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欺かれた観客 ~ 第7話 ~

[不明 (指令室)]

カイル「我々のプロジェクトが中止!?  何故です!?」
ロレンツォ「理由は、先日のテストだ」
カイル「……!」
ロレンツォ「模擬戦中に ODEシステム搭載機が暴走し、 12名のパイロットが死亡した」
ロレンツォ「それも同士討ちによってな」
カイル「あ、あれは副総帥の指示で、 システムとパイロットの脳髄を 無理に直結させたせいで……!」
ジジ「あの時、パイロット達は 他者との感覚共有に耐えられず、 互いを拒絶してしまったのです」
ロレンツォ(確かに、 副総帥の横槍が直接の原因なのだろうが…… あのシステムは危うい)
ロレンツォ(少なくとも、今の段階ではな)
ユルゲン「現状のODEシステムは、 完全な物ではありません……。 クリアしなければならない問題点があるのです」
ユルゲン「ですから、 現段階であのようなテストを実施されても……」
ロレンツォ「ユルゲン博士…… 君は、副総帥の判断に誤りがあったと言うのか?」
ユルゲン「無論です。 私のODEシステムは、人間を兵器の部品に するためのものではありません」
ユルゲン「むしろ、人的損失を減らすための……」
ロレンツォ「……ビアン総帥は、 総合的な観点からODEシステムが 危険だと判断された」
ジジ「総帥が……!」
ユルゲン「ま、待って下さい!  我々にもう一度チャンスを!」
ロレンツォ「その必要はない。 君達のプロジェクトは中止だ。 以後の処置は追って通達する」
(扉が開閉する・ロレンツォが立ち去る)
ユルゲン「………」
カイル「じょ、冗談じゃない!  副総帥の横槍が入らなければ、 あんな事故は起きなかったんだ!」
ジジ「……あの老人の根回しは 万全だったようですね」
ユルゲン「うむ……もう手遅れだ……」
カイル「まさか、博士…… このまま引き下がるつもりですか!?」
ユルゲン「我々のプロジェクトは、 副総帥のゲイム・システムと相対するものだ。 抵抗しても、さらなる妨害を受けるだろう」
カイル「ならば、イスルギに あのシステムを持ち込んで……!!」
ユルゲン「……同じだ、カイル君。 ビアン総帥から中止命令が出ている以上はな」
カイル「くっ……!」
カイル(こんなことが納得できるか……!  納得してたまるものか……!)

《テスラ・ライヒ研究所 近郊》

[輸送機 コックピット]

カイル(あれから2年……)
カイル(あの時とは違う……。 今の俺達は、利用する側にいる。 イスルギやロレンツォをな)
所属不明兵「……そろそろ作戦の決行時刻だぞ」
カイル「わかっている。 ……ヴァルシオーネはテスラ研から出たか?」
所属不明兵「いや」
カイル(フッ…… あの女を潜伏させておいて 正解だったな)
所属不明兵「だが、奴はミロンガやバルトールにとって、 サイバスターやグランゾンと並ぶ強敵だぞ」
カイル「ここの所、サイバスターは確認されていない。 それに、シュウ・シラカワは動かん。 こちらから手を出さない限りはな」
所属不明兵「しかし、 あの男はAMNシステムやODEシステムのことを 知っているぞ」
カイル「いくら奴でも、 ユルゲン博士の真意までは図れんさ」
所属不明兵「……ヴァルシオーネへの手は 打ってあるんだろうな?」
カイル「ああ、奴は動けんはずだ」
カイル「ところで、極東の方はどうなっている?」
所属不明兵「第一波攻撃は成功したそうだ。 さすがはルー主任だな」
カイル「ああ……」
カイル(ジジ…… ODEシステムの糧となったか。 ……だが、俺もすぐにそちらへ行く)
(通信)
カイル「む? あいつからの連絡か」
(通信つながる)
ダイアン「カイル、いったいどういうことなの!?  どうしてバルトールが反乱を!?」
カイル「フッ……中継映像を見たか」
ダイアン「ねえ、説明して!  あなた達の目的は、テスラ研の特機EOTじゃなかったの!?」
カイル「……そいつも後でいただくさ」
ダイアン「え? 後でって……」
カイル「俺達が第一に欲しいのは、 テスラ研の優秀な“頭脳”だ」
カイル「そいつらを捕らえ、 ODEシステムのコアにするのさ」
ダイアン「な、何ですって!?  カイル、あなたは……」
(通信切れる)
カイル「テスラ研のガードが下がった。 傭兵部隊を先に出せ。事が済み次第、 俺達がコンテナを運び込むぞ」
所属不明兵「了解した」
カイル「さて……狩りの始まりだ……!」

