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群れなす機械 ~ 第6話 ~

[修羅城 閃光の間]

アルティス「……不服か?」
???(フォルカ)「いや……」
アルティス「フ……昔から変わらんな、フォルカ。 本心を隠しても、お前の目が全てを語っている」
アルティス「やはり、 『彼の者』と手を組んだことが不満のようだな」
???(フォルカ)「兄さんも 俺と同じだと思っていたが……」
アルティス「口を慎め、フォルカ。 私は兄としてお前に接しているのではない」
アルティス「修羅を率いる将軍…… “閃光のアルティス”として 命令を下しているのだ」
???(フォルカ)「………」
アルティス「……お前の言い分もわかる。 しかし、我らが望む闘争には、 『彼の者』の仕掛けが必要となる」
アルティス「戦士も民もなく、 全ての人間を戦いという炎に包むためにはな」
???(フォルカ)「そのために彼らの言うことを聞けと?」
アルティス「その通りだ。 お前にとってはつまらぬ仕事となるが、 これは修羅王のご命令でもある」
???(フォルカ)「………」
アルティス「拒むと言うのなら この役目、フェルナンドに命じよう」
???(フォルカ)「……俺が行く。 奴の気性では、余計な騒動を生む」
アルティス「その言葉…… フェルナンドが聞けば、また荒れるだろう」
アルティス「奴はお前に情けをかけられたことを 今でも屈辱に思っているからな」
???(フォルカ)「………」
アルティス「だが、お前はフェルナンドの怒りを 受けねばならん。それが修羅の掟を曲げた報いだ」
???(フォルカ)「兄さん、俺は……!」
アルティス「話はここまでだ。 まずは現場でアルコに会え」
???(フォルカ)「アルコに?」
アルティス「標的は奴が調べ上げた。 あれからずっとあの地に張り付いていたらしい」
???(フォルカ)「あの地……アサクサとかいう場所か」
アルティス「失敗は許されんぞ、フォルカ。 修羅界の存続のためにもな」
???(フォルカ)「それに意味があれば 俺もこの命を懸けよう……」
(扉が開閉する・???(フォルカ)が立ち去る)
アルティス「修羅界の存続の意味……か……」
アルティス「我が弟よ……。 お前の迷い……それこそが修羅の未来なのかも 知れんな……」

《地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地》

[伊豆基地内]

カイ「何? 式典会場を変更?」
ラーダ「ええ。 この伊豆基地から晴海のトレードセンターに」
カイ「おいおい、開催まであと10日だぞ。 この土壇場で会場を変える理由は何だ?」
ラーダ「それが……バルトールを より多くの人に見てもらいたいから、だそうです」
ラトゥーニ「え……?」
カイ「広報部が言い出したのか?」
ラーダ「いえ。マウロ・ガット准将からの指示です」
ラーダ「もっとも、広報部の人間は ウォン重工側から申し出があったせいではないかと 推測していますが」
カイ「……解せんな。 晴海といえば、東京のド真ん中だ。 何故、そんな所で新型のお披露目をやる?」
ラーダ「人が集まるから……ではないでしょうか?」
カイ「ここ最近、 力を入れている民間へのアピールという奴か」
ラミア「ですが、晴海には機動兵器のメンテナンスが 行える施設など存在しません」
ラーダ「それなんだけど…… バルトールは当日、大連の工場から直接来るそうなの。 飛行のデモンストレーションを兼ねて」
ラミア「馬鹿な……。つい先日、 輸送中のVTX-000ミロンガが、 DC残党に狙われたばかりだというのに?」
カイ「次も襲撃されたら、どうする気だ」
ラミア「……迎撃し、退ける。 それだけの力がバルトールにはあるという ことでございましょうのことです」
カイ「それもデモンストレーションの内、か?  冗談じゃないぞ。ブツは輸送機で運ぶんだろうな?」
ラーダ「いえ……」
カイ「まさか、直接会場へ乗り込む気か?」
ラーダ「そのようです」
カイ「………」
ラミア「不自然なまでの自信……か」
カイ「……ラミア、 シミュレーターの方はどうだったんだ?」
ラミア「ミロンガが抱えていた問題点は クリアされているようです」
ラミア「しかし、所詮はシミュレーターです。 実機に搭乗してみないことには……」
カイ「とは言え、 その実機がこちらへ1機も回って来ていない」
カイ「にも関わらず、大胆な方法で一般公開を行う……。 どうも腑に落ちんな」
ラーダ「こちらから 一言いっておいた方がいいのでは?」
カイ「トライアルの時と同じく、 握り潰されるだろうな。それに、広報部を これ以上混乱させるわけにもいくまい」
カイ「ここは黙って従っておく。 が、情報は引き続き集めておくように」
ラーダ「わかりました。 それと、ラトゥーニ……」
ラトゥーニ「はい」
ラーダ「広報部からあなたに依頼があってね…… 当日はあの服装で会場入りして欲しいそうよ」
ラトゥーニ「えっ……?  もしかして、ガーネットからもらった あれ……ですか?」
ラーダ「ええ。 広報活動の一環として、ですって」
ラトゥーニ「どうして、そんな……」
エクセレン「んふふ、ラトちゃん?  あなた、基地の中でもあのカッコしてたこと あったでしょ?」
エクセレン「それがピピッとヒットしちゃった人が いたんじゃなぁい?」
ラトゥーニ「は、はあ」
エクセレン「よっ! 魔性の女!」
ラトゥーニ「ま、魔性って……」
カイ「正式な依頼なら、受けてやれ。 当日はバルトールへ乗らんのだからな。 どんな格好でも支障なかろう」
ラトゥーニ「わ、わかりました」
カイ「……というわけだ、キョウスケ。 話の腰を折ってしまって、すまなかったな」
キョウスケ「いえ。 ……相変わらずお忙しいようですね、少佐」
カイ「まあな。 ミロンガの件や浅草の事件など、 色々とキナ臭いことが多い」
エクセレン「は~い、質問~。 浅草の件は、結局わけわからずじまいなんですか?」
カイ「ああ。 例の赤い特機はともかく、『髪の毛』については ろくな手がかりがない」
キョウスケ「正体不明の敵、 そして意図の見えないトライアル…… 嫌な予感がしますが」
カイ「何にせよ、 お前達にはレイオス・プラン絡みの仕事で しばらく伊豆に滞在してもらうことになる」
キョウスケ「了解です。 しかし、レイオス・プランというと……」
エクセレン「めっちゃEOT絡みのプロジェクトよねえ。 『EOT滅ぶべし!』な人が作った機体に乗ってる 私達の意見が、参考になるのかしら?」
カイ「ハミル博士やオオミヤ博士からの依頼でな…… 第三者的な立場、かつ現場で特殊な機体を 運用している者の意見を聞きたいらしい」
エクセレン「特殊な機体…… あ~、ラインなヴァイスちゃんとかは確かに」
カイ「手放しでのんびり出来る状況ではないが…… ラミア達と会うのも久しぶりだろう。 まあ、よろしくやってくれ」
エクセレン「了解~」
エクセレン「は~い、ラミラミ、お久しちゃん!  調子はどうなんでごわしちゃいますのですか?」
ラミア「……エクセ姉様、 最近は、そないひどくないのでありまする」
カイ「お前ら、どこの国の人間だ?」

《地球連邦軍南欧方面軍 アビアノ基地》

[アビアノ基地内]

