)
レオナ「スレイ……!  スレイ・プレスティなの!?」
スレイ「久しぶりだな、レオナ。 インスペクター事件以来か」
レオナ「あなたは今までどこに……」
カチーナ「スレイとか言ったな。 あたしらの援護をしてくれるのか?」
スレイ「いや……ここは私が引き受ける。 ヒリュウ改は先に進め」
タスク「男前なセリフは嬉しいけどさ、 進めってどこへ?」
スレイ「今、行き先を送る」
(ヒリュウ改に通信)
ユン「艦長、 カリオンからのデータ通信が……」
ユン「これは……!  ヘルゲートの諸元と現在位置の データです!」
レフィーナ「では、それがあれば……」
ユン「はい。 ヘルゲートの位置が特定できます」
タスク「こ、こんなに都合良く 攻略本が手に入るなんて、ラッキー」
レオナ「スレイ…… あなた、この情報をどこで?」
スレイ「私の雇い主だ。 その人間にとって、バルトールの暴走は 不都合なことらしくてな」
ショーン「なるほど。 飼い犬に手を噛まれた、と?」
タスク「じゃあ、 飼い主ってウォン重工業ッスか?」
スレイ「……おしゃべりはここまでだ。 ヒリュウ改はヘルゲートへ向かえ」
ラッセル「しかし、それではあなたが 一人でバルトールと戦うことに なってしまいますが……」
スレイ「私はプロジェクトTDの ナンバーワンのパイロットだ。 操り人形などに遅れはとらない」
レオナ「……よくてよ、スレイ。 ここはあなたに任せるわ」
タスク「いいのかよ、レオナ!?」
レオナ「彼女がやると言った以上、 ここで私達が手助けすることは 屈辱以外の何物でもないわ」
カチーナ「ヘッ、ご大層なプライドだな」
スレイ「理由はそれだけでは ないがな……」
レオナ「スレイ……。 あなた、まさか……アイビスに?」
スレイ「早く行け!  ここは私が引き受けると言ったはずだ!」
レフィーナ「了解しました。 本艦はこれよりヘルゲートを目指します。 よろしいですね、オクト各機?」
カチーナ「おうよ!」
レオナ「スレイ…… こんな所での敗北は許されなくてよ?」
スレイ「当然だ。 お前と……そして、あいつとは 決着をつけなくてはならんからな」
レオナ「覚えておくわ、その言葉。 私は……待っているから」
(ヒリュウ改とオクト小隊が撤退)
スレイ「……待っているか……。 今の私がもらえる言葉ではないな……」
スレイ「だが、私は戦う……!  こんな無様な人形に兄様の夢の邪魔を させてなるか!」

〈初戦闘〉

[スレイ]

スレイ「無様だな……。 目的もなくさまよう私は、 この人形達と変わりはない……」
スレイ「だが、それでも私は飛ぶ!  私の中の誇りが翼を支える限り!」

〈NEXT PP〉

スレイ「中々やる……!  これがODEシステムとやらの 力か……!」
スレイ「だが、私にも 退けない理由と誇りがある!」
(通信)
???(レーツェル)「相変わらずだな、 その気高いまでのプライドは」
スレイ「!」
(クロガネと所属機動兵器が出現)
スレイ「クロガネ……!  エルザム・V・ブランシュタインか!」
レーツェル「今の私は レーツェル・ファインシュメッカーだ。 君の知る男ではない」
スレイ「フ……ならば、私もそうだ。 エルザム・V・ブランシュタインの知る スレイ・プレスティはここにはいない」
スレイ「いるのは、あても無くさまよう 無様な彗星だ」
レーツェル「それでも君を死なせはしない。 我が友のためにもな」
スレイ「………」
ゼンガー「各機、我に続け!  バルトールを叩くぞ!」
ギリアム「了解した」
ラウル「あの……ギリアムさん。 どうして、急にクロガネへ 来られたんです……?」
ギリアム「確かめたいことがあってな。 だが、今は目の前の敵に集中したまえ」
ラウル「は、はい!」
ユウキ「………」
(作戦目的表示)