[テスラ・ライヒ研究所 管制室]

スタッフ「……晴海からの中継映像は、 以前途絶えたままです」
ツグミ「………」
リューネ「途切れる直前の映像…… バルトールがヒュッケバインを攻撃してたよね?」
ロバート「あ、ああ」
アイビス「もしかして、 あの時のミロンガみたいに暴走したの……!?」
ツグミ「……これは……」
ツグミ「これは最初から 仕組まれていたことだったのかも知れない……」
アイビス「えっ……」
ダイアン「………」
(アラート)
スタッフ「タカクラチーフ!  所属不明機が研究所に接近中です!  こちらの呼びかけにも応じません!」
ツグミ「所属不明機って……」
リシュウ「この機にか。気に入らんな。 ワシらに害をなす者と考えるべきじゃろう」
ツグミ「は、はい!  対空迎撃、用意! ピーターソン基地へ エマージェンシーコールを!」
スタッフ「了解!」
リューネ「まさか、敵はバルトール……?」
アイビス「そんな……!  フィリオ少佐もカザハラ所長もいない このタイミングで……!」
ロバート「いくら何でも、 この短時間で大連からここまで来られんよ」
リシュウ「いや…… “敵”が周到な準備を進めておったとしたら、 あり得るかも知れんぞ」
ロバート「……!」
(アラート)
ツグミ「どうしたの!?」
スタッフ「ADATSが作動しません!」
ツグミ「そんな……!  この間、点検した時は異常がなかったのに!」
アイビス「こんな時に故障なの!?」
ツグミ「サブシステムに切り替えて! 急いで!」
(エラー)
スタッフ「駄目です! こちらにもエラーが!」
ツグミ「ダイアン、すぐに原因を調べて!」
ダイアン「え? あ……!」
ロバート「……ここは俺に任せてくれ」
(キー操作)
ロバート「う~ん…… 巧妙にカムフラージュしてあるが、 即効性のウイルスだな、こりゃ」
ダイアン「オオミヤ博士……!」
ロバート「しかも、メインシステムの防壁を回避し、 防空システムだけを切り離して、使えなくしている」
ロバート「このウイルスを作った奴は、 相当優秀だな」
ツグミ「オオミヤ博士、 ウイルスへの対処をお願い出来ますでしょうか?」
ロバート「何とかしてみよう。 ダイアン君、手伝ってくれ」
ダイアン「は、はい……」
ツグミ「いったい、彼らの目的は……!?」
リシュウ「いつぞやのインスペクターと同じで、 ここにある特機やEOT関連のデータの 入手じゃろうな」
ロバート「防空システムをダウンさせた手口、 所属不明機が現れたタイミング…… もしかしたら、内通者がいるのかも」
ダイアン「………」
リューネ「ツグミ!  あたしはヴァルシオーネで出るよ!」
アイビス「あたしも行くよ!  あいつらの好きにさせてたまるもんか!」
ツグミ「でも、アイビス……」
アイビス「わかってる!  ツグミはここにいて、指示を出して!  AXはあたしが独りで操縦するから!」
ツグミ「頼むわね。 連邦軍が来るまでの時間を稼いで」
アイビス「了解! 行こう、リューネ!」
リューネ「うん!」
(扉が開閉する・リューネとアイビスが立ち去る)
ツグミ「メイン・マトリックスと 超機人ケージを緊急封鎖!  所員達をシェルターへ避難させて!」
スタッフ「は、はい!」
ロバート「ダイアン君、 俺達はウイルスの解析を行うぞ」
ダイアン「わ、私は……」
ロバート「どうした?」
ダイアン「い、いえ……何でもありません」


