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魔装機神 リュウセイルート ~ 第11話 ~

《ウェーク島基地》

[ウェーク島基地 司令室]

一般兵「テンペスト少佐、 アイドネウス島総司令部のアードラー副総帥から 通信が入っています」
テンペスト「…メインモニターに回せ」
一般兵「はっ」
(通信)
アードラー「テンペスト・ホーカー少佐、 さしものお前もハガネには 手を焼いておるようじゃな」
テンペスト「…申し訳ありません」
アードラー「まあ、よい。 至急、お前はキラーホエール23番艦にて アイドネウス島へ帰還するのだ」
テンペスト「総司令部へ帰還…?」
テンペスト「このウェーク島基地で、 ハガネ迎撃任務を続行するのではないのですか?」
アードラー「いや。 お前には、別の任務が与えられる」
アードラー「現在、 我が軍は中欧地区制圧のため、 戦力を再編成中じゃ」
アードラー「お前には総司令部で、 その指揮を執ってもらおうと思ってな…」
テンペスト「それには、自分より ロレンツォ中佐が適任かと思われますが」
アードラー「あの男には別任務が与えられておる」
テンペスト「ハガネは 着実に我が方の包囲網を突破し、 このウェーク島へ接近しつつあります」
テンペスト「たった1艦とは言え、 その戦力を侮るのは危険です。 今、自分が基地を離れることは…」
アードラー「心配は無用じゃ。 以降の任務はテンザン・ナカジマに引き継がせる」
テンペスト「あの男に…?  パイロットとしての腕前はともかく、 指揮が執れるとは思えませんが」
アードラー「お前の帰還命令は、 総帥が直々に出されたものじゃ」
テンペスト「………」
アードラー「エルザムやシュウ・シラカワも 同様の命令を受け、こちらへ向かっておる」
テンペスト(エルザムとシラカワ博士が…)
アードラー「よいな?  早急に総司令部へ帰還しろ。 総帥がお前をお待ちじゃ」
(通信切れる)
テンペスト(まさか…私の心が見透かされたか?)
テンペスト(ハガネを奪取ではなく、 撃沈しようと考えている私の……)
(扉が開閉する)
テンザン「さーて、今日から 俺がここの戦闘指揮官だからな。 ちゃんと命令を聞けよ」
テンペスト「………」
テンザン「!  な、何だ、少佐…まだいたのかよ」
テンペスト「………」
テンザン「総帥があんたを呼んでんだろ?  さっさと行かなきゃマズいんじゃないの?」
テンペスト「言われるまでもない」
テンザン「ま、後のことは任せてくれ。 ハガネは俺が手に入れてやるからさ」
テンペスト「現実とゲームの 区別がつかない子供には無理だ」
テンザン「ヘッ、いつまでも 家族の仇討ちにこだわってる あんたに言われたかねえな」
テンペスト「……!」
テンザン「それに、戦争ってのはな…もっと明るく、 派手にパーッとやんなきゃ楽しくねえっての」
テンペスト「ここで死にたくなければ、 その口を今すぐ閉じろ」
テンザン「おー、怖い怖い。 復讐鬼ってのは怖いねぇ。 それが元教導隊なら尚更だ」
テンペスト「フン…」
テンザン「それじゃ、気を取り直して… ハガネ相手のウォー・シミュレーションゲームを 楽しむとすっか」

《ウェーク島近海(移動中・ハガネ)》

[ハガネ ブリッジ]

