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プレシアとエルシーネ

[フリングホルニ 休憩室]

プレシア「お兄ちゃん、エルシーネさんって 帰っちゃったの?」
マサキ「ん? プレシア、お前、会って なかったのか?」
プレシア「うん、報告書の作成に手間取っちゃって」
マサキ「報告書? ちょっと待て。 そういうのはセニアの役目じゃねぇのか?」
プレシア「セニアさんは情報処理が忙しくて、 そっち優先だもの」
マサキ「じゃあ、ベッキーは……
 あ、いや、あいつはサボったな?」
プレシア「うん。で、残りはツレインさんと メフィルさんなんだけど……」
マサキ「ん? ツレインはエルシーネと 会ってる時、そこにいたぞ」
プレシア「……あの人に報告書作成させると、 独特の表現が多すぎて、その……」
マサキ「ああ、役立たずだから、ほっといたのか」
プレシア「その内書いてもらうつもりだけど、 今回のは公開されるかもしれないから。
 その点メフィルさんは細かい所まで ちゃんと行き届いてるんだけど、 逆に詰め込み過ぎてて……」
マサキ「なるほどな。お前がちゃんと見てないと ダメだったって事か」
プレシア「うん」
マサキ「エルシーネに会いたかったのか?」
プレシア「有名な人だもん。確かお父さんも……
 ……あれ? お父さんが、 どうしたんだっけ?」
マサキ「ゼオルートのおっさんとエルシーネは 知り合いだったのか?」
プレシア「うーん……そんな気がしたんだけど、 ちょっと思い出せない」
マサキ「そっか。ま、その内また、会う機会も あるだろうし、気にすんな」
シモーヌ「あ、いたいた。 二人共、ブリーフィングルームに来て。 すぐ呼び出しがかかると思うから」
マサキ「どうした? 何かあったか?」
シモーヌ「何か、ややこしい事になってるみたい。 とにかくブリーフィングルームに」
マサキ「わかった」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ワグネル「問題が二つ、同時に発生しました。 一つはシュテドニアスの問題で、 もう一つはエルシーネ様の問題です。
 まずはシュテドニアスからです。 シュテドニアスの分裂が確定しました」
(椅子が倒れる)
ロドニー「くそったれが!!」
エリス「ああ……何て事を……」
ワグネル「北部シュテドニアス連邦、 南部シュテドニアス聯合、南北に分かれ、 それぞれが独立を宣言しました。
 宣戦布告こそ行っていませんが、 いつ戦闘が始まってもおかしくない 状況です」
マサキ「で、エルシーネの問題ってのは?」
アハマド「俺が掴んだ情報だ。 情報源は言えんが、エルシーネ暗殺計画は まだ第2弾がある」
マサキ「エリックの野郎は前座だったって事か。 計画してるのはどこのどいつだ?」
アハマド「そこまではわからん」
テュッティ「どっちも見過ごせない状況ね……」
ロドニー「それやったら提案がある。 わしとエリスでシュテドニアス…… ああ、北部の方な。
 あっちに潜入して、色々手ぇ回してみる。 コネだけは腐るほどあるからな」
マサキ「二人だけで大丈夫なのか?」
エリス「むしろ二人だけの方がいいんです。 私達にはシュテドニアス国籍もありますし」
ワグネル「なるほど。それはいい方法ですね。 では、シュテドニアスの問題については ロドニーとエリスに一任しましょう。
 魔装機神操者の皆さん、異論は ありませんか?」
ミオ「うん、おっちゃんなら大丈夫だと思うよ」
マサキ「そうだな……エルシーネの問題もあるし、 ここは二人に任せるか」
テュッティ「そうね」
ロドニー「おお! 何とかやってみるわ」
シモーヌ「それで、エルシーネの方は、 具体的に何か手はあるのかい?」
ベッキー「暗殺っていうと、狙撃とか爆破とか 毒殺とか、色んな手があるからねぇ」
ウェンディ「教会内にいる限りは、狙撃の心配は さほど必要ないと思うわ。かなり高度な 魔術が使える相手ならともかく」
デメクサ「ですねぇ。教会の結界なら、 爆破も抑えられますし」
ミオ「じゃ、毒殺?」
ウェンディ「そのためには、相当エルシーネ様の 身近に接近しないといけないから、 それも難しいでしょうね」
マサキ「詰まるところ、エリックがやった みてぇに、魔装機で直接狙うのが 一番って事か?」
シャリアン「ならば、この一帯にとどまって、 網を張っておけばいい」
マサキ「相手の動きが読めねぇ以上、 他に手はないか……」

[フリングホルニ ブリッジ]