第7話
欺かれた観客

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(ミロンガとガーリオン・カスタム“無明”などが出現)
ムラタ「フン、 テスラ研へ来るのは久しぶりだな」
ムラタ「あの老いぼれは…… リシュウ・トウゴウは まだここにいるのか?」
リシュウ「!」
リシュウ(あのガーリオンは……!)
リシュウ(間違いない、彼奴か!)
(ヴァルシオーネとアステリオンAXが出撃)
アイビス「あ、あの機体は……!」
ツグミ「ミロンガ……!」
ロバート「試作機の方が出てきたか!」
ツグミ(アビアノの時も変だと 思ったけど……この様子じゃ、 相当数が用意されているようね)
ムラタ「……ヴァルシオーネは 動けんはずではなかったのか?」
所属不明兵「カ、カイルの話では、 そうだと……」
ムラタ「まあいい。 斬る物が増える分には構わん」
所属不明兵「し、しかし、 奴のサイコブラスターは!」
ムラタ「密集して 射程内に入らんようにすることだな」
所属不明兵「りょ、了解!」
アイビス「リューネ、気をつけて!  ミロンガの運動性と連係戦闘能力は 半端じゃないよ!」
リューネ「わかった!」
ツグミ「リューネ、アイビス、 無理はしないでね……!」
アイビス「……そうはいかないよ。 このテスラ研はあたしにとって 大事な場所なんだから……!」
アイビスフィリオが留守の間に テロリストなんかに指一本だって 触れさせてなるもんか!」
(作戦目的表示)

〈3PP〉

リューネ(機体の調子が ここへ来る前より悪くなってる……!)
アイビス「リューネ、どうしたの!?」
リューネ「な、何でもないよ!  ここで時間はかけられないからね、 サイコブラスターを使うよ!」
所属不明兵「上昇した!?  まさか、あれを使う気か!」
リューネ「くらいな!  サイコブラスタァァァァァッ!!」
(何も起きない)
リューネ「えっ!?」
アイビス「リューネ!?」
リューネ「サ、サイコブラスターが 撃てない!?」
(システムダウン)
リューネ「き、機体がっ!!」
ムラタ「仕込みはされていたようだな」
所属不明兵「チャンスだ!  各機、撃て!!」
(ヴァルシオーネとその周りに多数の爆煙)
リューネ「うあああっ!!」

[テスラ・ライヒ研究所 管制室]

ツグミ「リューネ! 応答して、リューネ!!」
ロバート「いったい、何が起きたんだ……!?」
(キー操作)
ロバート「原因は駆動系じゃない…… OSのトラブルか!?」
(キー操作)
ロバート「これは……ウイルス!  誰がこんなものをヴァルシオーネに!?」
ダイアン「………」
(通信)
スタッフ「タカクラチーフ、 こちらへ通信が入っています!」
ツグミ「……回線を開いて」
(モニターオン)
カイル「……テスラ研の所員達に告ぐ。 直ちに抵抗をやめ、投降しろ。 そうすれば、お前達の生命は保証する」
ダイアン(カ、カイル……!)
ツグミ「あなた達の目的は、 ここにあるEOT関連のデータの 入手なのですか?」
カイル「まあ、そんなところだ」
ツグミ「………」
ツグミ(ヴァルシオーネは行動不能、 アステリオンはミロンガに抑えられてる。 万事休すね……)
カイル「我々はお前達に これ以上の危害を加えるつもりはない」
ダイアン「う、嘘よ……嘘……」
ロバート「ダイアン?」
カイル「直ちに投降しろ。所員達の生命は保証する」
ダイアン「そんなの嘘よ!」
ツグミ「!」
カイル「ふん、セルシア……そこにいたか」
セルシア「………」
ロバート「セルシア……!?  君はダイアンじゃないのか!?」
セルシア「私は…… 私の本当の名は、セルシア・ファームです」
ツグミ(まさか、彼女がウイルスを……!?)
カイル「セルシア、何故俺の命令に逆らった?」
セルシア「あ、あなたを…… 完全に信用することが出来なかったから……」
カイル「………」
セルシア「現にあなたは 私に嘘をついていたじゃない……!」
ロバート「嘘……?」
セルシア「そう、彼が言っていることは嘘です。 彼は、最終的にあなた達の命を奪おうと するはず……!」
ロバート「な、何のために?」
セルシア「そ、それは……」
カイル「その女に聞いても無駄だ。 単なる捨て駒だからな」
セルシア「……!!」
カイル「お前の役目は終わった。 そいつらもろとも、ODEシステムの糧にしてやる」
カイル「そして、新たな世界の礎となれ」
セルシア(カイル…… 何があなたを変えてしまったの……?  私は……私は……)
セルシア「私はそんなことのために あなたに協力してきたんじゃない……!」
セルシア「ダイアンのような 悲劇を繰り返させないために……!  今度こそ、私達の居場所を守るために……!」
(キー操作)

