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紅の聖誕祭(前篇) 地上ルート ~ 第56話 ~

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(ガイアセイバーズ 総司令部)]

アルテウル「諸君……知っての通り、鋼龍戦隊のハガネが このグランド・クリスマスに向かっている」
アルテウル「彼らは過去の大戦で功績を上げた強者だが…… あろうことか反連邦勢力と結びつき、 我らに叛旗を翻し、大統領閣下を死に至らしめた」
エグレッタ(フッ、よく言うよ)
アルテウル「地球連邦軍との協議により、 ハガネはその身柄を我らに差し出すべく、 ここを目指しているはずだが……」
アルテウル「その背後にはシュウ・シラカワが流布した 虚偽の映像を信じ、我らに疑いを持つ者達や……」
アルテウル「ガイアセイバーズを疎むギャスパル・ギラン元帥の 思惑が見え隠れしている」
アルテウル「おそらく、ハガネはこちらの出頭命令に応じると 見せかけ、可能な限りここへ近づいて、 我らの腹を探るつもりだろう」
アルテウル「だが、戦うべき相手をはき違えた彼らを 看過するわけにはいかぬ」
アルテウル「このグランド・クリスマスへ誘き寄せ、 その戦力を接収し、我らが外敵との戦いで 有効に用いる」
アルテウル「なお、彼らがこちらの命令に応じぬ場合は 攻撃を許可する。多少の損害はやむを得んが……」
アルテウル「リ・テクとメリオルエッセの機体は 極力無傷でろ獲せよ。以上だ」
エグレッタ(……あの連中が接収命令に応じようが、 イングやゼンガー達は僕の手で殺す)
ムラタ(大人しく首を差し出されても、斬り甲斐がないわ)
カーリー(直接対決せずとも、鋼龍戦隊の戦力を 接収する方法はある……しかも、より確実な……)
カーリー(あの時もそうだ…… アルテウル司令は彼らを追い込んでおきながら、 逃がすような真似を……)
カーリー(その後も逐次戦力を送り込み、 決定打を打とうとしなかった……)
カーリー(司令には、何か他の意図があるのか……?)

[グランド・クリスマス 基地内部(ラボ)]

ミタール「その件については、却下したはずだ」
エルデ「ですが、鋼龍戦隊との決戦でMODEL-Xは 必要です。そして、その力を最も引き出せるのは 私のAI1ですわ」
ミタール「くどいぞ、エルデ」
エルデ「では、どうするのです?  ドゥバン・オーグは逐電したのですよ?」
ミタール「他にもパイロット候補がいる」
エルデ「私の子以上に優れた者なのですか?  この機会にMODEL-Xの実力を示さなければ、 ツェントル・プロジェクトは……」
ミタール「この際だ、はっきり言っておこう。 これ以上、君の歪んだ愛情に突き合う気はない」
エルデ「……!」
ミタール「AI1は危険だ。 何度でも言うが、あれをMODEL-Xに 搭載させるつもりはない」
ミタール「私のTEアブゾーバーにあのような物は 不要なのだよ」
エルデ「不要なのは……」
(銃を構える)
エルデ「あなたの方ですわ、ザパト博士」
ミタール「エ、エルデ! 正気か!?」
エルデ「もちろん」
ミタール「こ、ここで私を殺せば、君もただでは済まんぞ!」
エルデ「AI1のためなら、私は何でもします」
ミタール「わ……わかった! 君の言う通りにしよう!  だから、命だけは……」
エルデ「……こうやって、アルベロも殺したのよ」
ミタール「なっ……!!」
エルデ「さようなら」
(銃声)


第56話
紅の聖誕祭(前篇)

