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光るグランティード 地上ルート ~ 第8話 ~

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 司令部]

レイカー「非戦闘要員の避難状況は?」
オペレーター(色黒の男性)「およそ8割がシェルターへ収容済みですが、 基地外周施設にいた関連業者達の避難が遅れています」
レイカー「人命優先だ、IDチェックは後回しで構わん。 急ぎ近場のシェルターへ収容しろ。 ただし、内部の監視を怠らぬように」
オペレーター(短髪の男性)「司令、ギリアム・イェーガー少佐が 出撃許可を求めています」
レイカー「よし、許可する」
オペレーター(おかっぱの女性)「上空の重力震反応、強まる!  数が増える兆候なし!」
サカエESウェーブ・パターンは識別できたか?」
オペレーター(おかっぱの女性)「いえ、該当データなし!」
サカエ「ならば、ゾヴォークではないのか……!?」


第8話
光るグランティード

〔戦域:伊豆基地〕

(アラート。基地の東側にゲシュペンスト・タイプRVを含む味方機が出撃済み)
オペレーター(色黒の男性)「上空の重力震反応、さらに強まる!  予想転移出現時間まで、あと10秒!」
サカエ「ゾヴォークでないのなら、 初手で決定打を打ってくる可能性が高い。 転移してくる目標は一つだ、仕留めてみせろ!」
オペレーター(色黒の男性)「目標の転移出現まで、あと3秒! 2! 1!」
サカエ「撃ち方始め!」
(基地の東端の海上に爆煙)
サカエ「命中したか!?」
オペレーター(色黒の男性)「今、確認を……」
(基地の東側の味方機に隣接した位置にラフトクランズ・アウルンが出現している)
連邦軍兵(隣接西側)「なっ!?」
連邦軍兵(隣接南側)「い、いつの間に!?」
(ゲシュペンスト・タイプRVがラフトクランズ・アウルンを見る)

<ラフトクランズ・アウルン>

(ラフトクランズ・アウルンが抜刀し、隣接している 量産型ヒュッケバインMk-II3機を剣で薙ぎ払い、全機が爆発)

〔戦域:伊豆基地〕

アル=ヴァン「あれは……出ていないか。ならば……」

<ラフトクランズ・アウルン>

(ラフトクランズ・アウルンの腹部が光り、四方に攻撃する)

〔戦域:伊豆基地〕

(ラフトクランズ・アウルンの攻撃で、格納庫辺りに爆煙、 南と北の量産型ヒュッケバインMk-IIが2機ずつ爆発、 ゲシュペンスト・タイプRVは基地の側に移動していて、攻撃に対してバリアを張る。 爆煙後、ゲシュペンスト・タイプRVが着地)
ギリアム「くっ、フィールド・ジェネレーターと 冷却ユニットが……!」
アル=ヴァン「あの黒い機体…… 自らを盾にして、司令塔を守ったか」
ギリアム「強制排熱に60秒…… キャンセルすれば、ワン・アクションが限界…… それで、奴の気を逸らせるか?」
アル=ヴァン「動けんのか、動かんのか。 いずれにせよ、空間は確保した」
(司令部にアラート)
オペレーター(色黒の男性)「基地上空に重力震反応多数!  何者かが転移してくると思われます!」
サカエ「敵の増援か! 対空兵装は!?」
オペレーター(色黒の男性)「先程の攻撃で全基使用不能!」
サカエ「ぬう、それでは……!」
オペレーター(色黒の男性)「アンノウン多数、まもなく転移出現!」
(ドナ・リュンピーが8機転移出現)
アル=ヴァン「来たか。残存機の相手は任せる」
従士「はっ!」
アル=ヴァン「サイトロン・サイティング……」
(サイトロン・コントロール・システムの共鳴)
アル=ヴァン「反応が2つ……そうか、あれもここに…… 充分に考えられることだった」
アル=ヴァン「だが、私に迷いは許されない。 エ=セルダ様が出て来られたとしても……!」
(ラフトクランズ・アウルンが格納庫に向けて銃を構え砲撃、格納庫に爆煙)

[伊豆基地 地下格納庫]

