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(ベルゼルートに爆煙後プラズマ)
メルア「えっ!?」
トーヤ「ベ、ベルゼルートが!!」
カチーナ「何で返り討ちに遭ってんだよ!?」
ヨン「ま、まさか!」
ラージ「この時粒子反応は!」
ラウル「あいつ、あの手を使ったのか!」
ギリアム「だが、タイムラグはさほどではない……!」
ラトゥーニ「時間が飛んだのは、ほんのわずか……?」
ジョッシュ「ベルゼルートが動いていない! まずいぞ!」
ジュア=ム「お、俺は……俺は、ラースエイレムを……!!」
ジュア=ム「あ……ああ……ううう……!!」
ジュア=ム「う、うわああああっ!!」
(ラフトクランズが撤退)
準騎士「ジュ、ジュア=ム様!?
くっ、撤退だ!」
(残ったフューリー軍機が撤退)
エイタ「フューリー機、戦域より離脱!」
アヅキ「ベルゼルートは大破した模様!
パイロットは2人共応答がありません!」
テツヤ「機体の回収を急げ!
メディックをデッキに向かわせろ!」
レーツェル(……例の手が使えるのなら、
何故、最初からそうしなかった?)
レーツェル(そして、とどめを刺そうと思えば出来たはずだ。
なのに、どうして撤退した……?)
テニア「う、うう……」
メルア「テニアちゃん……!」
トーヤ「気が付いたか……」
テニア「あ、あたし……どうなって……? ここ、どこ……?」
カティア「ハガネの医務室よ。もう心配はいらないわ」
ラーダ「大きな怪我はないけど、
しばらくの間は安静が必要よ」
テニア「カルヴィナは……?」
ラーダ「彼女はあなたより重い傷を負っていて、治療中よ。
意識は失ったままだけど、命に別状はないわ。
だから、安心なさい」
テニア「う、うん……」
カティア「2人共、運が良かったわ。
ベルゼルートは壊れてしまったけど……」
テニア「えっ……」
ラーダ「コックピット周りとオルゴン・エクストラクター以外は
ほとんど使い物にならないそうよ」
テニア「そう……」
トーヤ「とにかく、今はゆっくり休め。
後で何か食べる物を持ってきてやるからさ」
テニア「だったら……オッソ・ブーコがいいな……
美味しかったから……」
トーヤ「わかったよ」
ラージ「……短時間での連続使用が不可能なのは
間違いないでしょうが、あの手を使った
タイミングが解せませんね……」
カイ「単純に考えれば、カルヴィナの一撃を
回避するためだったと思うが」
レーツェル「しかし、ジュア=ムはカルヴィナに対し、
明確な殺意を持っていたにも関わらず、
とどめを刺さずに去りました」
カイ「ああ……情けをかけたようには見えなかったな」
ギリアム「ジュア=ムは騎士になったと言っていました。
そのことから……」
ギリアム「フューリーの騎士は、機能上の理由とは別に
あの手の使用を禁じられているのではないかという
推論が導き出されます」
ゼンガー「正々堂々とした勝負にならぬ故、騎士達の間では
禁忌とされているのか」
カイ「それで、アル=ヴァン・ランクスは
今まであれを使わなかったと?」
ギリアム「その可能性はあります」
レーツェル「ジュア=ムは生き延びるために
騎士のタブーを破ってしまい、動揺して撤退した……
そういう解釈も出来るか」
ゼンガー「だが、今回の結果を受けて、
フューリーが騎士以外の者を
送り込んでくる可能性は高いぞ」
レーツェル「ラージ、対抗策の進捗状況は?」
ラージ「予定通りであれば、5日後に組み上がります」
レーツェル「そうか……物がこちらに届くまで、
フューリーが動かねばいいが」
ラージ「しかし、あれが効力を発揮するかどうかは
やってみなければわかりません」
カイ「それでも、無策よりは遙かにましだ。
ベルゼルートに続き、グランティードまで
失うわけにはいかんからな」
ギリアム「……少佐、ベルゼルートについては
何とかなるかも知れません」
カイ「それは本当か?」
ギリアム「ええ……私の方から上に掛け合ってみます」
(アラート)
カイ「!」
エイタ「市内西部にもラマリス出現! 数は7!」
マイルズ「ぬう、浄化が完全ではなかったとは……!」
ギント「司令、直ちに攻撃を開始します」
マイルズ「うむ。今度こそ確実にラマリスを殲滅せよ」
ヘルルーガ「ヴォート、貴様にジーベ・ドライブ奪還任務を与える。
直ちに地球へ向かうのだ」
ヴォート「はっ……」
レジアーネ「ヘルルーガ様の意図はわかっているだろうね?」
ヴォート「部下の不始末の責任を取れと?」
レジアーネ「そうさ。ジーベ・ドライブを取り戻すついでに
お前の手で裏切り者共を始末しな。さもなくば……」
ヴォート「……承知しております」
ヘルルーガ「ならば、行くがいい」
ヴォート「それでは」
(扉が開く・ヴォートが立ち去る)
レジアーネ「……本当に任せてよろしいので?
ご命令とあらば、私も赴きますが」
ヘルルーガ「このラブルパイラの守りを手薄にするわけにはいかん。
そして、貴様に匹敵する実力の持ち主は、
あの男しかおらん」
レジアーネ「しかし、ヴォートは事の真相を知っています」
ヘルルーガ「地球人に知られた所で、影響はない。
仮に裏切り者共が喧伝しようとも、
ここでは情報操作によって戯言となろう」
レジアーネ「懸念事項がもう一つ……
ヴォートとフェアリの関係です」
ヘルルーガ「わかっている。
真の意味であの男が腹心となるかどうか、試すのだ。
二心あらば、捨て駒にするだけよ」
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