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ゲストとインスペクター 宇宙ルート ~ 第55話 ~

《ヘブンゲート付近(ヒリュウ改)》

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ショーン「艦長、各員の配置が完了しました」
レフィーナ「わかりました」
ショーン「補充戦力……と遠慮した割には、 ど真ん中に放り込まれましたな」
レフィーナ「私達はバルトール事件の時、 ヘブンゲートへ突入した経験がありますから」
ショーン「あの時とは状況が違いますが……ハンフリー大佐の 考え方が変わったということでしょう」
ユン「艦長、第1、第2、第3艦隊が ヘブンゲートへの突入を開始しました」
ショーン「さて、我々の腕の見せ所ですな」
レフィーナ「ええ、我々も突入します。 針路このまま、両舷前進第三戦速!」

〔戦域:暗礁宙域〕

(アルバトロス、ペリグリンなどとゲスト軍が交戦中)
オペレーター「目標群マイク、リバー、ノベンバー、 0時方向、仰角10より接近!」
ハンフリー「よし、こちらに食いついたか」
(西側にゲスト軍が出現)
オペレーター「第2艦隊、第3艦隊も会敵!」
ハンフリー「ヒリュウ改は?」
オペレーター「予定通り、ヘブンゲートへの突入を開始しました!」
ハンフリー(この状況でもISA戦術が通用するか、 見せてもらおうか、レフィーナ・エンフィールド)
ハンフリー「全艦に告ぐ! この戦いの結果が、 オペレーション・レコンキスタの 成否の鍵を握ることになる!」
ハンフリー「だが、ここで無駄死にをするな!  敵の陽動に徹するのだ!」


第55話
ゲストとインスペクター

〔戦域:ヘブンゲート付近の暗礁宙域〕

(ゲスト軍が出現済み)
ロフ「三方からの敵…… 攻め方から判断して、その中に本命はいるまい」
バイオロイド兵「高速移動物体、エリアF2に侵入。 識別……地球軍ヒリュウ改。エリアA1へ近づく」
ロフ「やはり、差し込んで来たか。 全機、迎撃用意!」
【デモムービー『ブレイク・フィールドを張って移動するヒリュウ改』】
(東端にブレイク・フィールドを張ったヒリュウ改が出現)
レフィーナ「重力ブレーキ、ブレイク・フィールド解除!」
ユン「0時方向に敵主力!」
レフィーナ「各機、発進!  主砲、1番から3番まで攻撃用意!」
(ブレイク・フィールドを解除。グルンガスト改が出撃、出撃準備)
ロフ「母星の危機を目の当たりにしながら、 我らに噛み付いてくるとはな。 蛮勇か、あるいは……」
イルム「あの機体……指揮を執っているのは、ロフか」
マサキ「確か、シュウがグランゾンの秘密を明かした時も いやがったな」
カチーナ「どういう奴なんだ?」
イルム「生真面目と言うか、堅いと言うか…… まあ、お前にとっちゃ扱い易い相手さ」
カチーナ「なるほど、殴り甲斐があるってわけだな」
ラッセル(わかり易い相手、ってことじゃないんだろうか……)
ギリアム「ゴースト1より各機。 知っての通り、地球圏は予断を許さぬ状況下にある」
ギリアム「ヘブンゲートを奪還できなければ、 オペレーション・レコンキスタに大きな支障が出る。 各自、ベストを尽くしてくれ」
イルム「行くぞ、ロフ。 こっちは後で大仕事が控えてるんでな…… さっさとケリを付けさせてもらうぜ!」
(作戦目的表示)

〈敵機20機撃墜〉

ロフ(何という侵攻の速さだ。 特化戦力で一点を叩く……そんな無謀な戦術が こうも功を奏するとは)
ロフ(彼らの戦力が秀でているだけではない…… 護るべきもの、背負っているものの差なのか?)
ロフ(俺は……俺は、何のために戦っている?  いや、そんな迷いは禁物だ。 与えられた命令をただ遂行するのみ……!)

