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トーヤ「……フューリーって、
軍人みたいな連中しかいないと思ってたけど……」
トーヤ「数千年もの間、
冬眠を繰り返している民間人がいたなんて……
それも、母星を失ったせいで……」
メルア「あの人達の事情は少しわかりましたけど、
月のアシュアリー・クロイツェルで
起きたことは……」
トーヤ「俺の父さんはそれを止めようとして……
もしかしたら、シャナ=ミアも……」
メルア「そうかも知れませんけど、
地球人のことを何とも思っていない人の方が
遥かに多いんじゃないでしょうか……」
トーヤ「だったら……俺達は何なんだ?
地球人とフューリー人の間に生まれた俺達は……」
メルア「………」
トーヤ「今なら、理解できるような気がする。
父さんは、地球とフューリーの共存を
考えていたんじゃないかって……」
トーヤ「もっとも、母さんがそのことを知っていたかどうか
わからないけど……」
メルア「……私とお母さんは地球で暮らしていて、
お父さんはいつも月にいて……
私達はたまにしか会えませんでした」
トーヤ「メルアの母さんも
アシュアリー・クロイツェルの社員だったんだろ」
メルア「私を生んだ後は在宅勤務になったんです」
トーヤ「そうか……」
メルア「ある日、お母さんに聞いたことがあるんです。
お父さんはどうしてずっと月にいるのって……」
トーヤ「何て答えたんだ?」
メルア「とても大事な、地球の未来に関わる仕事をしていて
忙しいからと……今思えば、お母さんは
薄々気づいていたのかも知れません……」
トーヤ「………」
メルア「私が甘い物を好きなのは、お父さんの影響なんです。
お母さんが作るチョコレート・ケーキや
クッキーが大好きだったから……」
メルア「あの頃の私達のように……
生まれた星が違っても、家族になれるのなら……」
トーヤ「俺達は同じ運命を背負ってる。
カティアとテニアも。だから、みんなで探すんだ。
地球人とフューリー人の間に生まれた意味を……」
トーヤ「これから俺達に何が出来て、
何を成すべきかということを……」
メルア「トーヤさん……」
トーヤ「何があっても、お前は俺が守る。
グランティードはその契約の証……」
トーヤ「いや、俺にとっては
戦わなくてはならないという呪縛……
ある意味、血の呪いかも知れないけどな」
メルア「そんなことを言ったら、あの子が可哀想ですよ。
いつも頑張ってくれてるのに」
トーヤ「フューリーの神様が宿ってる
グランティードをあの子呼ばわり、か。
メルアらしいけど」
トーヤ(ともかく、シャナ=ミア皇女の申し出を
ひとまず受け入れて、時間を稼ぐ。
そして、ここから脱出する方法を見つけなきゃ)
トーヤ「シャナ=ミア皇女に話がある!
聞こえてるだろ、皇女と話をさせてくれ!」
(足音)
トーヤ(さて……どう出てくるか)
グ=ランドン「……来たか」
トーヤ「あんたは……」
グ=ランドン「我が名はグ=ランドン・ゴーツ……
フューリア聖騎士団の総代騎士である」
トーヤ「シャナ=ミアは? 皇女はどこにいる?」
グ=ランドン「ここにはおられぬ」
トーヤ「じゃあ、どうして俺達を……!?」
グ=ランドン「貴様らは、
我らフューリーの純血を穢す忌むべき存在……」
グ=ランドン「本来ならば、処刑して然るべきだが、
生かせという皇女殿下のご命令……」
グ=ランドン「身体の半分が地球人であるならば、
心だけでもフューリー人にせねばなるまい」
トーヤ「ま、まさか!?」
グ=ランドン「貴様らの脳にサイトロン受容器を埋め込む。
まずは小娘からだ」
メルア「い、嫌ですっ!!」
トーヤ「や、止めろぉぉぉっ!!」
シャナ=ミア「………」
シャナ=ミア(父とエ=セルダ亡き今……
私とトウ=ヤがこの皇家の剣でヴォーダの門を
封じなければならない……)
シャナ=ミア(彼の者達が封印殿に触れてしまったのは、
私達の咎……)
シャナ=ミア(今度こそ……この手で門を閉じねば……)
(システムの起動)
シャナ=ミア「!!」
ダ=ニーア「何!? 玉座機が!?」
諜士「はっ、格納庫から外へ出ようとしております!」
ダ=ニーア「馬鹿な、あれが独りでに動き出すなど!」
諜士「実は、直前に皇女殿下がグランティードの下へ……」
ダ=ニーア「まさか、シャナ=ミア様が!?」
フー=ルー「皇女殿下は起動鍵をお持ちですが、
まだお一人では玉座機を動かせぬはず……!」
ダ=ニーア「な、ならば、何故!?」
フー=ルー(もしや……いえ、そのようなことは……)
トーヤ「くそっ! くそぉぉぉっ!!