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(ヴァルシオーネのシステムが起動)
リューネ「! 機体が動く!!」
セルシア「聞こえますか、リューネさん!」
リューネ「!」
セルシア「リューネさん、皆さん…… すみません。私が間違っていました……」
リューネ「ダイアン…… ううん、セルシア……」
セルシア「先程、ワクチンを転送しました。 しばらくすれば、ヴァルシオーネの機能は 完全に回復するはずです」
リューネ「……ありがと、セルシア」
セルシア「!  リューネさん、私を……」
リューネ「話は後!  今はあいつらを何とかしないと!」
ムラタ「フン、とんだ茶番だったが…… ここでヴァルシオーネを倒せば いいだけのこと」
ムラタ「全機、攻撃の手を緩めるな」
(アステリオンAXとその周りに爆煙多数)
アイビス「うあああっ!!」
(ヴァルシオーネとその周りに爆煙多数)
リューネ「くううっ!!」
ツグミ「アイビス! リューネ!!」
ロバート「いかん、このままでは!」
ツグミ「こちらのADATSでは ミロンガに対応しきれない……!」
アイビス「リューネは下がって!」
リューネ「なに言ってんの!  あんたを残して逃げられないよ!!」
ツグミ「ど、どうすればいいの……!?」
???(リシュウ)「……ここはワシに任せい」
ツグミ「えっ!?」
(グルンガスト零式が出撃)
ツグミ「グ、グルンガスト零式が!!」
ロバート「まさか、 あれに乗っているのは……!?」
リシュウ「そう、ワシじゃ」
ロバート「リ、リシュウ先生!!」
リューネ「無茶だよ、先生!  年寄りの冷や水だよ!!」
リシュウ「その冷や水を、頭から ぶっかけてやりたい相手がおってのう」
ロバート「しかし、その零式は!」
リシュウ「大丈夫じゃ。 こんなこともあろうかと、 ジョナサンに調整を頼んでおいた」
ロバート「えっ!?」
リシュウ「先程、ああ言ったのは、 お前さんに心配をかけさせたく なかったからなんじゃ」
ツグミ「先生、危険過ぎます!  相手は最新鋭機なんですよ!」
リシュウ「じゃが、 カイルとかいう男は、ここにおらん。 つまり、敵はまだ出てくる……」
リシュウ「使えるものは 何でも使うしかあるまいて」
(グルンガスト零式が倉庫の東側へ移動)
ムラタ「むっ!?」
リシュウ「そこなガーリオン、 乗っておるのはムラタ…… お主じゃな?」
ムラタ「貴様、リシュウ・トウゴウか!」
リシュウ「応。 ムラタよ、どの面下げて ワシの前に現れた?」
ムラタ「この面よ。 だが、俺は貴様に用があって ここへ来たわけではない」
ムラタ「それに、 貴様から学ぶべきことはもうないわ」
リシュウ「惜しいの。 優れた技量を持ちながら、 己の邪な欲望のままに剣を振るか」
リシュウ「卓越した素質を備えながら、 人斬りの快楽を追及する愚者に 成り下がったか」
ムラタ「フン、剣は人を斬るためのものよ」
リシュウ「然り。 じゃが、お主は剣士の意気道理を 忘れておる」
ムラタ「俺にそんなものは不要…… 人機を斬れれば、それで良い」
リシュウ「剣は抜かずに済めば、 無事太平……その教えを忘れたか」
ムラタ「笑止。 抜かぬ剣など、ただの棒切れ」
ムラタ「俺が貴様を師と仰いだのは、 その剣技と獅子王の太刀を 手に入れるため」
ムラタ「無意味な題目など、 元より馬耳東風。修羅の道を往き、 人血と機油で己が心を満たすのみ」
リシュウ「それが…… 世に混乱を招くことを承知の上でか?」
ムラタ「無論だ。 戦乱が続けば続くほど、 俺の剣は血を吸える……」
ムラタ「そして、俺の渇きは癒される。 ロレンツォの大義やユルゲンの 理想など、関係ない」
ムラタ「俺が欲するのは、 リシュウ……貴様らを斬る手応えよ。 敗者の断末魔の叫びよ」
リシュウ「もはや……救えんか」
ムラタ「救う? 救うだと?  剣は命を絶つための道具。 それ以外に使い道などないわ」
リシュウ「じゃが、人を殺す刀が 人を生かす剣になることがある」
ムラタ「ククク……剣禅一如など、 偽善者や臆病者の題目に過ぎん」
ムラタ「血を吸わぬ剣など、無用の長物。 そう、今の貴様のようにな」
リシュウ「悪逆魔道に堕ちたな、ムラタ。 ワシは……お主を止めるぞ」
ムラタ「ハッ、笑わせるな!  貴様の剣など、もはや児戯に等しい!  所詮は道場剣法よ!」
リシュウ「………」
ムラタ「修羅の道を進んだ ゼンガーならいざ知らず、 死合をしておらぬ貴様に俺は斬れん!」
リシュウ「………」
ムラタ「リシュウよ!  俺に手ほどきしたことを 悔いつつ、骸と化せい!」
ムラタ「直に貴様の弟子や同胞達も 冥府へ送ってやるわ!!」
リシュウ「黙れい!!」
ムラタ「!?」
リシュウ「そして、聞けい!」
リシュウ「我が名はリシュウ!  リシュウ・トウゴウ!!」
リシュウ「我は悪を断つ剣なり!!」
(リシュウに『気迫』『鉄壁』『必中』『熱血』)
ムラタ「こ……この老いぼれが!  戦場を斬り抜けてきた俺に 敵うと思っているのか!」
リシュウ「思うたからこそ、ここにおる!  そして、ワシはお主を止めねばならん!」
リシュウ「それが、 一時でも師であったワシの責務よ!!」
ムラタ「師匠殺しの汚名、望む所!  返り討ちにしてやるわ!!」

