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ダブル・インターセプト 宇宙ルート ~ 第34話 ~

[ハガネ ブリーフィング・ルーム]

アリエイル「では、ルイーナの次元断層について、私とラミア少尉で まとめた現時点での推論をご報告致します」
カイ「ああ、頼む」
アリエイル「次元断層は地球周辺の空間を切り取り、 丸ごと異次元へ落とし込むことで、元の次元から 地球そのものを切り離していると思われます」
アリエイル「わかり易く説明すれば…… 紙の上に地球の絵を描き、その周りを一部だけ つないだ状態で切り、下へ降り込みます」
アリエイル「そうすれば、地球からは紙の表面が見えなくなり、 紙の表面……つまり、宇宙から見れば、地球の姿は 消えてしまっているのです」
イルム「だが、その切り抜いた孔は見えてないぜ?」
アリエイル「ルイーナが何らかの手段で空間を歪め、 孔を塞いでいると思います。地球が消失した後も その向こう側の宇宙空間が視認できますので」
リュウセイ「でも、地球が異次元にあるってんなら…… どうして月は何事もなく回ってんだ?」
アラド「そ、そうッスよ。地球が消えたら、 月はどっかへ行っちまうんじゃないッスか?」
ラトゥーニ「膜宇宙論のように重力が異次元内でも 作用しているのかも……」
ラミア「私達もそう推測している。 そして、それは別の推論を導き出す」
ラミア「先程、アリエイルが説明した通り、 紙の一部はつながっている。つまり、地球は 完全に異次元の中へ切り離されたわけではない」
ラミア「宇宙にルイーナが出現したことからわかる通り、 次元断層には出入り口……我々がいる次元と 異次元をつなぐ極小の孔があると思われる」
アリエイル「そして……それは地球が存在していた空間の どこかにあると推測されます」
ゼオラ「その孔って、見てわかるものなんですか?」
ラミア「実際にルイーナが出入りをしていればな」
リオ「孔の位置は特定できるんでしょうか?」
アリエイル「予想されるポイントは一つあります。 ルイーナの本拠地である南極上空です」
イルム「そりゃまあ、そこから出て来るのが 最も手っ取り早いわね」
アリエイル「しかし、ルイーナがどのような方法で 孔を広げ、次元断層を抜けるのか…… 実際に見てみなければわかりません」
ライ「それ以前に、彼らも断層間の移動には 細心の注意を払っているだろう。 易々と見せるわけがないと思うが」
マイ「メリオルエッセから 答えを聞き出した方が早いような気がする……」
アラド「マイ、それを言っちゃあ……」
リュウセイ「いや、一理あるぜ。ヘブンゲートのルイーナを ぶっ叩けば、何らかのリアクションはするだろ。 逃げるなり、援軍を呼ぶなりさ」
リュウセイ「そこで見極めるってのが、 今んトコ一番いい方法じゃねえか?」
イルム「ま、俺達らしい手ではあるけどね」
カイ「だが、ここ最近の連戦で弾薬の消費量が 多くなっている。本来は南極での作戦の後、補給を 受ける予定だったが、現状で目処は立っていない」
カイ「月の状況如何では、以後の行動が ままならなくなるかも知れん」
(モニターオン)
アヅキ「カイ少佐、ヴィレッタ大尉、至急ブリッジへ。 連邦軍の輸送隊との交信に成功しました」
カイ「何、本当か?」
アヅキ「はい。 マオ・インダストリーのスタッフも一緒だそうです」
リョウト「!」
カイ「わかった、すぐに行く」

[ハガネ ブリッジ]

アヅキ「輸送隊はマオ・インダストリー経由で 月を脱出し、L4宙域のコロニー群へ 向かっていたそうです」
カイ(月から脱出とは……状況が芳しくないのか?)
ヴィレッタ「マオ・インダストリーからは誰が?」
アヅキ「ラーダ・バイラバンさんと マリオン・ラドム博士のチームだそうです」
カイ「彼女らはともかく、 輸送隊は我々との接触をよしとしているのか?」
テツヤ「どうやら、そのようです。 ラーダも問題ないと言っているので、 先方と合流しようと考えていますが……」
テツヤ「念のために先遣を出し、様子見をさせるつもりです」
カイ「ああ、その方がいいな。イルム達に出てもらおう。 ヴィレッタ、SRXチームはバックアップを」
ヴィレッタ「了解」