止めろぉぉぉ!!」
グ=ランドン「見苦しい。2人を眠らせろ」
メルア「ト、トーヤさん!!」
トーヤ「守るって言ったんだ! 何があっても!
くそっ、こんな!!」
(爆発、何かが崩れる)
トーヤ「うあああっ!?」
トーヤ「う、うう……な、何が……」
トーヤ「!!」
メルア「グ、グランティード……?」
トーヤ「な、何故、ここへ……!?」
(建物の傍にグランティードがいる)
トーヤ「乗れって言うのか、グランティード……!」
メルア「でも、誰が動かしているんですか……!?」
トーヤ「俺以外にこいつを操縦できるのは……」
メルア「トーヤさん、中に誰かいます!」
シャナ=ミア「!」
トーヤ「シャナ=ミア! 君が動かしていたのか!?」
シャナ=ミア「い、いえ……玉座機が自ら起動して、
私をこの中に……」
トーヤ「何だって……!?」
グ=ランドン「うぬっ、このようなことが……!」
準騎士「グ=ランドン様、お怪我は!?」
グ=ランドン「それより、玉座機を動かしたのは誰か!?」
(通信)
ダ=ニーア「聞こえるか、グ=ランドン!
一大事じゃ! 玉座機が自ら動き出し、
シャナ=ミア様を連れ去った!」
グ=ランドン「なっ……! では、皇女殿下はあの中に!?」
メルア「どうするんですか、トーヤさん!?」
トーヤ「もちろん、ここから脱出するさ!」
メルア「でも、グランティードは……!」
トーヤ「いや、コントロールが効くようになってる!
シャナ=ミア、君も一緒に来てもらうぞ!」
シャナ=ミア「え……!?」
トーヤ「行くぞ、メルア!」
メルア「えっ、どこに……!?」
トーヤ「とにかく、上だ! 上に行く!」
(グランティードが撤退)
準騎士「玉座機が!」
グ=ランドン「全艦、非常警戒態勢! フー=ルーを出撃させよ!
断じて玉座機を逃がしてはならん!」
(中央あたりにグランティードが出現)
トーヤ「ここが最上層か……?」
(グランティードが南へ進む)
メルア「トーヤさん、前方にハッチがあります」
トーヤ「ああ。
どうやら、機動兵器の発進カタパルトみたいだ。
シャナ=ミア、ここから外へ出られるんだな?」
シャナ=ミア「……ええ」
トーヤ「出たら、そこに何が……
いや、ガウ=ラ・フューリアはどこにあるんだ?」
シャナ=ミア「……地球の衛星である月です」
トーヤ「月……!?」
シャナ=ミア「ええ、ガウ=ラはその内部に存在しているのです」
トーヤ「そうか……そうだったのか。
これで色々つながった」
シャナ=ミア「トウ=ヤ……
あなたは、この玉座機を……フューリーの守護神を
外界へ持ち去る気なのですか?」
トーヤ「そうさ。
戻って、グ=ランドンに頭の中を弄くられるなんて
御免だからな」
シャナ=ミア「そ、そんな……彼がそのようなことを……!」
トーヤ「君は知らなかったのか?」
シャナ=ミア「知っていれば、許すはずは……」
トーヤ「こんなこと、言いたくはないけど……
俺達が安全な所へ逃げられるまで、
君には人質になってもらう」
トーヤ「だから、大人しくそのシートに座っていてくれ」
シャナ=ミア「………」
(グランティードに警告シグナル)
メルア「トーヤさん、追っ手が!」
トーヤ「!」
(北側にラフトクランズ・ファウネアを含むフューリー機が出現)
フー=ルー「そこまでになさい、坊や。
外界に出ることは許しませんわよ」
トーヤ「こっちにはシャナ=ミアがいる。
あんたが黙って俺達を行かせてくれるなら、
彼女に危害は加えない」
フー=ルー「あらあら。
この情況で対等の交渉が出来ると思っていますの?」
トーヤ「そっちこそ。
例の手を使われたら、俺達はとっくの昔に捕まってる」
トーヤ「なのに、そうしなかったあんたに
皇女が乗ったグランティードを撃てるのか?」
フー=ルー「撃てる……と言ったら、どうするおつもり?」
シャナ=ミア(……!)
トーヤ「何だって……!?
