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オペレーション・レコンキスタ 宇宙ルート ~ 第56話 ~

〔戦域:月付近宙域〕

(西端にゼイドラムが出現し、東へ少し進む)
ロフ(……メキボスの言葉が事実であれば、 もはや我らに義はない……)
ロフ(このままでは地球軍だけでなく、 本国をも敵に回して戦うことになる。 それは、ゼゼーナン卿も望むところではあるまい)
ロフ(……いや、 あの男が素直に事実を受け入れるとは思えん。 先にセティやゼブに一報を入れておかねば……)
(東側にライグ=ゲイオスが4機出現)
ロフ「あのライグは、ゼゼーナン麾下の……」
(ゼイドラムとその前方に爆煙)
ロフ「何っ!?」
(ゼイドラムとその左側に爆煙)
ロフ「そ、そういうことか、ゼゼーナン!  お前は、俺を……!!」
(ゼイドラムとゼイドラムの周辺に爆煙)

《月 ムーンクレイドル》

[ムーンクレイドル 内部(指令室)]

(扉が開閉する)
セティ「ゼブ、大変よ!」
ゼブ「ちょ~っと待って。 今、こっちも取り込み中な~んよ」
メキボス「……以上が枢密院の決定だ。 返事を聞かせてもらおうか、ゼゼーナン卿」
ゼゼーナン「………」
セティ「メキボス・ボルクェーデ……!!  あなた、生きていたの!?」
メキボス「ああ。 久しぶりだな、ジュスティヌ・シャフラワース」
ゼブ「今や枢密院の特使様だ~ってよ。 出世したもんだ~ね、メキちゃん」
メキボス「その呼び方はよせ、ゼブリーズ」
ゼブ「な~んだよ、昔みたいにゼブちゃんって 呼んでくれてもい~いじゃないの」
メキボス「……いつの話だ。 それより、グロフィス・デルファルテが そちらへ戻ったはずだが……」
セティ「何を言っているの!?  あなた達がゼイドラムを撃墜したんでしょう!!」
メキボス「何だと……!?  そんなはずはない、俺は奴を……」
ゼゼーナン「地球軍がグロフィス・ラクレインに追い討ちを かけたか。あるいは、お前が手を回したか」
ゼゼーナン「そもそも、我らの第一次地球降下作戦の タイミングをリークしたのは、お前ではないのか?」
メキボス「………」
ゼゼーナン「かつてのウェンドロも然り…… そのようなやり方はボルクェーデの血筋だな。 何にせよ、お前の話は信用できん」
メキボス「枢密院の特別任命証と、 お前がグランゾンに仕込んだ物の証拠は示したぞ?」
セティ(グランゾンに……?)
ゼブ(ど~ういうこと?)
ゼゼーナン「私が何を仕込んだと言うのだ? 与り知らんな」
メキボス「ほう……しらを切る気か?」
ゼゼーナン「枢密院のヴォルガ派が捏造したことだろう。 私を陥れ、ウェンドロの失敗を帳消しにする気か」
メキボス「違う。枢密院は地球人への接触方法そのものを 見直そうとしている」
ゼゼーナン「地球の野蛮な猿共に 第三等限定自治権を与えようとでも言うのか?  馬鹿馬鹿しい」
ゼゼーナン「そもそも、異文明監査を決定したのは枢密院だ。 私はそれに則り、計画を遂行している」
ゼゼーナン「地球がこの銀河の病巣であることは、 お前も認識しているはずだ」
メキボス「俺達の戦いを経て、 その考え方が変わったということさ」
ゼゼーナン「敗者の詭弁だな」
メキボス「あいにく、俺だけじゃない。 それに加え、お前のやり方を疑問視する者もいる。 ヴォルガ以外にもな」
ゼゼーナン「………」
メキボス「そういうことをひっくるめた上で 召還命令が出され、俺が特使として派遣されている」
メキボス「枢密院の命令を受け入れなければ、 お前は反逆者と見なされるぞ」
ゼゼーナン「特使がゾガルやヴォルガ以外の者であったなら、 信憑性も高まろう」
ゼゼーナン「だが、私にあらぬ罪を着せ、 失脚させようとする背景には、ヴォルガの勢力拡大の 意図が見え隠れしている」
メキボス「俺は、地球圏で任務を遂行していた実績を買われ、 特使に任命されたんだ。そこにヴォルガの意図や 都合は介在していない」
ゼゼーナン「ボルクェーデ家の者がヴォルガを 捨てられるはずがあるまい。その逆も然り」
ゼゼーナン「でなければ、ウェンドロがあの歳で異文明監査官に 任命されるわけがない」
