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住古来今、これを宙と謂う、四方上下これを宇と謂う

[フリングホルニ 格納庫]

リューネ「それじゃ、あたしはマサキ達を連れて、 ソラティス神殿に行くから」
ベッキー「ああ、気を付けて行くんだよ」
リューネ「そっちもね。 魔装機神がいないんだから、 無理はしちゃダメだよ」
ベッキー「わかってるって」
リューネ「じゃ、また後で」

[フリングホルニ ブリッジ]

シャリアン「航路順調。現在高度10ゼクゴーツ
ホーリー「艦内気圧正常、エーテル推進、 出力変化なし」
ブラッドロイ「さすが、俺の艦だ。 ぶっつけ本番で成層圏に出ても びくともせん」
シャリアン「……いい加減、その、 『俺の艦』って、やめてください」
ブラッドロイ「呼び方ぐらい、自由にさせてくれ、 シャーリー」
シャリアン「わかった、わかったから、 今後一切その呼び名で私を呼ぶな!」
ブラッドロイ「へいへい」
シモーヌ「前から気になってたんだけど、 シャーリーって何?」
ブラッドロイ「ああ、それはな……」
シャリアン「艦長! 作戦中です。 私語は慎んでください」
ブラッドロイ「ちぇっ」

<No.040:ラ・ギアスの成層圏

ギド「なかなか面白い眺めだな、これは」
ツレイン「あれ? ギドさんは、成層圏に出た事が なかったんですか?」
ギド「ああ、訓練はサボっていたからな」
ツレイン「ダメですよ、訓練はしっかりしないと」
ギド「そうだな、この景色を見逃していたのは 失敗だった」
ツレイン「でしょう?」
ギド「地上で、成層圏から眺めた景色とは 地平線の位置が違うな…… なるほど、これが球状内部の見え方か」
ツレイン「地上は違うんですか?」
ギド「ああ、地平線が丸く見える」
ツレイン「へぇ……それはそれで、 見てみたいですね」
ギド「ところで、ここから更に上空に行くと どうなるんだ?」
ツレイン「行けませんよ」
ギド「行けない? 宇宙はないのか?」
ツレイン「ここも宇宙といえば宇宙ですが…… 高度5000ゼクゴーツ辺りに、 強力な結界があるんです」
ギド「成層圏よりかなり上だな……」
ツレイン「ええ」
ギド「その結界、誰が張ったんだ?」
ツレイン「さあ……有史以来、ずっとあるものだと 聞いてますけど」
ギド「まあ、確かにこの世界では結界は 珍しいものではないが…… 自然にできるものでもあるまい?」
ツレイン「えーと……僕はそういうのには 詳しくないので……」
ワグネル「それに関しては諸説ありましてね。 説明すると時間がかかりますので、 また今度にしましょう。
 それより、作戦の概要を 説明してください、ギド」
ギド「ああ、そうだった。 作戦目的は高々度飛空船の護衛だ」
ベッキー「ちょっと待った。高々度飛空船って なんだい? 聞いた事ある気がするけど」
ギド「私も資料でしか知らんが、この世界での 人工衛星の様なもの、と思って もらえればいい。
 高度は人工衛星よりも低いが、 常に成層圏を飛び、各種観測データや GPS信号の発信などを行っている。
 成層圏は条約により、どこの国にも属さない 公海扱いされており、飛空船も同様に 全ての国にデータを提供している」
ベッキー「人工衛星はないのかい?」
ギド「この世界の状態を考えてみろ。 放物線を描いて軌道上を飛べる物体は 存在しない」
ベッキー「あー……ボールの裏側だっけ。 なるほど、そりゃ無理だわ」
ギド「テロリストは、この飛空船を破壊する 事で、混乱を起こそうとしている。 それを阻止するのが任務だ」
ベッキー「ああ、わかりやすい説明、ありがとさん」
シャリアン「そろそろ、目的の場所だ。 総員……」
ブラッドロイ「待て待て、それは俺のセリフだ。 総員戦闘配置!」