シャナ=ミアはあんた達の主だろう!」
フー=ルー「ふふっ、素直な反応ですこと。
それでは、交渉事など無理ね」
トーヤ「くっ……!」
シャナ=ミア「……トウ=ヤ、私が彼らに話します。
そして、ここから下がるよう命じましょう」
メルア「えっ、それって……」
トーヤ「俺達をここから逃がすってことか?」
シャナ=ミア「はい。私も共に行きます。
あなたに強制されたからではなく、自らの意志で。
そして、必ずガウ=ラ・フューリアへ戻ります」
トーヤ「どうして、そんなことを……?」
シャナ=ミア「私の前で玉座機は動き出し、
私をここへ……代々のフューリー皇帝が座した
この戦玉座へ運び、あなた達を救い出しました」
シャナ=ミア「それはグランティードの……
いえ、創世神フューレイムの
ご意志かも知れません」
トーヤ「神の意志……」
(ラフトクランズ・ファウネアに通信)
グ=ランドン「フー=ルー、何をしている?
速やかに玉座機を取り押さえよ」
フー=ルー「あれにはシャナ=ミア様が乗っておられます。
迂闊に手を出せませんわ」
グ=ランドン「忘れたか。グランティードのラースエイレムは
破損しているのだぞ」
フー=ルー「……私に騎士の禁忌を破れと仰いますのね」
グ=ランドン「今は緊急事態だ。手段は選んでおられぬ。
皇女殿下はエ=セルダの息子の掌中だ。
特例として、総代騎士たるこのグ=ランドンが許す」
グ=ランドン「フューリーのため……
いや、私のためにラースエイレムを使え」
フー=ルー「……そのお言葉が聞きたかったのです」
(ラフトクランズ・ファウネアが内側から光る)
メルア「あ、あれは!」
トーヤ「そんな!!」
フー=ルー「私がラースエイレムを使えないと思っていましたのね。
それは事実ですが……今は違いましてよ」
(ラフトクランズ・ファウネアが内側から光り、閃光)
フー=ルー「もっとも……ラースエイレムを使わずとも、
私は既に騎士失格ですわね」
フー=ルー「シャナ=ミア様……
あなたより、あの人を選んだのですから」
フー=ルー「フューリーの未来……騎士の矜持……
それらを捨て去ることが出来れば、私は……」
(ラフトクランズ・ファウネアが銃を構えると、何かの鳴き声がして、
ラフトクランズ・ファウネアが振り向く)
フー=ルー「!!」
(竜のような物が飛来し、グランティードと合神する)
(グランティードがグランティード・ドラコデウスに変化している)
フー=ルー「ま、まさか、こんな……!」
トーヤ「………」
フー=ルー「神竜バシレウスまで動くなんて……!」
トーヤ「ま、まただ……
また、父さんの声が聞こえた……」
シャナ=ミア「えっ……」
トーヤ「これが、皇家の真剣……」
トーヤ「グランティード・ドラコデウス……!」
シャナ=ミア「そうです。フューリーの神話に登場する神竜を
模した機動兵器、バシレウスと合神した
この形態こそが、玉座機の真の姿なのです」
メルア「このオルゴン・エナジー反応……凄いです……
それに、ラースエイレムも……」
トーヤ「ラースエイレム……そうか……
だから、ステイシス・フィールドの中で
動けるのか」
メルア「ええ、バシレウスのおかげです」
フー=ルー「ふ、ふふふ……つくづく驚かせてくれますわね。
でも、ラースエイレムが通用しなくなっただけの話。
相手がグランティード・ドラコデウスなら……」
フー=ルー「こちらも本気を出させていただきますわよ」
(フー=ルーに『気力上昇』)
シャナ=ミア「トウ=ヤ、私がフー=ルーと話します」
トーヤ「身内と戦いたくないという気持ちはわかるけど、
駄目だ」
シャナ=ミア「何故です?」
トーヤ「ここには君を信じている人がいるんだろう。
理由があるとは言え、君が自分の意志で出て行ったと
知ったら、見捨てられたと思うんじゃないか?」
シャナ=ミア「……どのみち、グ=ランドンは私を大逆者とし、
民や騎士達を煽動するでしょう」
トーヤ「それでも駄目だ」
シャナ=ミア「民を見捨て、出奔したと思われても仕方ありません。
皇女としての責務を放棄したと受け取られても
やむを得ません」
シャナ=ミア「私達が早急にヴォーダの門を封印しなければ、
フューリーだけでなく、地球にも未来はないのです」
トーヤ「……だったら、俺とグランティードに連れ去られ、
人質にされたってことにすればいい。不可抗力さ」
トーヤ「それなら、君を信じている人達を失望させずに済む。
真実を話すのは、事を成し遂げてからでも遅くはない」
シャナ=ミア「トウ=ヤ……」
トーヤ「とにかく、今は脱出することが最優先だ。
ここは俺とメルアに任せてくれ」
メルア「そうです。
グ=ランドン達の思い通りにさせちゃ駄目です」
シャナ=ミア「……わかりました」
フー=ルー「坊や、今のあなたの意志を
神の啓示などと考えてはいけませんわよ」
トーヤ「そんなご大層な物、感じちゃいない。
だけど、俺にグランティードを託した父さんの想いは
わかってきたような気がする」
トーヤ「グ=ランドン達が何をする気なのかわからないけど、
あいつらの好きにさせたら、今まで以上の災いが
起きる……それは間違いない……!」
トーヤ「だから、俺が父さんに代わって食い止める!
