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クライシス・ポイント ~ 第58話 ~

(ブリーフィング・ルーム)

テツヤ「……我々はバラルのバリアが展開された後、 統合参謀本部の指示でグランド・クリスマスへ向かい、 ガイアセイバーズと交戦……」
テツヤ「アルテウル・シュタインベック以下、 各セイバーを倒しました」
レフィーナ「そうですか……彼らは外敵の討伐より、 こちら側の戦力接収を優先したのですね」
テツヤ「ええ……それを受け入れるわけにはいかず、 アルテウルの拘束を試み、彼の陰謀を 暴こうとしたのですが……」
テツヤ「結局の所、彼の真意は不明なまま……」
レフィーナ「………」
テツヤ「……そちらの方は?」
レフィーナ「オペレーション・レコンキスタ連合宇宙艦隊と合流し、 ゲストとの戦いに挑みました」
レフィーナ「そして、緒戦のヘブンゲート奪還作戦中に メキボスが現れたのです」
テツヤ「メキボス……!? あのインスペクターの……?  彼が生きていたのですか?」
レフィーナ「ええ。 彼はゾヴォーク……その枢密院の特使として 地球圏へ派遣されたのです」
テツヤ「ゾヴォーク……それが彼らの本国の正式名称ですか」
レフィーナ「そうです。ゾヴォークにはヴォルガ、ゾガルという 二つの大きな派閥が存在し……前者がインスペクター、 後者がゲストに該当します」
レフィーナ「そして、メキボスはゼゼーナンに枢密院からの 本国召還命令を伝え、彼を退かせて地球とゲストの 戦いを終わらせようとしたのですが……」
レフィーナ「ゼゼーナンはそれを拒否。 やむなく、我々はムーンクレイドルにて 彼との決戦に挑み……勝利しました」
レフィーナ「なお、メキボスは我が隊に同行することを望み、 私はこれを許可しました。この戦乱が終わるまで、 彼の身柄を預かるという体で」
テツヤ「あの男が我々に協力するとは……」
レフィーナ「こちらの実情を調査するためだそうです。 その代わり、戦闘にも参加すると」
テツヤ「信用……できるのですか?」
レフィーナ「彼の行動を見て、そうだと判断しています」
テツヤ「……わかりました」
レフィーナ「また、シュウ・シラカワ博士も 私達への協力を表明し、同行しています」
テツヤ「彼まで……!」
レフィーナ「ええ……シラカワ博士の提案のおかげで、 私達は地球へ帰還することが出来たのです」
テツヤ「いったい、どうやって……?」
レフィーナ「簡単に説明すれば、バラルのバリアと ルイーナの結界の境界面を滑り落ちて来たのです。 ハイペリオンとグランゾンを水先案内人として」
テツヤ「では、バラルのバリアを突破したわけではないと……」
レフィーナ「ええ。 逆に言えば、ルイーナの結界がなければ、 私達は地球へ戻れませんでした」
レフィーナ「そして、南極へ降下した後、 私達はルイーナに包囲されたのですが……」
レフィーナ「クストースがその危機から私達を救ってくれました」
テツヤ「! 何故、彼らがそんなことを……!?」
レフィーナ「バラルはルイーナと戦うつもりのようですから…… 敵を同じくする私達に力を貸したのではないかと 推測しています」
テツヤ「我々にルイーナを倒させるために…… いや、総人尸解計画発動までの時間を 稼ぐために……?」
レフィーナ「おそらく、そうでしょう」
テツヤ「……統合参謀本部は、バラルよりルイーナの 討伐を優先させ、オペレーション・アイスブレイカーの 敢行を決定……それで我々も南極へ来たのですが……」
レフィーナ「わかっています。 ここでルイーナとの決着を付けましょう」

(食堂)

