back index next


離別、そして キョウスケルート ~ 第8話 ~

[DC総司令部]

ビアン「北米地区での作戦指揮… ご苦労だったな、バン・バ・チュン」
バン「いえ… ラングレーを陥落させたとは言え、 北米全体を制圧したわけではありません」
バン「連邦は長期戦に持ち込むつもりです。 私は反連邦勢力のネットワークを強化し、 “外”からもさらなる揺さぶりをかける所存です」
バン「故に… ねぎらいの言葉は、どうか事を成し遂げた後で」
ビアン「ふふふ…堅実だな、お前は」
バン「…総帥はこれからの世界を背負って立つお方。 連邦に虐げられてきた民衆を解放するためにも… “裏”の部分は引き続き私が請け負いましょう」
ビアン「この戦いが終わった後… お前にも“表”の仕事をしてもらわねばならん。 私も戦のことばかりを考えるわけにはいかんのでな」
バン「はっ…。 時が来れば、いずれ…」
ビアン「うむ。 以後の戦果に期待しておるぞ、バン」
ロレンツォ「…ビアン総帥」
ビアン「ロレンツォ、 コロニー統合軍のオペレーション・ムルロアの 進行状況は?」
ロレンツォ「順調です。 本日中にファイナルフェイズへ移行するかと」
ビアン「そうか。 では、マイヤーに伝えてくれ。 いずれ、ジュネーブで会おうとな」
ロレンツォ「はっ」
ビアン「…アードラー、 ヒリュウ改はどこに向かっているのだ?」
アードラー「ヒリュウ改…。 あの外宇宙探査航行艦のなれの果てで ございますか?」
アードラー「あのような艦、 総帥がお気になさるほどのことはないかと 思われますが…」
ビアン「エルザムから… あの艦には元教導隊のゼンガー・ゾンボルト率いる ATXチームがいると聞いた」
アードラー「常識外れの試作機のテストチームなど、 たかが知れております」
ビアン「だが、 彼らは零式やテスラ・ドライブ搭載機を 持っているのだろう?」
アードラー「そ、それは…。 お言葉ながら、総帥が故意にテスラ研へ 渡したからでは?」
アードラー「何も連邦に あのような物を与えずとも…」
ビアン「今後のために、ある程度の均衡は必要だ。 それに私は効率的なISAを成し遂げる部隊が 欲しい」
アードラー「ストークやキラーホエールでは その役目を果たせませんか?」
ビアン「我らが作り上げた、 それらの優秀なハードを活かすソフトが 欲しいのだよ、私は」
ビアン「そして、それは優勢な状況より、 劣勢な状況の方から生み出された方が望ましい…」
ビアン「人は逆境において成長するものだからな」
アードラー(総帥は敵側から人材を起用し、 それを中核に…? 馬鹿な)
ビアン「アードラー… ヒリュウ改の目的地を探し出し、 そこへエルザムの部隊を送り込め」
ビアン「奴ならば…あるいは」
アードラー「は、ははっ。承知致しました」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「………」
ゼンガー「艦長……副長は?」
レフィーナ「休んでもらっています…」
レフィーナ「これからはもっと厳しくなりますから… 休める時に休んでおかないと…」
ゼンガー「…艦長、 いついかなる時でも、優秀な指揮官で あろうとするのは当然のことです」
ゼンガー「だが…勝たねばならない時、 絶対に敗れてはならない時…」
ゼンガー「必勝の一太刀が 抜けなければ、何の意味もない」
ゼンガー「そのためには、己の心を常に 平静に保っておく必要があります」
レフィーナ「…何が おっしゃりたいのですか、少佐?」
ゼンガー「失礼ですが、自分には 艦長が戦いに脅えておられるように見えます」
レフィーナ「…少佐にはお見通しなんですね…」
レフィーナ「そうです…。 ヒリュウ改の艦長になった時から、 覚悟は決めていたのですが…」
レフィーナ「……私は…」
ゼンガー「…目の前の敵を倒す。 戦場で、それを忘れた者は死あるのみです」
レフィーナ「ゼンガー少佐… あなたは何故、そんなに強いのです…?」
ゼンガー「いえ、自分はただ… 逃げ道を知らぬだけです」
ゼンガー「故に現状に対してもがく…。 他人の目には、それが強者の姿として 映るのでしょう」
ゼンガー「しかし…自分の強さなど、 我々を逃がしてくれた司令達の 足下にも及びません」
レフィーナ「あの時、ラングレーから脱出したのは… 果たして正しい決断だったのでしょうか?」
ゼンガー「でなければ、今頃自分達は、 基地と命運を共にしているところでした」
レフィーナ「ありがとうございます。 ゼンガー少佐にそう言って頂けると、助かります…」
ゼンガー「………」
ゼンガー(…今の連邦軍では DCコロニー統合軍を倒すことは出来ん…)
ゼンガー(このままでは、 前世紀以上の世界大戦となり… 人類全体が疲れ果ててしまう)
ゼンガー(…打開策が必要だ。そう…劇的な策が…)

