（湖畔にハガネ、友軍機、敵機が出撃済み）
マイルズ「……友軍と合流できたか。
ヒリュウ改の方はどうか？」
テツヤ「依然、ベルリン市街で戦闘中です」
マイルズ「では、あの部隊に援軍の要請を……」
（ハガネにアラート）
エイタ「上空に重力震反応多数！
ＥＳウェーブ・パターン、ゾヴォーク！」
マイルズ「何っ！？」
エイタ「まもなく転移出現！」
（東側にガディソード軍が出現。ギャノニア・オーガを見る。ギャノニア・オーガの目が光る）
エイタ「未登録機、１！ 大型の機動兵器です！」
ギント「あれが本命か」
マイルズ（くっ……私の判断が裏目に出たのか）
（ハガネに通信）
アヅキ「ガディソード機より入電！」
マイルズ「何だと……！？」
ヴォート「ガディソード軍のヴォート・ニコラウスだ。
告げる。その艦に収容されているアリアードと……」
ヴォート「フェアリ・クリビア、ジーク・アルトリート、
サリー・エーミルの身柄を引き渡してもらおう」
ヴォート「この要求が受け入れられぬ場合は
実力を以て奪還する」
マイルズ「アヅキ曹長、つなげ」
アヅキ「了解……どうぞ」
マイルズ「地球連邦軍鋼龍戦隊司令、
マイルズ・ブースロイドだ。そちらの要求物が
当艦内に存在するという確証はあるのか？」
ヴォート「なければ、ここに現れん。返答は如何に？」
マイルズ「即答は出来ん。
然るべき所に伺いを立てる必要がある」
ヴォート「時間稼ぎはさせん。要求不履行とみなす」
マイルズ「ならば、ガディソード人３名の命は保証できん。
アリアードも破壊するぞ」
ヴォート「……構わん。どのみち、３名の脱走者は
処刑されることになる。また、アリアードを
奪還できぬ場合は破壊せよという命令を受けている」
マイルズ（何だと……？）
ヴォート「戦闘は極力避けたい所だったが、
交渉決裂と判断し、攻撃を開始する」
マイルズ「来るぞ！ 迎撃せよ！」
ギント「了解。各砲、対空戦闘用意」
マイルズ（あのヴォートという男……アリアードが
本艦内にあると確信し、奇襲しておきながら
何故、通信を入れてきたのだ？）
ジーク（……また戦闘が始まったみたいだな。
この艦に乗せられてから、連戦に次ぐ連戦じゃねえか。
忙しい連中だぜ、まったく）
（扉が開く）
保安兵「………」
シーク「何だ、あんたら？
やましいことはやってねえぜ」
保安兵「貴官の警備を強化せよという命令が出ました。
しばらくの間、ご辛抱を」
ジーク「妙な話だな。
俺の様子は常に監視しているだろうが。
警備を強化する理由は何だ？」
保安兵「お答え出来ません」
ジーク（もしかして、今、襲ってきている連中は……）
ジンプウ「馬鹿言うんじゃねえ！
まだブースターの取り付けが終わっただけで、
サーボモーターはノーマルのままなんだぞ！」
ミナキ「最悪の場合、動けなくなってしまう……。
それは、あなた達もよくわかっているはず」
アキミ「でも、鋼龍戦隊の機体はほとんど出払っているんだ！
今、あの新顔を止められるのは俺達しかいない！」
エリック「まあ、その通りじゃがの」
クリフォード「敵機の能力は未知数で、お前達の機体は調整不足……
明らかに不利だ。それでも出撃すると言うのなら、
不確定要素を排除すべきだ」
アキミ「不確定要素って……」
アケミ「セイバーブースターを取り外すということですか？」
クリフォード「ああ」
ジンプウ「セッティングをノーマルに戻せば、安定するが……」
アキミ「そんなことをやってる時間があるかよ！
ハガネがやられちまったら、元も子もないぜ！」
ジンプウ「それ以前に、
ソウルセイバーがもつという保証がねえ！」
アキミ「モガミのマイティウォーカーは質実剛健さが売りだろ！
俺は、ジンプウさんが手掛けたソウルセイバーを
信じる！」
アケミ「私も……。
アキミと一緒にヒリュウ改が来るまでの時間を稼ぐわ」
ジンプウ「お前さんまで……」
アキミ「頼むぜ、ジンプウさん！
俺達が、モガミのマイティウォーカーが
ピンチを救うんだ！」
ジンプウ「……わかった。わかったが、時間を稼ぐだけだ。
絶対に無茶をするんじゃねえぞ」
アキミ「ああ！ 行くぜ、アケミ！」
アケミ「ええ！」
