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極上の獲物 地上ルート ~ 第7話 ~

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地 内部(食堂)]

アラド「ヒリュウ改、随分と慌ただしく出て行ったなあ」
ゼオラ「ええ、また試験航海なんてね」
ヒューゴ「この状況下で鋼龍戦隊鋼龍戦隊の主力をほぼ全て ヒリュウ改に乗せて行ったのは、不可解だな」
アクア「もしかして、試験航海ってのは表向きで 実際には極秘の作戦だったりするのかしら……」
ヒューゴ「そうかもな」
コウタ「そんなんで残ったハガネは大丈夫なのかよ」
アクア「多分、私達教導隊が戦力の穴埋めを することになるんじゃない?」
(扉が開く)
ラミア「みんな、注目してくれ」
ラミア「アリエイル・オーグ少尉はATXチームの所属だが、 地球へ降下したと思われるアレス・ガイストに 対応するため、伊豆に残った」
ラミア「よって、ヒリュウ改が帰還するまで 少尉は特殊戦技教導隊へ一時編入される。 なお、コールサインはエレーブ7だ」
アリエイル「皆さん、よろしくお願いします」
ゼオラ「こちらこそ」
ラミア「それと、特殊戦技教導隊は鋼龍戦隊へ 一時編入されることになった。母艦はハガネだ」
アクア「やっぱり」
ラミア「各員は本日1600までに機体をハガネに搬入。 1800までに自分の荷物も運び込み、 手続きを終えるように」
ラトゥーニ「わかりました」
ヒューゴ「1600か。時間の余裕はあまりないな」
アクア「すぐに取り掛かった方がいいわね」
コウタ「よう、俺とショウコはどうなるんでえ?」
ラミア「カイ少佐はクリスタルドラグーンの件を踏まえ、 キサブロー・アズマ博士に相談すると言っていた」
コウタ「なら、俺達もハガネに乗り込むことになりそうだな」
ラミア「他に質問は?」
ゼオラ「ソウルセイバーの評価試験は延期ですか?」
ラミア「少なくとも、ヒリュウ改が戻ってくるまでの間は そうなるだろうな」
コウタ(それ、アキミが聞いたら落ち込むだろうな……)

[伊豆基地 内部(通路)]

アキミ「ええっ、ホントかよ!?」
ジンプウ「ああ、お前さん達は家に帰れ」
アキミ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
ジンプウ「ここはいつまた戦場になるかわからん。 いや、もう最前線になっちまってるかも知れねえ。 大怪我をする前に帰るんだ」
アキミ「だけど、ジンプウさんは残るんだろ!?」
ジンプウ「ああ、俺は別の仕事があるからよ」
アキミ「別の仕事って、何だよ!? 教えてくれよ!」
ジンプウ「そいつは……言えねえ」
アキミ「親父か!? 親父に口止めされてんだな!?」
ジンプウ(そういうわけじゃねえんだが……困ったな)
アケミ「アキミ、そこまでよ。 ジンプウさんの言う通り、家に帰りましょ」
アキミ「お前はそれでいいのかよ!?」
アケミ「いいも悪いも…… 今、私達がこの基地でやれることはないわ。 仕事は終わったのよ」
アキミ「待てよ、俺は……!」
(警報)
アキミ「何だ!?」
アケミ「警報!?」

[伊豆基地 格納庫]

トーヤ「今のって……!」
カルヴィナ「敵が現れたようね」
ギリアム「ワン博士、 グランティードの調査は一時中止しましょう」
エリック「ん、わかったの」
カルヴィナ「……もし、敵の中に灰色のソーンがいたら、 あたしは出る」
ギリアム「ベルゼルートの出撃は許可できない。 無論、グランティードもな」
トーヤ「言われなくても、 あれに乗るつもりなんてありませんよ」
カルヴィナ「この坊やと違って、あたしには戦う理由があるわ。 灰色のソーンに仲間達を殺されたからね」
ギリアム「ベルゼルートは、 グランティードの謎を解くための重要な糸口だ。 今、ここで失うわけにはいかない」
カルヴィナ「落とされるつもりなんて、毛頭ないわ」
ギリアム「そういう問題ではない。今は自重してもらおう。 これは命令だ、カルヴィナ少尉」
カルヴィナ「………」

[伊豆基地 司令室]