シモーヌ「確かにここからなら、教会辺りを 一望できるけど…… ホントに見えてないのかい? この艦」
トニー「ええ、遮蔽結界はちゃんと働いてますよ。 動きさえしなければ、精霊レーダーにも 反応しません。
 その代わり、防御結界の出力は 3分の1以下になりますけど」
マサキ「アハマド、エルシーネ暗殺計画ってのは、 一体何が狙いだと思う?」
アハマド「もっとも可能性が高いのは、 南北の軍事衝突を招く事だろう。
 軍事衝突を防ぐには、エルシーネの 影響力を利用するのが最良だからな」
マサキ「その軍事衝突を煽ろうとしてる連中が いるんだな? そいつが黒幕って事か」
アハマド「早合点するな、マサキ。 今回のシュテドニアスの騒乱は、 歴史的な対立が大本にある。
 そこに乗じて画策している輩はおるかも しれんが、それを排したところで、 根本的解決にはならん」
マサキ「歴史的な対立?」
アハマド「簡単に言えば、南部は北部に支配されて、 重税に苦しんだ恨みがあり、北部は 南部に裏切られて、敗戦した恨みがある。
 もう4000年近く昔の話だがな」
マサキ「4000って…… そりゃ、恨みすぎだろ」
アハマド「原因がそれだけ古いという話だ。 その後も色々といさかいがあり、その度に 新たな恨みが生まれている。
 それだけ根が深い問題なのだ。 何か黒幕の様な人物がいて、そいつを 倒せば終わりなどと、単純な話ではない。
 詳しく知りたければ、自分で勉強しろ」
マサキ「うっ……」
アハマド「そういう点では、ロドニー達を 派遣したのは適役だろう。 彼らなら……」
(レーダー警告が鳴る)
ホーリー精霊レーダーに反応!  識別信号ありません!」
マサキ「来やがったな!」
ワグネル「総員、戦闘配置についてください!」


プレシアとエルシーネ

〔戦域:市街地〕

(敵機、フリングホルニ、サイバスターが出現する)
オンガレッド「……待ち伏せか。 どうやら情報が漏れていた様だな」
マサキ「てめぇは……オンガレッドか!?  こんなトコまで出張ってくるとはな!」
オンガレッド「それは、こっちこそ言いたい事だがね。 シュテドニアスにまで干渉するとは、 出しゃばるにもほどがある」
ドレップ「いかがしますか?  見つかった以上、暗殺は無理です」
オンガレッド「かといって、一戦も交えずに撤退は できんだろう。預かった新型の 性能テストもある。
 監視役もついている以上、 やれるだけの事はやらんとな」
ムデカ「いい心がけだ。 相手がアンティラス隊となれば、 こちらとしても望むところだ。
 ここで会えるとはまさに天の配剤!  マサキ、覚悟しろ!」
マサキ「……誰だ、てめぇは?」
ムデカ「俺はムデカ・ラーベンス!!  ラセツ様の仇、ここでとらせてもらう!」
マサキ「またラセツ関係者かよ…… しかもテロリストとはな」
ムデカ「それだけ貴様の罪が重いという事だ!  力だけで全てを収めようとする お前達は、憎しみしか生まん!!
 お前達を倒すためなら、 あえて修羅の道を選ぶのみ!」
シモーヌ「よしなっ!  あの男は、自ら身を滅ぼしたんだ。 仇なんてお門違いだよ!」
ムデカ「シモーヌ……裏切り者が 何を言うか!!」
(作戦目的表示、出撃選択。フリングホルニが撤退する)

〈vs ムデカ〉

[シモーヌ]

ムデカ「シモーヌ!!  ラセツ様に目をかけられておきながら、 よくもぬけぬけと!!」
シモーヌ「確かに恩はあるさ…… けど、ラセツは……
 あの男は間違ってたんだよ!」

[マサキ]

ムデカ魔装機神……お前達さえいなければ、 我がシュテドニアスは分裂する事など なかったものを!」
マサキ「人に責任を押しつけるなっ!  てめぇの国の事なら、てめぇらで 何とかしろってんだ!」

〈vs オンガレッド〉

[マサキ]

マサキ「てめぇ、シュテドニアスくんだりまで 何しに来た!?」
オンガレッド「私の理想を実現するためだよ。 君も地上人ならば、絶対民主主義の 素晴らしさは知っているだろう」
マサキ「俺に政治の話を振るな!」
オンガレッド「ふ……無知とはそれだけで罪だな。 ラ・ギアスは革命の時代に入ったのだ」
マサキ「そんなもんが、戦争や暗殺の 言い訳になるかっ!」

先に撃墜したのは
ジンオウ スヴェンド・オラン


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