back index next


紅の聖誕祭(後篇) 地上ルート ~ 第57話 ~

《グランド・クリスマス(エア・クリスマス)》

[エア・クリスマス ブリッジ]

(扉が開閉する)
アルテウル「……ご苦労だった、艦長」
カーリー「司令、まもなく鋼龍戦隊がグランド・クリスマスの 最終防衛ラインに差し掛かります。 一刻も早く、本艦の再出撃命令を……」
アルテウル「その前に、 エア・クリスマスの切り札の準備が必要だ」
カーリー「切り札……?  もしや、例のブラックボックスですか?」
アルテウル「そうだ……その概要データを見せよう」
(モニターオン、切り替え)
カーリー「こ、これは……!」
アルテウル「現時点でこのシステムを実装している地球の艦は、 このエア・クリスマスだけだろう」
カーリー「し、しかし……何故、このような物が……!?」
アルテウルEOTの賜物だよ。 ただし、戦艦クラスでないと搭載できんがな」
カーリー「………」
アルテウル「今からシステムの封印を解く。 また、使用のタイミングは私が指示する。 いいな、艦長?」
カーリー「……は、はっ」
アルテウル「……アーマラ、後は手はず通りに」
アーマラ「はっ。ガリルナガンで待機します」
カーリー(……何故、今までこのシステムを秘密にしていた?  これまでの作戦で有効に使っていれば……)


第57話
紅の聖誕祭(後篇)

〔戦域:グランド・クリスマス〕

(島全体にガイアセイバーズが待機。南西端にハガネが出現。 ヒューゴ機、エグゼクスバインが出撃。出撃準備。ハガネに爆煙)
テツヤ「くっ! 本艦はここでTD滞空!  味方機の援護を行う!」
アクア「ヒューゴ、 エルデもエア・クリスマスも見当たらないわ」
ヒューゴ「ここにいるはずだ、必ず出て来る」
イング(エグレッタはいるが、アーマラは……)
アヅキ「スティール2よりMk-Xへ。 BBCの準備が整いました」
イング「……了解。 では、こちらのトレースをお願いします」
エグレッタ「パパ、僕は何と言われようとイングを殺すよ。 いい機会だからね」
フェフ「……よかろう。 アルテウルにオリジネイターの力を、 新たな人類としての力を示すがいい」
フェフ「ただし、リ・テクの機体は可能な限り ろ獲しろ。例のシステムとパイロットを 極力無傷で手に入れるのだ」
フェフ「そして、メリオルエッセも。 彼らは南極での作戦において、重要な鍵となる」
エグレッタ「それ以外の連中は?」
フェフ「力なき者は殺せ。力ある者は奪え」
エグレッタ「フフフ、わかったよ」
エグレッタ(イング…… お前という存在にどのような思惑があろうが…… たかがコピー如きが僕を超えるなど、許さない)
エグレッタ(最も優れたマシンナリー・チルドレンは僕だ…… それをアルテウルに教えてやる)
フェフ(……イングがエグレッタに敗れれば、 所詮その程度だったということ……)
フェフ(見せてもらうぞ、イング。 お前が選ばれし存在となれるかどうかを)
フェフ(人を、そしてマシンナリー・チルドレンをも 超越する力を得るのであれば、 俺はどんな犠牲も厭わん)
エグレッタゲイム・システム、アクティブ。スタンバイ」
(エグレッタに『集中』『必中』『気迫』がかかる)
エグレッタ「僕らが地球を護る剣であり、新たな世界の主だ。 古き人間の剣は、ここで砕け散ることになる」
アラド「ふざけんな!  お前らみたいな連中に地球を任せられるか!」
ゼンガー「エグレッタ・ウーノ……還るべき処へ還るがいい」
エグレッタ「ははっ、まるで死人扱いだね。 でも、お前達に僕を倒すことは出来ない。 それは既に証明済みだ」
エクセレン「何度でも甦るってこと?  それじゃ、ゾンビよねぇ」
エグレッタ「脆い命や短い命では、 地球を護り、存続させることなど出来ない」
エグレッタ「お前達の存在は不安定だからね…… 今、強大な力を持っていたとしても、 それを永劫に持続することは不可能だ」
リシュウ「人の意志と力は、受け継がれていく。 決して、一時のものではない」
エグレッタ「だけど、人間の歴史を振り返ってみれば、 歪められて継がれることの方が多いじゃないか」
エグレッタ「その点、僕達は違う。力と意志を保ち続ける者だ。 そう、僕達マシンナリー・チルドレンこそが 真の地球の守護者、ガイアセイバーズなんだよ」
イング「僕は……そう思わない。 お前と同じマシンナリー・チルドレンであっても」
フェフ「………」
エグレッタ「イング、もうお前は用済みだ。 パパがお前を殺していいと言ったからね」
イング「……!」
アリエイル(これまでは何らかの意図があって、イングの力を 引き出すようなことをしていたのに…… もう目的は果たされたとでも言うの?)
エグレッタ「ガイアセイバーズには、 僕達マシンナリー・チルドレンが残っていれば いいんだよ。イデアラントなど必要ない」
エグレッタ「ドゥバンもそれに気づいたからこそ、 出奔したんじゃないかな。今頃はどこかで 野垂れ死にしているだろうけど」
アリエイル「………」
エグレッタ「お前達の役目は僕達が引き継いでやる。 心置きなく、ここで死ぬがいい」
イング(エグレッタ……そして、イーグレット・フェフ。 真実を知るために、僕はここまで来た)
イング(それすらも思惑通りだと言うのなら…… 僕の過去が今の僕を否定するのなら、その時は……!)
(作戦目的表示)