〔戦域:小島〕

(ガイアセイバーズは出撃済み。北西端にハガネが出現)
シエンヌ「へえ……案外、素直にやって来たね」
シアン「まさか、あいつら……このまま降伏する気か?」
シオ「その方が楽でいいし」
シアン「馬鹿言え、それじゃ手柄が立てられねえよ」
ムラタ「心配はいらん。 連中は、腹の中に刃を呑んでいる」
シエンヌ「だったら、嬉しいね。 こないだの借りをここで返してやる。 ついでにあいつらとも縁切りだ」
シアン「よう、さっさと仕掛けようぜ。 どうせ殺り合うことになるんならよ」
シエンヌ「焦るんじゃないよ。 今、誰かがハガネを沈めたら、手柄は そいつの総取りだろうが」
シアン「俺はそれでもいいんだぜぇ?」
ムラタ「貴様ら、黙して待て。獲物は多い方がいい」
シエンヌ「ほら、隊長がそう言ってんだ。 抜け駆けはなしだよ、シアン」
シアン「チェッ、しょうがねえな」
エイタ「……ESM探知! ロックされています!」
テツヤ「総員、対衝撃防御用意」
カーリー「鋼龍戦隊に告ぐ。 私はガイアセイバーズ旗艦艦長、 カーリー・ナウマン大佐である」
テツヤ「………」
カーリー「貴様らの度重なる反逆行為は許し難い。 直ちに武装解除し、所有する機動兵器全てを 我らに明け渡せ」
カーリー「なお、これはアルテウル・シュタインベック 特次副大統領の命令である」
カーリー「そちらの武装解除後、全員の身柄を拘束する。 これに従わぬ場合は総攻撃を行う」
テツヤ「……リー……いや、カーリー大佐。 一つ聞きたいことがある」
カーリー「貴様に質問を行う権利はない。命令に従え」
テツヤ「ガイアセイバーズは…… アルテウル・シュタインベックは、 我々をどうするつもりなのだ?」
カーリー「それはすでに述べた。命令に従え」
テツヤ「グラスマン前大統領の件について、 そちら側にも疑惑が生じ、連邦議会でも 疑問視れさていることは知っているはず……」
カーリー「例の流出映像のことか。あんなものに信憑性はない。 それ以上、質問を続けるのなら、反逆の意思ありと 見なし、攻撃を行うぞ」
テツヤ「我々に掛けられた嫌疑に関しては、 地球圏を覆う脅威を振り払った後で…… 然るべき場所で釈明させてもらいたい」
カーリー「……各砲、攻撃用意」
テツヤ「大佐! 今、我々が戦うべき相手はルイーナや バラルではないのか!?」
カーリー「相変わらず貴様は甘いな。 そのような猶予や選択権はない。 貴様らはここで処分を受けるのだ」
テツヤ「……その命令を下した アルテウル・シュタインベックを、 お前は本当に信用しているのか……!?」
カーリー「………」
テツヤ「俺は信用など出来ない。彼は何か別の目的を持ち、 我々を陥れたと考えている」
カーリー「我々は地球圏防衛のために結成された ガイアセイバーズである。その領袖である アルテウル司令に疑いの余地はない」
テツヤ「そのようなことがあるものか!」
カーリー「……言い掛かりに過ぎんな。 我らガイアセイバーズは地球圏を守護し、 人民を救う力なのだ」
テツヤ「その力の質に問題があると言っている。 お前達がここで退かぬのなら、俺は先へ進み…… アルテウルの企みを暴く!」
カーリー「誤断に殉ずるか。 ならば、各艦、攻撃開始!」
テツヤ「エネルギー・フィールド、最大出力で展開!」