<先行部隊が飛行中>

アリエイル「予定合流ポイントまで、あと100」
イルム「まだ輸送隊を視認できないな」
リオ「ラーダさん達、遅れているのかしら……」
リョウト「慎重に軌道を選んでいるんだと思うよ。 ゲストと接触する可能性もあるし……」
イルム「ああ。現に俺達は、宇宙に出てから二度も 連中とやり合っているからな」
イング「あと、可能性があるのはガイアセイバーズ……」
イルム「奴らがルイーナに噛み付いてくれてりゃ いいんだが……」
(アラート)
アリエイル「11時方向、仰角25、レンジ4にアンノウン確認。 光学観測からの推定……ガイアセイバーズの機体です。 数は5」
(ガイアセイバーズの機体が近づく)
イルム「ちっ、噂をすれば何とやらか」
リオ「ドゥバン・オーグの部隊なのかしら……?」
アリエイル「おそらく……」
イルム「よし、俺達で連中をこの宙域から引き離す。 輸送隊との接触は、後続のSRXチームに任せるぞ」
アリエイル「その前に……私の方からIFF発信を試みます。 ベータ・セイバーにいた頃のコードがありますので」
イルム「こっちの素性を誤魔化そうってのか?  そもそも、お前さんの識別コードは もう抹消されてるんじゃないの?」
アリエイル「多分、そうでしょう。 ですから、私ではなく、小隊長用のコードに 細工を加えて使用します」
イルム「駄目だったら、仕掛けるからな。 ハガネにも一報入れておけ」
アリエイル「了解です。コード、発信します」
(コードを発信すると、セイバーの機体が一瞬止まり、離脱していく)
リオ「離脱していく……」
アリエイル「こちらは秘匿任務で無線封鎖中である旨の 暗号発信をしました」
イルム「それをあっさり信じるのが怪しいね」
アリエイル「仰る通りです。 罠の可能性を念頭において行動すべきかと」
イルム「ああ、コースを変えるべきかどうか……」
アリエイル「ここでの戦闘は回避できましたが、 次は困難でしょう。ここは一刻も早く 輸送隊と合流すべきだと思います」
イルム「そうだな。 敵は連中だけじゃない……賭けに出るか」
(各機が加速する)


第34話
ダブル・インターセプト

〔戦域:暗礁宙域〕

(中央にペレグリンが2隻いる)
ラーダ「……遅れてしまいましたね。 鋼龍戦隊の出迎えは?」
連邦軍艦長「そろそろだと思うが…… さっき、レーダーに引っかかった連中が 気になるな」
ラーダ「ガイアセイバーズですね。 近づきもせず、離れていきましたけど……」
連邦軍艦長「こちらは避難民輸送船の識別コードを 出している。迂闊に手は出せんだろう」
ラーダ「彼らなら臨検をやりかねません。 それをしなかったということは、 何か裏があるのかも知れない……」
連邦軍艦長「いざとなれば、我々が説明する。 時間稼ぎにしかならないかも知れんが」
ラーダ「……すみません。 あなた方を巻き込んでしまって……」
連邦軍艦長「いや、鋼龍戦隊には恩があるからな」
(識別コード受信)
連邦軍艦長「む……ラーダさん、迎えが来たようだ」
(アーマリオン、アッシュ、フリッケライ・ガイスト、ウイングガスト改、AMガンナーが西端に出現)
アリエイル「輸送隊を目視で確認。 他の機体は確認できません」
イルム「やれやれ、最悪のケースは避けられたか」
イング「ですが、嫌な感じがします」
イルム「そいつは俺も同感だ。 もっとも、念動力じゃなく、勘だがな。 みんな、輸送艦の周りを固めろ」
(先遣隊が輸送隊の周りへ移動)
ラーダ「あれがエクスバイン・アッシュ……」
マリオン「本当にあの状態で使い続けているとは…… いい度胸ですわね」
ラーダ「でも、思っていたより 安定しているように見えますが……」
イルム「ラーダ、 ガイアセイバーズがこの辺りをうろついている。 すぐにここから離脱するぞ」
ラーダ「わかったわ」
(フリッケライ・ガイストに警告シグナル)
アリエイル「この反応は……!」
(南東側にベータ・セイバーが出現)
ドゥバン「浅はかだったな、アリエイル。 こちらに捕捉された時点で、さっさと コースを変えれば良かったものを」
アリエイル「それでは、輸送隊が危険にさらされます」
ドゥバン「お前達を泳がせたことで、あの輸送艦が 避難民などを乗せていないとわかった」
ドゥバン「そして、 積荷がお前達にとって重要な物であることも。 IFF発信が仇になったな」
イルム「だが、お前が深読みをしたおかげで、 こっちは先に輸送隊と接触することが出来たぜ」
ドゥバン「それで大義名分が成った。 鋼龍戦隊に与する者は同罪だ」
アリエイル「……イルム中尉、私がドゥバンを引き付けます。 その間に輸送隊を離脱させて下さい」
イルム「いや、敵の別働隊がいる可能性が高い。 ここは全員でしのぎ、ハガネの到着を待つ。 ドゥバンの目的を逆手に取ってな」
アリエイル「彼の目的……もしや」
イルム「そう、あいつはハガネにアルフィミィがいると 思ってるんじゃないか?」
アリエイル「なるほど……了解です」
(量産型ゲシュペンストMk-II・タイプCが出撃)
ラーダ「イルム、私も協力するわ」
イルム「ああ、助かるぜ」
ドゥバン「各機、アリエイルはおれに任せろ。 輸送艦は撃沈して構わん。かかれ!」
(作戦目的表示)