テツヤ「まもなく、本艦は北回帰線を越え… ミクロネシア海域へ入ります」
テツヤ「そこで、問題となるのが、 旧西暦時代からの重要拠点でもある ウェーク島の連邦軍基地です」
イングラム「あの基地は、 DCに占拠されているのだったな」
テツヤ「ええ…。前回の敵部隊も そこから出撃したと思われます」
アヤ「ウェーク島を 回避することは出来ないのですか?」
テツヤ「そうしたいところだが、 補給の問題もある。それに…」
テツヤ「あの海域周辺の敵防衛網は、 ウェーク島を中心に展開されているため…」
テツヤ「基地を奪回出来れば、 マーシャル諸島東海域に差し掛かるまで、 敵の攻撃を受けずに済む」
アヤ「しかし… それでは基地にいる敵部隊と 正面からぶつかることに…」
ダイテツ「…現在、DCは北アフリカ地区を 制圧するために戦力を展開中だ」
ダイテツ「そのため、 太平洋方面の防衛網が以前より手薄になっている」
ダイテツ「ワシらがDCの本拠地、 アイドネウス島へ早期到達するには、 この隙を狙うより他にない」
アヤ「………」
ダイテツ「だからこそ、あの島への 最短ルート上にあるウェーク島を 突破せねばならんのだ」
ダイテツ「何としてもな…」

[ハガネ ブリーフィングルーム]

イングラム「我々が目指すウェーク島の基地には、 多数の対艦砲台が配備されている」
イルム「やれやれ、そいつが そっくり敵の手に落ちてるなんて…冗談キツいぜ」
イルム「で、少佐…。 どうやって基地を攻めるんです?  ハガネで艦砲射撃ですか?」
イングラム「基地の迎撃システムの 有効射程距離はハガネの主砲以上だ。 だから、うかつに接近できん」
リュウセイ「じゃあ、そいつをブッ壊さない限り、 ハガネは島へ近づけないってことか…」
イングラム「そうだ。よって、 PTと戦闘機で先行し、ウェーク島へ突入… 基地の迎撃システムを撃破する」
イングラム「その後、 ハガネで基地を制圧すれば、作戦は成功だ」
リュウセイ「し、島へ突入って… その前に、迎撃システムの攻撃で やられちまうんじゃないのか!?」
イングラム「ヒュッケバイン、 ビルトシュバイン、ビルトラプターと F-28の機動性能ならば…」
イングラム「敵の攻撃をくぐり抜けられる」
リュウセイ「ホ、ホントかよ…」
イングラム「後は、敵AMや戦闘機、 SAMやMLRSにどうやって対処するか、だ」
ジャーダ「対処も何も…そいつらも キッチリ片づけるしかないんでしょう?」
イングラム「無論だ」
ジャーダ「じゃ、気合入れて行くとすっか」
イングラム「作戦開始は1130。 各自、持ち場につけ。以上だ」


第11話
魔装機神

〔戦域:ウェーク島基地周辺〕

ダイテツ「本艦は、敵基地砲台の 射程圏外であるこのポイントに固定!  PT、及び戦闘機を発進させろ!」
テツヤ「了解! 各機、発進せよ!」
(出撃準備)
ガーネット「ちょっと…!  砲台の数が多くない?」
ジャーダ「当たり前だろ。そうでなきゃ 基地を守れねえだろうが」
ガーネット「砲台だけに やりたい放題…なんちゃって」
ジャーダ「つまんねえぞ!」
リュウセイ「なあ、あれを全部、 俺達だけで壊せっていうのかよ?」
ジャーダ「今さら文句を言ったって、 しょうがねえ。MAPWでもありゃ、 話は別だけどよ」
イングラム「各機へ。 基地周辺の砲台を優先して破壊せよ」
アヤ「了解です、少佐」

[建物内]

一般兵「ハガネからPTが出撃しました!」
テンザン「よし…じゃあな、 敵のPTはギリギリまで引きつけろ。 21番艦も現状の海域で待機だ」
一般兵「え!? AM部隊で 迎撃するのではないのですか?」
テンザン「バーカ。 それじゃ面白くねえし、 スリルもねえだろうが!」
一般兵「は、はあ…」
テンザン「いいから、 言われたとおりにしろっての」
一般兵「りょ、了解です」

〈2PP〉

アヤ「ライ、おかしいと思わない?  戦力は向こうの方が上なのに、 敵機の動きが鈍すぎるわ」
ライ「そうですね。海上で我々のPTを 迎撃すれば、基地への被害を最小限に 抑えられるというのに…」
ライ「何かのワナ…あるいは、 伏兵がいるかも知れませんね」
アヤ「そうね…」
リュウセイ「どのみち、基地へ 接近しなきゃ砲台を潰せねえんだ。 今は突撃あるのみだぜ!」