ミツコ「……詳細の変更は、 ウォン社長からも聞いておりますわ。 でも、大丈夫ですの?」
マウロ「当日までに帳尻は合わせるつもりだ」
ミツコ「まあ、我が社の名前が 前面に出るわけではありませんから、 少々の失態があっても平気ですが」
マウロ(フン、女狐めが。 裏で糸を引いているのは貴様だろう)
ミツコ「……あら?  操り人形になるのが、そんなにお嫌でして?」
マウロ「い、いや」
ミツコ「そちらには、十分な見返りを渡しております。 それでも不満なら、対応を一考致しますが」
マウロ「……現状で文句はない」
ミツコ「何にせよ、 今回の件は私の力でも不明な点が多くて…… 色々と心配ですの」
ミツコ「今後のことを踏まえてかも知れませんが、 ミロンガとバルトールは必要以上の数が 作られているようですし」
マウロ「それは……私の関与する所ではない」
ミツコ「うふふ、 そういうことにしておきましょう」
マウロ「………」
ミツコ「よろしいですか?  弊社にとって、ゲシュタルトのプロジェクトは 本命が完成するまでの時間稼ぎ……」
ミツコ「それ以上の意味を 持たせる必要はありませんわ」
マウロ「……わかっている」
ミツコ「その割には、 陰で色々動かれているようですわね。 あなたとウォン社長……」
ミツコ「そして、ユルゲン博士は」
マウロ(ユルゲンが……? どういうことだ?  この女、どこまで知っている?)
ミツコ「ともかく、後はお任せしますわ。 ですが、私を裏切るような真似をなさったら……」
ミツコ「最上級のお仕置きを致しますわよ?」
マウロ「覚えて……おこう」

《日本 東京・浅草地区》

[アズマ研究所 居間]

ショウコ「……明日着ていく服は決めたし、 カメラの準備も良し……っと」
コウタ「随分と浮かれてるじゃねえか。 軍の新型機がそんなに楽しみなのかよ?」
ショウコ「ロボットにはそんなに興味ないけど、 ゼオラ達が招待してくれたの」
コウタ「そう言えば、あいつら…… あれから浅草に来てないよな」
ショウコ「忙しいみたいよ。 なんとかキョードー隊って所にいるんだって」
キサブロー「特殊戦技教導隊かの?」
ショウコ「そう、それそれ。 お爺ちゃん、詳しいね」
キサブロー「ん……まあ、ロボット工学に 関わったことがある者なら、誰でも知っとるよ」
コウタ「………」
キサブロー「じゃが、 教導隊なら新型機関連で忙しくないのか?」
ショウコ「そうなんだけど…… 明日の式典が終わったら、 少し時間が取れるんだって」
キサブロー「そうか……。 それにしても立派なもんじゃな、その子達は。 コウタとそう変わらん歳だと言うのに」
コウタ「……何が言いたいんだ、爺ちゃん?」
キサブロー「わからんのなら、ええわい」
コウタ「………」
キサブロー「何を苛立っておる?」
コウタ「……関係ねえよ」
ショウコ「はいはい、ケンカはそこまで!  お兄ちゃんも明日は寝坊しないでね」
コウタ「寝坊? なに言ってんだ、お前?」
ショウコ「明日のお披露目式典には お兄ちゃんも行くのよ」
コウタ「お、俺も!? なんで!?」
ショウコ「だって、 ショウコと一緒に招待されてるんだもん。 あと、ジャーダさん達もね」
ショウコ「それに、式典ってお祭りみたいなものよ。 招待だから、お金かかんないし…… きっとお兄ちゃんも楽しめると思うな」
コウタ「祭り……祭りかぁ」
ショウコ「そうそう。 祭りだワッショイ! ……ってね」
コウタ「よ~し。 祭りとあっちゃあ、見逃すわけにはいかねえな。 俺も行って、お前のお守りをしてやるぜ」
ショウコ「む~……お兄ちゃんってば、 いつまでもショウコを子供扱いするんだから」
コウタ「なに言ってやがる。まだネンネのくせに」
ショウコ「そう思ってるのは、お兄ちゃんだけだよ」
コウタ「ヘッ…… お前みたいなガキ、誰が相手するってんだ?」
ショウコ「ん~とね、 B組のフジサワ君に、H組のイマイズミ君。 あと、G組のカンベ君とニシカワ君」
コウタ「ど、どういうこった!?」
ショウコ「みんなね、フラワーハウスとか、 ディスティニー・ランドへ行こうって、 ショウコを誘ってくれたの」
コウタ「何だと!?  フジサワにイマイズミ、カンベとニシカワだな!  後で俺が一言……」
ショウコ「んもう、やめてよ。 それに、お誘いは断ったから」
コウタ「え!?」
ショウコ「だって、ショウコは お兄ちゃんの面倒を見るので忙しいもん」
コウタ「る、るせえ。 それはこっちの台詞だっつーの」
ショウコ「でも、ちょっとホッとしたでしょ~?」
コウタ「だ、誰が!」
キサブロー(……バレバレじゃのう)
ショウコ「まあいいや。 とにかく、明日は寝坊しないでね」
コウタ「わかった、わかった。 お前の方こそ寝過ごすんじゃねえぞ」
ショウコ「うん。それじゃ、おやすみなさい、 お爺ちゃん、お兄ちゃん」
(襖開閉音・ショウコが立ち去る)
キサブロー「……気をつけろ、コウタ」
コウタ「何にだよ?」
キサブロー「好む好まざるに関わらず、 ロアはお前を選んだ……」
コウタ「またその話か。 あの野郎がどこのどいつだか知らねえが、 俺は面倒事はパスだ」
コウタ「この前、戦ったのは あくまでショウコを守るためにやったまで。 あいつとの関係はそれまでだ」
キサブロー「お前はロアに選ばれた理由と、 自分の役目というものをわかっておらん。 そもそもファイター・ロアは……」
コウタ「俺は言ったぜ……面倒事はパスだってよ」
キサブロー「コウタ……!」
コウタ「だいたい、選ぶも何も あいつの勝手な事情に巻き込まれるのは、 迷惑ってもんだぜ」
コウタ「さて、俺も寝るとするか。 寝坊して、ショウコにどやされたくねえからな」
キサブロー「待て、コウタ。 敵はロアとコンパチブルカイザーの存在を知ったはずだ。 奴らは必ずまた現れる」
コウタ「で、そいつらはロアと一体化した俺を 狙うっていうのか?」
キサブロー「その通りだ。 その時、お前は……」
コウタ「上等だぜ。 仕掛けてくるってんなら、相手になってやるさ」
キサブロー「………」
コウタ「心配すンなよ。 そいつらがショウコや爺ちゃん、 浅草に手出ししてくるなら、俺は戦ってやる」
コウタ「だが、そこまでだ。 それ以上の面倒事を背負い込む気はねえ」
キサブロー「………」
コウタ「連邦軍も新型を開発したんだろ?  その敵ってのが現れても、そいつが撃退するさ。 んじゃ、俺は寝るぜ」
(襖開閉音・コウタが立ち去る)
キサブロー「……馬鹿モンめが。 何故、わからんのじゃ」
キサブロー「妹を、家族を、育った街を愛する心…… それを世界とロアは求めておると言うのに……」

《テスラ・ライヒ研究所》

[テスラ・ライヒ研究所内]