〈NEXT PP〉

(アラート)
レーツェル「各機、警戒しろ!  新手が来るぞ!」
カーラ「またバルトール!?」
(ヤルダバオトなどが出現)
ラウル「バルトールじゃない!  こないだの『髪の毛』か!」
フォルカ「………」
カーラ「見たことのない奴もいる……!」
(ヒュポクリシスを指す)
???(ラリアー)「………」
ユウキ「またあの手の敵か。 怪力乱神を語りたくはないのだがな」
ギリアム(彼らは何故ここに現れた……!?)
スレイ「あいつらも敵か……!」
レーツェル「以前の状況を見る限り、 おそらくはな」
カーラ「こんな所で三つ巴戦なんて、 やってる場合じゃないってのに!」
ユウキ「待て。 バルトールは奴らに仕掛ける気が なさそうだ」
カーラ「えっ!?」
ギリアム「………」
フォルカ「アリオン、 あの少年の援護を命じられたのは 俺だけのはずだが」
アリオン「ま、そう言うなよ。 こっちの世界に来て、もうだいぶ経つんだ」
アリオン「城に閉じこもりっぱなしじゃ、 身体がまなっちまう。マイハニー・ アガレスちゃんも泣くってもんよ」
フォルカ「………」
アリオン「それに、俺は望む時に 俺が望むことをする……」
アリオン「自由戦士の生き様って奴さ。 わかる?」
フォルカ「……好きにしろ。 その代わり、俺はお前に対して 何の責任も持たん」
アリオン「へいへい。 それでいいよ、それで」
フォルカ「………」
???(ラリアー)「あの……ちゃんと 手伝っていただけるんでしょうか?」
フォルカ「……そういった命令を 受けている以上はな」
???(ラリアー)「頼みます。 僕達は“時の歯車”を 手に入れたいんです……」
フォルカ「そちらの事情は知らん。 俺は俺の戦いをするだけだ」
(西側の暗礁宙域にコンパチブルカイザーが出現)
フォルカ「むっ、奴は!?」
コウタ「見つけたぜ、雷神野郎!」
フォルカ(ショウコの兄……か)
アリオン「あいつが噂の赤い機神か。 実際に見ると、粋だねぇ」
ラウル「コンパチカイザー……!  ファイター・ロアか!」
ギリアム(あれがコンパチカイザー…… ファイター・ロア。 どこかで見たような気が……)
ギリアム(……いや、思い過ごしか)
コウタ「やるじゃねえか、ロア。 ドンピシャで奴らを見つけるなんてよ」
ロア「キサブローの修理のおかげで、 今回はOGセンサーが使えたからな」
コウタ「なら、ショウコの居場所も わかるのか?」
ロア「いや、センサーは万能ではない。 特定の“負の念”……または“邪念”を 感知するためのものだ」
ロア「今回反応したのは『髪の毛』ではなく、 バルトールの方なのかも知れない」
コウタ「だけど、やっと見つけた敵の尻尾だ!  頭まで引っ張り出してやる!」
ロア(今はそれでいい、コウタ。 そして、徐々に知ってくれればいい。 俺達が戦うべき相手と、戦いの意味を……)
ラウル「ロア!  俺達を助けに来てくれたのか!?」
コウタ「そういうわけじゃねえが、 結果的にはそうなるな」
カーラ「うあ~、パチンコカイザーは ともかく、わけわかんないロボットの オンパレードだよ~」
ユウキ「物事をシンプルに捉えろ。 ……俺達の目の前には敵がいる。 それを倒すだけだ」
コウタ「行くぜ、雷神!  耳をかっぽじって、コンパチカイザーの力を とくと見やがれ!!」
ロア「……耳でどうやって見る?」
コウタ「いちいちうるせえんだよ!  そんなことより、あの雷神野郎を 丸刈りにするぞ!!」
(作戦目的表示)

〈vs アリオン〉

[いずれかの味方]

アリオン「さてと……獲物は よりどりみどりってところだな」
アリオン「俺は自由! 俺は風!  この戦場を好きなように 渡らせてもらう!」
アリオン「自由戦士アリオン!  この世界で伝説を作るぜ!!」
アリオン(く~っ、決まったな。 こいつは)

〈vs ???(ラリアー)〉

[ラウル]

???(ラリアー)「あなたから “時の歯車”をいただきます」
ラウル「“時の歯車”……!?  もしかして、それは……」
???(ラリアー)「あの力は、あの方が持つべきもの。 そのために僕は戦います」

[コウタ]

???(ラリアー)「ティスが見つけた 『片翼の鍵』……」
コウタ「片翼の鍵?  こいつ、何を言ってるんだ!?」
ロア(まさか……!  まさか、奴らがショウコをさらった 理由とは……?)

〈vs フォルカ〉

[コウタ以外のいずれかの味方]

フォルカ(機が来るまで修羅達は 待機を命じられてる中、何故兄さんは 俺を出撃させる……?)
フォルカ(俺に、この世界の戦士達の 力量を確かめさせようと言うのか……?)

[コウタ]

コウタ「ここで会ったが百年目!  ショウコの居場所を吐いてもらうぞ!」
フォルカ「妹を思う兄か……。 肉親の情け……この世界には それがあるのか……」

撤退に追い込んだのは
ヤルダバオト ヒュポクリシス


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