(爆発によるゆれ)
テニア「きゃあああっ!!」
カティア「テニア!!」
(何かが崩れる)
トーヤ「うわああっ!!」
メルア「くううっ!!」
アケミ「みんな、大丈夫!?」
トーヤ「あ、ああ……何とか」
アキミ「危うくパネルの下敷きになる所だったぜ……」
アケミ「他の子達は!? 無事なの!?」
カルヴィナ「……上の状況は、かなり芳しくないみたいね。 ベルゼルートで出るわ」
トーヤ「えっ、今から……!?」
カルヴィナ「そうよ、このまま穴倉で死ぬ気なんてない。 行くわよ、テニア」
カティア「テニアは……気を失ってる……」
カルヴィナ「!」
メルア「カティアちゃん!」
カティア「か、かばい切れなかった……う、うう……」
アケミ「カティア、しっかりして!」
ロバート「気を失ったか……!」
(爆発、振動)
アキミ「くそっ! ここの天井をぶち抜く気か!?」
カルヴィナ「博士、空いてるパーソナルトルーパーや アーマードモジュールはないの!?」
ロバート「すぐには用意できんよ!」
アキミ「ベルゼルートと……」
トーヤ「………」
アキミ「グランティードは出られないか。 アケミ、ソウルセイバーで出撃するぞ!」
アケミ「ええっ!?」
アキミ「今、出られるのは、みんなを守れるのは 俺達だけだろうが!」
アケミ「でも、ジンプウさんが……!」
アキミ「あの人は今、地上施設にいるはずだ!  アケミ、俺達でやるしかないんだよ!」
アケミ「わ、わかったわ!  みんなは早くシェルターに行って!」
(複数の速い足音・アキミとアケミが走り去る)
カルヴィナ(こんな情況で出撃できないなんて……!)
ロバート「ともかく、テニアとカティアを運び出そう!  手伝ってくれ!」
トーヤ「は、はい」
カルヴィナ「………」
メルア「……あの、カルヴィナさん」
カルヴィナ「何?」
メルア「私がベルゼルートに乗ります」
カルヴィナ「!」
トーヤ「メルア……!」
メルア「カティアちゃんはグランティードを、テニアちゃんは ベルゼルートを動かした……もしかしたら、私にも 同じことが出来るんじゃないかと思うんです」
カルヴィナ「それは……」
メルア「私、知りたいんです。 アシュアリー・クロイツェルが襲われた理由を……」
メルア「だから、ここで死ぬわけにはいかないんです。 カティアちゃんとテニアちゃん、トーヤさん達を 守るためにも」
トーヤ「……!」
カルヴィナ「あたしと一緒に出たら、命の保証は出来ないわよ」
メルア「でも、死ぬつもりはないんですよね?」
カルヴィナ「……いいわ、ついてきなさい」
メルア「はい。 トーヤさん、カティアちゃんとテニアちゃんを お願いします」
(複数の速い足音・カルヴィナとメルアが走り去る)
トーヤ(……俺は……)

〔戦域:伊豆基地〕

(格納庫に爆煙)
アル=ヴァン(エ=セルダ様ならば、あるいはと思ったが…… 出られる情況ではないのか。 後は直接こじ開ける)
ギリアム「ハッチを壊した……下へ侵入する気か?」
ギリアム「初手で基地を破壊しなかったことから、 別の目的があると思っていたが…… もしや、奴の狙いは……」
(ラフトクランズ・アウルンに警告シグナル)
アル=ヴァン「オルゴン・エナジー反応……!  だが、これは」
(ソウルセイバーGGとベルゼルートが格納庫付近に出撃)
アキミ「野郎、ここから先には行かせないぜ!」
メルア(頭の中に情報が…… まるで前から知っていたみたいに…… これがサイトロン・コントロールなのね)
カルヴィナ「どう、メルア?」
メルア「あっ、はい。オルゴン・エクストラクター…… サイトロン・コントロール……リンケージ率……」
メルア「何とかやれそうです。 自分が自分じゃない気もしますけど……」
カルヴィナ「そう。 アンノウン表示されている物は、全て敵だから。 連中の指揮官機は……」
アル=ヴァン「ベルゼルート……!」
カルヴィナ「ッ!?」
メルア「カルヴィナさん?」
(ベルゼルートが高速でラフトクランズ・アウルンに接近する)
アル=ヴァン「!」
カルヴィナ「お前だ! お前がアシュアリー・クロイツェルを!  アリーやみんなを殺した!!」
メルア「えっ!?」
カルヴィナ「あいつは、あの場にいた!  あんた達の両親の仇よ!!」
メルア「!!」
カルヴィナ「あたしは、あいつを絶対に許さない!  必ずこの手で息の根を止めてやる!!」
アキミ「カルヴィナさん!」
カルヴィナ「あんた達は手を出さないで!  あいつはあたしが倒す!!」
アキミ「ちょ、ちょっと!」
アケミ「アキミ、放っておくわけにはいかないわよ!  ベルゼルートにはメルアも乗ってるんだし!」
アキミ「ああ、わかってる!」
ギリアム「強制排熱終了……これで動ける。 ソーンを止めねば……!」
アル=ヴァン(ベルゼルート……出て来たのであれば、 放っておくわけにはいかん)
(作戦目的表示)