メキボス「そのウェンドロに撃たれ、死にかけて…… 戻って来た俺を待っていたのは、 ヴォルガの冷たい仕打ちだった」
メキボス「連中は俺に全ての責任を押し付け、派閥から放逐した。 そこには、ボルクェーデ家の失墜を狙う者達の 意図もあった」
メキボス「俺の家系は敵が多かったからな…… ウェンドロが命を狙われたのも一度や二度じゃない。 俺の顔の傷も、それが原因だ」
メキボス「いくら名家と言えど、兄弟揃ってしくじったとなれば、 周りの連中はたちまち掌返しさ。保身のためにな」
ゼゼーナン「それで、再起をかけて枢密院に接触したのか?」
メキボス「お前らしい考え方だな。 俺は、派閥や門閥での争いに愛想が尽きたのさ。 それに縛られる理由もなくなったしな」
ゼゼーナン「戯言を。 お前は今も派閥に利用されているのだよ」
メキボス「……そうかも知れんが、お互い様だ。 俺が枢密院の名の下に、軍勢を引き連れて来た 理由をよく考えるんだな」
ゼゼーナン「………」
メキボス「武装を解除し、召還命令を受け入れなければ、 攻撃を開始する。念のために言っておくが、 月の地球人を人質にとっても無駄だぜ」
メキボス「枢密院の命令に逆らった上で 地球人を虐殺などしたら、ヴォルガの連中が喜ぶぞ。 ゾガルを追及するいい口実が出来たってな」
メキボス「よく考えろ、テイニクェット・ゼゼーナン。 ここがターニング・ポイントだ」
(通信が切れる)
ゼゼーナン「………」
ゼゼーナン「……第2次降下作戦用の全機動兵器を直ちに起動。 ムーンクレイドル上空に配備しろ」
セティ「枢密院の命令を拒否するのですか?  それでは、我々は反逆者に……!」
ゼゼーナン「わからんのか?  本国の連中は我々を見限ったのだぞ」
ゼゼーナン「本来であれば、然るべき筋から連絡があるはず。 だが、枢密院が直接特使と戦力を送り込んで来たと いうことは……」
ゼブ「ゾガルはそ~れを阻止できなかった…… い~や、阻止する気がな~かったのかもね」
セティ「しかし、何故です?  ゾガルの重鎮であるゼゼーナン卿を あっさりと見限るなんて……」
ゼブ「さ~っき、メキちゃんが言っていた グランゾンの仕掛け……あれが本当な~ら……」
セティ(! あの時、あたしとロフは、ゼゼーナン卿と シュウ・シラカワの会話を聞くことを禁じられた……。 まさか……?)
ゼゼーナン「メキボスの戯言を信じるな。 あれを使えば、どういう罰を受けることになるか、 私もわかっておる」
セティ「……ならば、召還命令を受け、 本国で申し開きをなさってはいかがですか?」
ゼゼーナン「フン、そんなことをすれば、 最悪の場合は消されかねんぞ。 グロフィス・ラクレインのようにな」
セティ「……!」
ゼゼーナン「メキボスを倒した後で地球圏を制圧し、 猿共が独自に昇華させた軍事技術や、 異世界からもたらされた技術を掌握する」
ゼゼーナン「そうすれば、本国の連中の態度も変わる。 他星での利権や新技術に群がる者は、 いくらでもいるからな」
セティ「しかし、反逆者の烙印を押されては……」
ゼゼーナン「それは一時の問題だ。 ここまでの功績を捨てて本国に戻り、断罪されるか…… 自らの手で道を切り開くか。迷う必要はあるまい」
ゼブ「……メキちゃんに恨みはな~いけど、 捨て駒にさ~れるのは御免だ~ね」
ゼゼーナン「シャフラワース……いや、セティ。お前はどうだ?」
セティ「……ロフを殺した者達を 許すわけにはいきません……」
ゼゼーナン「ならば、お前達はメキボスを迎え撃て。 私はバラン=シュナイルを起動させる」
セティ「あれも投入するのですか?  後々の地球制圧作戦の切り札では……」
ゼゼーナン「まずは、この戦いに勝利することが肝要だ。 お前達の奮戦を期待しているぞ」
セティ「はっ」
ゼブ「そ~んじゃま、仕事、仕事」
(扉が開閉する・ゼブとセティが立ち去る)
ゼゼーナン(……フン、時期が早まっただけのことだ。 枢密院が動くとは思わなかったが…… 反対派を一掃するきっかけになる)
ゼゼーナン(私を切り捨てようとした ゾガルの日和見主義の連中も同様だ……)
ゼゼーナン(私が地球を掌握した後、 次にお前達がどのような顔で接触してくるか、 楽しみにしておくぞ……)

