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繋がる縁 宇宙ルート ~ 第33話 ~

[ハガネ ブリッジ]

(扉が開閉する)
カイ「艦長、アクセル・アルマーを独房へ収容した」
テツヤ「どうでした、彼の様子は?」
カイ「意外にも大人しく従った。 幾度となく命のやり取りをした相手だが…… 以前より険が無くなっているような気がする」
テツヤ「そうですか……」
カイ「ところで、月やコロニーとは まだ交信できんのか?」
アヅキ「はい……」
カイ「月面の爆発光は?」
エイタ「40分程前、神酒の海上空で2つ…… 以降は確認されていません」
カイ「ふむ…… 勝敗の趨勢が決したとは思いたくないが……」
(アラート)
エイタ「レーダーに感あり!  高熱源体複数、1時方向、仰角15、レンジ6!  月方面へ向かう!」
エイタ「目標は戦艦クラス……該当データなし!」
テツヤ「ならば、ゲストかルイーナ……!  直ちに追撃する! 総員、第一種戦闘配置!  両舷前進第三戦速!」


第33話
繋がる縁

〔戦域:暗礁宙域〕

(ゲストが展開している宙域にハガネが出現)
エイタ「敵機動兵器、本艦の針路上に展開!  敵艦、加速しつつあります!」
テツヤ「月方面へ行かせるな! 対艦戦闘用意!」
(出撃準備)
カイ「エレーブ1より各機!  最優先目標は戦艦だ!  戦域から離脱させるなよ!」
(作戦目的表示)

〈6EP or ゼラニオを一隻撃墜〉

(アラート)
エイタ「高熱源体群、高速で接近!  10時方向、俯角20より真っ直ぐ!」
テツヤ「ゲストの増援か!?」
エイタ「はい! ただし、内1機は該当データなし!」
(ビュードリファーを含む敵機が出現)
セティ「あらあら、足止めを食らってると思ったら、 結構な大物が釣れてるじゃない」
ラトゥーニ「あの機体…… 形状と機動から高速戦闘用の物と推測します」
イルム「ああ、インスペクターのアギーハが 乗っていた奴と似てるな」
ライ「量産型でないのなら、 敵の指揮官クラスが乗っている 可能性が高いですね」
セティ「こっちは遠征だから、足を失うと困るのよ。 ま、それはそっちも同じでしょうけど」
(ビュードリファーが高速でハガネに近づく)
アラド「は、速い!」
(ビュードリファーが砲撃、ハガネに爆煙)
エイタ「うあああっ!!」
テツヤ「対空防御! 奴を近づけるな!」
カイ「ハガネの近くにいる者は直掩を!」
(ハガネにアラート)
アヅキ「艦長! 第5デッキ、ヴァイサーガが 発進態勢に入っています!」
テツヤ「誰が乗っている!?」
アクセル「……おれだ」
テツヤ「アクセル・アルマー! 何故、そこに!?  いや、いったいどうやって……!?」
アクセル「『向こう側』で脱けのスキルが上がったのさ、 これがな」
テツヤ「貴様、脱走する気か!?」
アクセル「棺桶の中で死ぬ気はない。 さっさとハッチを開けてもらおう」
ラミア「アクセル隊長!」
アクセル「それとも、壊されたいか?」
テツヤ「くっ……やむを得ん、ハッチを開けろ!」
(ヴァイサーガが出撃)
セティ「あら、そっちの援軍はたった1機なの?」
アクセル「……ラミア・ラヴレスの設定はキープ。 DFS、セミ・アジャスト。モーション・データは RTアレンジ。コンタクト」
ラミア「隊長、どこへ行かれちゃいます!?」
アクセル「言ったはずだ、棺桶の中で死ぬ気はないとな。 それに、ここで足を失うわけにはいかん。 地球へ戻れん現状では尚更、な」
ラミア「では……!」
アクセル「貴様らはさっさと敵艦を沈めろ。 新顔の相手はおれがしてやる」
(アクセルに『気迫』)
カイ「アクセル、お前は……!」
アクセル「指図は受けん。好きにやらせてもらう」
カイ(この状況ではやむを得んか)
カイ「エレーブ1より各機。 ヴァイサーガのIFFは友軍のままでいい」
ラミア「了解。 アクセル隊長、ヴァイサーガには私の設定が……」
アクセル「お前が扱っていたものを、おれが扱えんとでも言うか。 それに、元々こいつはシャドウミラーが 保有していた機体だ。問題はない」
ラミア「わかりました。お任せするでやんす」
テツヤ「ヴァイサーガを援護しろ!  AAWオート、撃ち方始め!」
セティ「……ちょっと気が削がれちゃったわね。 これ以上の単機突撃は禁物、か」
(ビュードリファー高速でが出現位置へ戻り、ヴァイサーガが高速で追う)
セティ「……相当の自信家みたいね。 そういうタイプ、嫌いじゃないわよ」
アクセル「お前達の先任者と組もうとしたこともあったが…… 所詮は相容れん者同士なのさ、これがな!」
(作戦目的表示)

〈ゼラニオを全隻撃墜〉

セティ「くっ、この短時間で ゼラニオが全て沈められるなんて…… 思っていた以上にやるわね、鋼龍戦隊!」
セティ「こっちも引き下がるわけにはいかなくなったわ!」
(セティに『気迫』、作戦目的表示)

〈vs セティ〉

[イルム]