（ギャノニア・オーガが湖の西側付近まで来ていて、西端の友軍機を撃破）
ヴォート「……これで粗方片付いた」
エイタ「友軍機の残存数、４！」
マイルズ「う、うぬっ！
こちらから出せる機体はないのか！？」
ヴォート「各機は残存敵機を排除しつつ、ハガネを包囲せよ。
アリアードは私が回収する」
（ギャノニア・オーガがハガネに高速で接近）
エイタ「ゴルフ１、本艦へ急速接近！」
マイルズ「だ、弾幕を張れ！ 近づけさせるな！」
【強制戦闘】
ヴォート[デス・エッジ]ｖｓギント[－－－]
ヴォート『こちらの要求に従わぬのならば……！』
（ギャノニア・オーガがハガネに鎌を振るう）
ヴォート『受けろ！』
（ハガネのダメージ３１００）
（ハガネに爆煙）
テツヤ「くっ！ 損害状況、知らせ！」
エイタ「２番カタパルト・ハッチ前部が
吹き飛ばされました！ ジャッキも大破！
カタパルト、閉鎖不能！」
（ハガネにアラート）
エイタ「ゴルフ１、再度接近！ ０時方向、仰角１！」
テツヤ「正面からか！」
エイタ「もしかして、２番カタパルトから
艦内に突入する気では！？」
マイルズ「だ、弾幕を厚くしろ！ 奴を接近させるな！」
（ハガネに接近し、鎌を構えて接触する直前、何かに驚く）
ヴォート「何っ……！？」
（ハガネの前でスーパーソウルセイバーＦＦがギャノニア・オーガを押し止める）
アキミ「アケミ、サーボモーターの負荷は！？」
アケミ「まだ大丈夫！ やって！！」
（スーパーソウルセイバーＦＦを見る）
アキミ「おう！！」
（スーパーソウルセイバーＦＦの眼が光り、出力が上がる）
ヴォート「ぬうっ！？」
アキミ「うおおおおおお！！」
（スーパーソウルセイバーＦＦがギャノニア・オーガを押し返す）
（ハガネの東側にスーパーソウルセイバーＦＦが出撃し、
ギャノニア・オーガは少し離れた場所にいる）
マイルズ「ソ、ソウルセイバーか！？」
テツヤ「やれるのか、アキミ！？」
アキミ「ぶっつけ本番ですが、何とかしてみせます！
このスーパーソウルセイバーで！」
マイルズ「出撃は許可しておらんぞ！」
アキミ「今更、引っ込むつもりなんてありません！」
ギント「司令、ここは彼らに任せるべきかと」
マイルズ「むう……やむを得んか」
ヴォート（出て来たのは、あの機体だけか）
ジンプウ「いいか、アキミ！
出力を上げ過ぎるとサーボモーターがいかれちまう！
８０……いや、７０％をキープしろ！」
アキミ「了解！」
アケミ「アキミ、ハイパー・ブラスト・ソードは使えないわ。
ツイン・ロング・キャノンも調整できてないから、
命中精度が低い。気をつけて」
アキミ「ああ、それは……」
（スーパーソウルセイバーＦＦに通信）
アキミ「何だ？」
アケミ「アキミ、ガディソード機から通信が！」
ヴォート「……フェアリ、ジーク、サリーはどこにいる？」
アキミ「！」
ヴォート「フェアリ、ジーク、サリーは
お前達の艦に乗っているのか？」
アキミ（こいつ……！）
アケミ「あなたの質問に答えるつもりなんてないわよ！」
アキミ「そうだ！
お前が何を企もうが、俺達が食い止めてやる！」
ヴォート「ならば、こちらも容赦はしない」
エイタ「艦長、ドラゴン２より入電！
ベルリン市街の敵機を撃退し、
こちらへ急行中とのことです！」
ギント「どれぐらいで現戦域へ到達する？」
エイタ「およそ１８０秒後です！」
ギント「スーパーソウルセイバーを援護せよ。
ヒリュウ改が来るまで凌ぐのだ」
（作戦目的表示）
アケミ「アキミ、パワーは向こうの方が上かも知れないわ！
釣られて出力を最大にしないよう気をつけて！」
アキミ「ああ、スーパーソウルセイバーの初陣だ！
意地も根性もフル動員して、あいつを止める！」
ヴォート（お前達の態度でわかった。
フェアリ達はハガネにいるな）
エイタ「ドラゴン２、現戦域内に到達！」
アケミ「アキミ、ヒリュウ改が来てくれたわ！」
アキミ「！」
（北東側にヒリュウ改が出現）
レフィーナ「機動部隊各機は直ちに出撃を！」
（出撃準備）
コウタ「おっ、ソウルセイバーに翼が付いてらあ。
パワーアップ出来たんだな」
アキミ「そうだけど、まだ調整が完全じゃない」
アケミ「だから、フォローをお願いするわ」
コウタ「ああ、任せな！」