〈3EP or 敵機を30機以上撃墜 or キャニス・アルタルフのHP80%以下 or トライロバイトのHP80%以下〉

(島のエアポートにガルベルスが出現)
アクア「!!」
(ガルベルスを正面から見る)
リム(リアナ)「あ、あれは!?」
ラミア「ガルムレイドに似ている……!」
アクア「MODEL-Xだわ!」
エルデ「フフフ……さあ、始めましょう、AI1」
(ガルベルスの目が光る)
【強制戦闘】
AI1[ダブル・ファング・ナックル]vsテツヤ[防御]
エルデ「フフッ、これで終わりではないわ」
【強制戦闘】
AI1[ターミナス・デストロイヤー]vsテツヤ[防御]
テツヤ「くっ! 奴は!!」
エルデ「フフフ、この機体はイグナイトと同じく、 リバーシブル・トランスフォーム機なのよ」
アクア「エルデ!!」
ヒューゴ「あれに乗っているのか!?」
エルデ「ええ。 TEアブゾーバー試作10号機、 MODEL-X……」
エルデ「いえ、もう試作機ではないわ。 ガルムレイドとサーベラスの特徴を併せ持ち、 ブレイズとイグナイトをも凌駕した……」
エルデ「ツェントル・プロジェクトの一つの到達点。 AI1とラズムナニウムを得たこのガルベルスは、 究極の人型機動兵器なのよ」
ヒューゴ「そいつのために俺とアクアは…… アルベロ隊長は……!」
エルデ「哀れだったわね、あの男は」
ヒューゴ「貴様ッ!!」
エルデ「このガルベルスが完成した今となっては、 どうでもいいわ。アクア、あなたもね。 二人揃って、ここで消えなさい」
アクア「私は……私は、あなたを……!」
エルデ「殺すのね?」
アクア「………」
エルデ「愚かで、恩知らずな女……あなたには、 今まで色々なことを教えてきてあげたのに」
アクア「よ、よくもそんなことを!!」
ヒューゴ「エルデ・ミッテ……!  俺達を……いや、アルベロ隊長のみならず、 フォリアまでも利用した報いを受けてもらう」
エルデ「利用だなんて…… あの男も承知の上でやっていたことなのよ?  最期に真相を知ってしまったけど」
エルデ「それに、元々はザパト博士が…… いえ、もう死んでしまったから、どうでもいいわね」
アクア「えっ!?」
ヒューゴ「死んだだと?」
エルデ「ええ。私のAI1を否定したから、殺したわ」
アクア「!!」
ヒューゴ「本当なのか!?」
エルデ「そうよ」
ヒューゴ「正気か、貴様……!?」
エルデ「もちろん。 私はただ、自分の探求心に素直なだけ。 その邪魔をする者は、死んで当然だわ」
トウマ「げ、外道……!」
エクセレン「ホント、呆れるぐらいに見事な悪女っぷりねぇ」
エルデ「あら、ヒューゴ少尉の仇討ちを 手伝ってあげたことにもなるのだけど」
エルデ「あの男が原因で、クライウルブズは 壊滅したようなものだから…… 少尉には感謝してもらいたいぐらいよ」
アクア「ほ、本当にあなたって人は……!!」
ヒューゴ「……ミタールの口を封じたのか?  それとも、プロジェクトの独占を目論んだのか?」
エルデ「前にも言ったでしょう? 全てはAI1のためよ。 あの子がラズムナニウムと織り成す世界を見たいの」
ヒューゴ「そんなものは研究室か、夢の中で見ていろ……!  お前の妄念に付き合わされるのは、 もうたくさんだ!」
ヒューゴ「アルベロ隊長やフォリア達の無念を ここで、俺の手で晴らす!!」
エルデ「フフフ……持てる力の全てを発揮し、ガルベルスに 挑んで来なさい。その戦いから得られるデータは、 AI1をさらに成長進化させる糧となる」
エルデ「そう…… あなた達は全てを私の子に捧げ、そして死ぬのよ」
(作戦目的表示)

