back 『ハッカー対クラッカー』へ 『エラン再び』へ 『汚名返上』へ     index     next


エランの目的

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ヤンロン「それは確かなんだな?」
ベッキー「ああ、間違いないよ。 ほら、この通り、データも出てる」
シモーヌ「謎の空洞ねぇ…… 昨日はそんなの、なかったんだろ?」
ウェンディ「なかった、のではなく、 見つからなかった、というのが正しいわ。 すごく特殊な結界が張ってあったの」
ライコウ「……色々調べてみたが、 ここに空洞があるなど、今まで誰も 知らなかった」
マサキ「エランの野郎はこの事を言ってたのか?」
ミオ「地下の空洞…… 何だかすごく嫌な予感がする。 ねぇ、調査なんてやめよう?」
マサキ「はあ? いきなり何言って……
 あ……」
ミオ「……怖いのよ、あたし」
マサキ「……すまん。 そうか、ティアンが……」
ガエン「くだらん。そんな感傷などムダだ」
マサキ「お前は黙ってろ!」
ガエン「いや、言わせてもらう。
 状況を見る限り、この空洞が ラスフィトートあるいはヴォルクルスの 神殿である可能性は高い。
 それを調査するのは、アンティラス隊の 設立目的、ラ・ギアスの危機に立ち向かう 事に直接繋がる」
マサキ「くっ……お前は……」
ガエン「反論できるならしてみろ」
マサキ「…………」
ワグネル「ガエンの言う事にも一理あります。
 ですが、隊員の精神状態を考慮すれば、 今回の任務は、ミオには不適当だと 私は判断します。
 ですので、ミオを除いた他のメンバーで 地下の調査に当たる事とします」
ガエン「……そうか。 それなら文句はない」
ミオ「あ、あの……あたし……」
ワグネル「無理はしなくていいですよ」
ミオ「は、はい……」
テュッティ「調査するといっても、この前みたいな 罠がある可能性も考えないと。 中に入る前に事前調査が必要ね」
ウェンディ「それは私達で調べてみるわ。 しばらく待ってて」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ウェンディ「えーと、調査の結果なんですけど…… その、何というか……」
マサキ「ウェンディにしちゃ、歯切れが悪いな。 何かあったのか?」
ウェンディ「ううん、逆なの。わからない事だらけ」
マサキ「ウェンディとセニア、二人がかりでもか」
セニア「かなり強力な結界なのよ。 いくら一部が弱まっているっていったって、 そこから内部までのサーチは無理」
ウェンディ「無人探査機も使ってみたけど、 結界に跳ね返されるの」
セニアプラーナがないと通れない結界なのよね」
ウェンディ「念のため、無人機に疑似プラーナを まとわせてみたけど、ダメだったわ」
マサキ「……結局、直接乗り込んで調べるしか 手がねぇって事か」
ウェンディ「残念ながら……」
ベッキー「結界の穴のサイズは、魔装機が 通れるんだろ?」
ウェンディ「ええ、さすがにフリングホルニは 無理だけど」
ベッキー「じゃあ、みんなで魔装機で乗り込むのが 一番じゃないかい?」
ヤンロン「そうだな…… 分散するのは危険だ」
テュッティ「ええ……以前のカテキスみたいな ケースも考えられるものね」
ワグネル「やはりそこに結論は落ち着きますね。 ミオを除いた全操者で、地下を 直接調査してください」
ミオ「みんな……ごめんね」
マサキ「謝る必要はねぇよ。 第一今お前はプラーナが不安定なんだ。 行っても役には立たねぇだろ」
ミオ「うん……そうだね。 そう言ってもらった方が気が楽かな」
ウェンディ「あ、マサキ。サイバスターには 私も乗せて」
マサキ「え? ああ、その方が調査には 都合がいいか。準備に時間は 掛かりそうか?」
ウェンディ「ううん。後部にサブシートを付けて、 端末を繋げばいいだけだから」
マサキ「そっか、じゃ、すぐだな」
ワグネル「では、お願いします」

[洞窟内]

ベッキー「……確かにこの前の洞窟と そっくりだね」
テュッティ「ええ、感じる気配も……同じ」
マサキ「そう……なのか?」
テュッティ「あら、マサキは感じないの?」
ヤンロン「感覚が鈍ってるんじゃないのか?」
マサキ「う、うるせぇな。ウェンディが 一緒だから、集中できねぇんだよ」
ウェンディ「えっ? あ……ごめんなさい」
マサキ「い、いや!  ウェンディが悪いんじゃねぇよ!
 まずいな……余計意識しちまう」
ウェンディ「え? 何か言った?」
マサキ「き、気にすんな!  調査の方に集中してくれ」
ウェンディ「わかったわ」
テュッティ「あったわ、結界のほころび。 ここから中に入れそうね」
ガエン「いや、待て」
ヤンロン「どうした、ガエン」
ガエン「まだ結界には触れるな。 このやり口は……記憶にある」
シモーヌ「というと……ヴォルクルス教団の?」
ガエン「ああ、間違いない。 結界に触れると発動するトラップだ」
セニア「解除方法は?」
ガエン「解咒の咒文がある。 待ってろ、すぐに終わる。
 ……完了だ」
マサキ「よし、行くぞ」
テュッティ「待って! 今何か……」
マサキ「? 何か反応があったか?  記録にはねぇぞ」
ヤンロン「いや、僕も感じた。 センサーでは感じ取れない何かだ。 向こうの方だったな」
テュッティ「調べに行きましょう、ヤンロン」
ヤンロン「ああ、そうだな」
ガエン「俺も付いていこう。 罠の可能性もある」
マサキ「じゃ、残りのメンバーは結界の先に進む。 用心しろよ」