ツグミ「……やっと見つけたわ。 ジジ・ルー……EOTI機関、第4情報開発部所属。 特殊OS開発担当……」
ツグミ「それで聞き覚えがあったのね。 なら、DCにも……」
(エラー)
ツグミ「該当なし……か。 あの人はDCに移籍しなかった……」
ツグミ「あるいはデータが消されたか、 改ざんされたか……。 答えがどれであっても不自然ね」
(通信)
ダイアン「タカクラチーフ、連邦軍情報部の ギリアム・イェーガー少佐から通信が入っています」
ツグミ「ありがとう、ダイアン。 セキュリティレベルをトリプルAにして、 こちらへ回して」
ダイアン「わかりました」
(モニターオン)
ギリアム「久しぶりだな、タカクラチーフ」
ツグミ「ご無沙汰しています、少佐」
ギリアム「突然すまない。 フィリオ少佐が留守だと聞いたのでな。 君を呼び出してもらった」
ツグミ「いえ、お気遣いなく。 少佐の代行は、私が務めることになっていますから」
ギリアム「彼の具合は……良くないのか?」
ツグミ「……少佐には正直にお話します。 フィリオ少佐の病状は悪化の一途をたどり、 もうすぐ日常生活を送るのも不可能になるそうです」
ギリアム「病魔はそこまで彼の身体を 蝕んでいたか……」
ツグミ「今はカザハラ所長の勧めもあり、 少しでも体を休めるために療養しています」
ギリアム「そうか……。 カザハラ所長も、彼に同行しているのか」
ツグミ「はい……。 ですが、少佐……このことは……」
ギリアム「アイビスには伏せておくのだな?」
ツグミ「はい……。 それが彼の……フィリオの望みですから」
ギリアム「………」
ギリアム「ところで、用件についてだが…… EOTI機関やDCで開発が進められていたと言う AMNシステムのデータをこちらへ回してもらいたい」
ツグミ「その理由は……ミロンガですか?」
ギリアム「気づいていたか。 AMNシステムが、あの機体へ搭載されていることに」
ツグミ「ええ。 アビアノでミロンガと模擬戦を行った後、 ずっと調べていたんですが……」
ツグミ「フィリオ少佐のデータベースの中にあった 関連資料を発見しました」
ギリアム「ふむ……」
ツグミ「AMNシステムは、 戦闘データを迅速かつ正確に他機に伝達し、 複数の機体間で共有するためのものです」
ツグミ「そして、その改良発展型である ODEシステムは、熟練パイロットによる無人機の 同時複数遠隔操作を目指していました」
ギリアム「……レーツェルから聞いた話だが、 そのODEシステムは開発が中止されたそうだな」
ツグミ「はい……。 テスト中にシステム搭載機が暴走し、 パイロットが全員死亡したせいで……」
ギリアム「……模擬戦のミロンガはどうだった?」
ツグミ「一時的に暴走状態へ陥ったような動きを 見せましたが、制限時間を過ぎた時点で停止しました」
ツグミ「どうやら、制御面の問題点は 改善されているようです」
ギリアム「ミロンガ……そして、その後継機である バルトールにODEシステムが搭載されている 可能性は?」
ツグミ「高いと思います。 もっとも完成品であるかどうかは わかりませんが……」
ギリアム「そうか……。 では、AMNシステムやODEシステムに関する データを、可能な限り私の所へ送ってくれ」
ツグミ「わかりました」
ギリアム「では、またな」
(通信が切れる)
ツグミ「ギリアム少佐が動いているということは…… ミロンガとバルトール……私の思っている以上に 裏がありそうね」
ツグミ「……でも、バルトールのお披露目は明日……。 全ては後手に回ってしまっている……」
(通信)
ダイアン「タカクラチーフ、 オオミヤ博士とリューネ・ゾルダークさんから 連絡が入りました。明日、到着するとのことです」
ツグミ「わかったわ、ダイアン。 リューネが到着したら、ヴァルシオーネは 第2格納庫へ回すように手配してね」
ダイアン「はい。 それで……あの……一つお願いがあるんですが……」
ツグミ「何かしら……?」

《大連地区》

[ウォン重工業]

(銃声)
リック「うぐっ! き、貴様!!」
ジジ「……」
リック「な、何故、私を……!?」
ジジ「これ以上、社長に動かれては困りますので。 私達のバルトールのために、ね」
リック「あ、あれは何だ!?  コックピット周りの仕様が報告と違っているぞ!」
ジジ「ええ。 バルトールは真の完成を迎えたのです」
リック「何っ!?」
ジジ「あれがミロンガの問題点を改善した結果…… そして、バルトールの本当の姿」
(銃声)
リック「ぐあっ!  わ、私を殺せば、バルトールは……!」
ジジ「殺しはしません。 あなたも、あなたの部下達も」
ジジ「その代わり、あなたの知識や経験を バルトールの糧にさせてもらいます」
リック「か、糧だと!?」
ジジ「そう…… ODEシステムの生体コアになっていただきます」
リック「せ、生体コア!? 何だ、それは!?」
ジジ「……社長達を封入装置へ運びなさい」
スタッフ「はっ」
リック「ま、待て! 私をどうするつもりだ!?  やめろ! やめるんだ!!」
(扉が開閉する・スタッフとリックが立ち去る)
スタッフ「ルー主任、 第2次生産分のセッティングが終わりました。 いつでも出せます」
ジジ「地下部ジェネレーターの方は?」
スタッフ「そちらの手はずも整っています」
ジジ「では、ユルゲン博士やカイル達に報告を。 社員の封入作業が終わり次第、 私達もバルトールの中へ入りましょう」
ジジ「まもなくショーが始まる…… 観客達が待っているわ」
スタッフ「はい。 主任、またお会いしましょう」
ジジ「ええ……より進化した、素晴らしい形でね」
スタッフ「それでは」
(扉が開閉する・スタッフが立ち去る)
ジジ(これで私の役目は終わった。 後はユルゲン博士とODEシステムが 私達を導いてくれる……)
ジジ(そして、 バルトールが地球圏の新たな守護者となるのよ…… フフフフ……)