〈vs AI1〉

[ヒューゴ]

エルデ「このガルベルスの完成を以て、 ツェントル・プロジェクトは次の段階へ進む。 あなた達に先を見せてあげられないのが残念だわ」
ヒューゴ「そんなもの、見たくはない!  それに、お前とAI1が行き着く先は、 俺達が決めてやる!」

[アクア]

エルデ「アクア、この間の話…… 私の最後の頼みを聞いてもらうわよ」
アクア「何が頼みよ! エルデ・ミッテ、 今までのこと……あなたがしてきたこと!  その全てをここで清算するわよ!」

[アリエイル]

エルデ「アリエイル・オーグ…… 身体は大丈夫なのかしら?」
アリエイル「! あなたは、イデアラントの寿命を……」
エルデ「哀れな人形ね。ここで死になさい」
アリエイル「私はまだ……終わるわけにはいきません!」

[HP70%以下]

エルデ「ラズムナニウム、CAコントロール」
(ガルベルスに『根性』)
エルデ「……!」
ジョッシュ「くっ、修復したか!」
アクア「でも、以前ほどじゃないわ。 もしかしたら、調整が不完全で……!?」
ヒューゴ「ならば、修復が追いつかないほどの ダメージを一気に与えればいい!」
カイ「ガルベルスの近くにいる者は、集中攻撃を!  奴に時間を与えるな!」
エルデ(……問題はクリアしたはず。テストも良好だった。 なのに、何故……?)
エルデ(内的ではなく、外的な問題だとでも言うの……?)

[撃墜]

(ガルベルスに爆煙)
エルデ「短時間にここまでのダメージを……!  でも、私の子はこれでまた多くを学んだ」
エルデ「さあ、AI1、その成果を見せなさい。 あなたはまだ戦える……ガルベルスの 真の力を引き出すのよ」
(ガルベルスに爆煙)
エルデ「!?」
ヒューゴ「修復が追いついていないようだな!」
エルデ「そんな……! 拒絶反応は出ていない!  何をしているの、AI1!?」
ヒューゴ「終わりだ、エルデ・ミッテ!」
アクア「AI1は、ガルベルスに対応しきれなかったのよ!  修復速度の低下がその証拠だわ!」
エルデ「あり得ない、フィッティングは完璧よ!  メディウス以上に!」
ヒューゴ「アルベロ隊長が操縦していたならともかく、 お前とAI1だけで俺達に勝てるものか!」
エルデ「! もしや、それが……!!」
(ガルベルスが大爆発)
アクア「!!」
リオ「げ、撃墜したの……!?」
ヒューゴ「アクア、ガルベルスの反応は……!?」
アクア「……ロストしたわ……」
ヒューゴ「………」
アクア「これで私達の……ツェントル・プロジェクトとの 因縁は終わったのね……」
ヒューゴ「……ああ」
ヒューゴ(アルベロ隊長……フォリア……クライウルブズ…… 俺達の運命を翻弄した連中は、これで全て消えた)
アクア(……エルデ……)