ヴォート（……ヒリュウ改が来たか。
こうも早く二重の足止めを打破されるとは）
イルム「あの機体、
ラブルパイラへ行った時は見なかったな」
イング「ええ、該当するデータはありません」
アイビス「両脚の代わりに大型スラスターが付いてる……？」
ツグミ「ええ、どうやら宙間戦闘用の機体みたいね」
カチーナ「鎌なんか持ちやがって……死神のつもりかよ」
リシュウ「おかげで、どのような手を使ってくるか
想像し易いがの」
ヴォート（ゴライクンルから
鋼龍戦隊のデータは提供されているが……
その実力を直に見せてもらおうか）
カイ「エレーブ１より各機！ 攻撃を開始しろ！」
（作戦目的表示）
リュウセイ「危うくハガネをやられる所だったぜ。
アキミ達に感謝しねえとな！」
ヴォート「不意を突かれて押し切られるとは……
俺自身、まだこの機体を扱い切れていないか」
カイ「命令違反ではあるが、
アキミ達の判断に助けられたか……！」
ヴォート「ヒリュウ改が戻ってくるまでに終わらせたかったが、
こうなっては仕方がないか」
ラトゥーニ「ガディソードの新型……
あの加速力で接近戦を仕掛けられたら、危険」
ヴォート「与えられた以上は扱ってみせる……！」
キョウスケ「大推力のスラスターで相手の懐に飛び込む……
アルトと似たコンセプトの機体だな」
ヴォート「鋼龍戦隊……その実力、直に見せてもらおう」
アイビス「加速力やレスポンスは
他のガディソード機より格段に上だね……！
でも、高機動戦闘で負けるものか！」
ヴォート「データによれば、
地球でトップクラスのスピードを持つ機動兵器……
相手にとって不足はない」
ヨン「初めて遭遇する機体……データを取らなければ」
ヴォート「重力下の戦闘でも問題はない。
やはり、ラットマの技術は優れているな」
トーヤ「あいつ、あの大きさで結構速い……！」
ヴォート「共に近接戦闘が本領。
ならば、ギャノニア・オーガが負けることはない」
ヴォート（……彼らが出てくる気配はないな。
リアクションがあるとすれば、次か）
ヴォート（また会おう、鋼龍戦隊）
（ギャノニア・オーガが撤退。敵機が残っていると撤退）
エイタ「敵機、現戦域より後退していきます！」
マイルズ「何とか凌げたか……」
テツヤ「アキミ達が出ていなければ、危ない所でした」
マイルズ「……わかっている。
無断出撃の件は、本艦を救った功績と相殺する」
テツヤ「………」
マイルズ「不服か？」
テツヤ「あ、いえ」
マイルズ「ただし、厳重に注意しておけ」
テツヤ「了解です」
ギント「司令。我々はベルリンへ戻り、ラマリスの浄化確認を
優先すべきかと考えます」
マイルズ「ああ、そうだな。
各機を収容後、通常航行でベルリンへ向かえ」
ジンプウ「やれやれ……どうなることかと思ったが、
無事に戻ってきてくれて良かったぜ」
アキミ「言ったろ、ジンプウさんが手掛けた
ソウルセイバーを信じるってな」
ジンプウ「だが、今の状態で次はねえからな。
すぐにバラして、関節のサーボモーターを
全部取り替える」
アキミ「わかったよ」
アケミ「どのみち、しばらく出撃できなくなるわね……」
（足音）
リュウセイ「見せてもらったぜ、アキミ。
翼が付いて、ますます格好良くなったじゃねえか」
アキミ「ありがとうございます、リュウセイ少尉」
リュウセイ「やっぱ、大型ウィングはパワーアップの王道だよな。
ＳＲＸにもああいう翼が欲しいぜ」
マイ「うん……キャノンも付けたい」
リュウセイ「いいアイデアだけど、Ｒ－２パワードや
Ｒ－ＧＵＮパワードと被っちまうしなあ」
タスク「キャノンと言えば……
ソウルセイバーの背部ブースターは
Ｇコンパチカイザーとその点が似てるよな」
ジンプウ「そりゃまあ、セイバーブースターには
キサブローさんのアイデアも入ってるからよ」
ショウコ「もしかして、Ｇサンダーゲートみたいに
単独で行動できるんですか？」
ジンプウ「将来的にはな。
今は、ソウルセイバーの飛行ユニットとしての
機能調整を優先させてる。だから、単独じゃ飛べねえ」
（足音）
カイ「アキミ、アケミ」
アキミ「はい」
アケミ「もしかして、無断出撃の件ですか？」