[ヒリュウ改 ブリーフィングルーム]

タスク「マンハッタン隕石孔って言われても、 どうもピンと来ないんだけどさ」
ブリット「あそこは、 未だに封鎖されている区域だからな」
タスク「つまり、 お前も詳しいことは知らないってワケね」
ブリット「馬鹿にするな、それぐらい知って…」
エクセレン「はぁ~い、 ここは女教師ブロウニングにお任せ!  ええと、マンハッタン隕石孔…」
エクセレン「だいぶ前… 百年以上前だけど、ニューヨークと モスクワに隕石が落下したの」
ラッセル「メテオ1、メテオ2と 呼ばれている隕石のことですね?」
エクセレン「あらん、優秀な生徒じゃなぁい?  先生…いけない気分になっちゃいそう」
カチーナ「何がいけない気分だ。 もったいつけるほどのものかよ。 今時の小学生でも知ってるぜ」
カチーナ「メテオ1と2の落下で… 当時のニューヨーク、及びワシントン、 モスクワはほぼ壊滅」
カチーナ「何だかんだあって復興は見送られ、 今もそのままになってるって話だろ?」
エクセレン「あらら、 言うことなくなっちゃったわね」
ラッセル「そして、 数年前…アイドネウス島に落下したメテオ3…」
ラッセル「今思えば、その3つの隕石には、 何か関係があるのかも知れませんね」
タスク「そりゃねえだろ?  エアロゲイターが、メテオ1と2を 送り込んだってんなら…」
タスク「今頃、地球は奴らに征服されちまってるぜ」
カチーナ「タスクの言うとおりだ。 あいつらも百年間、こっちをのぞき見してるほど 暇じゃねえだろうぜ」
キョウスケ(エアロゲイター… メテオ3…地球の征服…)
キョウスケ(なるほど、これでようやく話が見えた)
キョウスケ(おれ達が以前に 接触したあの虫型マシンは… 地球外知的生命体の機動兵器か)
キョウスケ(ならば、ATX計画… いや、PTAMは奴らに対抗するため 開発された兵器…)
キョウスケ(そして、おれ達の真の敵は DCやコロニー統合軍ではなく…)
キョウスケ(『エアロゲイター』と 呼ばれる異星人か…。にわかには信じがたいがな)
エクセレン「あら? キョウスケ、どうしたの?」
キョウスケ「いや、何でもない」
キョウスケ(だが…本当にそうか?  …もう少しはっきりしない限りは…)
エクセレン「まあ、この鉄面皮はほっておくとして…」
エクセレン「長くなったけど、 マンハッタン隕石孔には、連邦軍の 残存艦隊が集結している…」
エクセレン「私達も、そこにすがるしかないのよね」
エクセレン「グレッグ司令達の気持ち、 無駄にしないためにも、ね…」
カチーナ「…ちっ、カッコつけても 死んだら何にもならねえ…」
キョウスケ「……」
(アラート)
カチーナ「! 何だ!?」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「間違いないのですね!?」
ユン「はい! マンハッタン隕石孔で 大規模な戦闘が行われています!」
ショーン「先手を打たれましたか…。 衛星を抑えられている以上、致し方ありませんな」
レフィーナ「副長、最大戦速で 合流ポイントへ向かいます!  各機に出撃命令を!」
ショーン「了解です」
ショーン(…果たして、我々の出遅れが 吉と出るか、凶と出るか…)


