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冷たい世界(前篇) ~ 第44話 ~

[ガウ=ラ・フューリア内部 諜士の間]

ジュア=ム「お呼びでしょうか、諜士長閣下」
カロ=ラン「ジュア=ムよ、フー=ルーが鋼龍戦隊に敗れた」
ジュア=ム「……!」
カロ=ラン「軍勢を率い、鋼龍戦隊を迎え撃て。 事を成し遂げた暁には、次期諜士長の座を 約束しよう」
ジュア=ム「こ、この俺がですか……!?」
カロ=ラン「ああ。それに、諜士長の近親者ともなれば、 優先的生存権が付与される」
ジュア=ム(なら、親父やお袋、クド=ラが……!)
カロ=ラン「行け、ジュア=ム」
ジュア=ム「はっ!」
(足音・ジュア=ムが立ち去る)
カロ=ラン(フッ……所詮、貴様は捨て駒よ)


第44話
冷たい世界(前篇)

〔戦域:ガウ=ラ・フューリア内部・皇宮への通路〕

(南東端にハガネが出現。出撃準備)
シャナ=ミア「グ=ランドンがいるのは中枢部の皇宮…… ここを抜けた先です」
トーヤ「居住区や刻旅の杜は…… 中枢部の向こう側なんだな?」
シャナ=ミア「ええ。この場で戦闘を行っても、 ガウ=ラに大きな支障は出ませんが…… 度が過ぎるのは禁物です」
ギリアム「それは、グ=ランドン達にとっても 同じことが言えるはず」
カーラ「でも、フューリーの民間人を盾にするとかさ、 そういうことをやらかすんじゃないの?」
シャイン「左様な非道を行えば、 後の統治に悪影響を及ぼしますわ。 ……後があればの話でございますが」
ミチル「騎士っちゅーんは、 エグいことやらへんのとちゃうんか?」
レーツェル「……一概にそうとは言えん」
アクセル「あそこにいる連中の指揮官が諜士なら、 手段は選ばんだろう」
リオ「そうですね……ソ=デスのような男だったら」
ジュア=ム「フー=ルーめ、騎士のくせに不甲斐ねえ!  奴らの侵入を許すとはな!」
シャナ=ミア「ジュア=ム・ダルービ……速やかに退きなさい」
ジュア=ム「あんたにそんなことを言われる筋合いはねえ!  フューリーの新しい皇帝は、グ=ランドン様だ!」
マサキ「そんなの、自称だろうが!」
ジュア=ム「正義は強者に! 栄光は勝者に!  そして、帝位はグ=ランドン様に!!」
トーヤ「それを認めるわけにいくか!」
ジョッシュ「ああ……あの男がクロスゲートを 悪用する気なら、尚更な」
ジュア=ム「黙れ、地球人!  俺達が地球に来た時、その気になれば てめえらを皆殺しに出来たんだよ!」
シャナ=ミア「地球はそこで生まれ育った種族のもの…… それを母星にするのなら、その星の民と 共存しなければならないのです」
ジュア=ム「だから、同化計画か!? 冗談じゃねえ!  あんなゴミ共と一緒くたにされてたまるかよ!!」
シャナ=ミア「その蔑みが、私達を衰退させることになると わからないのですか?」
ジュア=ム「うるせえ! あんたがそんな様だから!  俺の弟は、アドゥ=ムは氷漬けのまま 死んだんだッ!!」
シャナ=ミア「……!」
ジュア=ム「弟だけじゃねえ!  千年単位の人工冬眠で死んだ者が何人も!  何人もいるんだよ! 知ってるだろうが!!」
シャナ=ミア「それは……!」
ジュア=ム「答えろ!  あんたは何故、地球人と一緒にいるんだ!?」
ジュア=ム「俺の両親やクド=ラは、 いつまで氷漬けにならなきゃならねえ!?  いつになったら、自分の足で本物の土が踏める!?」
シャナ=ミア「ですから、民達が地球で生きていけるように 地球人との共存を……!」
ジュア=ム「それじゃ駄目だ! あんたじゃ駄目なんだよ!  だから、俺は邪魔なあんたを殺す! 殺してやる!!」
グラキエース「ジュア=ムの激情が シュンパティアを通して伝わってくる……」
クスハ「あの人、家族のために……」
カルヴィナ「同情などするものか。 テニアやカティア、メルアの両親はもういない」
ジーク「ラブルパイラも奴らに破壊された……!」
フェアリ「ジーク……!」
ジーク「奴はシャナ=ミア皇女を殺すつもりなんだぞ。 綺麗事なんて言ってられねえ。 やるか、やられるかだ」
カルヴィナ「ここで決着をつけるわよ、ジュア=ム!」
ジュア=ム「てめえも皇女と一緒に殺してやるぞ、 カルヴィナァ!!」
(作戦目的表示)

