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放たれた凶獣 ~ 第18話 ~

[トーチカ1 中央管制室]

(爆発)
エリック「むむっ、修羅共がまた来おったのかの?」
スタッフ「いえ!  爆発が起きたのはBブロック地下第4層です!」
エリック「第4層じゃと? まさか……」
スタッフ「はい、イェッツトのケージです!」
ミタール「何っ……!?」
エルデ「ケージ側と連絡は?」
スタッフ「取れません!」
エルデ「Bブロックの外部映像をこちらに」
(爆発)
エリック「ぬぬっ!」
エルデ「ザパト博士、 イェッツトが外へ出ようとしていますわ」
ミタール「馬鹿な。 奴はHCC処理で仮死状態になっていた…… 自力で動けるはずがない」
エリック「むう……。 体組織の再生用に投与したラズムナニウムが 原因かも知れんの」
ミタール「……」
エリック「あやつは目覚めつつあったんじゃ。 例の反応は、その兆候じゃったのかも知れんの」
エルデ「どうするのです、博士?」
ミタール「……」
エリック「寝起きが悪そうじゃからの。 暴れおるぞ、あれは」
ミタール「クライウルブズとウェンディゴを 出撃させろ」
エリック「ん。その方がいいの。 トーチカ2の二の舞は御免じゃからの」
ミタール「……アルベロ少佐達にHCC弾を使わせ、 イェッツトを捕獲させろ」
エリック「おいおい、あやつを始末せんのか?」
ミタール「ここまで来て、みすみす手放せるか。 あれは貴重なサンプルなのだ」
エルデ「私もザパト博士に同意見ですわ。 ツェントル・プロジェクトの今後のためにも、 イェッツトは必要です」
エリック「あれは 人の手で制御できるモノではないと思うがの。 ……どうなっても知らんの」
(扉が開閉する)
エルデ「ワン博士、どこへ?」
エリック「逃げるでの。 あんな化け物にやられたら、成仏できんでの」
(エリックが立ち去る)
エルデ「……」

[トーチカ1 内部]

(爆発)
アクセル「爆発? 何が起きた!?」
アクセル(襲撃……か?  いや、振動が来た方向から考えれば…… 内側だな、こいつは)
アクセル(事故か何かの可能性はあるが…… どうも嫌な予感がする。 ……状況を確認しなければならんか)
アクセル「誰かいないのかッ! 何が起こった!」
(精神感応)
アクセル「うっ……? 何だ、この感じは……」
???(『あれ』は……危険な……存在……。 いえ、危険な存在に……なりますの……)
アクセル(頭の中に……直接声が!?)
アクセル(……おれがおかしくなって いないならば……この声は……!)
アクセル「……おい、 おれの声はそちらには聞こえているのか?」
???(………)
???(……聞こえておりますの、これが)
アクセル「貴様は何者だ?  何故、おれに語りかける?」
???(………)
???(……あの蒼き巨人に…… あの蒼き巨人で……追っていただきたいですの)
アクセル「ソウルゲインのことか?  追えとは、何をだ? もっとはっきりと……」
(扉が開閉する)
アクセル「ちっ……誰か来たか」
エリック「ここは危険での。 場所を移すから、早く出るがええの」
アクセル「エリック・ワン……」
エリック「何か声が聞こえとったが、 新手の一人遊びかの?  相変わらずアナーキーじゃの」
アクセル「……説明するのも面倒だ。 それで構わん」
エリック「んむ、まあええでの。 そんな遊びよりも、やってもらいたい ことがあっての」
エリックシャドウミラーの凄腕パイロット、 アクセル・アルマーに、じゃ」
アクセル「……何だと?」