第8話
離別、そして

〔戦域:マンハッタン隕石孔周辺〕

(海上にレディバードと周りにF-28メッサーが多数いる)
オペレーター「き、機長!  も、もう生き残りは我々だけです!」
連邦軍兵「ば、馬鹿な…!  連邦軍の艦隊が…全滅だと…!?」
連邦軍兵「たったあれだけの敵機に、 艦隊が…!」
テンザン「ヘッヘッヘ… 悪いが投降ってのはなしだっての」
テンペスト「恨むなら、 貴様らが属している連邦を恨むがいい…」
テンザン「てめえらは これでゲームオーバーだぜ!」
連邦軍兵「う、うあああっ!!」
(F-28メッサーの間に爆煙が3回の後、レディバードが爆発し、F-28メッサーも全滅)
テンペスト「これで片づいた。 さあ…来るがいい、ヒリュウ改…」
テンペスト「いや、 ゼンガー・ゾンボルトよ!」
(ヒリュウ改が出現)
レフィーナ「こ、これは…!?」
ユン「連邦軍艦隊、全滅です…!」
ショーン「やはり、 間に合いませんでしたか…!」
ゼンガー「こちらアサルト1!  ATXチーム、出撃する!!」
(グルンガスト零式が出撃、出撃準備)
エクセレン「あっちゃあ~… 全滅させちゃう? 普通」
キョウスケ「手際の良さはさすがだな」
ゼンガー「…こちらの手の内は 読まれていたか…!」
テンペスト「貴様らの後ろ盾は、 もはや存在せん…」
テンペスト「連邦の艦隊もろとも、 この呪われた海に沈むがいい!」
ゼンガー「テンペスト少佐…!」
ゼンガー「無意味に地球の戦力を削れば、 どういうことになるか… わかっているのか!?」
テンペスト「旧態依然とした連邦軍では、 未知なる敵…異星人に対応することは 出来ん」
テンペスト「この星は、 ビアン総帥率いるDCでなければ、 救えんのだ」
テンペスト「もっとも… 俺は連邦を潰すことが出来れば、 それでいいのだがな」
テンザン「俺もバトルを楽しめさえすりゃ、 どうでもいいっての」
ゼンガー「貴様ら、あくまでも 私欲を満たすことが目的か…!」
テンザン「ホ!  あんた、つくづくカッコいいねえ。 敵にしとくにゃ惜しいっての」
テンペスト「ゼンガーよ…。 大儀なき連邦軍へ荷担している貴様に、 俺を否定する資格はない」
テンペスト「そして、 ビアン総帥とマイヤー総司令の志… それらも理解不可能だろう」
キョウスケ「何もかもわかっている ような口調…気に入らんな」
エクセレン「DCの目的…なんか裏が ありそうな感じはするわねえ」
ゼンガー「アサルト1より各機へ!  援軍は期待できん。我々だけで この場を切り抜ける!」
カチーナ「ハッ!  こっちは最初からそのつもりだぜ!」
エクセレン「はぁい」
ブリット「アサルト3、了解!」
ラッセル「オクト2、了解!」
テンペスト「…愚かだな、ゼンガー。 連邦軍の残存艦隊が、貴様らの 頼みの綱だったはず」
テンペスト「もはや、援軍はありえん。 それでも戦うか?」
ゼンガー「…だからこそ、戦う」
テンペスト「貴様らしい返答だ」
ゼンガー「テンペスト少佐…!  追いつめられたネズミは 猫に食らいつくことを忘れるな」
キョウスケ(…とはいえ、 どこかで撤退しなければなるまい)
キョウスケ(おそらく、隊長も そのきっかけを探しているはずだ)
(作戦目的表示)

〈vs テンペスト〉

[ゼンガー]

ゼンガー「………」
テンペスト「言葉もないか、ゼンガー。 頼みの綱の連邦艦隊が消えた今… 手の打ちようがあるまい」
ゼンガー「言葉など不要だ。 …目の前に敵がいる限り…!」

状況選択

テンペストを撃墜した
テンペスト機のHPを60%以下にした
テンザンを撃墜した
テンザン機のHPを60%以下にした


back index next