サフィーネ「……というわけで、よろしくお願いするわね、 ハガネの皆さん」
アクア(す、凄い……セクシー度120%の服だわ……。 私、あんなの着られない……)
モニカ「皆様、お食事中に申し訳ございません。 不束者ですが、私もよろしくお願い致したいと 思いますですわ」
シャイン「ますです?」
ラミア「……言葉遣いが変だな」
アラド「ラミア少尉がツッコむんスか」
リュウセイ「まあ、ともかく……飯だ、飯。 次は長丁場になるだろうから、今の内に 食べとかねえとな」
モニカ「この艦のお食事は豪華ですのね」
タスク「そいつが鋼龍戦隊の強さの源なのさ。 特に金曜日のスティールドラゴンカレーは絶品で、 商品化しようって話もあるぐらいで……」
ショウコ「あ、それ、いいな。 レシピを教えてもらったんですけど、 なかなか同じ味が出せなくて」
ミチル「ショウコはんが作るもんは、何でも美味いで」
マサキ「プレシア、お前も作り方を聞いといてくれよ」
プレシア「うん」
グラキエース「……ジョッシュ……その……すまない。 何か拭く物をもらえないだろうか」
ジョッシュ「あ、ああ……」
フィオナ「そんなにこぼしちゃって……大丈夫?」
ジョッシュ「すまない……今、片づける」
プレシア「ジョッシュさん、あたしがやりますから…… グラキエースさんを」
ジョッシュ「ありがとう、プレシア」
グラキエース「ジョッシュ、一つ聞いていいか?」
ジョッシュ「何だ?」
グラキエース「この経口エネルギー源は、どういう手順で摂取を?  どうも硬過ぎる気がするのだが」
ジョッシュ「ああ、それは殻を剥かないと……」
ラトゥーニ「経口エネルギー源って……」
グラキエース「ああ……“飯”を“食う”だったな」
ヤンロン「……彼女はまだこういった食事には 慣れていないようだな」
エクセレン「だけど、みんなと一緒に ご飯を食べられるようになったのは、 進歩と言ってもいいでしょ?」
ヤンロン「確かに…… 以前のような危うさは感じられないが……」
リム(リアナ)「……ウェンはどう? 慣れた?」
ウェントス「僕達はエネルギーの補給にこんな手間は 掛けていなかったが……悪くないと思う。 この液体は好きだよ」
マサキ「お、おい、その飲み物……その色は……!」
タスク「必殺のクスハ汁じゃねえか!?」
イング「……僕がクスハ少尉にお願いして、 作ってもらったんです。スーパーマイルド・ バージョンだと仰ってましたが……」
マサキ「お前……結局、挑戦したのか」
リュウセイ「も、もう飲んだのかよ……!?」
イング「ええ……噂とは違い、美味でした」
タスク「ホ、ホントかよ……?」
ミチル「誰かが飲んで確かめたらええねん」
コウタ「じゃあ、言い出しっぺのてめえがやれよ」
ミチル「な、何でやねん!?」
コウタ「お? もしかして、ビビってんのか?」
ミチル「言うたな! ほな、飲んだるわい!」
ラトゥーニ「あっ!」
リュウセイ「やめとけ!!」
ミチル「んぐ!? に、にがーーーっ!!」
リュウセイ「……って、それだけ?」
マサキ「てっきり、ぶっ倒れるものかと……」
ミチル「めっちゃ苦いけど、倒れる程やないな」
リュウセイ「じゃあ、 ホントにスーパーマイルド・バージョンか……」
ショウコ「で、でも、それを美味しいっていう イングとウェントスさんって……」
フィオナ「……味覚は変ね、間違いなく」
プレシア「あっ、グラキエースさん、また……」
グラキエース「す、すまない」
アクア「……ああしてると、まるで子供みたい……」
サフィーネ「見た目はプレシアの方がずっと幼いのにね。 そういうプレイ?」
シャイン「プレイって……どういう意味でございますの?」
サフィーネ「ふふっ、それはね……」
テュッティ「やめなさい、サフィーネ。 シャイン王女に変なことを教えないで」
プレシア「……はい、グラキエースさん。 拭き終わりました」
グラキエース「すまない」
ショウコ「プレシアちゃん、お母さんみたいね」
グラキエース「私と彼女がどう見えるのかわからないが…… 私は作られてから、わずかな時間しか経っていない」
ミズホ「じゃあ、誕生日は……」
グラキエース「誕生日?」
ジョッシュ「生まれた日のことだ。 人間は毎年、その日が来る度にお祝いをする」
グラキエース「生まれた日……わからないな」
ウェントス「そんなに大切なものなのかい?」
アクア「まあ、人によると思うけど……」
ショウコ「大切と言うか、 みんなが祝ってくれるのが嬉しいんです」
フィオナ「誕生日がわからないなら、決めちゃえば?  デスピニスもそうだったし」
デスピニス「私は……フィオナさん達に引き取られた日が 誕生日になったんです……」
リム(リアナ)「だったら、アニキ……あの日にしようよ。 ウェンとラキがあたし達の所へ来た日」
ジョッシュ「だけど、その日は……」
リム(リアナ)「うん、わかってる……。 でも、クリスもそうすると思うから……」
ウェントス(リアナ……)

