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忘れたはずの呼び名 ~ 第16話 ~

〈フューリー機が5機以下 or ラフトクランズ・アウルンのHP80%以下 or ラマリス・カーナを2機撃墜 or 6PP〉

カルヴィナ「今なら、ソーンに取り付ける!」
(カルヴィナがラフトクランズ・アウルンに隣接し、捕まえる)
アル=ヴァン(……やはり、来たか)
カルヴィナ「聞こえているだろう! お前は誰だ!?」
アル=ヴァン「……私だ、カリン」
カルヴィナ「!!」
メルア「え……!? どうしてその呼び名を……」
カルヴィナ「あ、あたしをカリンと呼ぶその声…… アリー……!?」
アル=ヴァン「そうだ」
カルヴィナ「や、やっぱり、あなたもジュリアンと同じで……?  い、伊豆の時も……?」
アル=ヴァン「……ああ」
カルヴィナ「わからない……わからないよっ!  ねぇっ、教えてよ!  いったい、どういうことなのっ!?」
カルヴィナ「何がどうなっているのっ!?  あたしにはわからない! お願い、教えてよ!  どうしてあなたがそれに乗っているの!?」
アル=ヴァン「このラフトクランズは、私…… アル=ヴァン・ランクスの機体だからだ」
カルヴィナ「嫌だ……嘘だよ、そんなの嫌!  ねぇ、悪い冗談はやめてよ!  あなたが、あの時アシュアリーを!?」
カルヴィナ「あなたがみんなを!? 嘘でしょうっ!?  そうだと言って、アリー!!」
アル=ヴァン「……カリン、 君にはどこか別の場所で生きていて欲しかった」
アル=ヴァン「だが、君はベルゼルートと共に 鋼龍戦隊に参加し、私の前に現れた」
カルヴィナ「………」
アル=ヴァン「カリン、その機体を渡してくれないか。 その功を以て君を迎えることを、 私が同胞達に認めさせてみせる」
カルヴィナ「うぅ……何で……どうして……!」
アル=ヴァン「君が望むなら、同乗している娘も殺しはしない」
メルア「……!」
アル=ヴァン「カリン、 私と共に来てくれないか……フューリーへ」
カルヴィナ「フューリー……?」
アル=ヴァン「さもなくば、私はベルゼルートを破壊し、 君達を殺さなければならなくなる」
カルヴィナ「………」
メルア「嫌です、カルヴィナさん。 言うことを聞いちゃ駄目です。 あの人のせいで、お父さんやお母さん達が……!」
カルヴィナ「……さない」
アル=ヴァン「カリン?」
カルヴィナ「許さない。みんなを殺し、あたしも殺そうとした。 あの日、みんなと一緒にあんたも死んだとばかり 思ってた」
アル=ヴァン「………」
カルヴィナ「ずっとあなたのことが忘れられなかった。 でも、違った。あなたがみんなを殺したんだ。 あたしを騙していたのね、最初から」
カルヴィナ「何もかも全部嘘だった。そうなんでしょう?  ずっと……ずっと信じていたのに!」
アル=ヴァン「カリン、私は……」
カルヴィナ「その名前で、あたしを呼ぶなッ!!」
アル=ヴァン「!」
カルヴィナ「あたしは絶対に許さない!  このベルゼルートもやらせはしない!」
カルヴィナ「お前達が誰であろうと、何のためであろうと関係ない!  これ以上何一つ、お前達が望むようにはさせない!」
アル=ヴァン「そうか……。 各機、足止めはもう充分だ。 直ちに現戦域から撤退せよ」
(ラフトクランズ・アウルン以外のフューリー機が撤退)
カルヴィナ「!!」
(ラフトクランズ・アウルンがベルゼルートの方を向き、ベルゼルートが弾かれる)
カルヴィナ「逃げる気かっ!?」
アル=ヴァン「カリン、君に考える時間を与えよう」
カルヴィナ「ふざけるな!!」
アル=ヴァン「次に会った時、答えを聞く。 ……さらばだ」
(ラフトクランズ・アウルンが撤退)
カルヴィナ「待て!!」
カイ「カルヴィナ、どこへ行く気だ!?  戦域内にはまだラマリスが残っているんだぞ!」
カルヴィナ「くっ……!」
メルア「カルヴィナさん……」
カルヴィナ(アリー……いや、アル=ヴァン…… お前はベルゼルートを破壊すると言った)
カルヴィナ(待っているぞ。 次に会った時は、あたしがお前を殺してやる……!)
ギリアム(……結局、灰色のソーンは例の手を使わなかったか。 何故だ?)
カイ「エレーブ1より各機!  戦域内のラマリスを掃討しろ!」