[ヒリュウ改 ブリーフィング・ルーム]

レフィーナ「テイニクェット・ゼゼーナンは 召還命令に応じるのでしょうか……?」
メキボス「あの様子じゃ、駄目だな。 おそらく、ロフを殺したのは奴だ。 口封じのためにな」
メキボス「迂闊だった……そこまで早く手を回すとは……。 あいつを一人で行かせるんじゃなかったぜ……」
ヤンロン「ゾガルの者はゼゼーナンが命令に応じるよう 説得しないのか?」
メキボス「本国じゃ、もうグランゾンの件が明らかになってる。 ゾガルの連中は追及をかわすのに必死さ」
メキボス「例の物の仕込みはゼゼーナンが独断でやったこと…… ま、これは事実なんだがな、そういう線で 派閥への影響を最小限に抑えようとしている」
ヴィレッタ「つまり、彼は身内から切り捨てられたのか」
メキボス「ああ。 ここでゼゼーナンを庇えば、もろともに 失脚する羽目になるからな」
メキボス「奴が地球遠征の全権を握り、本星にいないことを 逆手に取って、諸々の責任と罪を押し付けている だろう」
メキボス「むしろ、俺の手でゼゼーナンが倒されることを 望んでいる節もある。死人に口なし、って奴だ」
ショーン「ラ・ギアスと言い、ゾヴォークと言い…… どこの世界でも似たような揉め事が 起きているものですな」
メキボス「俺達の世界は星系単位じゃ まとまってるが……共和連合全体となるとな」
マサキ「で、ゼゼーナンはこれからどうする気なんだ?」
メキボス「グランゾンの件が明るみに出た以上、 召還命令に応じて本星に戻ったら、そこで終わりだ」
メキボス「奴は開き直って俺達を倒し、地球圏に居座る…… そして、混乱に乗じて、支配権を得ようとするだろう」
メキボス「ルイーナやバラルの出現は予想外だったろうが…… 今となっては、好都合だ。情勢を見定めた上で 改めて手を下す気だな」
アヤ「じゃあ、最初の降下作戦が失敗してから、 彼らが地球へあまり手を出さなかったのは……」
メキボスアインストみたいな連中に対する警戒心はあるさ。 かつての俺達も手痛い目に遭わされたからな」
メキボス「だからこそ、ゼゼーナンは極力月から動かず、 地球軍とルイーナ、バラルの戦いの行方を 見極めようとした」
ギリアム「最後に立つ者が勝利を得る……それが狙いか」
メキボス「だろうな。そして、その後で地球圏を掌握し、 そこで得たものをゾヴォークの戦争商人に売りつけ、 そっち方面から枢密院に揺さぶりを掛ける」
メキボス「まあ、それは奴の当初からの目的だとは思うがな」
ギリアム「建前は銀河の秩序維持、 本音は金と権力の獲得ということか」
イルム「やれやれ、俺達を下等生物だの猿だのと 言っておきながら、やってることは 地球の胡散臭い政治屋と大差ないねえ」
ショーン「まったくです。 別の意味でゾヴォーク人に親近感が湧きますな」
カチーナ「……ゼゼーナンが逆ギレすんのがわかってんなら、 奴が悲鳴を上げるぐらいの大軍を引き連れて 来やがれってんだ」
メキボス「こっちにも色々な事情があってな。 辺境の紛争に割ける戦力には限りがある」
カチーナ「辺境たあ言ってくれるじゃねえか。 問題を解決する気があるのかないのか、 どっちなんだよ」
メキボス「枢密院としては珍しく即決だったんだが…… そんなことを言っても、納得はしてもらえんか」
カチーナ「ゼゼーナンに必殺の爆弾をブチ込んだ後なら、 そうしてやってもいいぜ」
アヤ「駄目よ、それではムーンクレイドルまで 破壊されてしまうことになるわ」
ギリアム「……メキボス、ゼゼーナンが月の住民を 人質にする可能性については?」
メキボス「一応、釘は刺しておいた。 それに、奴は地球圏を自分の地盤にする つもりだからな……」
メキボス「民間人の虐殺なんぞをやって 地元の反感を不用意に煽ったら、後々で 困るってことは承知しているだろうよ」
マサキ「侵略を仕掛けてきた時点で、 反感もへったくれもねえだろうが」
メキボス「その通りなんだが…… 俺達は民間人に手を出すことを良しとしていない」
メキボス「対抗軍事勢力は見せしめも兼ねて潰すが、 生産能力を有するものは極力温存する。 吸収できるものは吸収する」