(ブリーフィング・ルーム)

レフィーナ「オペレーション・アイスブレイカーの 発動時刻が変更されました。2時間前倒して…… 本日0800です」
アクセル「ルイーナの動きはどうなんだ?」
レフィーナ「結界……メリデンプルムの外に 機動兵器が多数出現したそうです」
アクセル「出迎えの準備は万端ということか……」
カイ「連邦軍部隊の動きは予定通りで?」
レフィーナ「ええ」
レーツェル「それにしても…… 我々の動きを知っていながら、先制攻撃を 仕掛けて来ないのは不気味ですね」
リシュウ「バラルを警戒しておるのかの」
ギリアム「故意に我々を引き入れるつもりかも知れません」
カイ「どういうことだ?」
ギリアム「オペレーション・アイスブレイカーに 参加する者達を糧とし、それによって “破滅の王”を目覚めさせる……」
ギリアム「メリオルエッセの言葉によれば、 強者が絶望した時、彼らにとって 良質な波動を放つそうですから」
アクセル「つまり、おれ達は最適な餌だというわけか。 それに、メリオルエッセすらも糧となるのなら、 始末が悪い」
ヴィレッタ「どちらに転んでも、“破滅の王”が 目覚める可能性があるということね……」
レフィーナ「ともかく……作戦開始2時間前までに 配置に付くよう、各員に伝達して下さい」
テツヤ「了解です」
レフィーナ(オペレーション・アイスブレイカー…… 打ち砕かなければならないのは、氷だけでなく……)

(休憩室)

ジョッシュ「………」
グラキエース「ジョッシュ……何をしているのだ?」
ジョッシュ「……祈っていた」
グラキエース「祈る?」
ジョッシュ「そう……信じたことのない神に祈っていた」
グラキエース「神……バラルの神か?」
ジョッシュ「いや……役に立たない幻の全能者のことさ」
グラキエース「幻に祈って、意味があるのか?」
ジョッシュ「少なくとも、多少の気休めにはなる」
グラキエース「……人間は変だ」
ジョッシュ「かもな……どうしたんだ?」
グラキエース「いや……」
ジョッシュ「ラキ……やっぱり……」
グラキエース「え……?」
ジョッシュ「お前は……恐れているのか?」
グラキエース「まさか……これが恐怖…… 恐れるということなのか。だが、何故……?」
ジョッシュ「わからない……」
グラキエース「私は……恐れているのか。 ペルテェクティオと……私を作り出した者と 戦うことを……」
グラキエース「戦いの中で死ぬことを…… 存在の消滅を恐れている……」
ジョッシュ「………」
グラキエース「私が消えて……お前と…… 共に生きることが出来なくなるのが怖い…… 馬鹿な、私は……」
ジョッシュ「ラキ……偽りでも仮初めでもない、 それは本物の命と心だ」
ジョッシュ「お前が、確かに俺と同じように生きている…… その証だ」
グラキエース「ジョッシュ……お前も怖いのか?」
ジョッシュ「怖いよ……戦うのはいつだって。前にも言った。 誰だって死にたくないんだ。だけど…… やらないわけにはいかないから」
グラキエース「人間は……強いのだな。 恐怖に抗い、なおも戦いに向かうことが 出来るのだから」
ジョッシュ「今は……お前もだ」
グラキエース「だけど……もし……生き残っても…… この世界に私の居場所はない……」
グラキエース「私はペルフェクティオと共に 滅びるべきなのかも知れない……」
ジョッシュ「俺が……作る。お前の……」
グラキエース「………」
(扉が開閉する)
リム(リアナ)「アニキ…………あ、大丈夫?」
ジョッシュ「ああ」
リム(リアナ)「そろそろ機乗する時間よ」
ジョッシュ「わかった」
ジョッシュ(親父……これから戻るぞ、ファブラ・フォレースへ。 あんたがしでかしてしまったことの全てに…… ケリを付けるために……)

