back index next


月からの使者 キョウスケルート ~ 第9話 ~

《アイドネウス島》

[DC 総統執務室]

ビアン「…コロニー統合軍の働きで、 我らの作戦は順調に進んでいる」
マイヤー「来るべき戦いに必要な… 中核戦力たり得る者達は見つけ出せたか?」
ビアン「うむ…。 彼らが降ればよし、降らねば……倒す」
マイヤー「…で、お前が目をつけたのは?」
ビアン「ハガネとヒリュウ改… ISA構想に基づいて建造された万能戦闘母艦と パーソナルトルーパー特機の混成部隊…」
ビアン「エアロゲイターとの戦いで、 一転突破に特化した戦力として使いたい」
マイヤー「なるほどな…。 敵だけでなく、常識をも打ち破る力…か」
マイヤー「覚えておこう。 …では、エルザムよ。引き続きビアンの力となれ」
エルザム「承知致しました、総司令」
マイヤー「…ライディースの件はお前に任せる。 あれはお前達の母に似て頑固だ… そうそう我らに迎合するとは思えんがな」
エルザム「道が交差するかどうかは… これからの戦いでわかることでしょう。 交わらなければ、その時は…」
マイヤー「お前の判断であれば、私はとがめぬ。 血塗られた宿業の道だ」
マイヤー「だが…あの時と違い、猶予はある」
エルザム「父上…いや、総司令」
マイヤー「私は お前に二度目の引き金を引かせたくない…」
マイヤー「いや…この状況で親心など不要。 …忘れてくれ」
エルザム「………」
マイヤー「では、ビアン…」
ビアン「うむ。来るべき時のために……」
(通信切れる)
エルザム(父上…)
ビアン(ふ……奴も人の親よ)
ビアン「…して、エルザム。お前の用件とは?」
エルザム「は…。 総帥に会っていただきたい男がいます」

[不明 (メテオ3周辺)]

???(ゼンガー)「………」
???(ゼンガー)(このような所へ連れて来られるとは…)
ビアン「…あれがメテオ3のクレーターだ」
???(ゼンガー)「………」
ビアン「全ては、あれから始まった…」
???(ゼンガー)「あなたが…ビアン・ゾルダーク」
ビアン「そうだ。 お前は我らへ降るためにここへ来たのではない… DCの力を見極めるためだな?」
???(ゼンガー)「………」
ビアン「今、その目には何が見える?」
???(ゼンガー)「………」
ビアン「…この星は美しい。 それが今、侵略の危機にさらされている…」
ビアン「我らは結束して 脅威に立ち向かわねばならん」
???(ゼンガー)「…その結束をDCは乱した」
ビアン「連邦にこの星を守り抜くという 確固たる意思があるか? それは普遍のものか?」
ビアンEOT特別審議会は 真実を民衆から遠ざけ、極秘裏に 敵の軍靴にかしずこうとした…」
???(ゼンガー)「………」
ビアン「必要なのは、 地球に生を受けた者全てが真に目覚めること。 我々の行動はそのための…“劇的な試練”なのだ」
???(ゼンガー)「捨石になるのも辞さぬと…?  地球圏を守るために…」
ビアン「…さもなくば、我らがこの星を支配するまで」
???(ゼンガー)「………」
ビアン「…何と目覚めるばかりに 自然の照り映えていることよ… 何と太陽の輝いていることよ」
ビアン「…旧西暦の詩人の詩だ。 私はこの星を愛している…」
ビアン「お前の往くべき道… よく考えて決めるがいい」
???(ゼンガー)「………」

[DC総司令部]

アードラー「な、何ですと!?  何故、そのような真似を…!」
ビアン「反論は許さん。宇宙に 上げるのは必要最低限の戦力のみ。 なおかつ迅速に、損害は最小限に」
ビアン「これらの条件を満たす作戦を提案せよ」
アードラー「入手した情報では、 ヒリュウ改はメリットアイランドに 向かっていると…」
アードラー「そこでは、連邦軍の残存部隊が、 シャトルの打ち上げ準備を進めており…」
アドーラー「すでに、テンザンを 差し向けておるのですが…」
テンペスト「…奴では、 味方に無駄な損害が出るだろうな」
エルザム「それ以前に、ヒリュウ改の防衛網を突破し、 シャトルのみを破壊する策が必要です」
テンペスト「ならば、MAPWを使えばいい」
エルザム「ご冗談を。 貴重な打ち上げ基地であるメリットアイランドを 破壊するおつもりで?」
テンペスト「フン…。 俺は最小限の損害だと思うが?」
???(ゼンガー)「…ここは自分にお任せを」
アードラー「何じゃと…?  立場をわきまえんか、愚か者め!」
???(ゼンガー)「いえ。 自分の意思を、総帥へ示すには絶好の機会かと」
ビアン「ふむ…」
アードラー「危険ですぞ、総帥!  こやつはまだ…」
???(ゼンガー)「では、リオン1機のみをお借し下さい。 それで今回の任務を完遂させましょう」
アードラー「1機でじゃと…?  死ぬ気か、貴様!?」
???(ゼンガー)「もとより、死は覚悟の上」
ビアン「いいだろう。今回の作戦、 お前に指揮権を与える。己の身の証… 戦果を以て、私に示すがよい」
アードラー「そ、総帥!」
ビアン「ただし… 彼らには、あくまで自分の意志によって、 宇宙へ上がらせるようにな」
???(ゼンガー)「了解です。では…出撃します」