〈ゼラニオ全機撃墜 or ゼイドラムのHP60%以下〉

ロフ「くっ、さすがにやる……!  だが、ここを明け渡すわけにはいかんのだ!」
(敵機増援が出現)
ユン「ヘブンゲートより敵増援!」
リュウセイ「ヘッ、尻に火がつきやがったか!?」
コウタ「もう一息だ、押し込んでやるぜ!」

〈vs ロフ〉

[イルム]

ロフ「地球が危機に晒されているにも関わらず、 ここへ来るとはな!」
イルム「背水の陣って奴さ!  今の俺達を止められると思うなよ!」

[HP20%以下]

ロフ「ぬううっ! ゼイドラムが!」
イルム「もらったぞ、ロフ!」
(グルンガスト改がゼイドラムの北側に隣接。北西にグレイターキンIIが出現)
【強制戦闘】
イルム[ハイパー・ブーストナックル]vsロフ[防御](援護防御(???(メキボス)))
イルム「何っ!?」
ロフ「今の機体は!?」
メキボス「そこまでだ! 双方共、戦闘を止めろ!」
ロフ「メキボス!?」
イルム「お、お前、生きていたのか!?」
メキボス「ああ、見ての通りだ」
タスク「ど、どうやって生き残ったんだよ、あの状況で!」
メキボス「悪運が強かったのさ」
タスク「いや、そういう問題じゃねえだろ!  ホワイトスターアインストに 飲み込まれちまったんだぜ!」
プレシア「誰なの、あの人……!?」
リューネ「ゲストより前に現れたインスペクターの指揮官…… でも、ホワイトスターで死んだはずなのに……!」
メキボス「詳しい話は後だ。 ともかく、俺はお前らとやり合う気はねえ」
リューネ「その言葉を信用しろっての!?」
カーラ「現にあんたはロフを助けたじゃないの!」
メキボス「一応、奴は身内なんでな。 だが、そっちと事を構えるつもりがねえのは事実だ」
ギリアム「それをどのようにして証明する?」
メキボス「武装を解除する。 それでも信用できねえのなら、撃ちな。 ただし、俺の話を聞いて損はねえぜ」
ギリアム「………」
イルム「………」
レフィーナ「ギリアム少佐、彼の話を聞きましょう。 ただし、警戒を怠らぬように」
ギリアム「了解です、艦長」
ロフ「メキボス、お前……!」
メキボス「ロフ……俺は枢密院の特命を受け、ここに来た」
ロフ「枢密院……!? 何のために!?」
メキボス「ゼゼーナンの私闘を終わらせるためにだ」
ロフ「!!」
メキボス「枢密院は、奴の真意に気づいている。 証拠も揃い、本国への召還命令が出ている」
ロフ「何っ……!?」
メキボス「シュウ・シラカワを止められなかったのが 致命的だった。ゼゼーナンは確実に失脚する。 お前は、そんな奴の言うことをいつまで聞く気だ?」
ロフ「……それが傭兵としての務めだ」
メキボス「傭兵か……お前なら、黙っていても 将軍の座につけただろうによ」
ロフ「だとしても、それは俺の実力ではない。 家柄によって手に入れた地位など、何の意味もない」
メキボス「だから、家を捨てて傭兵になったのか」
ロフ「……俺は門閥だけで一生が決まる、 あの閉塞した社会が好きになれなかった。 だからこうして、辺境での戦いの中に身を置いている」
メキボス「ならば、尚更ゼゼーナンにつく必要などねえ。 あの男こそ、門閥の弊害の象徴だ」
メキボス「ゾガルとウォルガの派閥争いを 連合非加盟星である地球にまで持ち込んだのは 他でもない、奴なんだ」
ロフ「だが、そこには未熟な地球文明を監査し、 銀河の秩序を保つという大義名分がある」
メキボス「ああ……かつての俺もそう思っていた。 だが、ゼゼーナンが先に動いたからこそ、 ウォルガも俺やウェンドロを派遣したんだ」
メキボス「銀河の秩序維持という大義名分を持ってはいたが、 結局は派閥の利益のために利用されただけ……」
メキボス「そうさ、俺達も地球人のことを笑っちゃいられねえ。 枠組みの大きさこそ違えど、 身内でゴタゴタしてんのは同じだ」
メキボス「そして、地球人と直接やり合って、 ウェンドロやゼゼーナンが主張していたほど 連中が未熟な種族でないこともわかったのさ」
ロフ「………」
メキボス「お前も気づいているだろう?  ゼゼーナンは、この戦いを自分の野心のために 利用している」
メキボス「そもそも、奴がお前を拾ったのは、 後でデルファルテの名を利用するためだろうよ」
ロフ「それは……」
メキボス「なあ、ロフ。 お前がやりたかったのは、こんなことだったのか?  ただ命じられ、動くだけの道具になることなのか?」
ロフ「……確かに、お前の言う通りだ。 俺は、この戦いに意義を見い出せないでいる……」
ロフ「だが、お前のように割り切ることは出来ない……」
メキボス「なら、どうする気だ?」
ロフ「俺に時間をくれ。この目で確かめたいことがある」
メキボス「ゼゼーナンの所へ戻れば、 ただでは済まんかも知れねえぜ?」
ロフ「承知の上だ。 しかし、あの男の下にはセティやゼブがいる」
メキボス「……わかった。 ただし、ここのバイオロイド達の主導権は 枢密院の名において俺が預かる」
ロフ「いいだろう」
(ゼイドラムが撤退)
リューネ「!!」
マサキ「野郎、逃がすかよ!!」
メキボス「待て。 ここは俺の顔に免じて、奴を行かせてやってくれ」
カチーナ「何を言ってやがる!  てめえの顔を引っぱたくだけじゃ済まねえぞ!」
メキボス「……お前達とやり合う気はないと言った。 今、その証拠を見せてやる」
(グレイターキンIIでシステム起動。敵機が残っていると震える)
ユン「艦長、戦域内の敵機が次々に活動を 停止していきます!」
レフィーナ「!」
ショーン「他艦隊と戦闘中の敵機は?」
ユン「現在、確認中!」
メキボス「……この宙域にいるゾガルの機体は、 まもなくその全てが戦闘を中止する。 これで信用してもらいたいものだな」
イルム「で、あんたはどうする気だ?」
メキボス「お前達と直接話がしたい。 もっとも、歓迎は期待してねえが」
イルム「強引だな」
メキボス「性分なのさ」
レフィーナ「……いいでしょう。彼の着艦を許可します」