第18話
放たれた凶獣

〔戦域:トーチカ1周辺〕

(アラート、トーチカ1の東側に爆煙後、イェッツトレジセイアが転移出現)
???(イェッツトレジセイア)「………」
エルデ「イェッツトが地上に出ました」
ミタール「ケージ内にいた時と 形状が微妙に違う……。この短時間で 変化を遂げたというのか?」
(トーチカ1の南西にクライウルブズと量産型ウェンディゴ3機が出撃)
フォリア「お、おい、ヒューゴ!  あれって……」
???(イェッツトレジセイア)「………」
ヒューゴ「アインストの “ヘッド”じゃないか!」
フォリア「あ、ああ……!  形と色は変わってるが、間違いない!  あいつ、まだ生きてたのか!」
アルベロ「………」
フォリア「隊長! これはいったい!?  ミタール達はアインストに何を……!」
ミタール「アインストではない。 イェッツトだ」
フォリア「!」
アルベロ「お前達が “ヘッド”をあのような姿にしたのか?」
ミタール「それに答える必要はない。 アルベロ少佐、イェッツトを 捕獲してくれたまえ」
アルベロ「何……!?」
フォリア「じょ、冗談じゃない!  現にあいつはBブロックを ブッ壊してんだぞ!!」
ヒューゴ「抹殺ならともかく、 俺達にあれを捕らえろと言うのか!?」
ミタール「……そうだ」
アルベロ「……」
フォリア「隊長!  まさか、ミタールの命令に従えって 言うんじゃないでしょうね!?」
アルベロ「……」
ミタール「少佐…… 今、HCC弾の用意をさせている。 時間を稼いでくれたまえ」
アルベロ「……了解……」
フォリア「隊長!!」
アルベロ「聞いた通りだ。 我々でイェッツトを捕獲する」
フォリア「な……!!」
ヒューゴ「隊長、 今回ばかりは自分も納得できません!」
フォリア「ヒューゴ……!」
ヒューゴ「あれは 明らかに危険な敵性体です!  それを何故!?」
アルベロ「……我々は軍人だ。 そうである以上、上からの命令は絶対だ」
フォリア「なら、 隊長はミタールが死ねと言えば、 死ぬんですか!?」
アルベロ「今はそのような問答を している場合ではない!」
フォリア「!」
アルベロ「いいか、あの“ヘッド”と 正面から当たるのは得策ではない」
アルベロ「俺とウェンディゴで 奴を包囲し、牽制を行う。 お前達はバックアップに回れ」
ヒューゴ「……」
アルベロ「どうした、ヒューゴ!  復唱せんか!」
ヒューゴ「……了解。 ウルフ8、バックアップに回ります」
フォリア「……」
アルベロ「フォリア!」
フォリア「ウルフ9、了解……!」
フォリア(くっ、 マジで狼が犬に成り下がっちまったか)
フォリア(だが、俺はこんな所で 犬死にするつもりはねえ……!)
(作戦目的表示)

〈3EP or イェッツトレジセイアのHP90%以下〉

フォリア「くそっ!  このままじゃ、らちが明かないぜ!」
ヒューゴ「HCC弾はまだなのか!?」
アルベロ「……」
(アルベロ機に警報)
アルベロ「これは……!」
エルデ「ザパト博士、 こちらへ接近してくる物体群が」
ミタール「何!? 修羅か!?」
(西端にテュガテールとガロイカが出現)
ティス「あらら、 何か凄そうなのが出て来てるね」
ティスアインストってのに似てる…… 反応源はあれだったんだね。 ……駒として使えるかな?」
ヒューゴ「あれは修羅じゃない……!  何者なんだ!?」
フォリア「敵だろ、敵!  アーチンを連れてんだぞ!」
ティス「ま、何にせよ、 あたいはしばらく様子を見ようかな。 あのアインストもどきの力も見たいし」
フォリア「イェッツトだけでも 精一杯なのに、あいつらの相手も するのかよ!?」
アルベロ「博士、HCC弾はまだか?」
ミタール「もうしばらくかかる」
アルベロ「……ウルフ8、9。 聞いての通りだ。 防戦に徹し、時間を稼げ」
フォリア「それでは 敵に挟撃されてしまいます!」
アルベロ「死中に活を見出せ。 それがクライウルブズの鉄則だ」
フォリア「そんな題目!」
アルベロ「自信がなければ、下がれ」
フォリア「……!  それは命令ですか、隊長!?」
アルベロ「ああ。 下がっても咎めはせん」
フォリア「くっ……!」
アルベロ「ヒューゴ、お前はどうだ?」
ヒューゴ「自分は……」
ヒューゴ「自分は戦います……!」
ヒューゴ「ミタールの命令には 納得がいきませんが、ここで隊長を 残して退くつもりはありません」
アルベロ「よし」
フォリア「………」
ヒューゴ「フォリア。 隊長の命令通り、お前は後退してくれ」
フォリア「ヒューゴ……!」
ヒューゴ「この改型なら、何とか保つ。 だから、お前は……」
フォリア「見損なうな!  ここで俺だけ尻尾を巻けるかよ!」
ヒューゴ「なら、 俺達でここを切り抜け、生き残るぞ」
フォリア「言われなくても!  こちらウルフ9、戦闘を続行します!」
アルベロ「よし……。 では、仕切り直しだ!  防戦に徹し、時間を稼ぐぞ!」
(作戦目的表示)