セティ「あたしのビュードリファーに 追いつけるかしら?」
イルム「あの機体……乗っているのは アギーハみたいに気の強い女かもな」

[アクセル]

セティ「1機増えたところで、どうだって言うのかしら?」
アクセル捲土重来(けんどちょうらい)……いや、諦めが悪いだけか。 だが、この世界は新参者には手厳しいぞ!」

[HP25000以下]

セティ「こ、ここまで手こずるなんて……!  ウェンドロ達が敗れたのも無理ないわ」
セティ「でもね、あたし達は彼らと違うわよ!」
(ハガネにアラート)
エイタ「敵機接近! 1時方向、仰角80より真っ直ぐ!  数は1、レンジ3に侵入!」
エイタ「識別、ゲスト! 指揮官機タイプです!」
(西北端にライグ=ゲイオスが出現)
アヤ「こないだも現れた指揮官機……!」
リオ「もしかして、ロフ!?」
イルム「そうだとしたら、早急なお礼参りだな。 しかも、たった1機で」
セティ「あのライグは……!?」
ロフ「状況は不利だ。退け、セティ」
セティ「!! ロフ! ロフなの!?」
ロフ「……そうだ」
セティ「じゃ、じゃあ、司令が言ってた援軍って、 あなただったの!?」
ロフ「……ああ」
セティ「どうして事前に連絡を……いえ、それより!  何で黙って姿を消しちゃったのよ!?」
ロフ「そ、それは……」
アクセル「何だ?  加勢か、後詰めか……どっちなんだ?」
セティ「あの時、あたしは……!」
ロフ「それより、彼ら相手でこの状況を 覆すことは困難だ。退路は俺が確保する。 撤退しろ」
セティ「あたしが出張ってきて、この様じゃ ゼゼーナン司令に申し訳が立たないわよ……!」
ロフ「ここで人間の指揮官である君を 失うわけにはいかん」
セティ「……それだけ? 作戦上の理由?」
ロフ「俺個人の……要望でもある」
セティ「そう……わかったわ。退きましょう」
(ビュードリファーとライグ=ゲイオスが撤退。 残っている敵機が撤退
エイタ「敵機、撤退しました!  後続の反応、ありません!」
リョウト「あの指揮官機、高速戦闘型を迎えに来たのか……」
アクセル「引き際はいいが、無謀だな」
ラミア「隊長、他人のことは 言えたり言えなかったりしちゃうのです」
アクセル「……どっちだ。 おかしな口調は相変わらずだな。 色々な意味で懐かしい」
ラミア「は、はあ」
カイ「艦長、追撃するか?」
テツヤ「いえ、月近海へ進入する前に態勢を立て直します」
カイ「了解した」
テツヤ「全周警戒を厳となせ。各機を帰艦させろ」
アヅキ「了解!」

[ハガネ 格納庫]

カイ「アクセル・アルマー……」
アクセル「利害が一致しただけの話だ。 過去のことを忘れたわけでもないし、 許しを乞うつもりもない」
アクセル「無論、恩を着せる気もない。 シャドウミラーはお前達によって 壊滅したのだからな」
カイ「………」
イルム「あんた……何であのまま逃げなかったんだ?」
アクセル「逃げ場があれば、そうしていたさ」
イルム「同情ってわけかい?」
アクセル「いや、お前達があがく様を見てやろうと思ってな」
イルム「ふん、言ってくれるぜ」
ラミア「アクセル隊長…… 私達と共に戦って下さるのですか?」
アクセル「地球にあるソウルゲインを取り戻すためだ。 お前達と馴れ合うつもりはない」
カイ「……給料は出んぞ。 それに、艦内での行動には制限が付くと思え」
アクセル「好きにしろ。 用が済めば、こちらから出て行くさ」
イルム「……いいんですか、カイ少佐?」
カイ「今は少しでも戦力が欲しい。 艦長には俺から話しておく」

《月軌道外宙域》

(ゲスト艦 ブリッジ)

ゼゼーナン「……随分と遅い着任報告だな、 グロフィス・ラクレイン」
ロフ「申し訳ありません」
ゼゼーナン「しかも、ヘブンゲートの占拠に失敗するとは……」
ゼブ「司令、ア~ンノウンの動きが速かったんだ~から、 しょ~がないよ」
ゼゼーナン「鋼龍戦隊と戦うため、 故意に転移出現点を変更したという 報告を受けているが?」
ゼブ「ど~のみち、足止めは必要だ~ったでしょ」
セティ「それに、ロフが来てくれなければ、私は……」
ゼゼーナン「まあいい。 シャフラワース、お前は引き続き月面制圧作戦を 続行しろ。ムーンクレイドルを確実に抑えるのだ」
セティ「はっ」
ゼゼーナン「ラクレイン、お前にもう一度チャンスをやる。 フルシュワと共にヘブンゲートを奪還せよ。 以上だ」
ロフ「了解です」
(通信が切れる)
ゼブ「……司令、援軍はて~っきり正規軍だと 思ってい~たけど、何でロフが?  し~かも、あいつが傭兵って、初耳な~んだけど」
ゼゼーナン「奴が傭兵になった経緯など知らん。 ゴライクンルの紹介だ」
ゼブ(ゴライクンル……司令が懇意にしてる戦争商人ね。 ロフちゃん、そ~っち方面に行ってたとは……)
ゼブ(そ~れに、正規軍が来なかった理由…… も~しかして、枢密院絡みなのか~もね)


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