《南極 メリデンプルム付近(鋼龍戦隊)》

[ハガネ ブリッジ]

エイタ「艦長、 本艦はまもなくD5ラインに差し掛かります!」
テツヤ「さあ、いよいよだ! ヒリュウに遅れるなよ!」
(アラート)
テツヤ「!」
エイタ「0時方向、レンジ6!  ルイーナとクストースらしき物が 戦闘を行っているようです!」
テツヤ「何!? クストースが!?」

〔戦域:南極メリデンプルム外周〕

(北端にフォルティス・アーラ、周りにルイーナ機、 中央にケレン、周りに多数のスナピルがいる。ルイーナ機がほぼ爆発する)
アクイラ「ぬうっ、バラルめ……!  一度、メリデンプルムの中に戻るしかないか」
(フォルティス・アーラが撤退、周りにいたベルグランデが撤退。 南側にヒリュウ改、ハガネ、ジェアン・シュヴァリアー、デア・ブランシュネージュ、 ファービュラリス、ストゥディウムが出現)
エイタ「ルイーナ残存機、メリデンプルムの方向へ後退!  クストースに動きなし!」
テツヤ「こちらには仕掛けて来ないのか……」
(ケレンとスナピルが撤退)
エイタ「クストース及び機動兵器群が 現戦域より離脱!」
リム(リアナ)「アニキ、あいつらは……」
ジョッシュ「ああ。メリデンプルムの中に入れないのか、 それとも入る気がないのか……」
ジョッシュ「いずれにせよ、バラルは俺達にルイーナとの 決着を付けさせようとしているな」
リム(リアナ)「自分達の戦力を温存するため?」
ジョッシュ「それだけじゃないだろう」
ショーン「……バラルがあえてメリデンプルムの中に 侵入しないのでしたら、前門の虎、後門の狼という 言葉では済まなさそうですな」
レフィーナ「例え、後でバラルが待ち受けていたとしても…… ここで私達がルイーナを倒さねばなりません。 “破滅の王”が復活してからでは遅いのです」
レフィーナ「我が隊はこのまま進みます」
ショーン「了解です」
ウェントス「……ここからは僕とグラキエースが 水先案内人になろう。僕達でメリデンプルムを 中和する」
リム(リアナ)「お願いね、ウェン」
ウェントス「ああ。行こう、グラキエース」
グラキエース「わかった」
(ファービュラリス、ストゥディウムが北端まで高速で移動後、撤退)
レフィーナ「両舷前進第三戦速!  これよりファブラ・フォレースへ突入します!」
(ヒリュウ改、ハガネ、ジェアン・シュヴァリアー、 デア・ブランシュネージュが北端までゆっくり移動後、撤退)