このグランティード・ドラコデウスで!!」
(トーヤに『熱血』『鉄壁』『不屈』『気力上昇』、作戦目的表示)
フー=ルー「まさか、グランティードの
バスカー・モードを使うだけでなく、
バシレウスとの合神まで成し遂げるとは……」
トーヤ「そこをどけ、フー=ルー!」
フー=ルー「いいえ、止めてみせますわ。
あの方のために……!」
(ラフトクランズ・ファウネアに警告シグナル)
フー=ルー「くっ、もう限界……!?」
(閃光)
メルア「トーヤさん、ステイシス・フィールドが!」
トーヤ「ああ、わかってる!
シャナ=ミア、悪いがハッチを破るぞ!」
シャナ=ミア「やむを得ません……どうぞ」
(グランティード・ドラコデウスが南端まで移動し、突き当りを爆破後、撤退)
クルト「レーツェル様、
月面へ降下する最終軌道変更が完了しました」
レーツェル「アシュアリー・クロイツェル周辺で
何か反応はあったか?」
クルト「いえ、今の所は」
アクセル「……おれがいた世界では、
月管区は縄張り意識が強かった。
連邦軍の出迎えがあるんじゃないのか?」
レーツェル「根回しはしてある。
それでも出てくる者は……敵だ」
カルヴィナ「以前、あたしは
量産型のヒュッケバインMk-IIに乗った
ジュア=ムと交戦したことがあるわ」
アクセル「中身が違うということもあり得るか」
レーツェル「曰く付きの場所だ。
念のため、パイロット各員は機乗待機を」
カルヴィナ「了解」
(中央の亀裂の上にグランティード・ドラコデウスが出現)
トーヤ「よし、月面に出たぞ!」
(グランティード・ドラコデウスが亀裂から外れるように動く)
メルア「あのクレバスの下に
ガウ=ラ・フューリアが……」
トーヤ「かなり深く入り組んだ谷だったし、
シールドらしき物もいくつかあった。
あれじゃ、外からはわからないか」
メルア「でも、これで場所は特定できました」
トーヤ「ガウ=ラ・フューリアが動かなければの話だけどな」
シャナ=ミア「………」
トーヤ「ともかく、連邦軍の基地へ行かないと……。
鋼龍戦隊の識別コードは出せるよな?」
メルア「はい。
それと、ここはアシュアリー・クロイツェルから
そんなに離れていません」
トーヤ「そうなのか……」
(グランティード・ドラコデウスに警告シグナル)
トーヤ「重力震反応!?」
(グランティード・ドラコデウスの周りにフューリー軍が転移)
カロ=ラン「諜士長、カロ=ラン・ヴイである。
そこまでだ、トウ=ヤ・シューン」
トーヤ「カロ=ラン……!」
カロ=ラン「父子揃って玉座機を持ち出すとは……
血は争えぬものよ」
トーヤ「……こっちにはシャナ=ミアがいることを忘れるな」
カロ=ラン「脅しのつもりか?
私はグ=ランドンと違い、皇女を無傷で
取り戻そうとは思っておらぬ」
シャナ=ミア「……!」
メルア「えっ……!?」
カロ=ラン「最終的には『鍵』として機能すれば良いのだ」
トーヤ「何だと……!?」
カロ=ラン「トウ=ヤ・シューン、無駄な抵抗をすれば
苦しむことになる。エ=セルダと同じようにな」
トーヤ「父さんと……? まさか!」
カロ=ラン「そう……彼奴に深傷を負わせたのは、この私」
トーヤ「!!」
カロ=ラン「一撃で仕留められなかったのが、心残りだがな」
トーヤ「お前が……! お前が父さんを!!」
(トーヤに『熱血』)
トーヤ「うあああああっ!!」
(トーヤに『気力上昇』)
シャナ=ミア「いけません、トウ=ヤ!
激情に身を任せては!」
トーヤ「カロ=ラン! 俺は! 俺はお前をッ!!」
カロ=ラン「これで隙が出来る。者共、かかれ!」
(作戦目的表示)
(グランティード・ドラコデウスに警告シグナル)
メルア「こ、この反応……ああ、こんなことが……!」
トーヤ「!?」
メルア「カルヴィナさんにアキミさん達です!
みんなが来てくれました!」
(西端にクロガネとベルゼルート・ブリガンディが出現。出撃準備)
ベルゼルート・ブリガンディのサブパイロットは
カティア
テニア