〈味方機が基地へ接近〉

テンザン「へへ、来やがったな。 これからが本番だぜ」
テンザン「キラーホエール 21番艦に出番が来たと伝えろ!」
一般兵「了解!  キラーホエール21番艦、浮上せよ!」
(キラーホエールが出現)
エイタ「0時方向、 レンジ3に反応あり!  DCの戦闘原潜です!!」
テツヤ「うぬっ…!  やはり、伏兵がいたのか!」
テンザン「21番艦、 対艦ミサイルを発射しろ。ただし、 艦首部分には当てるなよ」
テンザン「下手に爆発させたら、 俺達も吹っ飛んじまうからな」
DC艦長「了解!  目標、ハガネ後部!  対艦ミサイル、発射!!」
(ミサイルが出現)
エイタ「敵戦闘原潜から 大型ミサイルが発射されました!」
テツヤ「ターゲットは本艦か…!」
テンザン「さあ、 ハガネちゃんよぉ…どうする?」
テンザン「砲台と大型ミサイルの エジキになるか、仲間のPTを 見捨てて逃げるか、それとも…」
ダイテツ「PT部隊は、 基地の砲台破壊任務を続行!  ミサイルはハガネで落とす!」
テツヤ「了解!  AMミサイル、発射準備!」
テンザン「ホ! ミサイルの 撃墜を選びやがったか。やっぱ、 そうこなくちゃ盛り上がらねえよな」

〈NEXT PP〉

(アラート)
エイタ「艦長!  9時方角よりアンノウンが 高速で接近して来ます!!」
ダイテツ「……!」
エイタ「データ照合…該当あり!  こ、これは…!」
(南西端にサイバスターが出現)
マサキ「ここか! まったく、 余計な手間をかけさせやがって!」
テツヤ「何だ!? あの人型は!!」
リュウセイ「カ……」
ガーネット「カ?  刺されちゃったの?」
リュウセイ「カ、カッコいい…!」
ライ「そんなことを言っている場合か。 あれは南極の時にも現れた奴だ」
リュウセイ「あ、ああ…!」
(サイバスターが砲台の中心へ移動)
リュウセイ「な、何てスピードだ!  戦闘機以上だぜ!」
一般兵「しょ、正体不明機が 基地の防衛網を突破しましたっ!」
テンザン「お、おいおい… 何だよ、ありゃ!?」
テンザン「PTやAMじゃねえぞ!  ビアン総帥の新兵器か!?」
テツヤ「そこの機体!  所属と官姓名を名乗れ! でなければ DCの機体と認識し、攻撃する!」
マサキ「おっと、早合点するな。 ちょいと力を貸してやろうって 言ってるのさ!」
テツヤ「何だと!?」
シロ「いいのか、マサキ?  おいら達のことを説明しニャくて…」
マサキ「そんな時間はねえ。 敵の砲台を一気に片づけるぞ!」
クロ「一気にって… まさか、アレを使うつもりニャの!?」
シロ「無茶だよ、マサキ!  今、あんニャものを使ったら…」
マサキ「時間がもったいねえ!  やるぞ!!」
クロ「わ、わかったニャ!」
マサキ「ようし、行くぜっ!!  サイフラァァァァシュッ!!」
(基地上のM-ADATSが全滅)
一般兵「た、対艦砲台が 全て破壊されました!!」
テンザン「な、何!?  インチキだろう、そんなの!!」
リュウセイ「す、すげえ!  たった1機で砲台を 全部壊しやがった…!」
マサキ「ま、ざっとこんなもんよ。 それじゃあな!」
リュウセイ「お、おい!  どこへ行くんだ!?」
マサキ「この基地の中さ。 何、ちょいと調べるだけだ。 後は頑張りな」
(サイバスターが撤退)
ジャーダ「何なんだ、あいつ!?」
イングラム「各機へ。この機に乗じて 一気に基地を制圧する」
ダイテツ「砲台が破壊されたのなら、 本艦も動ける。二発目を撃たれる前に 戦闘原潜を行動不能にせよ!」

