ロック「ロールちゃん、どう？
フラッター号の方は」
ロール「ダメ…。落下の衝撃で、完全に隙間に
めり込んじゃってる」
ロール「出られれば、飛べるとは思うんだけど…」
ロック「…わかった。
とりあえず、周りのリーバードを
なんとかしよう」
ロック「その後、これからの事を考えなくちゃ」
ロール「あれ？ ロック。…あの人は？」
ロック「“様子を見てくる”って、階段の上にある
入り口から中に入って行っちゃったよ」
ロック「とにかく、ここがどこなのか
わからないから…僕らはここを守って、
“あの人”の情報を…」
（ドラックとソロ・量産型が出現）
ロール「きゃっ！ だ、誰！？」
ロック「くっ！ 敵！？」
？？？(ドラック)「なんだ…？ 子供？」
ロック「あなたは…？」
？？？(ドラック)「オレはドラック。
この『第三の月の都』の守備を担っている」
ロック「ダイサンノ…ツキノミヤコ？
僕らは遺跡をディグアウトしていたんです！
それで…」
ドラック「小僧、そんな説明は不要だ」
ロック「え？」
ドラック「侵入者は誰であっても…いかなる理由で
あれ、排除されなければならん」
ドラック「それがここのルールだ」
ロール「そ、そんな！」
ドラック「かかれ」
ロール「ロック！」
ロック「話を聞いてくれる相手じゃないみたいだ」
ロック「…戦うしかない！ ロールちゃん！」
ロック「ロールちゃん…。
フラッター号…諦めるしかないみたいだ」
ロール「そんな！
フラッター号を…このコをこんな所に
置いていけないよ、ロック！」
ロック「でも…“あの人”も戻って来ない」
ロック「この場に留まるのは危険なんだ、
ロールちゃん」
ロール「でも…」
ドラック「…心配する必要はない」
ドラック「そのオンボロ船もろとも葬ってやろう。
それで何の問題もあるまい。ククク…」
ロック「そんな事、させるもんか！」
ドラック「勇ましい事だ。
だが…この戦力差はどうにもなるまい」
ドラック「オレは忙しいのだ。
オマエ達のような侵入者どもを…」
？？？(翔)「いたいけな子らを相手に、多勢でもって
優位に立とうとは…」
？？？(翔)「おぬしらしいやり方だ。
犯罪超人…ドラック」
ロック「え！？」
ドラック「なにッ！？ この声は…！」
（エントランス近くに飛ばされた面々が出現）
凱「なんと卑怯極まりない…！」
凱「拙者らが助太刀いたす！」
ロール「だ、誰なの！？」
ドラック「内部にも侵入者がいると聞いていたが…
オマエ達の事だったのか！」
ドラック「コマンドーチーム…ッ！」
翔「左様。…縁があるようだな」
春麗「あのボンベを背負った化け物…
前に戦わなかった？」
ヴォークリンデ・ブリッジ
マスヨ「ヴォークリンデで戦った奴は…
黄色かったわよね」
マスヨ「でも、犯罪超人に変わりはないわ」
コブン１号「ト、トロン様ぁ！
あそこを見てください～！」
トロン「え？」
トロン「…ロック！？
ロック・ヴォルナットじゃない！」
トロン「あなたもこの世界に！？」
ロック「ああ！ 君は…！」
ロール「ああっ！
空賊ボーン一家の…トロン・ボーン！」
ロール「今度の事、まさかあなた達の仕業！？」
トロン「あんたも一緒なの！？
このピンハネ女、ロール・キャスケット！」
ロール「ちょっと！
人聞きの悪いコト言わないで！」
レジーナ「見た感じと、あそこに挟まってる
魚みたいな船を見る限り…お仲間のようね、
あなた達」
トロン「仲間ぁ！？ トンでもないですわ！」
トロン「誰があんなコ達と…」
ひろみ「先輩、ロック・ヴォルナットならびに
ロール・キャスケットのデータ検索、
出ました」
ひろみ「Ａ級ディグアウト免許保持者です」
マスヨ「遺跡にいたディグアウターのようね」
ロール「あの、あなた達は…」