〈5EP or テュガテールのHP60%以下
or イェッツトレジセイアのHP80%以下〉

ティス「……ふ~ん。 意外に頑張るじゃない、どっちも」
ミタール「……」
ミタール(ふ、ふふふ……素晴らしい。 イェッツト……予想以上だ)
ミタール(あれが制御できれば、 我々のプロジェクトは……)
???(イェッツトレジセイア)「………」
(イェッツトレジセイアに『ひらめき』)
エルデ「ザパト博士、 イェッツトから高エネルギー反応が」
ミタール「何……!?」
(イェッツトレジセイアに『ひらめき』、イェッツトレジセイアの周りにイェッツトグリードとイェッツトクノッヘンが出現)
ミタール「!!」
フォリア「や、奴の中から!!」
ヒューゴ「あ、あれは “ボーン”と“グラス”か!?」
アルベロ「だが、アインストではない!  奴らもイェッツトか!」
ミタール「な、何と……!」
エルデ「……ザパト博士」
ミタール「クッ……ククク…… フフフフ……ハハハ……」
ミタール「ハハハ!  素晴らしい、素晴らしいよ!  ハハハハハハ!!」
ミタール「あのイェッツトは、 あのような機能を持つまでに 至っていたか!」
ミタール「自己再生を行い!  自ら眷属を作り出し! そして!!」
???(イェッツトレジセイア)「………」
(イェッツトレジセイアに『ひらめき』)
ミタール「!?」
(トーチカに巨大な青白い雷が落ち、巨大な爆煙×2)
ヒューゴ「!!」
フォリア「タ、タワーが!!」
アルベロ「くっ! こちらウルフ1!  応答しろ、CC!」
(トーチカ1の応答がない)
アルベロ「応答がない……!」
フォリア「な、何てこった……!!」
ティス「あ、あいつ……凄いじゃない。 ちょっとやりすぎだけどさ」
ヒューゴ「くそっ、あれじゃHCC弾は!」
フォリア「どうやって 奴を止めろって言うんだよ!?」
アルベロ「……」
(イェッツトレジセイアに精神感応)
???(イェッツトレジセイア)「……!」
(イェッツトレジセイアがその場で回転し、格納庫の方を見て止まる)
フォリア「何だ、あいつ……!?  何を見てやがる!?」
ヒューゴ「第2格納庫の方……!?」
(格納庫にソウルゲインが出撃、クライウルブズがソウルゲインの方を向く)
ヒューゴ「!!」
フォリア「マ、マスタッシュマン!?」
アクセル「エネルギーはフルチャージか。 ダイレクト・フィードバック・システム、 異常なし……」
エリック「機体の調子はどうじゃの?」
アクセル「……完璧だ、エリック・ワン。 多少不自然なくらいにな」
エリック「ホッホッホ。 何のことを言っておるのかの?」
ヒューゴ「あ、あの機体を 修理していたのか!?」
アクセル「フッ、まあいい。 あれが、イェッツト……とかいう化け物か」
(イェッツトレジセイアを指す)
エリック「んむ。 あいつを始末してくれんかの。 そうしたら、そいつはくれてやるでの」
アクセル「物は言いようだな、こいつが。 ……元々おれの機体だろう」
エリック「そうじゃったの。 忘れとったの、ホッホッホ」
アクセル「いいだろう、借りは返す。 ……先程の貴様の依頼、引き受けよう」
アクセル「だが、その後は……」
エリック「ん?  ああ、後は好きにするがええの」
エリック「マスタッスマンのデータは 取っておるし……ワシはお主自体に 興味があるわけではないでの」
アクセル「……そう言うと思っていた。 ソウルゲインのコンディションを見ればな」
アクセル「ならば、次の問題だ。 さっきおれに話しかけてきた女…… どこにいる?」
エリック「女じゃと?  さすがにそれはサービスしすぎじゃの。 そんなもんは積み込んでおらんでの」
アクセル「エリック、 今のは貴様に言ったわけではない。 ……こっちの話さ」
???(アルフィミィ)(積み込まれていると言えば…… そう言えなくもございませんの)
アクセル「……何!?」
(ソウルゲインに共鳴)
アクセル「な、なんだ……!?  貴様、どこに……ッ!?」