(ハガネにエネルギー・フィールドが張られる)
テツヤ「テスラ・ドライブ全基推進、鉛直下方へ指向!  上部右舷スラスター全基、噴射4秒!  急速降下、潜行!」
(ハガネが着水後、攻撃を受ける)
テツヤ「ダメージは!?」
エイタ「何とかしのぎましたが、 続けて敵ミサイル高速接近! 雷跡視認!」
テツヤ「ダウン10度! 最少半径で面舵一杯!  左舷側面、前部スラスター、噴射4秒!」
(ハガネが西側の島の北へ接舷)
テツヤ「エネルギー・フィールド解除!  各機を順次発進させろ!」
(ハガネのエネルギー・フィールドが解除され、ハガネが東を向く。出撃準備。ハガネに爆煙)
エイタ「ミサイル着弾!  フレーム20、40、100、300左舷!」
テツヤ「戻せ! エネルギー・フィールド、展開!  被弾箇所の損害状況知らせ!」
カーリー「チッ、あんな方法で艦体を逸らしつつ、 艦載機を発進させるとは!」
テツヤ「ダイテツ艦長譲りの操艦だ!」
カーリー「愚か者が! ここを突破できると思っているのか!」
テツヤ「ああ、愚かだよ。 今の地球圏の状況をわかっていながら、 ここで戦火を交えるんだからな……!」
テツヤ「だが、押し通る!!」
シエンヌ「ははっ! そうこなくっちゃね!」
アラド「お前ら、もういい加減にしろ!  ここでおれ達が争ったって、意味はねえんだ!」
シアン「こっちにはあるんだよ。 お前達を倒し、手柄を立てるっていう意味がな」
シエンヌ「そう、ブーステッド・チルドレンのブランドは、 あたし達だけが持ってればいいのさ!」
ゼオラ「シエンヌ……!」
シエンヌ「そんなに戦うのが嫌なら、 大人しくあたしの前に首を差し出しな!  一瞬で蒸発させてやるって、前にも言ったろうが!」
シオ「……出来れば、僕はあいつらと戦いたくないな」
ラトゥーニ「……!」
シオ「だって、鬱陶しいし、面倒だし。 シエンヌが言った通りにしてくれないかな」
シオ「それが一番楽だし。ねえ、どうかな? クククッ」
ゼオラ「誰がそんなこと!」
シエンヌ「なら、まとめてアウルム1の所へ送ってやるよ。 あいつと仲良くしな。ああ、もしアギラや アードラーがいたら、こう言っといてもらおうか……」
シエンヌ「恨み辛みはあるけど、 今となっちゃ、多少は感謝してるってねぇ!」
シアン「お前らの分も面白可笑しく生きてやるよ!  ま、落ちこぼれのことなんざ、 すぐに忘れるだろうがな!」
アラド「お前らに何を言われようと、おれ達は進む!  死にたくなかったら、そこをどけ!  ここから退け!」
シアン「そんな台詞に俺達がビビると思ってんのか、 ああん!?」
エクセレン「……いつも以上に吠えるわねぇ、子犬さん達」
グラキエース「氷らせば、静かになる」
エクセレン「いや、まあ、そうだけど…… マンモスじゃないんだから」
ムラタ「リシュウ、ゼンガー…… 貴様らとの最後の死合の刻ぞ」
リシュウ「もはや問答無用……ここで決着を付ける」
ゼンガー「その邪念と外道の剣、我らが斬艦刀にて打ち砕く!」
ムラタ「フン、貴様ら一門を皆殺しにする!  宗家亡き跡、流派は俺が継いでやろう!」
テツヤ「各機、攻撃開始!  敵陣を崩し、グランド・クリスマスへの 突破口を開け!」
(作戦目的表示)