〈敵機全滅〉

(リオン×4、ガーリオン・カスタムとサイバスターが出現)
マサキ「待ちやがれ!」
テンザン「チッ!  てめえさえ現れなけりゃあ、 ハガネを沈められてたのによ!」
テンザン「おかげで 俺のゲームが台無しだぜ!」
マサキ「何がゲームだ、ふざけんな!  それよりもシュウの野郎は どこにいる!? 答えろ!!」
テンザン「お前もしつけえな!  ここにはいねえっての!」
マサキ「なら、奴の行き先を教えろ!」
テンザン「さあな。 アイドネウス島にいるんじゃねえか?」
マサキ「アイドネウス島…!?」
テンザン「このままじゃ分が悪いな。 さて、どうしたもんか…」
テンザン「腹も減ってきたし… ここで基地を死守なんてのも面倒だしな。 さっさとズラかるとすっか」
一般兵「そ、そんな!  我々はどうなるのですか、大尉!」
テンザン「おめえらもさっさと逃げろや。 でねえと、ゲームオーバーだぜぇ?」
(ガーリオン・カスタムなどが撤退)
リオ「ウェーク島基地、 沈黙しました。残存部隊は この海域から撤退していきます」
テツヤ「あのアンノウンは?」
リオ「こちらへ攻撃を仕掛けてくる 素振りは見せていませんが…」
マサキ「ちっ… ここにもいなかったか、 シュウの野郎…」
シロ「でも、手がかりが つかめただけでもマシだニャ」
イングラム「…お前は何者だ?」
マサキ「俺はマサキ。 マサキ・アンドーって名前だ。 『お前』じゃねえ」
イングラム「では、その機体は何だ?  見たところ、パーソナルトルーパーでは ないようだが…」
マサキ「こいつはそんなもんじゃねえ」
マサキ「風の魔装機神… サイバスターって言うんだ」
イングラム「魔装機神…?  聞いたことのない名前だな」
マサキ「なら、これからは… 忘れずに…覚えておくんだな…」
シロ「マサキ、どうしたんだニャ!?」
マサキ「な、何だ…?  力が…入らねえ…」
クロ「やっぱり、 さっきのサイフラッシュで プラーニャを使い過ぎて…?」
マサキ「くそっ… この程度で…ザマねえぜ……」

[ハガネ ブリッジ]

エイタ「…サイバスターの回収、終了しました」
テツヤ「まさか… AGX-05が現れるとはな……」
エイタ「05って……前に 偵察機が接触したっていう…?」
テツヤ「ああ。 しかし、エアロゲイターではないようだな…」
ダイテツ「…基地の方は?」
エイタ「残存兵員が投降信号を出しています」
ダイテツ「武装解除命令を出せ。 その後で投降を受け入れる」
エイタ「了解。 武装解除命令を出します」
ダイテツ「大尉、補給物資の搬入準備を」
テツヤ「はっ。 しかし…妙ですね。奴らは最後まで 我々に抵抗すると思っていましたが」
エイタ「指揮官もさっさと 基地を放棄して逃げましたしね」
ダイテツ「…あのビアン・ゾルダークが 率いるディバイン・クルセイダーズも 決して一枚岩ではないということだ」
ダイテツ「ならば、ワシらにも勝機はある……」

[ハガネ 医務室]