マスヨ「銀河連邦宇宙軍Ｕ．Ｇ．Ｓ．Ｆ．の者よ」
バラデューク
マスヨ「あなた達…
“あの遺跡”に潜っていたのね？」
ロック「そうです。ディグアウトしていたら…急に」
トロン「私達と同じですわね」
トロン「まったく…迷惑な話ですこと」
鳳鈴「ディグアウト…？ 何の事？」
コブン１７号「ディグアウトっていうのは、古代遺跡とか
から宝物を見つける事ですぅ」
レイレイ「宝探しアルか。ちょっと面白そうアル」
ワルキューレ「彼らも、今回の事件の被害者なのですね」
ワルキューレ（早急に何らかの手段を講じなければ…）
零児「ここにいるのは君達だけなのか？」
ロール「あの、もう一人…さっきその入り口から
中に入ってっちゃったんですけど」
ロック「もしかして、会いませんでしたか！？」
春麗「もう一人？ いいえ、会わなかったわ」
ドラック「様子を見ていれば調子に乗りおってッ！」
ドラック「侵入者どもが、いつまでゴチャゴチャと
やっているつもりだ！」
ブルース「ちっ、話の途中だってのに、せっかちな
ボンベ野郎だ」
ブルース「そんなに相手してほしいのかよ」
タキ「ふん、言われずとも相手くらいしてやる」
タキ「ここから抜け出す方法も訊かねばな」
ドラック「聞く事があるのはこちらとて同じ」
ドラック「他のブロックに侵入している者達との
関係をな！」
コブン２８号「ほ、他のブロック…？」
レジーナ「他のブロックに侵入している者達って、
もしかして、私達以外のメンツってこと？」
ドラック「さあな。…こんな連中よ」
（御剣平四郎、クリノ・サンドラ、ケン・マスターズのドッペルが出現）
ロック「ま、また敵が！？」
トロン「もう！ 一体ドコに隠れてたっての！」
凱「待たれよ。こやつら…」
？？？(御剣ドッペル)「………」
タキ「御剣…！？」
タキ「いや、なんだ？ 何者…！？」
？？？(ケンドッペル)「………」
春麗「ケン！？ どうしてあなたが！？」
春麗「まさか…また操られているの！？」
鳳鈴「待って、春麗」
鳳鈴「様子が…というより、二人いるわよ！？」
？？？(クリノドッペル)「………」
ワルキューレ「ク、クリノ？ なぜあなたが二人に！？」
ワルキューレ「な、何か悪い物でも…」
小牟「いや、なに食っても増えんわ！」
レイレイ「珍しくツッコミ役アル」
レイレイ「零児、いいワケ？」
零児「…どういう意味だ？」
（零児が翔を見る）
零児「そんな事より、こいつらの正体は？」
翔「…犯罪超人ドッペル。見え透いた手を…」
翔「皆の者、欺かれるでない。
きゃつらはただの偽物にすぎぬ」
ひろみ「犯罪超人…って事は、ジェノサイドの？」
ロール「“ジェノサイド”…！？」
ロール「ジェノサイドって、一時期…辺境惑星圏を
荒らしまわっていた犯罪組織！？」
ロック「ディグアウター達も被害を受けたって…」
トロン「そのジェノサイドですわ」
トロン「ロック、怖いでしょ？ 恐ろしいでしょ？
私に助けを求めてもよくってよ？」
コブン１７号「トロン様…悪ですぅ」
ブルース「おかしな取引してんじゃねえよ」
ブルース「頭数は多い方がいいんだからよ」
ワルキューレ「それに、クリノやミツルギさん達の偽者と
いう事は、彼らもどこかにいるのでしょう」
小牟「そうと決まれば善は急げ、
急がばスクリューじゃ」
小牟「ほれほれ、蹴散らすぞ！
ロックにロールとやら、ぬしらも手伝え！」
ロック「わ、わかった！」
ロック「フラッター号を捨てずに済みそうだよ、
ロールちゃん」
ロール「うん！ がんばろう、ロック！」
ドラック「ぬうう…
侵入者どもにこれほどの力があるとは…」
翔「この分ならば、数刻待たずして
我らが勝つ」
ドラック「ぐぬう…」
レイレイ「そううまく行くアルかあ？」
ワルキューレ「不吉な事はあまり言わない方が…」