〔戦域:晴海会場周辺〕

(会場内に量産型ヒュッケバインMk-IIが6機いる)
クスハ「……何かトラブルかしら……?  定刻より遅れてるみたいだけど……」
アラド「クスハ少尉~!」
ゼオラ「こっちです!」
クスハ「みんな……迎えにきてくれたの?」
アラド「はい、少尉が迷わないように」
クスハ「そんな…… マサキ君じゃないんだから」
アラド「いえいえ、今日になってからも プログラムに変更があったりして、 色々とややこしいッスから」
クスハ「何かあったの?」
ラトゥーニ「はい……バルトールの到着が 予定より遅れているんです」
クスハ「そう……」
ゼオラ「ところで、他の皆さんは?」
クスハ「伊豆で待機中なの」
アラド「ブリットさんも?」
クスハ「ええ。 二人ともこっちへ来てしまうと、 参式が動かせなくなっちゃうから」
アラド「じゃあ、 参式ごとこっちへ来れば良かったのに」
ゼオラ「それだと、 管轄を越えちゃうでしょ」
アラド「あ、そっか」
クスハ「……私がここへ来たのは、 キョウスケ中尉に情報収集を 頼まれたからだけじゃないの」
クスハ「個人的にも バルトールのことが気になって……」
ラトゥーニ「ミロンガとの一件のせいで、 ですか?」
クスハ「……ええ」
アラド「トライアルの後でやった バルトールとの模擬戦は、散々だった もんなぁ。おれなんか秒殺されたし」
ラトゥーニ「あの機体の性能は、 ミロンガよりも上……特に運動性と 連係戦闘には目を見張るものがあります」
アラド「量産型のヒュッケバインや ガーリオンじゃなくて、ビルガーだったら 何とかなったんだけどなぁ」
ラトゥーニ「……それでも、 結果は同じだったかも」
アラド「へ? 何で?」
ラトゥーニ「だって、アラドは真っ先に 飛び込む癖が直ってないもの」
ゼオラ「そうよ。 カイ少佐から何度も注意されてるのに」
アラド「うっ……。 だって、ビルガーはマ印の強襲型だもん。 アルトの弟分だもん」
アラド「飛び込んで、 突っ込んでナンボだもん」
ラトゥーニ「でも、バルトールで 今までと同じような戦い方をするのは 駄目だと思う……」
アラド「けどなぁ、 慣れた機体から乗り換えるのは ちょっとなぁ」
ゼオラ「しょうがないでしょ、 命令なんだから」
アラド「お前はそれで納得できんのかよ?」
ゼオラ「……私だって、 ファルケンのままの方がいいわよ」
アラド「だろ?  ツインバルトールストライクなんて、 舌噛んじまうぜ」
ラトゥーニ「でも、 軍は高性能機の量産や配備を 急務としている……」
ラトゥーニ「それが、 インスペクター事件で得た教訓だから……」
ゼオラ「そうね……」
クスハ「ところで……ラミアさんは?」
アラド「関係者席の所にいるッス。 案内しますよ」
クスハ「お願いね」
ラトゥーニ「あの…… クスハ少尉、どうして私服なんですか?」
クスハ「え?  この方がさりげなく情報を 集められるかな、と思って」
ラトゥーニ「余計に目立つと思いますけど」
アラド「ラト…… お前、人のこと言えねえだろ」
(放送チャイム)
アナウンス「ご来場の方々へ 式典開始時刻の変更について ご連絡致します」
アナウンス「誠に申し訳ございませんが、 諸事情により、式典は13時からの 開始とさせていただきます」
コウタ「何だよ。 せっかく早起きしたってのに あと2時間も待つってのかよ」
ジャーダ「早起きは三文の徳とは いかなかったようだな、コウタ」
ショウコ「いいんですよ、ジャーダさん。 お兄ちゃん、休みの日はいつも昼過ぎまで 寝てるんですから」
ガーネット「寝る子は育つって言うけど…… それは赤ちゃんの話で、 コウタの場合はただの寝坊助よね~」
コウタ「余計なお世話だよ。 それに、俺はまだまだ成長期真っ只中だぜ」
ガーネット「まあねぇ」
コウタ「けど、ガーネットさん…… そんな大きなおなかで人ごみに来て、 大丈夫なのかよ?」
ガーネット「心配してくれて、ありがと。 でも、せっかくラトゥーニが 招待してくれたんだもの」
ジャーダ「それに、ガーネットも俺も 元はパイロットだからな。新型機と 聞けば、興味もわくさ」
コウタ「家計も苦しいんだし、 軍に未練があるんなら戻ればいいだろ」
ジャーダ「痛い所を突いてくれるぜ。 でもな、未練があるわけじゃねえんだ」
コウタ「え?」
ジャーダ「確かに、 軍の仕事もやりがいはあった」
ジャーダ「だけど、 俺はもう少し身近な所で 頑張ってみようと思ったのさ」
ショウコ「身近な所って?」
ジャーダ「……軍で戦って、 多くの人を守るのも立派なことだ」
ジャーダ「だけど、俺は一番大事なもの…… ガーネットと生まれて来る子供を この手で幸せにしたかった」
ジャーダ「そして、 俺の音楽を聞いてくれる人達もな」
ジャーダ「だから、 軍を辞めて新しい生活…… 新しい戦いを始めたってわけだ」
コウタ「ジャーダさんにとって、 それが一番大事だったってのか……」
ジャーダ「そういうこった。 戦いが大きいとか小さいとかは、 俺にとっちゃ関係ねえな」
コウタ「戦いの大きさは関係ない……か……」
ショウコ「珍しいね。 お兄ちゃんが真面目な顔で 考え事するなんて」
コウタ「るせえよ。 お前みたいに年がら年中、 能天気じゃいられねんだよ」
ショウコ「ひっどーい!  ショウコが毎日、お兄ちゃんのことで 頭を悩ませているのも知らないで!」
ショウコ「お兄ちゃんが他人様に迷惑を かけませんように……お兄ちゃんが ちゃんとした大人になりますように……」
ショウコ「って、 毎日、観音様に願掛けしてるのに!」
コウタ「小さな親切、大きなお世話だ!」
ジャーダ「やれやれ……式典が始まるまで 兄妹ケンカに付き合わされるのかよ」
ガーネット「ふふっ、いいじゃない。 これはこれで、いい見ものなんだから」

《テスラ・ライヒ研究所》

[テスラ・ライヒ研究所内]