[ヒリュウ改 ブリーフィング・ルーム]

メキボス「さて、何から話したものか……」
イルム「だいたい、お前が生きてるってこと自体が 不思議だ。あの状況から脱出するとは……」
メキボス「悪運が強かったと言ったろう?  もっとも、瀕死の重傷で……身体の大部分は 代替品になっているがな」
イルム「サイボーグってことか?」
メキボス「まあ、そう思ってもらって構わん」
ギリアム「それで、先程ロフに話していたことは 真実なのか?」
メキボス「ああ。俺はゾヴォーク枢密院の特使として 地球圏に派遣され、ゼゼーナンを止めるために来た」
レフィーナ「ゾヴォークとは……あなたの国の名前ですか?」
メキボス「そう。そして、そこには二つの大きな派閥があり…… あんた達が言う所のインスペクターがウォルガ、 ゲストがゾガルと呼ばれている」
メキボス「ウォルガとゾガルは、ゾヴォーク内で 権力争いを繰り広げていてな。そのゴタゴタが 地球圏に持ち込まれたってわけだ」
イルム「迷惑な話だぜ、まったく」
メキボス「ともかく、俺はゾヴォーク枢密院の命令で 地球との戦争を終わらせるために来た。 後で俺からゼゼーナンに召還命令を伝える」
ショーン「それで、事が済むのですかな?」
メキボス「そう願いたい所だがね……。 ともかく、しばらくの間、軒先を 貸してもらえると助かる」
メキボス「もちろん、厳重な監視付きってのは覚悟してるぜ。 まあ、俺自身が人質みたいなもんだと思ってくれ」
レフィーナ「……わかりました。 あなたの身柄は私達が預かります」


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