(ソウルゲインに共鳴、ソウルゲインの北側に隣接して念が集中しペルゼイン・リヒカイトが出現、ソウルゲインがペルゼイン・リヒカイトの方を向く)
アルフィミィ「呼ばれて飛び出て、 大サービス……でございますの」
アクセル「……なるほど、近いはずだ。 スパイ向きの能力だな、こいつは」
フォリア「おい、ヒューゴ! あれは!!」
ヒューゴ「アインストの…… “レッド・オーガ”だ」
フォリア「何であれがこんな所に!?  いや、それ以前にどうして マスタッシュマンの中から!?」
エリック「んむむむむ…… あんな物が潜んでおったとはの」
エリック「このエリック・ワンの目を 以ってしても見抜けなかったでの」
ティス「あの青いのと赤いの、 どっかで……」
アルフィミィ「……直接ご挨拶するのは、 初めてですの」
アルフィミィ「私はアルフィミィ…… 以後、お見知りおきをお願い致しますの」
アクセル「あの時…… ゲシュペンストMk-IIIへのトドメを 邪魔したのは……貴様だな?」
アルフィミィ「はい……。 キョウスケを……失うわけには 参りませんでしたので……」
アクセル「貴様のその都合で おれは流れを失った。結果がこのザマだ」
アルフィミィ「はい、私も…… 消えなければなりませんでしたの……」
アクセル「……そうか、アインストも、 敗れ去ったのだから……当然か。 だが、何故貴様は……」
アルフィミィ「それは、 あなたのおかげですのよ?」
アクセル「……どういうことだ?」
アルフィミィ「私が消えかけていた時…… あなたの命もまた……消えかけて おりましたの……」
アクセル「そうだ。 ……あれは間違いなく致命傷だった」
アルフィミィ「私は、 あなたの“想い”が持つ力と…… 蒼き巨人の一部をお借りいたしましたの」
アルフィミィ「そのおかげで、 このペルゼインを再び構成することが 出来ましたのよ?」
アクセル「おれの身体は……その時に?」
アルフィミィ「はい。 ペルゼインさえあれば、 造作もないことですの」
アルフィミィ「かつて、エクセレンも、 そうやってお助けしましたのよ?」
アクセル「……!?  ……エクセ……レン……!?」
アクセル「それはヒリュウ改の…… エクセレン・ブロウニングのことか?」
アルフィミィ「はい。 ……ご存知でございますの?」
アクセル「………」
アクセル「アインストである貴様が、 何故そんなことをする必要があった?」
アルフィミィ「私は…… もうアインストとは異なった存在に なってしまいましたの」
アルフィミィ「人の“想いの力”に 触れたことによって…… それはキョウスケやエクセレン……」
アルフィミィ「そしてあなたのせい…… いいえ、おかげですの。アクセル」
アクセル「………」
アルフィミィ「そして『彼』もまた…… 人の手によって変えられた存在……。 自分が何者かわからない存在……」
アルフィミィ「故に、彼を…… レジセイアを止めなければなりませんの」
アクセル「……何のために戦う?  拾った命だ。好きに使えばいい」
アルフィミィ「はい。 だから、好きに使わせていただきますの」
アルフィミィ「私が私であるために。 自分の道と……居場所を見つけるために。 戦うと決めたんですの」
アクセル「………!」
アクセル(……レモン。 これも……因果なのだろうな)
フォリア「あいつらも 敵だってんじゃねえだろうな……!」
アルベロ「……」
(ソウルゲインがアルベロ機の方を向く)
アクセル「聞こえるか、クライウルブズ。 おれは元シャドウミラー隊…… アクセル・アルマーだ」
アルベロ「!」
アクセル「態勢を整えろ。 おれ達が戦うべき相手は同じだ」
アルベロ「どういう意味だ?」
アクセル「おれは敵ではないということだ。 ……貴様らにも借りがある。 ここで返してしまおうと思ってな」
アルベロ「……」
ティス「……あった、あった。 ヘルゲートのデータベースに 載ってたよ」
ティス「あの2体……マスタッシュマンと レッド・オーガだね。ふんふん、 シャドウミラーとアインストか」