クスハ「じゃあ、 包帯だけ巻いておきますね、アヤさん」
アヤ「ありがとう、クスハ」
クスハ「さ、次はリュウセイ君の番よ」
リュウセイ「こんなもん、ケガの内に入らねえよ。 なめときゃ治るって」
クスハ「んもう、猫じゃないんだから」
アヤ「そう言えば…あのマサキって子、 猫を二匹連れてたんですって?」
クスハ「ええ… 今、向こうのベッドで寝ています」
リュウセイ「猫と一緒にロボットに乗ってるなんて… 変わってんなあ」
アヤ「彼、地球人…なの?」
リュウセイ「そうじゃねえか?  マサキ・アンドーって名前も、 どう考えたって日本人のもんだし…」
リュウセイ「あのサイバスターってロボットも、 エアロゲイターの機体じゃなさそうだ」
(扉が開閉する)
リオ「ねえ、クスハ。 あのマサキって子、気がついたの?」
クスハ「ううん…まだ眠ってるわ」
リオ「そう…」
クロ「シロ! シロってば!」
シロ「ニャんだ…?  もうおニャか一杯だニャ…」
アヤ「リオ、あなた…今、何か言った?」
リオ「いえ…?」
クロ「ニャに寝ぼけてんのよ、シロ。 さっさと起きニャさいよ」
シロ「フニャ…ここは…?」
アヤ「やっぱり声がする…」
リュウセイ「お、おいおい、カンベンしてくれよ。 真っ昼間から幽霊なんて…」
リオ「私、見てくるわ」
リオ「ねえ、そこに誰かいるの!?」
シロ「わっ!」
クロ「ビ、ビックリしたニャ!」
リオ「…ね、猫が喋ってる…!」
アヤ「ホ、ホントだわ…!」
リュウセイ「も、もしかして、 猫型リアルロボット!?」
シロ「ポケットはついてニャいニャ~」
リュウセイ「こ、この反応…!  ロボットじゃねえな!?」
クスハ「…で、でも… 人間の言葉を話す猫なんて…」
シロ「あ、そうだ。 地上の猫は喋らニャいのが普通ニャんだった」
クロ「今さら、もう遅いニャ」
リオ「な、何なの…?  ど、どういうこと…!?」
マサキ「う、うう……」
クロ「マサキ、気がついたニャ!?」
マサキ「………」
マサキ「…ここは?」
アヤ「連邦軍の戦艦…ハガネの医務室よ」
マサキ「連邦軍の戦艦だと!?  こうしちゃいられねえ!」
シロ「マサキ!」
リオ「ちょっと! どこへ行くのよ!?」

[ハガネ 艦長室]