アイビス「ツグミお手製のチーズケーキに 最高の紅茶……。トレーニングの後には、 やっぱり甘いものを食べないとね」
(扉が開閉する)
リューネ「あ~あ、だらしのない顔しちゃってさ。 ヨダレ垂らしたワンコみたいだよ」
アイビス「リュ、リューネ!」
ロバート「そんな大きなケーキ、 一人で全部食べて大丈夫なのか?」
アイビス「へ、平気です、オオミヤ博士!  あたし、甘いものはどんどん入っちゃいますから!」
リューネ「それにしても、おいしそうだね。 味見させてくんない?」
アイビス「あ、あげないよ!  これ、あたしのとっておきなんだから!」
アイビス「それにリューネって、 一口だけ味見って言いながら、 その一口で全部食べちゃいそうだし……」
リューネ「あんたじゃあるまいし。 それに、あんたからケーキを取り上げるほど 命知らずじゃないさ」
アイビス「それより、リューネ…… あんた、ヒリュウに乗ってるんでしょ?  何しに来たの?」
リューネ「ヴァルシオーネのメンテだよ」
アイビス「わざわざここへ来て?」
リューネ「ほら、あたしの機体って パーソナルトルーパーやアーマードモジュールと 違って特機に近いし……」
リューネ「駆動系なんかは特殊だからね。 オーバーホールは、ヒリュウやマオ社より ここでやってもらった方がいいんだ」
アイビス「ふ~ん。 じゃ、オオミヤ博士は?」
ロバート「出張だよ、出張。 レイオス・プラン絡みの打ち合わせがあってね」
アイビス「そうなんですか……」
(扉が開閉する)
リシュウ「おう、ロバート。来おったか」
ロバート「お久しぶりです、先生」
リシュウ「すまんが…… 一息ついたら、零式の仕上がり具合を見てくれんか」
ロバート「組み立て直したんですか、あれを?」
リシュウ「うむ。ちと思う所があっての」
ロバート「でも、 あれはゼンガー少佐ぐらいの技量の 持ち主でなければ、動かせませんよ?」
リシュウ「わかっておる、わかっておる。 ワシが乗るわけではないわい」
(扉が開閉する)
ツグミ「お待たせしました、オオミヤ博士、 それにリューネも」
ロバート「忙しそうだな、タカクラチーフ」
アイビス「フィリオ少佐が休暇中なんですよ。 その分、ツグミが頑張ってるんです」
アイビス「カザハラ所長もひどいんですよ。 少佐の休暇につきあって、どこかに 行っちゃったんですから」
ツグミ「………」
ロバート(そうか……タカクラチーフが 現場の責任者を務めざるを得ない状況なのか……)
ロバート(フィリオ先輩の病気、 やはり良くないみたいだな)
リューネ「どうしたの、オオミヤ博士?」
ロバート「いや、何でもない……。 何でもないんだ」
ツグミ「それより、リューネ…… あなたに紹介したい人がいるの」
リューネ「え?」
ツグミ「ダイアン、入ってきて」
(扉が開閉する・ダイアンが入ってくる)
ダイアン「初めまして。 ダイアン・ウッドです」
リューネ「あたしはリューネ…… リューネ・ゾルダークだよ」
ダイアン「お噂はかねがね」
ツグミ「ダイアンはポールスター・システムズから 来た優秀なエンジニアで、私のアシスタントを 務めてもらっているの」
リューネ「ふ~ん……。 で、あたしに何か用なの?」
ツグミ「彼女は後学のためにヴァルシオーネの 制御系を見たいと言っていてね」
ダイアン「あの機体は、かつてのDCで造られた 特別な機体だと聞いていますので……」
リューネ「まあ、確かに」
アイビス「人間の女の子の顔をした機体なんて 他にないしね」
リシュウ「しかも表情まで変わるからのう」
ダイアン「お願いします、リューネさん。 メンテナンスの邪魔にならないようにしますから……」
リューネ「ああ、別に構わないよ」
ダイアン「あ、ありがとうございます。 じゃあ、早速見に行ってきます」
(扉が開閉する・ダイアンが立ち去る)
リューネ「勉強熱心だね、あの人」
ツグミ「ええ。 おかげで色々助かっているわ」
ロバート「ところで…… すまないが、日本でやってる披露式典の 中継映像を見せてもらっていいかな」
リューネ「披露式典?」
ロバート「そう、新主力機のね」
リューネ「ああ、バルトールって名前だっけ?」
ロバート「その通り。 もう披露式典が始まる時間なんだ」
ツグミ「じゃあ、モニターをつけますね」
(モニターオン)
リシュウ「む? まだ始まっておらんのか?」
ツグミ「そうみたいですね……」
ロバート「じゃ、始まるまで待つとしよう」
アイビス(……あのミロンガの後継機バルトール……。 いよいよお目見えか……)

《長野地区上空(移動中・ハガネ)》

[ハガネ艦内]

カーク「……ART-1は リュウセイ・ダテとマイ・コバヤシによる 運用を想定して、調整を行った」
ヴィレッタ「こちらでも確認した。 すぐにでも使えるようね」
カーク「ああ」
ヴィレッタ「それにしても……意外に早かったわね。 SRX計画の延長線上だけに、ケネス少将が もっと難色を示すと思っていたけど」
カーク「彼はレイカー司令の功績を 踏み台にするつもりなのだろう」
ヴィレッタ「そして、 レイオス・プランとRXR計画を 自分の手柄にするというわけね」
カーク「ああ。 バルトールはマウロ准将の功績になるからな…… それへの対抗策でもあるのだろう」
ヴィレッタ「フッ…… 相変わらず上昇志向が強いわね、ケネス司令は」
カーク「だが、見かけによらず小心な男だ。 レイカー司令の影響力を恐れて、 未だに伊豆で監視下に置いているからな」
ヴィレッタ「基地内の医療施設で 療養中……ということになっているけど、 皆は真相に気づいているわ」
カーク「……ともかく、 ART-1で各種データを集めてくれ。 後々のためにな」
ヴィレッタ「了解した」

[ハガネ ブリッジ]

エイタ「艦長、 バルトールのフライトプランが送られて来ました」
テツヤ「今頃になってようやくか。 もう式典の開始時刻は過ぎているんだろう?」
エイタ「ええ」
テツヤ「バルトールは大連を発ったのか?」
エイタ「はい。 プラン通りなら、もう日本上空へ入ってますね」
テツヤ(護衛もなしで、か。 あの時のミロンガと同じく、 実弾を装填しているのだろうな)
テツヤ「……エイタ、他に指示は?」
エイタ「このまま警戒任務を続行せよとのことです」
テツヤ「俺達はバルトールの露払いか……」
エイタ「と言っても、コースはクロスしませんし…… この日本にノイエDCの残党は現れないでしょう」
テツヤ「油断は禁物だ。 R-3パワードとR-1…… いや、ART-1を出し、哨戒任務に当たらせろ」
エイタ「ART-1って…… まだ来たばっかりですけど、いいんですか?」
テツヤ「早急に慣らしを終えた方がいい。 ……どうも嫌な予感がする」

[ハガネ 格納庫]

リョウト「……ART-1は R-1と同じ感覚で乗りこなせると思うけど、 推力と最大速度が上がっているから気をつけて」
リュウセイ「おう」
リョウト「あと、PT時の重心が高くなっているんだ。 腕にチェーン・ブレードが付いたから、 R-1と同じ感覚で振り回すと……」
リュウセイ「動きが大味になるってんだろ。 シミュレーターでだいたいの感覚は掴んだから、 何とかなるよ」
マイ「……今度のR-1は青いのか」
リュウセイ「ああ、試作機カラーだとさ」
マイ「これはR-2やR-3と合体できるのか?」
リュウセイ「いや、合体機構はオミットされてる」
リョウト「マイ、君用のSFプログラムも来てる。 リュウセイが戻って来たら、アジャストしよう」
マイ「なら、私も乗れるのか? ART-1に」
リョウト「そうだよ」
マイ「じゃあ、リュウとお揃いだ」
リュウセイ「名前と形は違うけど…… どっちもR-1だから、そういうことになるな」
アヤ「……リュウ、準備は出来た?」
リュウセイ「ああ。 じゃ、リョウト……式典の録画を頼むぜ」
リョウト「うん、わかった。気をつけて」
(扉が開閉する・リュウセイとアヤが立ち去る)
イルム「……あいつも好きだねぇ」
リョウト「気持ちは わからなくはないですが……」
イルム「俺もバルトールに興味はあるよ。 別の意味だけどな」
リョウト「あのミロンガの後継機だから……ですか?」
イルム「ああ。 模擬戦でも暴走しかかってたらしいぜ」
リオ「でも、ミロンガの問題点は バルトールで解決されているんじゃないでしょうか?  でなければ、制式採用は……」
イルム「経緯が色々と怪しいんだよ。 スペックについても伏せられてる点が 多いみたいだしな」
ライ「中尉は バルトールにも何らかの問題点がある、と?」
イルム「問題点というより、秘密だな」
リョウト「確かに…… こちらへ必要以上の情報を与えないように しているみたいですね」
イルム「ああ。陰謀めいたものを感じるぜ」
ライ「………」

《テスラ・ライヒ研究所》

[テスラ・ライヒ研究所 第2格納庫]

(データ送信)
???(セルシア)「インストール終了……。 これでヴァルシオーネは……」
(通信)
???「……聞こえるか、セルシア」
???(セルシア)「カイル……!」
???「首尾はどうだ?」
???(セルシア)「言われた通りにやったわ……。 でも、カイル……こんなことで本当に……」
???「ああ、もちろんだ。 この作戦は、ODEシステムの今後のために 必要なものなんだ」
???(セルシア)「………」
???「では、次の指示を待て」
(通信)
???(セルシア)「………」
???(セルシア)(カイル…… 私達がやっていることは、本当に正しいの……?)


