シアン「ヘッ、本当にグランゾンだぜ。
化けて出て来たってか?」
シアン「それに、あのPT……連邦軍だよな。
何で奴と一緒にいやがるんだ?」
アルバーダ「ごついアーマードモジュールだな。
エル公、知ってるか?」
エルマ「いえ、該当するデータはありません」
アルバーダ「ヨン、お前はどうだ?」
ヨン「見覚えはないです……」
シアン「よう、そのグランゾンに乗ってるのは、
シュウ・シラカワか?」
シュウ「ええ、そうです」
シアン「シュテドニアスの連中から話を聞いた時は
眉唾もんだったが、マジで生きてやがったとは……。
だが、おかげで美味しい思いが出来るぜ」
シュウ「……あなたは?」
シアン「俺はシアン・アルジャン、地上人だ。
所属は、訳あって言えねえな」
アルバーダ「俺たちゃ、DC残党の連中も
この世界へ来てるって知ってんだ。
隠したって意味ねえぜ?」
シアン「あんな負け犬共と一緒にすんじゃねえ。
だからと言って、連邦軍でもねえがな」
セレーナ「じゃ、どこかに雇われた傭兵ってわけ?」
シアン「てめえらだって、そんなもんだろ?
少なくとも、このラ・ギアスじゃな」
シュウ「……一刻も早く地上へ戻りたいのでしたら、
私の所へ来ませんか? 協力していただければ、
あなたが求めている物も差し上げましょう」
シアン「何……!?」
アルバーダ「おいおい、素性がよくわからねえ奴を
仲間にしようってのかよ?」
ガエン「……俺にとっては、貴様らも同類だ」
アルバーダ「お前に言われたかねえっつーの」
ガエン「ふん……
だが、あの男を引き入れるのは、俺も反対だ」
シアン「ふふん、まさか、あのシュウ・シラカワに
スカウトされるとはな。てめえ、俺が何を
欲しがってるか、わかるってのか?」
シュウ「より強い力、でしょう?
そして、それを以て富と名声を手に入れる……
違いますか?」
シアン「ま……そうだけどよ」
セレーナ「あっさり当たったわね」
チカ「金と名誉が目当てだなんて、わかり易いなぁ」
アルバーダ「ああ、お前と同じでな」
チカ「そうそう……って、失敬な!
あたしはご主人様と一緒にいられるのなら、
名誉なんて必要ないですよ!」
サフィーネ「でも、お金はいるんでしょ」
チカ「もちろんです!
地獄の沙汰も金次第って言いますからね。
金さえありゃ、大抵のことは解決しますよ」
アルバーダ「……お前がシュウの無意識の一部だっつー話、
信じられなくなってきたぜ」
シュウ「それで……どうですか? シアン・アルジャン」
シアン「ふん、その手には乗らねえよ。てめえのことだ……
上手いこと言って、利用するつもりだろ?
後で俺をはめる気なんだろ?」
シュウ「……そのようなことはありませんよ」
シアン「信じられるかよ。
てめえと一緒にいるそいつらの気が知れねえぜ」
シアン「連邦軍の軍人なら、シュウ・シラカワという男が
過去に地上で何をやったか、わかってるはずだからな」
アルバーダ(まあ、その通りなんだがよ)
シアン「俺はそいつらと違って、鼻が利くんだ。
それに、シュウ……てめえの手下になるより、
首を獲った方が儲かるんだよ」
シアン「ラ・ギアスでも、地上でもなぁ!」
(シュテドニアス軍の魔装機が出現)
シアン「ここじゃ、俺達が正義、てめえらは悪だ。
何てったって、邪教集団の手先だからな」
シュウ「フッ……正義や悪という概念は、立場や見方次第で
どうとでも変わるものですよ」
アルバーダ(……ああ、そうだな。その通りだ)
シアン「だからって、てめえらを見逃す理由にはならねえぜ」
シュウ「交渉は決裂ですね。
では、お相手致しましょう」
セレーナ「やれやれ……やっぱり、こうなるのね」
アルバーダ「あの小僧の素性は気になるが、仕方ねえな。
向こうはやる気満々だからよ」
セレーナ「そうね。あの子の踏み台になる気はないわ。
行くわよ、エルマ!」
エルマ「ラジャ!」
(作戦目的表示)
(グランゾンに警告シグナル)
チカ「ご主人様、こちらへ複数の魔装機が接近してきます!
カークス軍みたいですよ!」
シュウ「やはり、現れましたか」
(北東端にガディフォールなどラングラン軍の魔装機が出現)
ラテル「間違いない、あれはグランゾンだ……!」
レスリー「それに、紅蓮のサフィーネ……
他の機体は、やはり地上人の物でしょう」
ラテル「我が軍のガディフォールもいるな」
レスリー「ラングランの者であれば、
あのクリストフ・ゼオ・ヴォルクルスに
与するはずがありません」
レスリー「おそらく、邪教徒があの機体を奪い、
使用していると思われますな」
ラテル「何にせよ、クリストフはこの戦争のきっかけを作り、
我がラングランに災いをもたらした者の一人だ。
見逃すわけにはいかない……!」
ラテル「ラシッド中尉、影縛りは使えるか?」
レスリー「はっ、90秒ほど時間を下さい」
ラテル「よし……各機へ! グランゾンは危険な相手だが、
この状況を利用すれば、勝機は見出せる!」
ラテル「侵略者と背教者共を掃討しろ!