テツヤ「艦長、 補給物資の搬入は終了しました」
ダイテツ「敵のアーマードモジュールは 手に入れられたのか?」
ロバート「データは入手しましたが、 さすがに機体そのものは…」
ロバート「しかし、AM用の武器や特殊武器を 入手しましたので、PT用に調整しておきます」
ダイテツ「うむ、頼んだぞ」
テツヤ「それと、艦長… 一つ気になることがあります」
ダイテツ「何だ?」
テツヤ「基地司令部の通信履歴を調査したのですが… 極東支部との交信記録らしきものを発見しました」
ダイテツ「極東支部との…?  記録日と内容は?」
テツヤ「それはさすがに削除されていましたが、 ここ数日の間に極東支部から 通信が入っていたのは事実です」
ダイテツ「グレードと回数は?」
テツヤ「グレードはAAA…回数は1回です。 他にもあったかも知れませんが、 追跡調査は不可能です」
イングラム「AAAのコードを使用出来るのは、 指揮官クラスの人間のみだ。となれば…」
テツヤ「レイカー・ランドルフ司令や、 サカエ・タカナカ参謀…あるいは、 ハンス・ヴィーパー中佐…」
ダイテツ「………」
イルム「…それと関係あるかどうかはわかりませんが、 自分にも一つ気になることがあります」
イングラム「何だ?」
イルム「我々に何度か攻撃を仕掛けて来ている DCのパイロット…テンザンという奴のことですが」
イルム「リュウセイによれば、 ついこないだまで民間人で…バーニングPTの 優秀なプレイヤーだったとか」
イングラム(テンザン・ナカジマか… こちらでも一応マークはしていたな)
テツヤ「バーニングPT…?」
イングラム「我々が適格者を民間レベルから 捜し出すために使用した、一種のシミュレーターだ」
イングラム「リュウセイ曹長はその結果によって、 SRX計画のテストパイロットに選ばれた」
ダイテツ「では、DCも そのシミュレーターを使用して 何らかの選抜を行っていたと?」
イングラム「可能性はありますね。 ただし、バーニングPTがそういう装置だと 知る人間は、数が限られていますが」
テツヤ「まさか…何者かが秘密裏に 優秀なプレイヤーをEOTI機関へ引き渡したと?」
イングラム「否定は出来んな」
テツヤ「それじゃ、 極東支部にDCへの内通者がいることに…」
ダイテツ「………」
(扉が開閉する)
リオ「ダメだって、勝手に入っちゃ!」
マサキ「うるせえ! 俺はこの連中に 聞きたいことがあるんだよ!」
テツヤ「何だ? ミーティング中だぞ!」
ダイテツ「その少年は…?」
マサキ「あんたが、この艦の艦長か?」
ダイテツ「そうだ」
マサキ「なら、ビアンって奴の居場所を知ってるか?」
ダイテツ「何故、そんなことを聞く?」
マサキ「ビアンの所にシュウがいるからだよ。 俺はあの野郎を追って地上へ来たんだ」
ダイテツ「シュウだと…? もしや、 グランゾンのテストパイロット… シュウ・シラカワのことか?」
マサキ「!  おっさん、あいつを知ってんのか!?」
テツヤ「知ってるも何も…我々が乗っていたシロガネは シュウのグランゾンによって破壊されたんだ」
マサキ「じゃあ…あの時…南極で…」
テツヤ「お前こそ… 何故、シュウ・シラカワを知っているんだ?」
テツヤ「お前はいったい何者なんだ?」
マサキ「………」
イングラム「マサキ・アンドー…だったな?  我々に協力する気はないか?」
マサキ「何…?」
テツヤ「イングラム少佐…!」
イングラム「今、この艦はビアン博士がいる アイドネウス島…DCの本拠地へ向かっている」
マサキ「アイドネウス島…!  DCの…本拠地だと?」
イングラム「そうだ。 総帥ビアン・ゾルダークと…」
イングラム「シュウ・シラカワを始めとする 彼の協力者達を“倒す”ためにな」
マサキ(…ビアンやシュウを倒す…だと?)
イングラム「どうでしょう、艦長。 少なくとも、現時点での我々と彼の目的は 共通しています」
ダイテツ「………」
イングラム「それに、 我々は少しでも多くの戦力を必要としています」
イングラム「サイバスターという戦力の増加は、 ハガネにとって大きな利益になると判断しますが…」
ダイテツ「…良かろう。 少佐、君の意見を採用しよう」
テツヤ「よろしいのですか、艦長?」
ダイテツ「DCを倒すための手段は選んでいられん。 ワシらは敗北するわけにはいかんのだ」
マサキ「………」
クロ「…マサキ、 あたし達だけでDCと戦うのは無理ニャ…」
シロ「そうそう。 それに、方向オンチのマサキじゃ、 シュウの所へ行けるかどうかわかんニャいし」
テツヤ「な、何だ、この猫は! 喋ってるぞ!?」
リオ「…え、ええ… 私も信じられないんですけど…。 そういう猫らしいです」
テツヤ(そ、そういう猫って…どういう猫だ!?)
クロ「マサキ、 ここは協力した方がいいと思うニャ」
マサキ「フン、やなこった……」
マサキ「と、言いたいところだが 俺もまだまだ力不足だ」
マサキ「一人でDCと戦っても、 勝ち目がねえのはわかりきってるしな…」
マサキ「しょうがねえ、ここはひとまず手を結ぶぜ」
イングラム「そうしてもらえると助かる。 では、リオ…彼に状況の説明と艦内の案内を」
リオ「は、はい…。 じゃ、行きましょ、マサキ君。 クロとシロもおいで」
クロ「わかったニャ」
(扉が開閉する・マサキ達が立ち去る)
イングラム「………」
イルム「いいんですか、少佐?  奴の正体にゃ、不明な点が多いと思いますけどね」
イングラム「………」
イングラム「だが、あのサイバスターという 機体の戦力は捨てがたい…」
イングラム(それに、 貴重なデータも収集出来るからな。 …今後のために)

『エナジーテイカー』を入手した。
『ウェポンブレイカー』を入手した。
『アサルトブレード』を入手した。

『アポジモーター』を入手した。
『サーボモーター』を入手した。
『ビームコート』を入手した。


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