第6話
群れなす機械

〔戦域:晴海会場周辺〕

コウタ「まだかよ、新型は。 もう待ちくたびれたぜ」
ショウコ「お兄ちゃん、文句を言わないの」
ジャーダ「おっ!  おでましのようだぜ、今日の主役が!」
ショウコ「え! どこ? どこ!?」
ガーネット「ほら、向こうよ!」
(北西にバルトールが6機出現)
コウタ「やっと来やがったか」
(バルトールを指す)
ショウコ「でも、何だか不気味な感じ。 悪役みたい」
ガーネット「う~ん……軍の兵器だから、 正義の味方も悪役もないんだけどね」
クスハ「……それにしても、 大掛かりなイベントなのね」
ゼオラ「どちらかと言えば、 民間人向けのものですから」
ゼオラ「次期主力機を派手にアピールして、 地球防衛に関する意識を高めることが 目的だそうです」
アラド「なあ、ラト。 みんなは会場に来てるのか?」
ラトゥーニ「うん。 さっき、メールが来たわ」
クスハ「みんなって?」
アラド「ジャーダさんとガーネットさん、 それにおれ達の友達です。 ここへ招待したんスよ」
クスハ「そうなんだ。 時間があったら、会いたいな……」
アラド「この後、会う約束をしてるんス。 良かったら、クスハ少尉も一緒に」
クスハ「じゃあ、そうさせてもらうわ」
ラミア「全員、集中しろ。 問題の機体……バルトールが、 デモンストレーションを開始するぞ」
(バルトールが動き、会場の量産型ヒュッケバインMk-IIを全て撃破する)
クスハ「えっ!?」
ゼオラ「ヒュッケバインが!!」
アラド「すげ~!  よく出来たホログラフィだな~」
ゼオラ「バカ! なに言ってんの!  本当に爆発したのよ!!」
アラド「いっ!?」
ラミア「ちっ……! 非常事態だ!  民間人を避難させる。急げ……!」
クスハ「は、はいっ!」
ラミア(早々にトラブルとはな。 ……いや、これもまた仕組まれて いただけか)
ラミア(だが、あまりにも急すぎる。 ……上層部がこのことを知って いたとは考えにくいが……)
(バルトールが会場周りを飛び、あちこちに爆煙)

[晴海 お披露目会場]

ショウコ「きゃあっ!」
コウタ「逃げるぞ、ショウコ!  ここにいちゃ、あの新型の攻撃に巻き込まれる!」
ショウコ「で、でも……どこへ!?  ジャーダさん達ともはぐれちゃったのよ!」
ジャーダ「こっちだ、ショウコ!  俺についてこい!」
ショウコ「ジャーダさん!  無事だったんですね!?」
コウタ「ガーネットさんは!?」
ジャーダ「知らん!  とにかくまずはここから脱出するぞ!」
ショウコ「は、はい!」
コウタ「……行くな、ショウコ」
ジャーダ「何を言ってるんだ、コウタ!  お前、死にたいのか!?」
コウタ「ここもヤバいが、 てめえについていくよりはマシだ」
ジャーダ「何っ!?」
ショウコ「ど、どういうこと!?」
コウタ「だまされるな、ショウコ。 こいつはジャーダさんじゃねえ」
ショウコ「え!?」
ジャーダ「………」
コウタ「あのジャーダさんが、 ガーネットさんを見捨てて逃げるはずがねえ」
コウタ「どういうカラクリかは知らねえが、 とにかくこいつはニセモノだ!」
ジャーダ「クッ……ククク……」
ショウコ「!?」
ジャーダ「フン……虫ケラにも少しは 知恵があるようだな……!」
(銃声、閃光)
コウタ「てめえは!?」
アルコ「ククク……久しぶりだな、小僧」
コウタ「てめえ……!  ほおずき市の時の奴か!」
ショウコ「ど、どうなってるの……!?  この人……ジャーダさんに化けてた……」
アルコ「ククク……驚け! そして、恐怖しろ!  これが俺の変身能力だ!」
コウタ「変身だと!?  てめえ、いったい何モンだ!?」
アルコ「我らは修羅!  この世界を血と肉と炎に彩る者だ!  さあ、小娘! こっちに来い!」
ショウコ「きゃあっ!」
コウタ「この野郎! ショウコに触るんじゃねえっ!!」
(打撃)
コウタ「ぐっ!!」
???(フォルカ)「……甘いな」
コウタ「こ、こいつ、俺の蹴りを!?」
???(フォルカ)「この程度の打撃…… 目をつぶってでも止められる」
アルコ「小僧は俺に任せて、 お前は早くこの娘を連れて行け!!」
???(フォルカ)「それが 俺の使命である以上、拒みはしない。 だが、お前はどうする気だ?」
アルコ「俺はこの小僧を痛めつける!  痛めつけて、『鍵』の秘密を聞き出す!」
コウタ「そこをどけ、モノマネ野郎!  俺はショウコを助けるんだ!!」
アルコ「そうはいかん!  お前の相手はこの俺、アルコ様だ!!」
???(フォルカ)「では、俺は行く。 ……後は好きにしろ」
ショウコ「嫌っ! やめて!!  お兄ちゃん! お兄ちゃぁぁぁん!!」
コウタ「ショウコォォォォッ!!」
アルコ「余所見をしている暇はないぞ!!」
(打撃)
コウタ「ぐあっ!」
アルコ「貴様ら兄妹が『鍵』であることは わかっているのだ!!」
(打撃)
コウタ「がっ……!」
アルコ「さあ、教えろ!  『鍵』の秘密を!」
コウタ「し、知るかよ!!」
アルコ「何だ、その目は!?」
コウタ「………」
アルコ「そうだ!  初めて見た時から、その目が 気に食わなかったんだ、俺は!」
アルコ「絶対の意志に満ちたその目!  その目で俺を見るな!!」
(打撃)
コウタ「うぐっ!!」
アルコ「泣け! わめけ! 命乞いをしろォ!!」
コウタ(くそっ……!  体に力が入らねえ……!)
コウタ(爺ちゃん、すまねえ……!  俺はショウコを……!)
(ロアとの精神感応)
コウタ「!」
ロア(コウタ……唱えよ……)
コウタ(またお前かよ……! どこにいやがる!?)
ロア(俺は常にお前と共にある。 唱えよ、コウタ……炎の言葉を……)
アルコ「ククク……もう抵抗できんか。 ならば、『鍵』の秘密を聞き出すとしよう」
コウタ「や、やってやる……!  俺はショウコを守るためなら、 何だってやるって決めたんだ!」
アルコ「む!? こいつ!」
ロア(唱えよ、コウタ……)
コウタ「言われなくても! 行くぞっ!!」
コウタ「バーナウ! レッジー・バトー!  ファイター・ロアァァァッ!!」
(閃光)