メキボス「智将は務めて敵に食む……孫子だっけか?  基本的にはそういうことだ」
マサキ「どういうこった?」
ヤンロン「優れた将は、遠征においては 敵から食糧や兵器を調達するという意味だ」
マサキ「それじゃ、略奪だろうが!」
メキボス「いや、民間人からの略奪や虐殺の類は避ける。 結果的に自分達の首を絞めることになるからな。 星間共和連合の長い歴史が生み出した考え方だ」
メキボス「だから、俺達の軍勢はそのほとんどが 統制の利くバイオロイドで構成されている」
メキボス「善く戦う者は、これを勢に求めて人に責めず…… そういうこともやり易いってわけだ」
ヤンロン「確かに…… 自我を持たず、命令通りに動く兵であれば」
ショーン「以前から思っておりましたが、 こちらの文化を良く研究しているようですな」
メキボス「異文明監査官だったからな。 ゼゼーナンも下調べは念入りにやっていた。 それこそ、最初は交渉で事を済ませられるようにな」
メキボス「シュウ・シラカワが南極事件を起こさなければ、 今頃奴の計画は次の段階に進んでいただろう。 そして、俺達が地球圏へ来ることもなかった」
マサキ「チッ、あいつが関わるとロクなことにならねえんだよ」
メキボス「そうとは言い切れねえ。 現にゼゼーナンの失脚の原因を作ったのは、 あの男だからな」
マサキ「シュウのおかげだなんて、思いたくねえぜ!」
ギリアム「……ともかく、ゼゼーナンが月の住民に 危害を加える可能性は低いと考えていいのだな?」
メキボス「ああ」
ヴィレッタ「でも、彼が保身のためにロフを始末したのなら…… 追い詰められた結果、暴挙に出ることも考えられる」
メキボス「否定は出来ねえな。 だから、速やかに事を進める必要がある」
イルム(まあ、こいつを相手にして 地球人の人質を取っても意味はないだろうが……)
メキボス「ここからは身内の揉め事だ。 あんた達は戦闘に参加しなくていいぜ。 地球の異変は、俺も承知しているからな」
レフィーナ「………」
ショーン「いかがします、艦長?」
レフィーナ「ハンフリー司令と相談します。 各員は第2種戦闘配置のまま待機を」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ハンフリー「……異星人の話を鵜呑みにすることは出来んが、 ここで我が方の戦力を消耗せずに済むのなら、 それに越したことはない」
ハンフリー「だが、メキボス・ボルクェーデの監視は必要だ。 奴が掌を返す可能性もある」
レフィーナ「そこで……我々鋼龍戦隊はメキボスと共に ムーンクレイドルへ降下しようと考えています」
ハンフリー「何? 異星人に手を貸すのか?」
レフィーナ「ええ、後顧の憂いを速やかに断つために。 また、ムーンクレイドルへの被害を 最小限に抑える必要もありましょう」
ハンフリー「火中の栗を拾うと言うのだな」
レフィーナ「虎口に身を投ずるのが、 鋼龍戦隊の責務でもありますから」
ハンフリー「……地球圏の異常事態に対処するためにも、 ゲストとの決着は早急に付けなければならんか……」
ハンフリー「良かろう、貴官の申し出を認める。 我が第一艦隊は戦線後方に位置し、 不測の事態に備える」
ハンフリー「第二艦隊は予定通り月面都市奪還任務に、 第三艦隊はその援護に回す」
レフィーナ「了解です。後はお任せします」
ハンフリー「……レフィーナ大佐」
レフィーナ「はっ、何でしょう?」
ハンフリー「私は、鋼龍戦隊という戦力の在り方について、 諸手を挙げて認めるつもりはない」
ハンフリー「だが、大統領暗殺に関する貴官らの言い分は信じる。 地球圏の行く末を案じて行動していることもな」
レフィーナ「ありがとうございます」
ハンフリー「貴官らの健闘を祈る。以上だ」
(通信が切れる)
ショーン「……石頭がかなり柔らかくなってきましたな」
レフィーナ「そのようですね。ハンフリー司令の期待に 応えるためにも、オペレーション・レコンキスタを 成功させ、月をゲストから解放しましょう」
ショーン「ええ」
レフィーナ「総員、第一種戦闘配置!  これよりムーンクレイドル上空へ向かいます!」