〈vs フェフ〉

[ゼンガー]

ゼンガー「イーグレット・フェフ……貴様が戦場に赴くとはな」
フェフ「ああ、この目で直に確かめたいことがあってな」
ゼンガー「……イングか?」
フェフ「……お前の死に様もだ。 俺からメイガスを、ソフィア・ネートを奪い、 計画を滞らせた罪……その報いを受けるがいい」
ゼンガー「お前が何を企もうと、我が斬艦刀で斬断するのみ!  その野望と共にこの地で潰えるがいい!」
フェフ(例え、そうなったとしても…… それもまた一つの結果。どのみち、お前達は……)

[イング]

フェフ「イング……俺の子よ。 まだ記憶は戻っていないようだな」
イング「イーグレット・フェフか!」
フェフ「ああ、俺がお前の創造主だ」
イング「お前達は何を企んでいる!?  何故、僕は念動力を持っているんだ!?」
イング「いや、僕はいったい何なんだ!?  僕に何をさせようと言うんだ!?」
フェフ「エグレッタが言っていなかったか?  それを知る必要はない、と」
イング「ならば、力ずくでも聞き出す!」
フェフ(……それでいい。その疑念がお前の力を引き出す)
フェフ(選ばれし存在への階段を上るか、ここで果てるか。 お前は運命の分岐点に立っているのだ……)

〈vs エグレッタ〉

[アラド]

エグレッタ「ブロンゾ28……これ以上、君という汚点を 放置しておくのは望ましくない」
エグレッタ「今日ここで、その存在を消してやるよ。 この世界から……完全にね!」
アラド「こっちもこれ以上お前に付き合う気はねえ!  ここできっちりケリを付けてやる!」

[ゼオラ]

エグレッタ「シエンヌ達ではお前達を止められなかったか。 まあいい、どのみち結果は同じだ」
ゼオラ「そう、アースクレイドルの時と同じよ……!  あなた達に私達を止めることは出来ないわ!」

[ゼンガー]

エグレッタ「ゼンガー・ゾンボルト!  今度はお前が地の底へ堕ちる番だ!」
ゼンガー「笑止!  お前こそ水底で眠るがいい、永久に!」

[ジョッシュ]

エグレッタ「そのマシンとシステムは、 ルイーナとの決戦で必要となる。 渡してもらおうか」
ジョッシュ「そのつもりがないことは、わかっているだろう?」
エグレッタ「出来れば、無傷で手に入れたかったんだが、 仕方がない。あまり抵抗するなよ。 死なれたら、面倒だからね」

[リム(トライロバイト撃墜前)]

エグレッタ「お前と戦うつもりはないんだ。 マシンを僕らに差し出せば、命は助けてやる」
リム(リアナ)「それは、ルイーナとの戦いが 終わるまでの話でしょ!」
エグレッタ「そんなことはない。 もしかしたら、パパが研究対象として お前に興味を示すかも知れないな」
リム(リアナ)「あんた達に身体をいじられるなんて、 真っ平御免よ!」

[グラキエース]

エグレッタ「まさか、メリオルエッセと人間が 共存しているとはね」
グラキエース「ジョッシュにとって敵であるものは、 私にとっても同じだ」
エグレッタ「どうやって手懐けたのか知らないが…… 貴重なサンプルだ。死なない程度に 痛めつけてやるよ」

[ウェントス]

エグレッタ「北極の結界の中にいた者ならば、 南極の結界を破るための鍵となるはずだ」
ウェントス「その通りだよ。 だけど、君達の力になるつもりはない……!」

[アリエイル]

エグレッタ「アリエイル…… その命、僕が終わらせてやるよ」
アリエイル「私には、まだやらなければならないことがあります!  そして、死すべき時と場所は、自分で選びます!」

[イング]

エグレッタ「イング! お前はここに至ってもなお、 真実を知ることなく死ぬんだよ!」
イング「言ったはずだ!  僕とエグゼクスバインには勝てないと!」
エグレッタ「なら、その真価を発揮する前に潰してやる!  お前の過去と共にね!」

先に撃墜したのは
トライロバイト キャニス・アルタルフ


back index next