〈4PP or アレス・ガイストのHP70%以下〉

リオ「この反応……! ハガネが来てくれたわ!」
(ハガネが出現)
ドゥバン「ふん、思っていたより早かったな」
テツヤ「各機、出撃せよ!」
(出撃準備)
カイ「無事か、イルム!?」
イルム「まあ、何とか」
ドゥバン「……レッド・オーガが見当たらん。 もしや、奴は……」
アリエイル「アルフィミィはあの後、姿を消したままです。 当てが外れましたね、ドゥバン」
ドゥバン「ちっ、ならば!」
(敵機増援が出現)
イルム「案の定、伏兵を用意していやがったか」
テツヤ「各機、輸送艦を死守しろ!」
(作戦目的表示)

〈2 NEXT EP or アレス・ガイストのHP50%以下〉

(アラート)
エイタ「高速飛行物体、接近! 0時方向、仰角20!  数は1!」
(ガリルナガンが出現)
アーマラ「手こずっているようだな、ドゥバン」
ドゥバン「アーマラ、貴様の手を借りずとも……!」
アーマラ「こちらにも任務があるのでな」
ゼオラ「あれって、リョウト少尉からもらった データにあった……」
ラトゥーニ「ええ、コード“エビル”…… オルレアンでヒュッケバイン・シリーズを 破壊した機体」
リオ「あいつ、宇宙にいたの……!?」
リョウト「もしかして、イングを狙って……?」
イング「………」
マイ「この感じ……何?」
アヤ「念の力は感じられない……けど……」
ヴィレッタ「………」
アーマラ「フッ……」
(ガリルナガンから通信)
アーマラ「聞こえるか、鋼龍戦隊。 私はガイアセイバーズ、オメガ・セイバーの アーマラ・バートンだ」
リオ「やっぱり、ガイアセイバーズだったのね!」
カイ「オメガ・セイバー…… 聞き覚えはあるか、アリエイル?」
アリエイル「いえ……」
アーマラ「その裏切り者が知らぬのも無理はない。 オメガ・セイバーの存在は、 最近まで秘匿されていたからな」
アーマラ「私は全てのセイバーの頂点に立ち、 ハイ・パーソナルトルーパー、ガリルナガンと共に アルテウル司令の懐刀として動いている」
ラミア「ハイ・パーソナルトルーパーとは何だ?」
アーマラ「パーソナルトルーパーを 超越したパーソナルトルーパー……」
アーマラ「ヒュッケバイン・シリーズのデータと ガイアセイバーズで培われた技術を用い、 開発された機体だ」
アラド「なるほど、ハイパーなパーソナルトルーパーで、 ハイ・パーソナルトルーパーか」
カイ「お前は何故、ヒュッケバインを破壊し、 ブラックホール・エンジンと トロニウム・エンジンを持ち去った?」
アーマラ「ゲストに奪われるわけにはいかないからだ。 特にエンジンのコアはな。実際、私がああしなければ、 危ない所だっただろう?」
カイ「………」
イング「アーマラ・バートン…… テスラ研で僕を真っ先に狙った理由は何だ?」
アーマラ「お前がガイアセイバーズからの脱走者であり、 裏切り者だからだ」
アーマラ(……と言っておいた方が良かろう、ここではな)
イング(本当にそれだけなのか……?  僕の過去と何か関係があるんじゃないのか……?)
リュウセイ「あいつ、初めて見るのに 知ってるような気がする……」
ライ「既視感の類か?」
リュウセイ「理由はわからねえが、ヤバい感じが……!」
アヤ「私も……念とは違う圧迫感めいたものを……」
マイ「この感じ、覚えがあるような……」
ライ「アヤ大尉とマイも?」
リュウセイ「ライ、お前はどうなんだ?」
ライ「機体に既視感はあるが、 それはあれがヒュッケバインに似ているせいだろう」
リュウセイ「ともかく、あいつは危険なんだ。直感でそう思う」
ヴィレッタ「同感ね」
ライ(ヴィレッタ隊長まで そのようなことを言い出すとは……)
アーマラ(フッ、SRXチームか……)
アーマラ「ドゥバン・オーグ。 後は私に任せ、後退しても構わんぞ」
ドゥバン「ふざけるな。 ベータ・セイバーの不始末は、おれの手でつける」
アーマラ「イデアラントに拘っているだけだろうが。 無理をするな。命には限りがある…… 特にお前の場合はな」
アリエイル「……!!」
ドゥバン「何の話だ、アーマラ?」
アーマラ「戯言だ、気にするな。 退かぬのなら、私の邪魔をするなよ」
ドゥバン「貴様……」
アリエイル(ドゥバンはまだ真実に気づいていない……)
(作戦目的表示)