第56話
オペレーション・レコンキスタ

〔戦域:月付近宙域〕

(ゲスト軍が出現済み)
セティ「第4、第5、第6機動部隊が押されているわ。 向こうはあたし達同様、新型機を持って来てる…… ライグ=ゲイオスも確認されたわ」
ゼブ「ありゃ~、メキちゃんてば、容赦ないんだ~から」
セティ「どうやら、そのメキボスが来たようよ」
(グレイターキンIIとヒリュウ改が出現。出撃準備)
メキボス「すまねえな、肝心な所で あんた達の力を借りることになって」
カチーナ「こっちは万事納得してるわけじゃねえ。 妙な真似をしやがったら、生半可な 仕置きじゃ済まねえぞ」
メキボス「わかってるよ」
イルム「しかし、まさかお前と肩を並べて 戦うことになるとはな」
メキボス「同感だ」
リュウセイ「なあ、こないだみたいに バイオロイドの機能を停止させることは 出来ねえのか?」
メキボス「残念だが、向こうは対策済みだ。 前回、俺達はシュウ・シラカワがばらまいた ワームにしてやられたからな……」
メキボス「そういう事態を想定し、特殊な自閉モードが 設定されている。指揮官がそれを解除しない限り、 連中は止まらねえ」
カーラ「その指揮官って、あんたの知り合いなんでしょ。 何とか説得できないの?」
フィオナ「そうよ、人間相手なら話が通じるでしょう?」
メキボス「一応そのつもりだが、素直な連中じゃねえし…… 大元の解除コードは、さすがにゼゼーナンが 抑えてるだろうしな」
レオナ「つべこべ言わず、行動してもらいたいわね」
メキボス(やれやれ、向こうでもこっちでも 周りに気の強い女が多いことで)
レオナ「何か言って?」
メキボス(……勘もいいらしい)
(グレイターキンIIから通信)
メキボス「聞こえるか、ゼブ、セティ」
セティ「降伏しろという話なら、聞けないわよ。 あなた達がロフを殺した。絶対に許さない」
メキボス「奴の死は残念だった…… が、手を下したのは俺じゃない」
イルム「補足しておくが、俺とロフの戦闘中、 あいつを庇ったのはメキボスだぜ」
セティ「真実がどうであれ、 あの人が死ぬきっかけを作ったのは メキボス……あなたよ」
メキボス「………」
アヤ「もしかして、彼女はロフを……?」
メキボス「それでゼゼーナンと運命を共にする気か。 もはや、この戦いには何の意味もねえ」
セティ「意味……? それなら、あるわ。 あたしはロフの仇を討つ!」
メキボス「ゼブ、お前もそうか?」
ゼブ「正直、疑わしい点はあ~るけど、 俺達も枢密院の承諾を受~けて、 地球へ来~たんだ~な」
ゼブ「そ~れがこの仕打ち。納得はい~かないね」