〔戦域:晴海会場周辺〕

(川沿いに柔らかい火柱が上がり、ファイター・ロアが出現)
アルコ「小僧め、 『鍵』の力を使ったか!」
コウタ「てめえ、そこを動くな!」
(コウタが攻撃、アルコのいる位置に爆煙)
アルコ「ぬおっ!!」
(バルトール3機がファイター・ロアを囲むように移動)
コウタ「チッ、あいつらまで こっちに仕掛けてくる気か!?」
ロア「落ち着け、コウタ。 今、コンパチブルカイザーを呼ぶ」
コウタ「何を悠長な!  浅草からここまで、それなりの 距離があるんだぞ!」
ロア「心配は要らん。『門』が開く」
コウタ「門って、何だ!? 雷門か!?」
ロア「黙って見ていろ」
(会場の南西にコンパチブルカイザーが出現)
コウタ「!  いきなり出て来やがった!?」
ロア(この程度の距離なら、 不完全なオーバーゲート・エンジンでも 跳躍は可能だ……)
コウタ「どういうこった!?  テレポーテーションって奴か!?」
ロア「それより、 早くコンパチブルカイザーへ乗り込め」
コウタ「おう!  だけど、間違えるなよ、ロア!」
コウタ「あのロボットは コンパチカイザーだ!  俺が操縦する以上、それは絶対だ!」
ロア「……わかった。 わかったから、早く乗れ」
(ファイター・ロアが移動し、コンパチブルカイザーへ乗り込む)
コウタ「よし!  行くぜ、コンパチカイザー!」
ロア「む? この反応は……」
(ヤルダバオトが東側に出現)
コウタ「こないだの雷神……!  また俺を助けてくれるのか!?」
ロア「待て、コウタ!  あのロボットの手を見ろ!」
ショウコ「離して! 離してよぉぉっ!!」
コウタ「ショ、ショウコ!!」
???(フォルカ)「………」
コウタ「くそっ!  てめえ、そこを動くんじゃねえぞ!!」
(コンパチブルカイザーが東へ移動、バルトールが進路に割り込んでくる)
コウタ「てめえら、雷神の仲間かよ!?  邪魔するんじゃねえ!!」
???(フォルカ)「……行くぞ」
ショウコ「嫌ぁぁぁっ!  お兄ちゃぁぁぁぁん!!」
(ヤルダバオトが東へ移動し撤退)
コウタ「ショウコォォォォッ!!」
(コンパチブルカイザーの周りに爆煙)
コウタ「くうっ! あいつら!!」
ロア「こちらの足を止める気か……!」
コウタ「てめえら、連邦軍なんだろ!?  どういうつもりだ!?」
ロア「無駄だ、コウタ。 あの機体に人は乗っていないようだ」
コウタ「チッ! なら、さっさと片付けて 雷神野郎を追うぞ!!」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[コウタ]

コウタ「そこをどきやがれ!  軍の新型だか何だか知らねえが、 邪魔をする奴は叩き潰す!」
ロア(このロボット…… 俺達がショウコを追うのを 明らかに妨害している……)
ロア(まさか……)

〈1EP〉

コウタ「あいつら、 ちょこまかと動き回りやがって!」
ロア「見ろ、コウタ。 あのロボット……逃げ遅れた人達に ガスを噴霧しているぞ」
コウタ「まさか、毒ガスか!?」
ロア「いや、成分に毒性はない。 これは麻酔に近いものだ」
コウタ「じゃあ、ガスを吸った人は 眠っちまうってことか!?」
ロア「わからん。 だが、あのロボット達は何らかの 目的を持って動いている……」
クスハ「う、うう……っ」
ラミア「クスハ少尉、しっかりしろ!  これは……他の者も!?」
ゼオラ「か、身体が……!」
アラド「う、動かねえ……!!」
ラミア(これは……無力化ガスか!  私はともかく、クスハ達は……)
(会場の西側のバルトールを指す)
ラミア「くっ……こちらに気づいたか」
(ワイヤーの発射)
ラミア「くっ、ワイヤーだと!?  しかもこれは……対人用!?」
(会場の西側のバルトールを指す)
ラミア「無力化ガスに 対人捕獲ワイヤー…… こんな物、仕様書には……!」
ラミア(人間を捕えることを 前提にした装備…… 奴らの目的は……いったい……!)
(会場にコンテナが3つ出現)
コウタ「何だ、ありゃ!?」
ロア「コンテナか……!?」
コウタ「おい、見ろ!  あのロボット、捕まえた人間を コンテナに入れてやがるぞ!」
ロア「目的は人間の誘拐か……!」
(コンテナが撤退)
コウタ「コンテナが!」
ロア「コウタ、奴らを止めろ!  これ以上の凶行を許すな!」
コウタ「ああ、 観客席にはジャーダさん達もいる!  黙って見過ごすわけにはいかねえ!」

〈敵機3機撃墜 or 4PP〉

ロア「コウタ、何かがこちらへ来るぞ」
コウタ「くっ、敵の増援かよ!?」
(ATXチームとカイ機が出現)
カイ「バルトールが 反乱を起こすとはな……!」
キョウスケ「ある意味予想通り、か。 ……少佐、あの赤い機体が?」
カイ「ああ、浅草に現れた奴だ」
キョウスケ「………」
エクセレン「え~と、バルトールと 戦ってるわけだから……、 こっちの味方ってことでOK?」
キョウスケ「敵の敵は味方……と、 簡単に考えるわけにはいくまい。 ブリット、クスハのPBS反応は?」
ブリット「ありません……!  も、もしかして……!」
エクセレン「取り乱さないの。 ラミアちゃんも一緒なんだから、 きっとうまくやって……」
ブリット「だったら……だったら、 反応があるはずです!」
キョウスケ「状況が不透明な時に あわてるな、ブリット。 今、対処すべきはあのバルトールだ」
ブリット「は、はい」
カイ(あの赤い機体…… 何故、ここにいる?)
(通信)
カイ「そこの機体、聞こえるか?  こちらはカイ・キタムラだ」
コウタ「カイ……?  あんた、あの時のオッサンか!」
カイ「ぐっ!  二度ならず、三度までも……!」
カイ「いや、そんなことより!  いったい何が起きた? 説明しろ!」
コウタ「説明もセンベイもあるか!  あんたらがグズグスしてる間に みんな連れ去られちまったんだよ!!」
カイ「何っ!?」
コウタ「連邦軍が来たんなら、 もうここにいる必要はねえ!」
(コンパチブルカイザーが東端へ移動)
コウタ「ロア!  本当にこっちの方角でいいんだな!?」
ロア「ああ。 だが、反応がどんどん遠ざかっていく。 急ぐんだ」
コウタ「わかった!」
カイ「待て、 お前にはまだ聞きたいことがある!  名前は!? 所属はどこだ!?」
コウタ「俺の名前はファイター・ロア。 所属は……ま、どこでもいいや」
カイ「何!?」
コウタ「それより、 観客席にいる人達を頼むぜ、 オッサン!」
(コンパチブルカイザーが撤退)
カイ「あの小僧……!」
キョウスケ「ファイター・ロア?  子供の声だったが……奴は?」
エクセレン「バリバリの赤ボディに 猛烈に熱血してる感じ…… まさに火の玉ボーイって奴?」
カイ「奴の話は後だ。 ゴースト1より各機へ!  バルトールへの攻撃を許可する!」
キョウスケ「了解……!  状況の変化が早すぎるのが 気になるが……」
キョウスケ「敵は新型だ。 考えている時間を与えてはくれまい。 エクセレン、ブリット!」
エクセレン「皆まで言わずともOKよ。 ……ラミアちゃん達のこともあるし、 ここはちょいマジよ、ブリット君」
ブリット「了解!」
ブリット(みんな……無事でいてくれ!)