第58話
クライシス・ポイント

〔戦域:南極遺跡周辺〕

(ウィオラーケウムが出現、フォルティス・アーラが出現、ルイーナ機が大量に出現)
アクイラ「コンターギオ、 ストゥディウムとファービュラリスが メリデンプルムを突破した」
コンターギオ「クククッ、来たか」
アクイラ「バラルはメリデンプルムの中に入れぬようだ」
コンターギオ「あの連中が何をしようと、 直に“破滅の王”が目覚める。 それで全てが始まり、全てが終わるのだ」
(ヒリュウ改とハガネが出現。出撃準備)
ジョッシュ「ついに戻って来たぞ。ルイーナとの戦いは、 ここから始まった……」
ヒューゴ「表層部分は、あの時と ほとんど変わりがないようだな」
ジョッシュ「でも、地下のファブラ・フォレースが どうなっているか……」
アクア「センサーはあまり役に立たないわ。 ESウェーブみたいな波動が、氷面下から ひっきりなしに発生してるから」
ヒューゴ「下で何が起きているか、 自分の目で確かめるしかないということか」
ウェントス「負の波動が集中している…… “破滅の王”の目覚めはもうすぐだ。 それは確実だよ」
(ウィオラーケウムから通信)
コンターギオ「クククッ、人間共よ、よくここまで来た」
ジョッシュ「コンターギオ……!」
コンターギオ「まもなく、“破滅の王”が現れる」
コンターギオ「戦くがいい、クククッ。 この星の全ての生命体が死に、その波動を以て 我らの王は全てを破滅に導くだろうよ」
トウマ「黙れ、俺達はまだ生きてる!  そして、お前ら外道の王を倒しに来たんだ!」
コンターギオ「その闘志も“破滅の王”の糧となる。 お前達がここへ来た時点で、目覚めを 加速させているのだよ、クククッ」
サフィーネ「フフッ、どんなのが出て来るのか楽しみね。 早く見てみたいわ」
アラド「いや、出来れば見たくないッス」
アクイラ「終末への扉は、既に開かれつつある。 お前達を待つのは、絶望の果ての死のみ。 あがき、もがき苦しんで断末魔を迎えるがいい」
サフィーネ「うふん♥ ゾクゾクするわぁ、それ」
エクセレン「ああいう反応も “破滅の王”の糧になるのかしらん?」
アクセル「知ったことか。 それより、あの女を黙らせろ」
チカ「ま~ったく、身内の恥ですよ。 空気が読めないんだから。いわゆるKYです、KY。 もうちょっと気の利いたことを言えばいいのに」
アクセル「……シュウ・シラカワ」
シュウ「無視していただいて結構ですので」
アクイラ「絶望と恐怖、憎悪を以て心に刻むがいい。 我が王、我が名を」
メキボス「その王が全てを滅ぼすのなら、 お前達もそこに含まれるんじゃねえのか?」
アクイラ「だからだ、人間よ」
メキボス「……!」
アクイラ「だから、戦うのだ。 こうして戦っている、これこそが、 この世界に生まれて来た意味」
アクイラ「お前達と戦うことこそが、俺の存在意義。 俺は“破滅の王”によって生み出され、 そして、死を、滅びを与えられる」
アクイラ「それが我が運命。その時まで戦い続け、消え行く。 それがこの俺の、ただ一つの存在理由なのだ」
メキボス「フン……吹っ切れてやがるな、色々と」
アクイラ「さあ、来るがいい。 この俺がお前達の希望を、人間が拠り所とする 想いを、心を微塵に砕いてくれる」
グラキエース「アクイラ……私をも砕けるか? 人ならざる私を」
アクイラ「フン……お前は弱くなったな、グラキエース」
グラキエース「何……?」
アクイラ「わからぬか、お前の内にある恐怖が。 それでこの俺に勝てると思うな」
コンターギオ「クククッ、あの時、滅びて役に立てと言った。 お前が恐怖を感じているのであれば、なお良い。 人間と共に“破滅の王”のとなれ」
アクイラ「そう、ここにいる全ての者は 絶望に身をよじり、嗟嘆し、悶死するのだ」
ウェントス「アクイラ、無駄だよ。 僕に新たな生き方を与えてくれた彼らは強い。 そんな言葉では、その意思を挫くことは出来ない」
アクイラ「ウェントスか。何故、とは聞かぬ。 だが、貴様が加わろうと何の違いもない。 まとめて叩き潰すまで」
ウェントス「僕は負けないよ。 今は、彼らの力の理由がわかる。人の強さの源が」
アクイラ「面白い……ならば、それを見せてもらおう。 破滅の運命に抗う、人間達の力の程を」
リシュウ「見れば、お主らの役目は終わる。 ワシらの道を開けてもらうぞ」
ゼンガー「そして、お前達は“破滅の王”ではなく、 我らの剣にて滅することになる」
キョウスケ「賽は投げられた。止められると思うな」
アクセル「まずお前達が“破滅の王”の糧となるがいい。 その上で、王をも倒してやるさ」
ジョッシュ「アクイラ、コンターギオ…… 親父が開けた門は、俺の手で閉じる。 何としても……そう、この命に代えてもな……!」
ゼオラ(ジョッシュさん……)
アクア「……ねえ、ヒューゴ」
ヒューゴ「わかってる。ジョッシュ達の機体をちゃんと マークしておけよ」
アクア「ええ」
カイ「エレーブ1より各機!  目標はメリオルエッセ! 攻撃を開始しろ!」
(作戦目的表示)