[洞窟内]

マサキ「ん?  あれは……門か?」
ウェンディ「マサキ! あれ!! あの残骸……」

<No.035:ゼルヴォイドの残骸

マサキ「っ!? ゼルヴォイド……?  エランがいたのか!?」
ウェンディ「ううん、違う……どう見てもかなり 古いものよ。10年どころか、 100年以上経ってるかも」
デメクサリーディングで調べてみます」
セニア「あたし、炭素同位測定やってみる」
マサキ「どういう事だ、これは?」
ウェンディ「わからないけど……あのゼルヴォイドは かなり昔から存在するものだったのは 確かみたい……」
デメクサ「ああ、これは戦って敗れた無念の 思いですね……薄れ具合から、 7、800年は経ってます」
セニア「こっちのは、炭素同位測定で 1000年。プラスマイナス50年って トコね」
マサキ「1000年前だと……?」
ウェンディ「それじゃあやっぱり…… 姉さんがこれを見て……?」
マサキ「そんな事は気にすんな!  問題は、この先に何があるか、だ」
リューネ「うん。エランはこの事を知っていた。 それに、見せたかったのは多分、この門の 先にある光景……」
セニア「謎は残るけど、まずは先に進むべきね」
マサキ「そうだな。 門は開きそうか?」
デメクサ「ええ、特に結界も施してありません。 押せば開きますよ」
マサキ「……よし、入るぞ」


エランの目的

〔戦域:ラスフィトート神殿〕

(南東端にガッデス、グランヴェール、ザムジード、ソルガディ以外の味方機が出現する)
マサキ「こいつは……ラスフィトートとやらの 神殿に似てるな」
ウェンディ「ええ……ヴォルクルスの神殿とは 少し違う……」
セニア「ここにも古代文字か…… これだけサンプルがあっても 解読できないなんてね」
マサキ「ったく……ヴォルクルスといい、 ラスフィトートといい、ろくな神さんが いねぇんだな」
????「そんな簡単に割り切れるなら、 誰も苦労しないよ」
マサキ「!? この声は……」
(中央にゼルヴォイドが出現する)
エラン「善悪二元論で全てが解決すると 思ってるなら、おめでたいなと 言ってるんだよ、マサキ」
マサキ「エラン!!  どういう意味だ!?」
エラン「やっぱりね。自分が戦おうとしてる 相手の事も知らないんだな、君は。
 ラスフィトートは、調和神なのさ。 簡単に言うと、平和の神だよ」
マサキ「平和だと?  ティアンを殺しておいてか!?」
エラン「それは、ラスフィトートの復活を 阻止しようとして死んだだけで、 ラスフィトートのせいじゃない。
 何か勘違いしてないか?」
マサキ「てめぇ……」
ベッキー「バカにすんじゃないよ!」
マサキ「!? ベッキー……」
ベッキー「ティアンはね、ここでやらなきゃ いけないと感じたから、やったんだ。 魔装機操者としてね!」
エラン「ああ、ベッキー……だったっけ?  君もわかってないな。
 言っておくけど、僕はティアンを バカにしてるワケでも、ラスフィトートを 弁護してるワケでもないんだよ」
ベッキー「……じゃあ、さっきの言い草はなんだい」
エラン「物わかりの悪い君達に、懇切丁寧に 教えてあげてるんだよ。
 ラスフィトートがどういう存在なのか、 君達は知りもせずに戦うつもり だったのかい?」
マサキ「てめぇは知ってるのかよ?」
エラン「少なくとも君達よりはね。 僕は……いや、僕の一族は、 ラスフィトートの天敵なんだから」
セニア「天敵って……あんたもしかして、 ラスフィトートと戦った事があるの?」
エラン「当然だろ。もっとも、相手は分身 だったけどね。封印程度なら、今の僕には 造作もない事さ。
 ただし、剣神ランドールがやったみたいな 長期封印は、さすがの僕でも……」
????「そこまでにしてもらおうか、エラン」
エラン「ああ、やっと来たね」
(北西端にヂーヱンが出現する)
カテキス「ちっ、予測済みって顔してるな」
エラン「当然だろ。 それで、準備は終わったのかい?」
カテキス「さあな、お前に教えてやる つもりはないよ」
エラン「なるほど、終わったんだ。 それじゃ、僕の役目はここまでかな。
 マサキ、最後に一つだけ忠告しておくよ。 最後に信じられるのは自分自身だけだ。 それを忘れない様に」
(ゼルヴォイドが撤退する)
マサキ「あっ!?  おい、待て!
 ……あいつ、一体何を……」
カテキス「ほほう、逃げ出すとは殊勝なヤツだ。 さあ、それじゃ僕の相手をしてもらう!」
(ヂーヱンの下に魔法陣が出現し、敵機が出現。作戦目的表示)

〈vs カテキス〉

[ゲンナジー]

ゲンナジー「貴様は……この手で倒す!」

[ベッキー]

ベッキー「あんたには恨み辛みがあるけど…… そんなもん抜きでも、倒すべき相手にゃ 間違いないねっ!」
カテキス「ははっ、口だけは一人前だな!  できるものかよっ!」

カテキスに攻撃を当てたのは
ギド ゲンナジー シモーヌ セニア ツレイン デメクサ プレシア ベッキー マサキ メフィル リューネ


back 『ハッカー対クラッカー』へ 『エラン再び』へ 『汚名返上』へ     index     next