アルフィミィ「アクセル…… 一緒に……戦っていただけますの?」
アクセル「ここでは借りを作りすぎた。 アルフィミィ、貴様にもだ。 ……今はそれでいい、これがな」
(ソウルゲインに通信、ソウルゲインとペルゼイン・リヒカイトがテュガテールの方を向く)
アクセル「む……通信?  あの見たことのない奴からか?」
ティス「ねえ、あんた達も こことは別の世界から来たんでしょ?」
アルフィミィ「こことは……別の?」
アクセル「その口ぶりからすると、 貴様も転移者のようだな」
ティス「そういうことになるね」
アクセル(おれ達や修羅以外にも、 まだ転移者がいるということか…… この世界はどうなっているんだ?)
ティス「あんた達さ、はぐれ者なんでしょ。 あたいと一緒に来ない?」
アクセル「フッ……突然だな。 それによって、貴様は何を得る?」
ティス「あたい達、別の世界へのゲートを 開こうとしてるんだ」
アクセル「……!」
ティス「それで、 デュミナス様がいた世界に帰るの。 もし、あんたが協力してくれたら……」
ティス「自分がいた世界に帰れるかもよ?  ……そっちの赤いのが帰れるかどうかは わかんないけどさ」
アルフィミィ「……」
アクセル「ほう…… どうやってゲートを開くつもりだ?」
ティス「鍵が二つあってね。 片一方は使えるかどうか まだわかんないけど……」
ティス「もう片方の“時の歯車”は あと少しで使い物になりそうなんだ」
アルフィミィ「“時の歯車”……?  一体何のことでございますの?」
ティス「時流エンジンだよ」
アクセル「時流エンジン!?  エクサランスに搭載されている…… あれか……!」
ティス「なんだ、知ってるんだ」
アクセル(エクサランス…… そうか、貴様は戦い抜いたのだな、 ラウル・グレーデン)
ティス「どう、悪い話じゃないでしょ?  あたいと一緒にデュミナス様の所へ 来なよ」
アクセル(デュミナス…… そして、エクサランスの 時流エンジン……)
アクセル(もしや、こいつらは 初めてラウル達と会った時に現れた、 謎の機動兵器と関係があるのか?)
アクセル「悪いが、その誘いには乗れん。 ……言ったはずだぞ。 ここでは借りを作りすぎた、と」
ティス「あ、そう。ふ~ん。 じゃ、しょうがないね」
ティス「この世界で はぐれ者として生きてくのも 可哀想だから……」
ティス「ここで 殺してあげた方がいいかもね~」
アクセル「……やれるものならな。 ここで死ぬなら、おれの道も所詮は その程度だったということだ、これがな」
アクセル「ソウルゲイン…… おれ達は静かに眠らせてはもらえんらしい。 もう少しだけ……付き合ってもらうッ!」
アクセル「再びおれに…… その力を貸してくれッ!」
(アクセルに『気合』)
アルフィミィ(蒼き巨人に…… 人の……アクセルの力が 集まっていく!)
アルフィミィ(ソウルゲイン…… 蒼い身体に『魂を獲する』もの……!)
ヒューゴ「隊長、自分達は……!」
アルベロ「………」
フォリア「イェッツトを捕獲、ですか?」
アルベロ「……指揮系統に混乱が生じた。 以後は独自の判断で動く」
アルベロ「ウルフ1より各機へ。 これよりイェッツトを殲滅する」
フォリア「!」
ヒューゴ「隊長……!」
アルベロ「俺もミタールの命令を ただ鵜呑みにしていたわけではない。 “ヘッド”の危険性は承知している」
アルベロ「そして、 今回もそれが証明された。 あれは人の手で制御できる代物ではない」
アルベロ「故に殲滅する」
フォリア(親父……!)
アルベロ「いいか、フォリア。 俺達3人で結果を出し、生き残るぞ」
フォリア「隊長は自分を……?」
アルベロ「ああ。 ここを切り抜けるには、 お前の力が必要だ」
アルベロ「頼りにするぞ、フォリア」
フォリア「わかりました、隊長……!」
アルベロ「よし…… ここで“ヘッド”に引導を渡す。 ウルフ8、9! 俺に続け!」
ヒューゴ「ウルフ8、了解!」
フォリア「ウルフ9、了解!」
(アルベロ、ヒューゴ、フォリアに『気合』)