第9話
月からの使者

〔戦域:メリットアイランド基地周辺〕

ラーダ「…ヒリュウ改との連絡は 取れたのですか…ギリアム少佐?」
ギリアム「ああ。今、あの艦は このメリットアイランド基地に 向かっている」
ラーダ「…間に合い…ますかしら?」
ギリアム「厳しいところだな。 基地施設を奪回出来たとは言え、 ここはすでにDCの勢力圏内だ」
ギリアム「我々の目的が シャトルの打ち上げだと知れば、 彼らはすぐに現れる」
ラーダ「…そう…ですね…」
ギリアム「ヒリュウ改が来るまで、 何としても発射台を防衛するぞ」
ラーダ「…わ…かりました…」
ギリアム「どうした?  先程から苦しそうだが…」
ラーダ「あ、いえ…。 ただ待っているだけなのも何なので、 ヨガのアサナの練習を…」
ラーダ「でも、シュッツバルトの コックピットがせまくて…」
ギリアム「確かに、 君の仕事には精神統一が必要だが… シートの間へ挟まらないようにな」
ラーダ「うふふ、 そうなったら助けて頂けますかしら?」
ギリアム「…残念だが、 君を助けるだけでは済まなさそうだ」
(F-32シューヴェルトが多数出現)
ラーダ「DCの飛行隊…!」
ギリアム「さすがに素早い反応だな。 …再チューンされたMk-IIの慣らしは 戦闘中にしなければならんか…」
ギリアム「私とラーダは シャトル発射台を防衛する。 各員は発射準備を進めろ」
(発射台範囲を示す)
ギリアム「ここへ敵機の侵入を 許せば終わりだ。いいな?」
ラーダ「了解です、少佐」
ギリアム「おそらく… 南から来る戦闘機は、まっすぐ 基地へ突っ込んでくる…」
ラーダ「ええ…。 私にも……わかります…」
ギリアム「迎撃は そちらの方を優先するぞ」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

ラーダ「少佐… ヒリュウ改は、あとどれくらいで ここへ来るのですか?」
ギリアム「2分ほどだ。 それから、敵は戦闘機だけではないはず… 援軍は必ず現れる」
ラーダ「わかりました…!」

〈3EP〉

(敵機が出現)
テンザン「この俺が、 基地の制圧なんつーチンケな任務を やる羽目になるたあな…」
ギリアム「ヒリュウ改より、 敵の増援の方が早かったか」
テンザン「ん?  あのゲシュペンストは…」
テンザン「007-01、タイプR…」
テンザン「間違いねえ、 元祖ゲシュペンストMk-IIだぜ!」
テンザン「それに、ゴツい方は 砲撃戦用のシュッツバルト… こりゃ相当なレア物だっての!」
テンザン「たまには地味な仕事も やってみるもんだな。 おかげでボーナスキャラ、いただきだぜ!」
ラーダ「…何か喜んでるみたいですけど?」
ギリアム「確かに、 我々の機体は初期に開発された パーソナルトルーパーだからな」
ラーダ「しかも、少佐の機体は 試作機をフルチューンした物…」
ラーダ「量産型と違って、 3機しか存在しません。 珍しいのは当然ですわ」
ギリアム「だが、その量産型も…」
ギリアム「現状の連邦軍では、 ごくわずかな数しか実戦配備 されていない…」
ラーダEOT特別審議会からの 横ヤリで、量産計画の進行が 遅れましたから…」
ギリアム「だからこそ、 今回の任務を果たすために…」
ギリアム「わざわざ月から 試作機を持って来てもらわなければ ならなかったのだが…」
ギリアム「あの男が希少価値の ある物に固執する性格だとしたら、 都合がいい」
ラーダ「どういう意味です?」
ギリアム「状況に変化があるまで、 下手な手出しはしないだろう」
ギリアム「つまり、 ヒリュウ改が来るまでの 時間稼ぎが出来るということさ」

〈4PP〉

(ヒリュウ改が出現)
テンザン「へっへっへ…ラッキーだぜ。 奴らまで現れるなんてよ!」
テンザン「こないだが中途半端だった分、 今回は暴れさせてもらうっての!」
ギリアム「ヒリュウ改へ… こちらはギリアム・イェーガー少佐だ」
ギリアム「貴艦にシャトル発射台の 防衛を要請する」
レフィーナ「ヒリュウ改艦長の レフィーナ・エンフィールドです。 少佐、シャトルには何が…?」
ギリアム「話は後でする。 とにかく、今は発射台の防衛を」
レフィーナ「わかりました」
キョウスケ(ギリアム・イェーガー少佐…… ゼンガー隊長と同じく、元教導隊だと 聞くが…)
キョウスケ(信用出来るのか…?)
レフィーナ「各機、出撃してください!」
(出撃準備)

キョウスケの搭乗機は
アルトアイゼン アルトアイゼン以外


back index next