カークス将軍の軍功を揺るぎないものとするために!」
アルバーダ「三つ巴かよ。シュウの狙い通りってか」
エルマ「このバルディアが最終的な目的地じゃないのなら、
隙を突いて離脱した方がいいと思いますが……」
セレーナ「もっともな提案だけど、ツアコンが何て言うかしら?」
シュウ「迎撃しますよ。カークス軍にも私達の行動を
直に知ってもらう必要がありますので」
セレーナ「憎まれ役を買って出るってわけね。了解」
(作戦目的表示)
レスリー「アクロス少佐、影縛りの準備が整いました」
ラテル「よし、やってくれ」
レスリー「はっ!」
(レスリー機が黒い煙のようなものに包まれ、味方機が黒い煙のようなものに包まれる)
アルバーダ「何だ!?」
ヨン「き、機体が動かない!?」
セレーナ「あの二人も!? エルマ!」
エルマ「機体コンディションに異常は見当たりません!」
セレーナ「故障じゃないなら、何で動かないのよ!」
シアン「何だ、あいつら……動きを止めやがったぜ」
ガエン「これは……影縛りか!」
サフィーネ「どうやら、魔術士官がいたみたいね。
やってくれるじゃないの……!」
ヨン「いったい、どんな原理でこのような……!」
レスリー「ふふふ……その名の通り、
影を縛って動きを封じたのです。
例え、王族レベルの魔力を以てしても破れませぬぞ」
ヨン(グラビトロンカノンのような
限定グランドへのG加重じゃない……?)
ヨン(でも、仮に影を固定できたとしても、
それと機体の運動制御に何の関係が……?)
ガエン「サフィーネ、奴の術を解くことは出来るか?」
サフィーネ「やれないことはないけど、時間が掛かるわ」
セレーナ「それまで身動きが取れないのなら、
格好の的じゃないの!」
サフィーネ「わかってるけど、影縛りは少々厄介なのよね」
アルバーダ「いいから、早くやってくれ!
このままじゃ、エル公だけじゃなく、
俺達も案山子になっちまう!」
エルマ「ボ、ボクは案山子じゃ……」
(全味方機の影縛りが破れる)
レスリー「何!? 影縛りが!」
ヨン「! 機体が動く!」
アルバーダ「おいおい、人が悪いな、サフィーネ。
すぐに出来るんなら、最初からそう言えって」
サフィーネ「いえ、私じゃないわ。もしかして……」
レスリー「クリストフ……! 貴殿ですか!?」
シュウ「ええ……あの程度の術で
私の自由を奪うことなど出来ませんよ」
レスリー「ば、馬鹿な……。
自分だけならともかく、他の者まで……!」
チカ「さすがです、ご主人様!
以前より格段に魔力が上がってるみたいですね!」
シュウ「……ヴォルクルス様のご加護あってのことです」
ガエン「………」
シアン「おいおい、もう終わりかよ。
ま、その方が獲物をかっさらわれずに済むがな」
ラテル「チッ、やむを得ん! 正攻法で仕留めるぞ!」
レスリー「は、はっ!」
アルバーダ「お粗末なマジック・ショーだったな。
見物料代わりに弾丸をくれてやるぜ!」
シアン「てめえを殺ったとあれば、
ラ・ギアスだけじゃなく、地上でも名が上がる!」
シアン「箔が付くんだよ、シュウ殺しのシアンってな!
そうなりゃ、勝ち組だ! 稼げるぜ!」
シュウ「……私は、地上でもここと似たような扱いを
受けているようですね」
シアン「あ!? 寝惚けてんのか、てめえ!」
サフィーネ「シュウ様の配下になれば、
私が可愛がってあげたのにねぇ」
シアン「そっちの趣味はねえよ、攻める方ならともかくな!」
サフィーネ「あら、私は受ける方に回ってもOKよ♥」
シアン「ヘッ! だったら、俺の弾を避けるんじゃねえぞ!」
シアン「世を乱す邪教集団は、退治しなきゃなぁ!」
ガエン「地上人の貴様にそのようなことを
言われる筋合いはない……!」
シアン「連邦軍の軍人がシュウの手下になるとはな。
何を考えてやがんだ?」
アルバーダ「さあ、何だろうねぇ」
シアン「ははぁ……さては、奴の寝首を掻こうってんだな?
そうだろう、違うか?」
アルバーダ(ま、確かに鼻は利くな。多少だけどよ)
シアン「シュウ・シラカワの手先になるなんざ、
地上で反逆者扱いされても文句を言えねえぜ?」
セレーナ「じゃ、シュウと一緒にいたこともある
鋼龍戦隊もそうなるわね」
シアン「ハハッ、いずれ奴らも粛清されるだろうさ!」
セレーナ(ふ~ん、まるで体制側にいるような口振りじゃない)
ヨン「あの機体、急造品には見えない……。
連邦軍以外であんな物を運用できる所となると……」
シアン「俺がどこの所属か、知る必要はねえ!
てめえらはここで死ぬんだからな!」