〈味方機が奥の部屋の傍まで移動 or 7PP〉

(北西端にラフトクランズ・アウルンが出現)
トーヤ「あ、あのラフトクランズは!?」
シャナ=ミア「アウルンです。もしや、乗っているのは……」
アル=ヴァン「アル=ヴァン・ランクスです、シャナ=ミア様」
カルヴィナ「あ、あなた、幽閉されていたって……」
アル=ヴァン「フー=ルーが牢を開けてくれたのだ」
ジュア=ム「そういうことですか、アル=ヴァン様!  ならば、共に地球人を討ちましょう!」
アル=ヴァン「ジュア=ム…… 騎士が守るべき主は、シャナ=ミア様だ。 帝位を狙うグ=ランドンではない」
ジュア=ム「あの女は、フューリーを裏切ったんですよ!?」
トーヤ「それは違う!」
ジュア=ム「何が違うものか!  グ=ランドン様はフューリーの純血を守るために、 新たな未来を作るために立ち上がった!」
ジュア=ム「地球人との共存など絶対にあり得ねえ!  てめえらは殲滅されて然るべきなんだよ!」
シャナ=ミア「ジュア=ム・ダルービ! あなたはアシュアリー・ クロイツェルで地球人と接していたのでしょう!  何故、彼らと共に生きようと思わないのです!?」
ジュア=ム「反吐が出るぜ!  同族でいつまでも争い続けるような下等種族と 手を取り合えるわけがねえだろうが!」
アル=ヴァン「ジュア=ムよ…… そうやって地球人を蔑むことこそ、 フューリーの傲慢であり、過ちだ」
ジュア=ム「シャナ=ミアと同じようなことを……!」
アル=ヴァン「地球人とは共存できる。 エ=セルダ様や……私のように」
ジュア=ム「ア、アル=ヴァン様……まさか……!  本気でカルヴィナ・クーランジュを……!?」
アル=ヴァン「ああ、彼女を愛している」
ジュア=ム「!!」
カルヴィナ「ア……アリー……」
アル=ヴァン「それは特別なことではない。 我らフューリーも地球人も、同じ人間…… だからこそ、トウ=ヤ達が生まれたのだ」
ジュア=ム「う、ううぅ……!!」
ジュア=ム「うああぁぁぁあああぁぁあ!!」
アル=ヴァン「!?」
ジュア=ム「な、何言ってんだ! 何言ってんだ、あんた!!  ゴミを! カスを! 愛しているだとぉぉぉ!?  騎士のあんたがぁぁぁぁ!!」
アル=ヴァン「ジュア=ム……!」
ジュア=ム「いや! もうあんたは騎士なんかじゃねぇぇ!!  俺の敵だ! 敵だ!! 敵だぁぁぁ!!」
アル=ヴァン「ジュア=ム……私はお前との戦いを望んでいない。 退いてくれ」
ジュア=ム「うるせえぇぇぇ!!  殺す殺す殺すっ! あんたもゴミ共と一緒に 殺してやるぅぅぅ!!」
(ジュア=ム機のサイトロン・システムが作動し、 ジュア=ムに『集中』『必中』『鉄壁』『EN回復』『気力上昇』)
マイ「!!」
カチーナ「野郎、本格的にブチ切れやがったか!」
リム「シュンパティアにノイズが……!!」
イング「あれでは……!」
キョウスケ「もう生半可なことでは止められんな」
アル=ヴァン「……やむを得ん。行くぞ、カリン、トウ=ヤ。 私が水先案内を務めよう」
カルヴィナ「わかったわ!」
ジュア=ム「カルヴィナァァァァ!!  てめえがっ! てめえがいなければ!!  殺す殺す殺す殺す殺すぅぅぅぅ!!」

ジュア=ム機を撃墜したのは
トーヤ カルヴィナ アル=ヴァン 左記以外


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