カイ「それについては厳重に注意しろと言われているが……
その前に、ヴォート・ニコラウスに関する
事情聴取がある。一緒に来てくれ」
アキミ「わかりました」
ジーク「……ヴォート・ニコラウスはアネクス人で、
俺とサリーの上官だ」
サリー「そして、アネクス正規軍のエースパイロットです」
フェアリ「………」
ギリアム「フェアリ……君は彼と面識があるのか？」
フェアリ「……ええ」
サリー（ここで余計なことは言わない方がいいわね……）
マイルズ「ヴォート・ニコラウスはこちらを奇襲しながらも
通信を入れ、アリアードとお前達の身柄の
引き渡しを要求した」
マイルズ「そのようなことをしなければ、
少なくとも前者は奪還か、破壊できる可能性があった」
カイ「さらに、彼はアキミ達にもお前達の所在を尋ねた」
ジーク「……何て答えたんだ？」
アケミ「返答は拒否したわよ」
ジーク「そうか。
ま、仮にラブルパイラへ連れ帰られても、
ヘルルーガに処刑されるだけだぜ」
マイルズ「ヴォートもそう述べていたが……
一連の会話や行動から判断して、彼はお前達との
接触を目論んでいたように思える」
ジーク「……何が言いたい？」
マイルズ「やはり、お前達は
脱走者を装ったスパイなのではないか？」
サリー「そんな……」
アキミ「そんなことありませんよ！」
アケミ（あっ、馬鹿）
アキミ「サリーとジークはアビアノ基地を襲った
クリスタルドラグーンと戦ってくれたし、ハガネに
乗ってからも怪しいことなんてやってない！」
サリー（アキミ……）
マイルズ「何故、お前が彼らを庇うのだ？」
アキミ「そ、それは……」
ジーク「……つまり、あんたはこう言いたいわけだ。
俺達はこの艦で諜報活動をやっていて、
ヴォート騎長に伝えるつもりだと」
マイルズ「そうだ」
ジーク「行動を制限され、常に監視されてる俺に
そんな真似が出来ると思うのか？」
マイルズ「それでも見知ったことは伝達できるだろうが」
ジーク「だったら、こんな艦じゃなく、
基地の独房にでも閉じ込めるんだな」
サリー「……私達はヘルルーガが隠蔽している真実を
知るために……あの男とゴライクンルの陰謀を
暴くために脱走したんです……」
フェアリ「私も……。全てが明らかになり、
ガディソードと地球の間で真の和平が成立するまで
帰れないことを覚悟の上で……」
フェアリ「でなければ、アリアードの解析に協力しません」
マイルズ「では、処刑命令が出ているにも関わらず、
何故、ヴォート・ニコラウスは
お前達との接触を目論む？」
フェアリ（それは……）
ジーク「自分の手で俺達を処刑するつもりかもな。
そうでもしなきゃ、ヘルルーガに疑われるだろうしよ」
カイ「本来ならば、マルム・クイスードに従うべき
ヴォート・ニコラウスが、ヘルルーガに
付き従っている理由は何だ？」
サリー「……わかりません」
ジーク「俺達は、フェアリが何か知ってるんじゃないかと
思ってたんだが……」
ギリアム「どうなのだ、フェアリ？」
フェアリ「……知っていれば、お話ししています」
カイ「では、聞こう。次にヴォート・ニコラウスが現れ、
ラブルパイラへの帰還を促したら、どうする？」
フェアリ「……彼と戻るつもりはありません」
ジーク「俺もだ。処刑されるとわかっていて、帰る気はねえ」
サリー「私もです」
マイルズ「ならば、質問を変えよう。
お前達はヴォート・ニコラウスと……
ラブルパイラの同胞達と戦えるか？」
ジーク「………」
サリー「………」
フェアリ「それが……ガディソードと地球の戦いを
阻止することにつながるのであれば……」
サリー（フェアリ……）
ジーク（……本気か？）
フェアリ（ヴォートの意志を確かめるには、
それしかないのかも知れない……）
マイルズ「……もういい、この３名を戻したまえ。
くれぐれも監視を怠らぬようにな」
ギリアム「了解です」
（通信）
ギリアム「む……」
カイ「どうした？」
ギリアム「カルヴィナ少尉が意識を取り戻したそうです」
カイ「では、前に話していた件は……」
マイルズ「何のことか？」
ギリアム「司令、場所を変えた上で
ご報告したいことがあります」
ベルゼルートが撃墜された時のサブパイロットは
カティア
テニア
メルア