〈敵機全滅〉

カイ「……さっきの奴で終わりか。 ブリット、会場に残っている人間が いるかどうか調べろ」
ブリット「は、はい!」
キョウスケ「………」
エクセレン「キョウスケ、気づいた?  バルトールちゃんのことなんだけど」
キョウスケ「ああ……脆いな、 ミロンガのデータに比べて。 ……それより、だ」
エクセレン「……ラミアちゃん達ね。 もし見つからなかったら、さっきの 坊やが言ってた通り……」
キョウスケ「連れ去られた…… もしそうなら、何のために?」
(カイ機にデータ送信)
カイ「この反応……後続が来たか」
カイ「いや、違うぞ! これは!」
(バルトールが多数出現)
ブリット「バルトールか!!」
エクセレン「わお!  ハチャメチャに押し寄せてきたけど!  本格的な量産ってまだでしょ!?」
キョウスケ「……見たままだ。 つまり、量産は進められていた……」
エクセレン「も~!  上は何やってんのよ!」
カイ「迎撃するぞ!  フォーメーションを組みなおせ!」
(ATXチームとカイ機が会場の北へ移動)
ブリット「な、何であれだけの数の敵機が こんな所まで……!」
エクセレン「答えは簡単明白。 味方の識別信号を出してるから…… 逆にそれしかないってこと」
ブリット「でも、 機体数が報告書と違い過ぎますよ!」
エクセレン「はぁ、何をいまさら……。 何もかもがおかしい状況よ、今は。 みんな揃って騙されてたってこと」
キョウスケ「そういうことだな。 ……サマを見抜けなかったのは おれ達の不覚だ」
エクセレン「イカサマねえ……。 んじゃ、目には目を……ってね!」
(一番近くのバルトールを指す)
エクセレン「いきなり不意打ち!  一発逆転! ツバメ返し!」
(バルトールがいた位置に爆煙、バルトールは避ける)
エクセレン「うそぉ、 それを避けちゃう!?  さっきは当たったでしょうに!」
キョウスケ「どういうことだ?  動きが違う……!?」
エクセレン「それどころか、 スピードアップもしてるわよ!」
ブリット「……!」
カイ「ゴースト1より各機へ!  この様子じゃ、援軍は期待できん。 俺達で奴らを仕留めるぞ!」
キョウスケ「了解……!」

〈初戦闘〉

[キョウスケ]

キョウスケ「エクセレンの攻撃…… まぐれで避けられるタイミングでは なかった」
キョウスケ「どの機体も、 こちらの動きを完全に 把握している……!?」

[エクセレン]

エクセレン「ハウリング・ランチャーを いきなりかわすなんて、 新型ちゃん、凄いじゃなぁい?」
エクセレン「でも、こっちにも プライドってのがあるんだから、 今度はそうはいかないのよね!」

[ブリット]

ブリット「クスハ達は生きている……!  絶対に死なせはしない!」
ブリット「だから、そこをどけぇぇっ!!」

[カイ]

カイ(ラミア、ゼオラ、アラド、 ラトゥーニ……死ぬんじゃないぞ)
カイ(教導隊は兵の範となるべき存在だ。 どんな状況でもあきらめず、生還を 第一に考えるんだぞ……!)

〈敵機1機撃墜 or NEXT PP〉

カイ「さっきのバルトールと 手応えが違う。どういうことだ?」
キョウスケ(これはスピードだけの 問題じゃない……こちらの手の内を 読まれている……?)
ブリット「あ……!」
エクセレン「どうしたの、ブリット君?」
ブリット「同じだ……同じなんです!  模擬戦で戦ったミロンガと!」
ブリット「あれも途中から こちらの動きを読み、モーションデータを 更新してきました!」
ブリット「しかも、全機一斉に…… 機体状態の差異まで瞬時に調整して!」
カイ「モーションデータの リアルタイム更新なら、既存のTC-OS でもやっているが……それ以外となるとな」
キョウスケ「次期主力機の名は ダテではない……ということか。 そうなると、少佐……」
カイ「ああ。 あのまま能力が上がっていくとしたら、 並のパイロットには太刀打ち出来んぞ」
エクセレン「並以上で、 かつ色々大盛りのつもりだけど…… このままじゃ、ちょいキツいかも」
ブリット「くそっ!  ここで時間を取られている 場合じゃないのに……!」
(カイ機にデータ送信)
カイ「! この反応は……」
(ハガネと所属機動兵器が出現)
エクセレン「わお! ハッガーネ!」
テツヤ「スティール2より各機へ!  バルトールを撃破せよ!」
ヴィレッタ「了解」
リュウセイ「いきなり 新型同士で対決することに なるなんて……!」
イルム「嫌な予感が的中したな。 もっとも、これほどわかりやすい形で 行動を起こすとは思ってなかったが」
リオ「バルトールに隠された秘密って、 このことだったんでしょうか?」
イルム「いや、 これは発端に過ぎないさ。多分な」
ヴィレッタ「各機へ。 バルトールは味方の識別信号を 出している。それに惑わされないで」
リュウセイ「了解!  ブリット、新型の相手はこっちに任せろ!」
ブリット「すまない、頼むぞ!」
キョウスケ「新型には気をつけろ。 敵は間違いなく、こちらの動きを 読んで行動している……!」
リュウセイ「よし……!  じゃあ、読まれる前に短時間で 勝負を決めてやるぜ!」
キョウスケ(問題はどのようにして 読んでいるか、その方法だが…… 今は数で押し切るしかない)
リュウセイ「行くぜ、バルトール!  こっちも新型だ、てめえらには 負けやしねえぞ!!」
(作戦目的表示)

〈初戦闘〉

[リュウセイ]

リュウセイ「雁首揃えての お出迎えと来やがったか!」
リュウセイ「てめえらに ART-1のパワーを 見せてやるぜっ!!」

[ライ]

ライ「そう簡単に 俺の動きを読み切れると思うなよ!」

〈敵機全滅〉

エイタ「バルトールの反応、消えました」
カイ「これだけのメンツが揃えば、 さすがの新型も対抗できんか」
リョウト「………」
リオ「どうしたの、リョウト君?」
リョウト「バルトールの動き…… まるで一人のパイロットが全機を 操縦しているかのようだった」
リュウセイ「あれに乗ってたのは、 ノイエDCの残党かよ?」
ライ「いや、 トライアルに関わっていた軍人か……」
ライ「ミロンガやバルトールの開発に 携わっていた者達と考えるのが 妥当だろう」
リュウセイ「じゃあ、 なんで会場を襲ったんだ?」
ライ「披露式典の阻止…… いや、その線はないか」
リオ「ねえ、ブリット君。 クスハは一緒じゃないの?」
マイ「それにラトゥーニ達は……?」
ブリット「そ、それは……」
(アラート)
エイタ「艦長!  伊豆基地がバルトールの襲撃を 受けているそうです!」
テツヤ「な、何だと!?」

『アーマリオン』を入手した。
『グルンガスト2号機』を入手した。
『グルンガスト弐式』を入手した。

『ビルトシュバイン』を入手した。
『ヒュッケバイン』を入手した。
『ヒュッケバインMk-II』を入手した。

『F-32Vシュヴェールト改』を入手した。
『量産型ゲシュペンストMk-II』を入手した。

(以下は2で入手したデータを使用して始めた場合のみ)

『グラビトン・ランチャー』を入手した。

『シシオウブレード』を入手した。


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