？？？(ジュノ)「おやおや…
ずいぶんと手こずっている様子ですね」
ドラック「……！！」
小牟「あちゃ～、
見たところ…敵の援軍のようじゃの」
小牟「…ま、人生はそう甘くない…っちゅう
コトじゃな」
零児「したり顔で語ってる場合か。戦うのは
俺達なんだぞ」
零児「本当に敵なのか！？」
ロック「……ッ！」
ロック「…き、君は…！」
トロン「ああっ！ あのニヤケ面！」
トロン「ロック、アイツって…
カトルオックス島にいた！？」
ロール「…え？」
コブン１号「トロン様も知ってるんですかぁ？」
？？？(ジュノ)「なんですか？ アナタ達…
お会いするのは初めてのはずですが？」
ロック「………」
零児「何者だ？ おまえ…」
？？？(ジュノ)「名乗ったところで意味はないとは
思いますが…いいでしょう」
？？？(ジュノ)「私はジュノ。
ロックマン・ジュノと申します」
ロック（ロックマン・ジュノ！
やっぱりそうだ…！）
ロック（でも、なんで“初めて”会う、なんて…）
ロール「ロック？
えっと…知ってるの？ あの人…」
ジュノ「申し訳ありませんねえ」
ジュノ「メモリーに欠落があるようです。
一度、完全にメモリーが消去されて
しまいましてね」
ジュノ「再構築が追いついていないのですよ」
ロック「メインゲートの奥にいた…敵だよ、
ロールちゃん」
ロック「そう…“敵”だ」
ロール「う、うん。わ、わかった…」
ロール（ロック…なんか怖い…）
翔「“メモリー”と申したか…？」
翔「こやつ、やはりロボットなのか？」
春麗「人間らしい“気”は感じないわ」
春麗「見た目も…人間とは思えないわね」
鳳鈴「だけど、ああいう乗り物に乗ってる…
って事はないの？」
ロック「あいつはロボットだ」
ロック「…人間らしい感情を持たない…
冷たいロボット」
ロール「ロック…？」
ロール（やっぱり…ロックは何かを隠してる…？）
ワルキューレ「ロックさん。
彼は…倒すべき敵なのですか？」
ロック「…そうです」
ロック「ロックマン・ジュノ…。
悪いけど、また壊させてもらうよ」
ジュノ「“また”？」
ジュノ「…アナタがどなたなのかは知りませんが…
処理されるのは私ではありませんよ」
ロック「………」
ジュノ（この少年…どこかで…。どこかで…？）
（オクティが出現）
零児「ちっ！ まだ何か来るのか！？」
ギリィ・オクティ「………」
ドラック「む…。ほう、奴らか」
ブルース「うっ、こいつら…！
前にも出てきた宇宙生物！？」
ロール「あ！ 私達が探索してた遺跡の…
リーバードじゃないモンスター！」
タキ「頼朝達が使っていた『おくてい』と
申す妖（あやかし）か」
ジュノ「騒ぎを聞きつけ、配置してあった
守備隊がやってきたようですね」
ジュノ「アナタ方を処分するために」
レジーナ「配置してあった？ このモンスターを？」
トロン「これで今まで戦ってきたオクティ…
どこから来ていたのか、確定しましたわね」
ひろみ「『第三の月の都（ザ・サードムーン）』
の冥王…が？」
マスヨ「ここまで来たら、もう認めるしかないわね」
マスヨ「生命すら創り出す力を持つという、
冥王グランドマスター…」
マスヨ「オクティ族を“創造”するなんて、
センスが悪すぎるわ」
凱「“人の世を乱す者”どもを創り出すとは。
その元凶たる者を討たねばならぬな」
マスヨ（だけど、それでも魍魎界…
ヨリモト軍が使っていたオクティの説明が
つかないわ）
マスヨ（あの世界には…おそらく…）
ジュノ「こちらの戦力も充実した事ですし、
おしゃべりはここまでにしましよう」
ジュノ（この者達を処理し…メモリーの復元を
急がねば）
一番最初にＫＯしたドッペルは
御剣平四郎
ケン・マスターズ
クリノ・サンドラ