往古来今(おうこらいこん)、これを(そら)()う、
四方上下(しほうじょうげ)これを()()

〔戦域:成層圏〕

(東端にフリングホルニが出現し、西側にいる飛空船を見る)
ギド「これが高々度飛空船か」
ベッキー「こいつを護ればいいんだね?」
シャリアン「ああ。だが、注意しろ。 この辺りは強い対流があるから、 飛空船は流される。
 今は……西から東へ吹いているから、 それを考慮しておけ」
シモーヌ「考慮って、実際にはどうすればいいの?」
シャリアン「移動させたくなければ、行く手を 塞ぐ事だ。そうすれば飛空船は 移動しない」
シモーヌ「じゃ、移動させたい場合は、 道を空けてやればいいワケだ」
シャリアン「それはそうだが、敵が道を塞いでしまう 場合もある。その場合は敵を排除 しないと、飛空船は動かない。
 飛空船を護り通すか、この作戦空域から 脱出させれば、作戦完了になる」
ベッキー「破壊されたら終わりって事だね?  結構シビアだね」
ワグネル「敵が接近してきました。 アンティラス隊の強制執行を許可します」
ブラッドロイ「総員迎撃態勢へ移行!」
(敵機が出現する)
エリック「おー寒っ!  ヒーター壊れてんじゃねーのか?」
ズネロ「そんな事よりヘッド!  先回りされてますよ!」
エリック「何っ?  おー! 懐かしのアンティラス隊か!  元気にしてたか?」
ツレイン「テロリストって…… またあいつらだったのか」
エリック「んー? 何か数が少ない気がするが 気のせいか?」
ベッキー「へぇ、あんた、ちゃんと数が 数えられるんだね。感心感心」
エリック「あたぼうよ!  九九だって言えるぜ!」
ズネロ「ヘッド、それ以上はやめといた方が。 自爆しますよ」
エリック「あ? 何だ?  てめぇまで俺をバカにすんのか?」
ズネロ「違いますって。どうせあいつら、 7の段を言ってみろ、とか言い出すに 決まってるんですよ。
 だから先に、予防線を……」
エリック「7の段だぁ?  そんなもん常識だぜ!  よく聞いとけよ!
 7×2=12……」
ズネロ「……いきなり間違いましたよ、ヘッド」
エリック「何っ!?  7×2は12じゃねぇのか!?」
シモーヌ「……なんていうかさ、 あいつら見てると和むのはあたしだけ?」
ベッキー「いーや、あたしも同感だね。 倒す前にもう少し聞いていようか?」
エリック「ん? 今俺をバカにしなかったか?」
ベッキー「おや、地獄耳」
エリック「もう勘弁ならねぇ!  叩き潰してやるぜっ!!」
(高々度飛空船の離脱ポイントを指す。作戦目的表示。出撃選択、フリングホルニが撤退する)

〈vs ズネロ〉

[シモーヌ]

シモーヌ「あんた、あのエリックってヤツの 副官だろ? 苦労してそうだね」
ズネロ「ま、もう慣れましたがね。 それに、ヘッドは面倒見がいい人ですから」
シモーヌ「……あんた、その常識があるんなら、 こんな仕事やめたら?」
ズネロ「義理と人情ってのがありましてね。 そうもいかないんですよ。それに、 意外とこの仕事が性に合ってましてね」
シモーヌ「やれやれ……」

状況選択

飛空船が離脱する前に敵を全滅させ、
 最後に撃墜したのはエリック
 最後に撃墜したのはズネロ
 エリックよりズネロを先に撃墜した
 ズネロよりエリックを先に撃墜した
飛空船が指定エリアに到達し離脱時に、
 エリックが残っていた
 ズネロのみが残っていた
 改獣のみが残っていた


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