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ジュア=ム激進 ~ 第26話 ~

〔戦域:ベルリン市街〕

(ベルゼルートに爆煙後プラズマ)
カティア「えっ!?」
トーヤ「ベ、ベルゼルートが!!」
カチーナ「何で返り討ちに遭ってんだよ!?」
ヨン「ま、まさか!」
ラージ「この時粒子反応は!」
ラウル「あいつ、あの手を使ったのか!」
ギリアム「だが、タイムラグはさほどではない……!」
ラトゥーニ「時間が飛んだのは、ほんのわずか……?」
ジョッシュ「ベルゼルートが動いていない! まずいぞ!」
ジュア=ム「お、俺は……俺は、ラースエイレムを……!!」
ジュア=ム「あ……ああ……ううう……!!」
ジュア=ム「う、うわああああっ!!」
(ラフトクランズが撤退)
準騎士「ジュ、ジュア=ム様!?  くっ、撤退だ!」
(残ったフューリー軍機が撤退)
エイタ「フューリー機、戦域より離脱!」
アヅキ「ベルゼルートは大破した模様!  パイロットは2人共応答がありません!」
テツヤ「機体の回収を急げ!  メディックをデッキに向かわせろ!」
レーツェル(……例の手が使えるのなら、 何故、最初からそうしなかった?)
レーツェル(そして、とどめを刺そうと思えば出来たはずだ。 なのに、どうして撤退した……?)

[ハガネ 医務室]

テニア「う、うう……」
メルア「テニアちゃん……!」
トーヤ「気が付いたか……」
テニア「あ、あたし……どうなって……? ここ、どこ……?」
カティア「ハガネの医務室よ。もう心配はいらないわ」
ラーダ「大きな怪我はないけど、 しばらくの間は安静が必要よ」
テニア「カルヴィナは……?」
ラーダ「彼女はあなたより重い傷を負っていて、治療中よ。 意識は失ったままだけど、命に別状はないわ。 だから、安心なさい」
テニア「う、うん……」
カティア「2人共、運が良かったわ。 ベルゼルートは壊れてしまったけど……」
テニア「えっ……」
ラーダ「コックピット周りとオルゴン・エクストラクター以外は ほとんど使い物にならないそうよ」
テニア「そう……」
トーヤ「とにかく、今はゆっくり休め。 後で何か食べる物を持ってきてやるからさ」
テニア「だったら……オッソ・ブーコがいいな…… 美味しかったから……」
トーヤ「わかったよ」

(ハガネ ブリーフィング・ルーム)

ラージ「……短時間での連続使用が不可能なのは 間違いないでしょうが、あの手を使った タイミングが解せませんね……」
カイ「単純に考えれば、カルヴィナの一撃を 回避するためだったと思うが」
レーツェル「しかし、ジュア=ムはカルヴィナに対し、 明確な殺意を持っていたにも関わらず、 とどめを刺さずに去りました」
カイ「ああ……情けをかけたようには見えなかったな」
ギリアム「ジュア=ムは騎士になったと言っていました。 そのことから……」
ギリアム「フューリーの騎士は、機能上の理由とは別に あの手の使用を禁じられているのではないかという 推論が導き出されます」
ゼンガー「正々堂々とした勝負にならぬ故、騎士達の間では 禁忌とされているのか」
カイ「それで、アル=ヴァン・ランクスは 今まであれを使わなかったと?」
ギリアム「その可能性はあります」
レーツェル「ジュア=ムは生き延びるために 騎士のタブーを破ってしまい、動揺して撤退した…… そういう解釈も出来るか」
ゼンガー「だが、今回の結果を受けて、 フューリーが騎士以外の者を 送り込んでくる可能性は高いぞ」
レーツェル「ラージ、対抗策の進捗状況は?」
ラージ「予定通りであれば、5日後に組み上がります」
レーツェル「そうか……物がこちらに届くまで、 フューリーが動かねばいいが」
ラージ「しかし、あれが効力を発揮するかどうかは やってみなければわかりません」
カイ「それでも、無策よりは遙かにましだ。 ベルゼルートに続き、グランティードまで 失うわけにはいかんからな」
ギリアム「……少佐、ベルゼルートについては 何とかなるかも知れません」
カイ「それは本当か?」
ギリアム「ええ……私の方から上に掛け合ってみます」
(アラート)
カイ「!」

[ハガネ ブリッジ]

エイタ「市内西部にもラマリス出現! 数は7!」
マイルズ「ぬう、浄化が完全ではなかったとは……!」
ギント「司令、直ちに攻撃を開始します」
マイルズ「うむ。今度こそ確実にラマリスを殲滅せよ」

<ラブルパイラ>

[ラブルパイラ 内部(中央管制室)]

ヘルルーガ「ヴォート、貴様にジーベ・ドライブ奪還任務を与える。 直ちに地球へ向かうのだ」
ヴォート「はっ……」
レジアーネ「ヘルルーガ様の意図はわかっているだろうね?」
ヴォート「部下の不始末の責任を取れと?」
レジアーネ「そうさ。ジーベ・ドライブを取り戻すついでに お前の手で裏切り者共を始末しな。さもなくば……」
ヴォート「……承知しております」
ヘルルーガ「ならば、行くがいい」
ヴォート「それでは」
(扉が開く・ヴォートが立ち去る)
レジアーネ「……本当に任せてよろしいので?  ご命令とあらば、私も赴きますが」
ヘルルーガ「このラブルパイラの守りを手薄にするわけにはいかん。 そして、貴様に匹敵する実力の持ち主は、 あの男しかおらん」
レジアーネ「しかし、ヴォートは事の真相を知っています」
ヘルルーガ「地球人に知られた所で、影響はない。 仮に裏切り者共が喧伝(けんでん)しようとも、 ここでは情報操作によって戯言となろう」
レジアーネ「懸念事項がもう一つ…… ヴォートとフェアリの関係です」
ヘルルーガ「わかっている。 真の意味であの男が腹心となるかどうか、試すのだ。 二心あらば、捨て駒にするだけよ」


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