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虚ろな魂 ~ 第34話 ~

〈vs エントリヒ・ガイスト〉

[アリエイル(1回目)]

アリエイル「ドゥバン、あなたはその中にいるのですか……?」
???(エントリヒ・ガイスト)「………」
アリエイル「いるのなら、私に応えて下さい!」
???(エントリヒ・ガイスト)「オ、オオ……オレ……ハ……」
アリエイル「!!」
???(エントリヒ・ガイスト)「オオ……オレハ……運命……ヲ……」
アリエイル「ドゥバン! あなたなのですね!?」
???(エントリヒ・ガイスト)「オオオ……オ……」
アリエイル「ドゥバン!」
エクセレン「どうしたの、アリエイルちゃん!?」
アリエイル「今、ドゥバンの声が聞こえました!  やはり、彼はアレスの中にいます!」
アクセル「だが、以前と同じ姿だとは限らん。 お前の言葉を受け入れるかどうかもな」
アリエイル「それを確かめるためにも、アレスを止めるのです!」
(戦闘)
アリエイル「可能性はゼロではない……!」
アクセル(やはり、そういうことか)
アキミ「もしかして、アリエイル少尉は ドゥバンを助ける気なんじゃ……?」
ヒューゴ「……そのようだな」
アキミ「でも、封印戦争の時は 敵だったんですよね……!?」
ラミア「イデアラントは、この世に2人しかいない。 アリエイルはもう同族で争いたくないのだろう」

[アリエイル(2回目)]

アリエイル「ドゥバン、あなたが存在しているからこそ アレスはクロスゲートから帰還し、 私の前に現れたのですね……!?」
???(エントリヒ・ガイスト)「グウ、ウウ……進化……ヲ……」

[アリエイル(3回目)]

???(エントリヒ・ガイスト)「……イ……イデアラン……ト……」
アリエイル「あなたはもうそれに縛られてはならない……!  アレス・ガイストにも……!」
(戦闘。戦闘後エントリヒ・ガイストが揺れプラズマ)
アルフィミィ「アレスの動きが止まりましたの」
アリエイル「ドゥバン!」
(アリエイル機がエントリヒ・ガイストに隣接)
???(エントリヒ・ガイスト)「グウウ、ウ……!」
アリエイル「コックピットの位置は、 以前とそう変わりがないはず!」
???(エントリヒ・ガイスト)「ウウア……ア……アリ……エイル……」
アリエイル「! 私の名を!?」
???(エントリヒ・ガイスト)「オ、オレハ……生キ……ル」
(ハガネにアラート)
エイタ艦直上に空間歪曲現象が発生!  ESウェーブ・パターン、デブデダビデの光輪!」
マイルズ「何だと!?」
(東側に光輪が現れ、スカルナイトが出現)
コウタ「スカルナイトか!」
(東側に敵機が出現)
スカルナイト「あいつの足を止めてくれとったから、 ドンピシャで出て来れたわ」
コウタ「何のことでえ!?」
スカルナイト「今日もおどれに構っとる暇はない。 用があるのは、あいつや」
(エントリヒ・ガイストを指す)
スカルナイト「ほな、バーッといくで!」
(エントリヒ・ガイストとその周りに爆煙、 エントリヒ・ガイストの周りの機体はエントリヒ・ガイストから離される)
アリエイル「くううっ!」
スカルナイト「今や!」
(スカルナイトが高速で移動し、エントリヒ・ガイストに隣接)
アリエイル「あっ!」
スカルナイト「カハハハ、もろたで!」
(スカルナイトの真上に光輪が出現。スカルナイトとエントリヒ・ガイストが吸い込まれ、光輪が消える)
エイタ「スカルナイトとアレス・ガイスト、消失!  索敵範囲内に反応を認めず!」
アリエイル「そ、そんな……!」
ミチル「あのボケ、あんなもんを持って帰って どないする気や!?」
コウタ「知るかよ!」
ロア「もしや、スカルナイトは デブデダビデと同じようなことを……?」
カイ「エレーブ1より各機!  新たに出現した敵を撃破しろ!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