〈2PP or 敵機3機撃墜 or ラフトクランズ・アウルンのHP90%以下 or ベルゼルートのHP60%以下〉

[伊豆基地 地下格納庫]

トーヤ「……上の状況は、どうなんです?」
ロバート「ああ、かなりまずいようだ。 迎撃のパーソナルトルーパーが 何機かやられたらしい」
ロバート「鋼龍戦隊もすぐに戻れそうにない。 ベルゼルートとソウルセイバーで どこまで防ぎ切れるか……」
トーヤ「………」
カティア「トーヤ君……私を下ろして……」
トーヤ「! 気がついたのか」
カティア「ええ……お願い、トーヤ君……。 私と一緒に……グランティードで……」
トーヤ「だ、だけど、お前は……」
カティア「もう大丈夫……。 私が乗らないと……グランティードは 動かないもの……」
トーヤ「カティア……」
カティア「真相がわからないまま……死にたくない……。 お父さんやお母さん達が……何をやろうと していたのか……知りたい……」
トーヤ(それは、俺だって……)
カティア「私とグランティードが……あなたを守る……。 だから……みんなを……」
トーヤ「……わかった」
ロバート「待て、無茶だ!」
トーヤ「わかってます。 正直言って、怖い……怖いですよ。 逃げられるものなら、逃げたい」
トーヤ「俺はアキミ達と違って、ロボットに乗りたくて 乗ったわけじゃない。異星人との戦争が起きるような 世の中だけど、高校に通う普通の学生だったんだ」
トーヤ「でも、父さんがグランティードを持ってきた時点で、 いえ、そのもっと前から俺はもう……」
ロバート「トーヤ……」
トーヤ「それを認めたくなかった。 だけど、街やこの基地が襲われて、 アキミ達も出て……」
トーヤ「グランティードを動かしてしまった、動かせる俺が、 この状況で何もしないわけにはいかない」
トーヤ「鋼龍戦隊が戻ってくるまでの時間稼ぎぐらい、 やってみせます」
ロバート「そうか……なら、行くがいい」
トーヤ「止めないんですね」
ロバート「君と似たような経緯でね…… 学生だったが、パーソナルトルーパーに乗って 戦うようになった者が、鋼龍戦隊には何人かいる」
ロバート「みんな、今は納得して、 自分がやるべきことをやってるよ。 君もそうなら、俺は止めない」
ロバート「こういう職業に就いておきながら、 無責任だとは思うけどね」
トーヤ「いえ……」
ロバート「でも、命を粗末にするなよ。 俺の立場としちゃ、調査対象のグランティードが 戻ってこなきゃ困るんでな」
トーヤ「……わかりました、博士。行ってきます。 テニアをお願いします」

〈vs アル=ヴァン〉

[カルヴィナ(1回目)]

カルヴィナ「この時を待ち望んだわよ、灰色のソーン!  逃がしはしない、あたしの手で仕留めてやる!」
アル=ヴァン(ベルゼルートでは、このラフトクランズに敵わぬ……)

[カルヴィナ(2回目)]

カルヴィナ「お前はあたしからアリーや仲間達を奪った!  絶対に! 絶対に許さない!」
アル=ヴァン(出てこなければ良かったものを……)

状況選択

ベルゼルートのHPが30%以下になった
敵機6機以上撃墜した 又は 4PPになった 又は ラフトクランズ・アウルンのHPを80%以下にした


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