〈vs ムラタ〉

[アイビス]

アイビス「こいつの刀の振り方、 リシュウ先生に似ている……!」
ムラタ「小娘…… この俺の剣を奴のような 道場剣法と同じと思うなよ」
アイビス「それくらいわかってる!  だって、あんたの剣は先生のと違って、 人殺しの剣だもの!」

[リシュウ]

ムラタ「リシュウ!  死合を経て、物言わぬ骸となれい!」
リシュウ「ムラタよ!  お主に剣を教えたのは、 ワシの罪じゃ!」
リシュウ「お主に償いをさせることこそ、 ワシの師としての最後の務めと 知れい!」

〈ガーリオン・カスタム“無明”のHP70%以下 or 6PP〉

スタッフ「タカクラチーフ!  新たな敵機が接近中です!」
ツグミ「!!」
(北側にミロンガが多数出現)
カイル「手こずっているようだな、 ムラタ」
ムラタ「だが、 俺にとっては望ましい状況よ」
リシュウ「後続が来おったか……!」
ムラタ「あの老いぼれは 俺が相手をする。 お前は目的を果たすがいい」
カイル「言われるまでもない」
アイビス「リューネ!  サイコブラスターはまだ使えないの!?」
リューネ「戦闘は 普通に出来るようになったけど、 そっちはまだ……!」
セルシア「待って下さい、 あともう少しで……!」
カイル「全機、 ヴァルシオーネへ集中攻撃を!」
カイル「サイコブラスターを 使われる前に奴を倒せ!!」
(増援で現れた南側の3機のミロンガが爆発する)
カイル「!!」
リューネ「ミロンガが!?」
カイル「ちっ、伏兵か!?」
(サイバスターが西側に出現)
マサキ「テロリスト共!  てめえらの好きにはやらせねえぜっ!」
カイル「サイバスター!?  何故、奴がここに……!」
リューネ「マ、マサキ!」
マサキ「助太刀に来たぜ、リューネ」
リューネ「でも、どうしてここへ?  あんた、ラ・ギアスに帰ったんじゃ……」
マサキ「そいつは…… まぁ、色々と訳ありでな」
シロ「本当はもっと早く 到着する予定だったんだけどニャ」
クロ「毎度のごとく、 迷って遅れちゃったニャ」
マサキ「それにしても…… あの野郎が言ってたことは、 間違ってなかったようだな」
カイル「よりにもよって、 このタイミングで奴が来るとはな……!」
(ヴァルシオーネに成功音)
リューネ「!」
セルシア「リューネさん、 これでサイコブラスターが使えるように なったはずです!」
リューネ「よ~し、これで何とかなる!」
カイル(チッ…… マイナス要素は、出来る限り事前に 排除したかったのだがな)
カイル(だが、 奴らに一度サイフラッシュと サイコブラスターを使わせれば……)
ムラタ「想定外の状況になったようだな。 どうする?」
カイル「……ODEシステムの さらなる性能向上のために、 テスラ研という“頭脳”が必要だ」
カイル「そして、ここで サイバスターとヴァルシオーネを倒し、 後顧の憂いを断つ」