エイタ「戦域内の敵機反応、全て消失!」
ギント「全周警戒を厳となせ。 機動部隊各機は直ちに帰艦。弾薬の補充を急がせろ」

《地球 低軌道上(鋼龍戦隊)》

[ハガネ 格納庫]

エクセレン「やっぱり、アリエイルちゃんの予感が 当たってたわね」
ジョッシュ「ドゥバン・オーグが生きていた……」
アリエイル「はい、彼は私の呼びかけに反応しました。 イデアラントという言葉にも……」
イング「アレス・ガイストの姿が変わっていたのは、 クロスゲートの影響なんでしょうか」
アリエイル「おそらく……アレスにはイェッツトのコアが 組み込まれていますから、それが活性化して 元の姿へ戻ろうとしているのかも知れません」
キョウスケ「かつて、ドゥバンが言っていた進化の果て……か」
アルフィミィ「でも、あの姿は究極には程遠いですの」
イング「進化の途中ということなのか……」
アクセル「もし、完全に復元してもイェッツトは アインストの紛い物に過ぎんがな」
アリエイル「もしかしたら、ドゥバンがアレス・ガイストの暴走を 食い止めているのかもしれません」
エクセレン「そうかもね……」
コウタ「スカ野郎がアレス・ガイストを連れ去ったのは ラマリス絡みと見て間違いねえ。奴らの目論見を 何とかして叩き潰さねえとな」
キョウスケ「そのためには、奴らが集めている物を 横からかすめ取ってやるのが効果的か」
エクセレン「そうねえ。アリエイルちゃんは、 ドゥバンを取り戻したいんでしょ?」
アリエイル「………ええ」
アクセル「だが、助け出してどうする?  アレス・ガイストがああなっている以上、 ドゥバン・オーグも以前のままだとは思えん」
アリエイル「助け出して……その後のことは……」
グラキエース「新たな生き方を示すのか、ドゥバン・オーグに」
アリエイル「え……?」
グラキエース「かつて、ジョッシュが私にしてくれたように」
ジョッシュ「ラキ……」
アリエイル「そう……そうなのかも知れません。 彼の行いは、許されることではないと わかっていますが……」
ヒューゴ「正直、俺は賛成しかねる」
アクア(無理もないわ…… AI1エルデ・ミッテのことがあるもんね……)
アリエイル「ヒューゴ少尉……」
ヒューゴ「だが、奴の気持ちはわかる。 生きたい、存在し続けたいと願った想いはな」
レーツェル「ドゥバン・オーグの行いは罪と呼ぶしか ないかも知れんが……生き続けてこそ、 その償いが出来るという考え方もある」
ゼンガー「然り。 生き恥を甘受せねば、なしえぬこともあろう」
アルフィミィ「生きていれば、いいことがあるかも知れませんの」
アリエイル(私は……彼に新たな道を示す……)

[ハガネ 戦隊司令公室]

ギャスパル「なるほど。概要は理解した」
マイルズ「いかが致しましょうか」
ギャスパル「フューリーの要人が手中にあるというのは、 極めて重要なことだ。おそらく、彼らは 皇女の奪還を目論んでいるだろう」
マイルズ「同感です。 万全の迎撃態勢を布いております」
ギャスパル「それでいい。 現時点では、迂闊に他の場所へ移送するのは危険だ」
マイルズ「では、しばらくの間、 我が戦隊に留めておくのですな」
ギャスパル「うむ。 そして、大統領が最終決断を下す前に 確かめてもらいたいことがある」
ギャスパル「グランティード・ドラコデウスに クロスゲートを封印する力があるという話…… これが真実であるか否かだ」
マイルズ「実際に確かめろと仰るのですね」
ギャスパル「その通り。切り札が切り札たる所以を調べるのだ。 通常航行でクロスゲートへ向かってくれたまえ」
マイルズ「空間転移ではなく?」
ギャスパル「ああ、囮としての役目を継続するためにな」


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