〈敵機全滅〉

ショーン「艦長、戦域内のラマリスを殲滅しました」
レフィーナ「本艦は現在位置でTD滞空。 各機は全周警戒を厳となせ」
アクア「はたして、この台北でもラマリスを 浄化できたのかしら」
イング「おそらく、大丈夫だと思います」
マイ「うん、新宿や大阪の時よりも スムーズにいったし……」
タスク「案外、ソーンのおかげかも知れねえな」
ジョッシュ「彼らが先にラマリスと接触していたからか」
カルヴィナ「冗談じゃないッ!」
ジョッシュ「カルヴィナさん……」
カルヴィナ「あの男が……あいつらが、そんなこと……!」
イルム(やれやれ、 ラマリスの方は何とかなっても、問題は……)
カイ「カルヴィナ・クーランジュ。 作戦終了後、メルアと共に俺の所へ出頭しろ」
カルヴィナ「……了……解」

[ガウ=ラ・フューリア 内部(ブリーフィング・ルーム)]

アル=ヴァン「……交戦中に複数のジェヴィルンが融合し、 巨大化しました。鋼龍戦隊が彼らと対峙した時、 発生した現象と同じです」
グ=ランドン「彼奴らとの共通点は…… グランティードとベルゼルートの サイトロン・システムか」
アル=ヴァン「はい。人間の精神や思念に関与するシステムが、 ジェヴィルンに影響を与えているのではないかと 推測します」
グ=ランドン「ならば、我らにも撲滅は可能か……」
カロ=ラン「ところで、アル=ヴァン。 任務遂行中にグランティードやベルゼルートと 遭遇しながら、何故、見逃した?」
アル=ヴァン「皇女殿下から地球人と無用に争わぬよう 命ぜられましたので」
カロ=ラン「ふん……次期総代騎士と目される貴様ならば、 2つの任務をこなせると思っていたが、買い被りかな。 それとも、紛い物を始末できぬ理由でもあるのか」
アル=ヴァン「ならば、申し上げましょう。 我々が早急に成すべきことは、玉座機の奪還。 それは力を以て成し遂げるよりも……」
アル=ヴァン「搭乗者を説得し、 こちらに帰順させた方がいいのではないでしょうか」
カロ=ラン「何故、地球人などと対話せねばならぬのだ」
アル=ヴァン「玉座機を『鍵』と成せるのは、皇女殿下のみ。 ヴォーダの門に異変ありし時、お一人で 戦場へ送り出すわけにもいきますまい」
アル=ヴァン「シューンの血筋の者が…… 皇女殿下の剣となりて戦う者が 必要だと思われます」
グ=ランドン「その血筋に問題があるのだ」
アル=ヴァン「ならば、誰を玉座機の馭者にする おつもりなのです?」
グ=ランドン「『鍵』の力を発揮させるだけならば、 皇女殿下お一人が乗っていれば良い。 玉座機は戦えぬが、我ら騎士団がお守りする」
アル=ヴァン「しかし……」
カロ=ラン「貴様のその上申…… 私には別の理由があるように思えるがな。 それも玉座機ではなく、紛い物絡みで」
アル=ヴァン「………」

《台湾 台北地区(鋼龍戦隊)》

[ヒリュウ改 ブリーフィング・ルーム]