〈7EP or テュガテールのHP40%以下
or イェッツトレジセイアのHP60%以下〉

(精神感応)
アルフィミィ「あ……!」
アクセル「くっ…… 何だ、この感覚は……!?」
アルフィミィ「これはいただけませんの!  ……レジセイアがまた……!」
(イェッツトレジセイアに『ひらめき』、イェッツトレジセイアの周りにイェッツトグリードとイェッツトクノッヘンが出現)
ヒューゴ「チッ、まだ出てくるのか!」
フォリア「魚や虫じゃあるまいし!」
エリック「ん、むむむ……。 このままではマズいかも知れんの」
(エリックのいる所に警報)
エリック「お? これは……」
ヒューゴ「フォリア!  何かがこっちへ来る!」
フォリア「チッ!  もう大概のことじゃ驚かねえぞ!」
(基地の東側にグランゾンが出現、味方機がグランゾンの方を向く)
シュウ「フッ……色々と面倒なことに なっているようですね」
ヒューゴ「グランゾン……!!」
フォリア「ぜ、前言撤回……!  驚きました!!」
アクセル「空気の読めない男だ。 ……ここでお出ましとはな、こいつが」
アルフィミィ「アクセルも読める人では ないと思いますけれど…… それに関しては同感ですの」
シュウ「その機体…… 搭乗者はアクセル・アルマーですか」
アクセル「……そうだ」
シュウ「ホワイトスター戦で 戦死したとお聞きしていましたが……」
アクセル「お節介焼きが多くてな。 死に損なったのさ。 ……何をしに来た?」
シュウ「残念ですが、 あなたに用があるわけではありません。 私は……」
エリック「よっ!  久しぶりじゃの、シーちゃんや」
シュウ「その物言い…… 相変わらずですね、ワン博士」
エリック「んむ。 シーちゃんも元気そうじゃの」
シュウ「以前にも言いましたが…… その呼び方は止めていただけませんか?」
エリック「連れないことを言うの。 ワシとお主の仲じゃ、遠慮はいらんの」
シュウ「むしろ 遠慮していただきたいですね」
エリック「それにしても、シーちゃんや。 ワシの居場所がよくわかったの」
シュウ「蛇の道は蛇……と言いますから」
エリック「で、何の用じゃ?  ワシを殺しに来たか? ん?」
シュウ「それは……」
エリック「おお、そうじゃ。 シーちゃん、ちと助けてくれんかの」
エリック「ほれ、そのグランゾンなら イェッツトなんざ楽勝じゃろ?」
シュウ「……」
エリック「ここは一つ、昔のよしみでの。 お主の手を貸してくれんかの。 ワシはまだ死ぬわけにはいかんでの」
エリック「何せ、 そのグランゾンを破壊するマシンを 作らなければならんでの」
シュウ「……」
フォリア「おいおい…… 乗ってる本人にそれを言ってどうする」
エリック「おお、こりゃいかんの。 ホッホッホ」
シュウ「昔からそうでしたが…… あなたと話していると、 どうも調子が狂いますね」
エリック「ま、そう言わずにの。 万が一グランゾンが壊れたら、 修理ぐらいしてやるでの」
フォリア「おいおい…… ブッ壊そうとしてる相手を 修理してどうする」
エリック「んむ。そりゃそうじゃの。 ホッホッホッホ」
シュウ「……いいでしょう、博士。 あなたの申し出をお受け致しましょう」
フォリア「何!?」
ヒューゴ「そう来るとは思わなかった……」
エリック「さすがシーちゃんじゃの。 では、よろしく頼むでの」
シュウ「……と言うわけです。 皆さん、お手伝い致しましょう」
アクセル「……好きにしろ。 おれがやるべきことは変わらん」
アルフィミィ「何かもう、詰め過ぎですの」
シュウ「……まったくですね」
フォリア「何だかありがたいような、 ありがたくないような……」
アルベロ「イェッツトの殲滅が最優先だ。 ただし、奴とマスタッシュマン、 レッド・オーガに気を許すなよ」
ヒューゴ「了解……!」

状況選択

テュガテールのHPを10%以下にした
13PPになった。または、イェッツトレジセイアのHPを40%以下にした


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