ジョッシュ「グラキエース！」
グラキエース「貴様、何を！？」
ジョッシュ「何故、俺とお前でこんな現象が起きる！？
どうして俺の中にお前がいるんだ！？」
グラキエース「だ、黙れ！ 私は消去する！
目の前にいる貴様と、私の中にいる貴様を！」
（ファービュラリスに共振）
グラキエース「ああうっ！！」
ジョッシュ「うっ、うああああっ！！」
カイ「ジョッシュ！？」
（ジェアン・シュヴァリアーに警告シグナル）
ジョッシュ「な、何だ、これは！？
あいつの意識が！ や、やめろ！！」
グラキエース「全てを破滅……負の波動を……！」
ジョッシュ「負の波動を……わ、我らルイーナと……！」
アクア「ジョ、ジョッシュ！ 何を言ってるの！？」
ラーダ「もしや、彼女の意識が逆流しているの！？」
ジョッシュ「お、俺はお前じゃない！
これは俺の意識じゃない！ 退けッ！！」
（ファービュラリスに共振）
グラキエース「う……あぁ……私……私は、ヒト……！？」
グラキエース「違う……私はメリオルエッセ、“破滅の王”によって
生を受けし者だ……！」
ジョッシュ「う、うううっ！ 揺り返しか！？」
グラキエース「駄目だ、またあの男の意識が！！」
（閃光）
ジョッシュ（み、見える……見えるぞ、グラキエース……！）
グラキエース（な、何だ、これは……！？）
ジョッシュ（……そうか……グラキエース、お前は……）
グラキエース（き、貴様……何を見ている……！？）
ジョッシュ（お前は、あそこで生まれたのか……
“破滅の王”の意思に従うだけの生を与えられた……
それがメリオルエッセという存在なのか……）
ジョッシュ（生も死も呪縛された……偽りの魂を持つ者……）
グラキエース（み、見るな！ 私を見るな！ 私が壊れる！）
ジョッシュ（グラキエース……今、わかった。
空虚な、何かが欠けていると感じた心の意味……）
ジョッシュ（お前達は負の感情を与えられていないんだ。
何故だ？ “破滅の王”とは、いったい何なんだ？
どのようなものなんだ？ 遺跡との関係は？）
グラキエース（や、やめろ！ これ以上、私の中に……！！）
ジョッシュ（わからないのか！？
俺の中にお前がいるように、
お前の中にも俺がいるはずだ！）
ジョッシュ（それを見ろ、答えろ！ グラキエース！）
グラキエース（くううっ！ ああああっ！！）
（ファービュラリスが震え、システムダウン）
イング「グラキエースの機体が……！」
アリエイル「システム・ダウン……！？」
カイ「ジョッシュ、応答しろ！ 大丈夫なのか！？」
（ジェアン・シュヴァリアーの反応がない）
カイ「リム、お前の方で何かわかるか！？」
リム(リアナ)（………）
カイ「リム……！？ おい、どうした！？」
リム(リアナ)（………）
（閃光）
ウェントス（……穏やかに……そして、強く共振しているね。
僕が君達を知りたいと思ったから……
君達が僕を知りたいと思ったから……）
リム(リアナ)（あたしは違う……そう思ったのは、クリスよ）
リム(クリス)（………）
ウェントス（だが、リアナ……君もわかっているはずだ。
僕の中に君達がいる。君達の中に僕がいる……。
僕達は似ている……）
リム(クリス)（これが……あの人の心……）
リム(リアナ)（何故……ウェントス、あんたは
メリオルエッセなんでしょ。なのに、どうして
破壊の意思がこうも薄いの？）
リム(リアナ)（しかも、あんたは自分が消え去ることを
望んでる……）
ウェントス（僕には、他のメリオルエッセと違う役目が
与えられている。この作られた生も、
そして死さえも僕には自由にならない）
リム(クリス)（……！）
リム(リアナ)（……あんた、さっき言ってたよね、
あたし達が似ているって。
それ、どういう意味なの？）
ウェントス（僕達には同じような役目が与えられているからさ）
リム(クリス)（えっ！？）
リム(リアナ)（そ、その役目って、何なの！？）
ウェントス（この世界の知識所有者……
つまり、人間の感情を理解するということ）
リム(クリス)（人間の感情を……！）
リム(リアナ)（理解するって……！？ あたし達は人間なのに！）
ウェントス（僕は人の心を理解し、その負の波動を
“破滅の王”の目覚めに必要な力へと
効率良く変換することが出来る）
リム(リアナ)（あんたが“破滅の王”を
目覚めさせるって言うの！？）
ウェントス（そのきっかけを作る……
“破滅の王”にとって、僕はコネクト・デバイス……
コンバーターの一種なんだ）
ウェントス（入力だけでなく、制限付きで“破滅の王”の力を
出力することも可能……）
ウェントス（だから、セプテンプルムで
アートルム・エクステリオルの片極を
担う役目も与えられた）
ウェントス（そして、
“破滅の王”が覚醒した時、僕の役目は終わる。
そう、僕の滅びの時は定められているんだ）
リム(クリス)（ほ、他のメリオルエッセもそうなの……！？）
ウェントス（そう……僕は“破滅の王”が目覚めれば、
不要の存在となる。だから、消える）
リム(クリス)（それで……あなたは悲しくないの……！？）
ウェントス（悲しい？ その感情は理解できる。
だけど、僕に実感はない）
ウェントス（何故なら、
僕は“破滅の王”を目覚めさせる手段の一つだから。
そのために生を与えられたのだから……）
カイ「リム！ 応答しろ！」
リム(リアナ)「！ カイ少佐！？」
ウンブラ「……これ以上の接触は危険か。
ウェントス、グラキエースを連れ、撤退するぞ。
彼らの排除は機会を改める」
ウェントス「……わかった……。
行こう、グラキエース」
グラキエース「あ、ああ……」
（プリスクス・ノクス、ファービュラリス、ストゥディウムが撤退。残っている敵機が撤退）
ショーン「艦長、追撃しますか？」
レフィーナ「いえ、対空対地警戒を厳となせ。
ギリアム少佐にトーチカ８の調査要請を」
レフィーナ「その他、必要と思われる物を回収後、
イティイティ島へ帰還します」
ショーン「了解。
作業を急がせます。ガイアセイバーズの別部隊が
ここへ来るかも知れませんからな」
ジョッシュ「………」
リム(リアナ)「……アニキ、大丈夫？」
ジョッシュ「ああ。お前はどうなんだ？」
リム(リアナ)「こないだの時ほどじゃないよ……」
ジョッシュ「そうか……」
ジョッシュ（グラキエース……
俺とお前の共振は、いったい何を意味するんだ……？）