リシュウ(あやつが頭か……!)
リシュウ「リューネ、アイビス、マサキ。 あのミロンガを倒せ」
(カイルの乗っているミロンガを指す)
リシュウ「先んじて頭を討ち、 奴らの連係を崩すのじゃ」
リューネ「わかったよ、先生!」
カイル「……さあ、貴様らも糧となれ。 ODEシステムのな」
カイル「それは、 地球圏を守ることにつながるのだ」
アイビス「そんな理屈なんて知らないよ!  でも、あんたがテスラ研を襲ったことは 許さない!」
リューネ「吐いてもらうよ!  あんた達が、あのバルトールで 何をしようとしているか!」
マサキ「ひゅう…… 女二人ですごい迫力だぜ」
シロ「マサキ、おいら達も!」
マサキ「ああ!  テロリストを見逃すわけにはいかねえ!」
カイル「高性能なMAPWを持つ サイバスターとヴァルシオーネは 厄介だが……“学習”させてもらうぞ」
(作戦目的表示)

〈ガーリオン・カスタム“無明”のHP45%以下〉

ムラタ「おのれ!  この俺がここまで追い込まれるとは!」
リシュウ「観念せい、ムラタ」
ムラタ「まだ終わらん……!  まだ斬り足りん……!」
ムラタ「俺の剣は、 まだここでは折れん!!」
(ガーリオン・カスタム“無明”が撤退)
リシュウ「………」

〈vs カイル〉

[アイビス]

カイル「フン、 プロジェクトTDの機体か」
アイビス「こいつ……TDのことを 知っている!?」
カイル「あの時、 総帥は我々のプロジェクトを中止させ、 無意味な夢物語を推した……!」
カイル「貴様にも 俺と同じ悔しさを味わってもらう!」

[マサキ]

カイル「貴様…… 俺達がここに現れることを 知っていたのか?」
マサキ「さあ、どうだろうな」
カイル「偶然などとは言わせんぞ。 どこで俺達の計画を知った?」
マサキ「てめえに語る舌はねえ!  欲しいものを何でも力ずくで 手に入れられると思うなよ!」
カイル「ほざくな! 俺達は…… ODEシステムはそうすることでしか この世界に認められなかったのだ!」

[リューネ]

カイル「サイコブラスターさえ 潰せば、貴様など!」
リューネ「あんた達、 いったい何者なのさ!?」
カイル「DCに縁があった者とだけ 答えておこう」
リューネ「何だって!?」
カイル「だが、DCなど過去の遺物!  我らのODEシステムこそが 新時代の地球の守護者となるのだ!」

[リシュウ]

カイル「貴様が ムラタの師匠だったとはな……!」
リシュウ「もう奴は破門したも同然じゃ」
カイル「そうか。ならば、貴様の剣技…… “学習”させてもらう!」

状況選択

カイル機のHPを80%以下にした
11PPになった


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