オペレーター「東京、千葉、横浜に転移出現した物体群は、 ゾヴォークの機動兵器と判明!」
サカエ「軍事拠点ではなく、繁華街を襲撃するとは……」
レイカー「鋼龍戦隊のギント支隊はスクランブル発進、東京へ。 千葉には百里、横浜には横田のAM部隊を向かわせろ」
サカエ「了解。東京にはギント支隊、千葉には百里、 横浜には横田のAM部隊を急行させます」


第7話
極上の獲物

〔戦域:東京市街地〕

(南側に敵機がいて、中央の広範囲に爆煙)
ジュア=ム「……そこまでにしておけ。弾丸を無駄に使うな」
従士「はっ」
ジュア=ム(アル=ヴァン様の命令がなければ、 この地区のみならず、都市にすむ連中を 皆越しにしてやったものを……)
従士「ジュア=ム様、戦艦らしき物体が高速接近中です」
ジュア=ム「ふん、来たか」
(北端にハガネが出現)
ギント「アヅキ曹長、民間人の避難状況は?」
アヅキ「警察からの報告では、およそレベル7です」
ギント「思っていた以上に避難が進んでいるな」
テツヤ「敵がさほど市街地を攻撃していないせいだと 思われます。それがもし、弾薬を節約するためならば、 敵の目的は陽動ではないでしょうか」
ギント「いい読みだが、この情況を看過するわけにはいかん。 機動部隊を出せ」
テツヤ「了解。機動部隊を出撃させます」
(出撃準備)
アクア「敵の中に初めて見る機体がいるわね」
アリエイル「これまでのゾヴォーク機と比べて、 毛色が違うようです」
ヒューゴ「1機しかいない奴は、指揮官機か?」
ジュア=ム「フッ、鋼龍戦隊のハガネか。極上の獲物が掛かった。 各機、手はず通りにな」
従士「はっ!」
カイ「エレーブ1より各機。まだ民間人が避難中だ。 敵機を迂闊に攻撃し、爆発させるな。行動不能にしろ」
アラド「でも、それで敵を逃がしてしまったら……」
カイ「その場合は仕方がない。民間人の避難が終わるまで、 街への被害を最小限に抑えろ。いいな?」
アラド「了解!」
カイ「よし……各機、散開!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

テツヤ「敵が動かない……やはり、これは」
ギント「ああ、我々は誘き出されたな。 可及的速やかに現戦域の敵機を排除せよ」
ギント(私と副長の勘が当たっていれば、 おそらく本命は……)

〈初戦闘〉

[アリエイル]

アリエイル(身体の調子は眠る前よりいい……)
アリエイル(ステージ2へ進行しつつあると言っても、 コールド・スリープで体性神経系の機能を 休眠させたことが功を奏したようね)

〈vs ジュア=ム〉

[カイ]

カイ「ゾヴォークの新型……出来れば、ろ獲したい所だな」
ジュア=ム(奴が指揮官機か。仕留めれば、いい手柄になるぜ!)

[アリエイル]

アリエイル「やはり、彼らの目的は 私達のような戦力を誘き寄せること……?」
ジュア=ム(もうしばらく付き合ってもらうぜ、鋼龍戦隊)

[コウタ]

コウタ「ここからどこにも行かせやしねえ!  ふん縛って、何を企んでるか吐かせてやらあ!」
ジュア=ム(与えられた役目は既に果たしているが、 相手になってやるぜ!)

〈ヴォルレント以外の敵機撤退 or ヴォルレントのHP2000以下〉

ジュア=ム「ふん、いい気になるなよ。こちらは敢えて ここまで相手をしてやったんだからな」
(ヴォルレントが撤退、残った敵機が撤退)
エイタ「敵機、現戦域から急速離脱! 北北東方面へ!」
コウタ「浅草の方角じゃねえか!  行かせるかってんでえ、べらぼうめ!!」
ショウコ「追うつもりなの、お兄ちゃん!?」
カイ「駄目だ、単独行動は許可できん。 お前はダークブレインの残党に狙われている。 迂闊な真似をすれば、戦火が広がりかねん」
コウタ「う……!」
ギント「千葉と横浜の情況報告を……」
(ハガネにアラート)
アヅキ「伊豆基地より入電!  直上に重力震反応、何者かが転移出現する模様!」
テツヤ「!」
ギント「……読みが当たったか」


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