メキボス「言っただろう、ゼゼーナンは禁じ手を使った。 だから、枢密院が俺を送り込んだんだ」
ゼブ「あ~の件が反対派の捏造じゃ~ないと ど~して言い切れる? メキちゃんも 結局は利用さ~れているだけか~もね」
メキボス「……枢密院には、俺から説明してやる。 お前達はゼゼーナンに利用されていただけだと」
ゼブ「そ~れも信用で~きないねぇ。 メキちゃんみ~たいに、枢密院に拾っても~らえる 保証はな~いでしょ」
メキボス「どうしても退く気はねえってんだな?」
ゼブ「そ~ゆ~こと。 す~まじきは宮仕えだな、お互い」
スレイ「……交渉は決裂したようだな」
アイビス「やっぱり、やるしかないんだね……!」
メキボス「期待に応えられなくて、すまんな。 ゼブとセティの相手は任せてくれ。 俺の手でケリを付ける」
イルム「気持ちはわかるが、お前だけじゃ時間が掛かる。 援護するぜ」
レフィーナ「これよりオペレーション・レコンキスタ、 フェイズ4を開始する! 前部全主砲、撃ち方始め!」
ギリアム「ゴースト1から各機。 ムーンクレイドルの制空権を奪取する。 攻撃開始!」
(作戦目的表示)

〈vs ゼブ〉

[メキボス]

メキボス「今からでも遅くはない。退け、ゼブ」
ゼブ「退いてど~なる? 捨て駒にさ~れるだけさ」
メキボス「既にそうなっちまってるのが、 わからねえのか……!」

[イルム]

イルム「こっちとしても無益な戦いは避けたいんだがな」
ゼブ「お前達が言~うところの、背水の陣って奴さ。 お~互いね」
イルム「悪いが、こっちは母星の運命を背負ってるんだ。 金と権力目当てで余所の星にちょっかい出してる奴と 一緒にしてもらいたくはないな!」

〈vs セティ〉

[メキボス]

メキボス「セティ、俺にロフを殺す意思はなかった」
セティ「あなたがどう言い訳しようと、 もうあの人は帰って来ない……!」
セティ「仮にあなたの申し入れを受け入れたとしても、 あたしの心に空いた穴は埋まらないのよ!」
メキボス「……正直、お前らとは戦いたくねえが…… これも任務なんでな」

[イルム]

イルム「メキボスにロフを殺す気がなかったのは事実だ。 奴は、あいつを助けるために俺の前へ 飛び込んで来たんだからな」
セティ「なら、あの人を殺したのは地球人でしょう?  やはり、あなた達は危険な種族だわ。 見せしめのためにも、ここで倒す!」

状況選択

オーグバリューのHPを25000以下にした
ビュードリファーのHPを25000以下にした


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