〈vs アーマラ〉

[リュウセイ]

アーマラ「狩ってやるぞ、SRXチーム!  お前達や鋼龍戦隊は、もう用済みだ!」
リュウセイ「てめえ、いったい何なんだ!?  この感じは何だってんだよ!」
アーマラ「ここで死ねば、そんなことを気にせずに済む!」

[アヤ]

アヤ「相手の念は感じない。なのに、何故……!?」
アーマラ「クククッ、 黙って狩られればいいのだ、お前達は!」

[マイ]

マイ「お前は、私達のことを知っているのか?」
アーマラ「無論だ。鋼龍戦隊のデータは把握している」
マイ「それだけじゃないはずだ……!」
アーマラ(フッ、さすがに鋭いな)

[ヴィレッタ]

ヴィレッタ(私は……彼女を、あの機体を知っている。 そんな気がする。だが、何故だ?)
アーマラ(フフッ……私の正体を知れば、 お前はさぞかし驚くだろうよ)

[アリエイル]

アリエイル「アーマラ・バートン!  あなたは知っているのですね、 イデアラントの真実を!」
アーマラ「さあ……何の話だ?」

[イング]

アーマラ「さあ、お前の本性を見せろ!  その継ぎ接ぎに初めて乗った時のようにな!」
イング「僕の本性だと……!?」
(戦闘)
アーマラ「フン、自在に力を引き出せないのか。 ならば!」
【デモムービー『アッシュを斧で攻撃するガリルナガン』】
(アッシュに爆煙。アッシュに1500のダメージ)
イング「うぐっ! 切り返しが速い!」
アーマラ「ハハハッ! 追い詰めてやる!  本気を出さなければ、死ぬぞ!!」
イング(くっ、アーマラの目的は……!?)
カイ「ガリルナガンがイングを狙っている!  近くにいる者は援護しろ!」

〈vs ドゥバン〉

[アリエイル]

ドゥバン「アリエイル、アーマラの言葉に心当たりがあるか?」
アリエイル「………」
ドゥバン「沈黙も答えだぞ。 言え! お前は何を知っている!?」
アリエイル「……知ったところで、どうにもならないことです」
ドゥバン「言わぬつもりか!  ならば、腕ずくで聞き出してやる!」

状況選択

アレス・ガイストのHPを20000以下にした
ガリルナガンのHPを150000以下にした


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