カイ「カルヴィナ少尉。 灰色のソーンのパイロットと秘匿通信を かわしていたようだが、何を話していた?」
カルヴィナ「………」
カイ「知っているとは思うが、 お前達の会話は、強制的に解析することが出来る」
カルヴィナ(敵と喋っといたんだもの、疑われて当然ね……)
カイ「だが、その前に自分の意志で話せ。 艦長や俺達の前でだ」
カルヴィナ「……隠す気はありません。 灰色のソーンに乗っていたのは、 アリスター・リンクス……」
カルヴィナ「もっとも、先程は アル=ヴァン・ランクスと名乗っていましたが」
ギリアム「アリスター・リンクス…… アシュアリー・クロイツェル襲撃事件の 死亡推定者リストに載っていた名だな」
カルヴィナ「ええ……ええ、そうよ!  あたしもそう思っていたわ!  なのに、あんな……!」
メルア「カルヴィナさん……」
ギリアム「落ち着きたまえ、少尉」
カルヴィナ「………」
レフィーナ「よく知っている人だったのですね」
カルヴィナ「ええ、アリスター・リンクスは、 ベルゼルートの開発スタッフだったので」
イルム(単なる知り合いってわけじゃなさそうだけどな)
ギリアム「メルア、 君はアリスター・リンクスと面識があるか?」
メルア「アシュアリー・クロイツェルへ行ってから、 名前は何度か聞きましたけど…… 実際には会ってません」
カイ「……確か、アシュアリー・クロイツェルを 襲撃したのは灰色のソーンだったな」
イルム「ええ、報告では」
カルヴィナ「あいつは、 自分の機体を『ラフトクランズ』と呼んでいた……」
ギリアム「それが正式名称か」
カイ「つまり、アリスター・リンクスは 自分が所属していた会社を壊滅させたことになる。 その理由は何だ?」
カルヴィナ「そんなの、あたしが知るわけないでしょう!」
カイ「貴様……いい加減にせんか」
イルム「カルヴィナ……お前さんは敵と通じてると 言われても仕方ない情況なんだぜ」
カルヴィナ「疑うなら、どうぞご自由に。 でもね、あたしだって騙されたのよ。 信用できないなら、自白剤でも何でも使って」
ショーン「……まあ、カルヴィナ少尉が内通者である可能性は 低いでしょう」
ギリアム「ええ……事後にすぐ尋問されている時点で、 スパイや工作員としては失格です」
カルヴィナ「……あいつは、あたしに言ったんだ…… 『フューリー』に来いと」
イルム「フューリー……地名か?」
ショーン「旧西暦時代、 その名を持つ英国製のレシプロ機がありましたな」
カルヴィナ「ニュアンスとしては、あの男が属している部隊か、 勢力の名だったように思う……」
ショーン「地球の言語と同じ発音をする 異星の言葉ですか……」
レフィーナゴライクンルと同じように、フューリーも ゾヴォークの一派なのでしょうか」
ショーン「現時点では何とも言えませんな」
ギリアム「アシュアリー・クロイツェルの アリスター・リンクス。その正体は、 フューリーのアル=ヴァン・ランクス……」
ギリアム「何らかの目的を持ってアシュアリー社に潜入し、 それを果たした後、口封じのために 全てを焼き払ったか」
イルム「少しおかしな話ですがね。 アル=ヴァンという男がベルゼルートの 開発に携わっていたにも関わらず……」
イルム「アシュアリー・クロイツェルが襲撃された時、 肝心の機体とテストパイロットは、 別の所にいたんですから」
カルヴィナ「それは…… あたしがベルゼルートのテスト飛行を 予定時間より強引に早めたせいかも知れない」
カルヴィナ「ジュリアン……いや、ジュア=ムがそう言っていた」
カイ「ジュア=ム?」
イルム「台北戦の前に戦った、 ホワイト・ホーンのパイロットか?」
カルヴィナ「そうよ。 あの男もアシュアリー・クロイツェルにいて…… あたしが人型機動兵器の操縦を教えていた」
カルヴィナ「筋が良かったのは当然よ。 あいつはきっと……あたしに出会う前から フューリーのマシンに乗っていたんだから」
カルヴィナ「あたしは……あいつにも騙されていた……」
ギリアム「……アシュアリー・クロイツェルには 他にもフューリーと思しき者がいたのか?」
カルヴィナ「………」
カルヴィナ「……みんな死んだわ。 子供が生まれるとはしゃいでいたジャッキー…… 休暇が取れたから帰省すると言っていたアリス……」
カルヴィナ「家を買ったばかりのヴォルグ…… メアリーにプロポーズする気だったゴードン……」
メルア「………」
カルヴィナ「この子とカティア、テニアの両親も……。 あの場にいたのなら……」
カルヴィナ「アル=ヴァンやジュア=ムとは……違う……」
イルム(……仲間を信じたい気持ちはわかるがな)
レフィーナ「大筋は把握できました。 この件については、私からマイルズ司令に報告し、 判断を仰ぐことにします」
カルヴィナ(戦隊司令がどう判断しようと、 あたしは戦いを止めない……)
カルヴィナ(あいつを……アル=ヴァンをこの手で殺すまで……)


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