〈vs アクイラ〉

[ジョッシュ]

ジョッシュ「そこをどけ、アクイラ!  俺はファブラ・フォレースへ行かなきゃならない!」
アクイラ「お前は“破滅の王”の姿を見ることなく、 ここで滅びるのだ」
ジョッシュ「事の真相を確かめずに終われるものかよ!」

[リム]

アクイラ「以前と様子が違うな、人間。 もう一人の方は消えたのか?」
リム(リアナ)「そんなこと、あんたに答える必要なんてないわ!」
アクイラ「やはり、そうか。ならば、お前も消えるがいい」

[ウェントス]

アクイラ「お前が人間に力を貸しても、 “破滅の王”の覚醒を止めることは出来ん。 もう手遅れなのだ」
ウェントス「リム達はそう考えていない……そして、僕も。 僕にはまだ、やれることがある……」

[グラキエース]

アクイラ「壊れたとは言え、メリオルエッセが 恐れを抱くとはな。いや、壊れたからこそか」
グラキエース「恐怖にも、お前達にも抗ってみせよう。 ジョッシュやリムのように」

〈vs コンターギオ〉

[ジョッシュ]

コンターギオ「まもなく全てが終わる!  クククッ、クハハハッ!」
ジョッシュ「いや、ここで終わるのはお前達だけだ!」

[リム]

リム「クククッ、お前とそのマシーンが どのような相乗効果を生み出そうと、 もはやどうでもよいな」
コンターギオ「お前も消えるのだ、もう一人のお前と同じく」
リム(リアナ)「あたしは負けない!  クリスの分も戦ってみせる!」
コンターギオ「ならば、その想いを打ち砕いてくれる!  クククッ、クハハハッ!」

[ウェントス]

コンターギオ「クククッ、人間をより深く理解するためにも 作られたお前だ。彼らに感化される可能性は あったのだろうよ」
ウェントス「偶然じゃなかったのかも知れない…… 僕とリムがシュンパティアを通じて、 互いを理解したことは……」
コンターギオ「それを誰が決めた? 誰が望んだ?  どのみち、まもなく全てが滅ぶ。 そう、経緯などもう何の意味もないのだ」

[グラキエース]

コンターギオ「クククッ、思わぬことであったよ、 メリオルエッセと人間が共に在ろうとするなど。 だが、行き着く先は変わらぬ」
コンターギオ「形ある物は壊れ、生きる者は必ず死すのだ」
グラキエース「ジョッシュは、それが“破滅の王”によって もたらされることをよしとしていない」
グラキエース「そして、私は彼が消滅することを望まない……!」

先に撃墜したのは
フォルティス・アーラ ウィオラーケウム


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