〈vs シエンヌ〉

[アラド]

シエンヌ「短い付き合いだったね、アラド!  お前ともここでお別れさ!」
アラド「こんな所で終われるか!  おれ達には、まだ戦わなきゃならない 相手がいるんだ!」

[ゼオラ]

シエンヌ「さあ、ゼオラ!  あの世でアウルム1が待ってるよ!」
ゼオラ「あなたには、二度とオウカ姉様の話を されたくないわ!」
シエンヌ「じゃあ、口を封じるか!?  ハッ! リマコン漬けだった奴が あたしの口を!」
ゼオラ「あなたこそ! ここまで来たら、 もう私達を止めることは出来ないわよ!」

[ラトゥーニ]

シエンヌ「お前が死ねば、ラトゥーニ・クラスは終わりだ!  ブーステッド・チルドレンは、 あたし達アルジャンだけでいいのさ!」
ラトゥーニスクールの生き残りが他にいたら、 その子達にも同じことをするの……!?」
シエンヌ「ハッ、当たり前だろうが!」
ラトゥーニ「なら、ここで終わりにする……!  あなた達を止める!」

[ヒューゴ]

シエンヌ「ははは!  アルベロは自分の教えを実践できなかったねぇ!  死んでちゃ、意味ないだろうが!」
ヒューゴ「ならば、お前にそれが出来るか」
シエンヌ「何……!?」
ヒューゴ「お前はここで生き残れるか!  俺達を相手にして!」

[アクア]

アクア「エルデ・ミッテはどこ!?  今、何をしているの!?」
シエンヌ「そんなことを教える必要も、知る必要もないさ!  お前達はここで死ぬんだからね!」

〈vs シアン〉

[アラド]

シアン「これが最後だ、落ちこぼれ!  精々楽しませてくれよ! いい声を出してな!」
アラド「打たれ強さには自信があるんだ!  ちょっとやそっとのことじゃ、悲鳴は上げねえ!」
シアン「なら、断末魔の叫びって奴に 期待させてもらうとするか!」
アラド「ふざけるな! お前を楽しませるために 戦ってんじゃねえんだよ!」

[ゼオラ]

シアン「俺達以外のブーステッド・チルドレンは いらねえ! ここでくたばりやがれ!」
ゼオラ「もう救いようがないわね、あなた達は……!」
シアン「誰も救って欲しいなんて思ってねえよ。 俺らから見たら、お前らの方が むしろ哀れだぜ」
シアン「何かさ、色々つまらねえもんに縛られてよ!」
ゼオラ「私は、つまらないなんて思ってないわ!」

[ラトゥーニ]

シアン「ガイアセイバーズに真っ正面から 喧嘩を売る度胸だけは認めてやるぜ」
ラトゥーニ「あなた達はアルテウルに利用されている…… すぐに立場は逆転するわ」
シアン「馬鹿が!  その前にお前は死ぬんだよ!  負け組としてなぁ!」

[ヒューゴ]

シアン「クライウルブズもお前一人になったな!  聞かせろよ、負け狼の遠吠えを!」
ヒューゴ「ああ、吠えてやるさ…… お前の喉笛を食いちぎった後でな!」

[アクア]

アクア「そこをどきなさい! あなた達に用はないわ!」
シアン「エルデに散々言われて、 キャンキャン鳴いてたそうじゃねえか!  俺にも聞かせてくれよ!」
アクア「言ったわね……!  道を開けないと、あなたが吠え面を かくことになるわよ!」

〈vs シオ〉

[アラド]

シオ「……ホント、さっさと死んでよね。 もう顔も見飽きたし、暑苦しい奴嫌いだし」
アラド「そんなに面倒だったら、戦うのもやめちまえ!」
シオ「お前みたいな奴を殺すのは、好きだし。 ただ、時間を掛けたくないだけなんだ。 ハハッ!」

[ゼオラ]

シオ「ガイアセイバーズに本気で勝てると思ってるし。 馬鹿だよね、ホント」
ゼオラ「その台詞は、私を倒してから言いなさい!」

[ラトゥーニ]

シオ「早く諦めてよ。 この先へ行っても、結果は同じだし」
ラトゥーニ「何故、そんなことが言えるの?」
シオ「だって、人間誰だって死ぬんだし」
ラトゥーニ「……そうよ。 でも、そこに至るまでの過程は違う」

〈vs ムラタ〉

[ゼンガー]

ムラタ「ここで我が剣の錆となる己の命運を 嘆くがいい!」
ゼンガー「我が剣魂、お前などに斬れはせん!  その邪道、ここが終末点となる!」

[リシュウ]

ムラタ「リシュウ!  貴様の斬艦刀もこの俺が継いでやるわ!」
リシュウ「ムラタ、お主が斬艦刀を得ることも 阿修羅の悟りを得ることもない……」
リシュウ「その悪逆魔道、ここで断つ!」

状況選択

エア・クリスマスのHPを100000以下にした
ケルベリオンを以下の順で撃墜した
  ケルベリオン・プレザン、ケルベリオン・パッセ、ケルベリオン・アヴニール
  ケルベリオン・パッセ、ケルベリオン・アヴニール、ケルベリオン・プレザン
  ケルベリオン・アヴニール、ケルベリオン・プレザン、ケルベリオン・パッセ


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