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流星と彗星 地上ルート ~ 第34話 ~

[ヒリュウ改 艦内(食堂)]

ルスラン「やれやれ、ようやくこの艦から降りられるか」
フィオナ「ヒリュウが浮上したら、あたし達のエクサランスで 皆さんを海岸までお送りします」
カーラ「あたしやコウタ達でガードするからね」
ルスラン「頼むよ、カーラちゃん」
レーツェル「……色々とすまなかったな、ルスラン」
ルスラン「ま、リマよりメキシコの方が知り合いも多いし…… ルイーナも現れてないんだろ?」
レーツェル「ああ、今の所はな」
ルスラン「諸々の請求は、落ち着いてからさせてもらうよ。 ルイーナや宇宙人がのさばってるままじゃ、 商売にならんしな」
トウマ「あの……ルスランさん」
ルスラン「何だ?」
トウマ「俺、この艦に残りたいと思ってるんです」
ルスラン「おいおい、 いくらAMバトリングの経験があると言っても、 正義の味方のバイト募集なんてやってないぜ?」
トウマ「この艦の人達が地球を危機から救うために 戦ってるのを見て、自分も力になりたいと……」
トウマ「ここでなら、本当にやりたいことが 見つかるんじゃないかと……そう思ったんです」
ルスラン「この艦は軍艦で……しかも、今はお尋ね者だ。 後戻り出来なくなるかも知れんぞ」
トウマ「それは……覚悟の上です」
ルスラン「と言っても、 この艦でお前の働き口なんてあるのかよ」
レーツェル「コウタやフィオナ達のような 民間人の協力者はいるが……特例中の特例だな」
フィオナ「トウマ、本気で働く気があるのなら…… あたしの会社で雇ってあげるわよ」
トウマ「え? 本当?」
フィオナ「その代わり、しばらくの間は雑用係よ。 あと、鋼龍戦隊と関わる以上、行動には 色々と制限がつくから。それでもいいかしら?」
トウマ「もちろん! よろしくお願いするよ!」
ルスラン「ま、頑張れよ、ルーキー」

[ヒリュウ改 艦内(メディカル・ルーム)]

イルイ「……私、この船から降りたくない……」
アイビス「イルイ……」
ツグミ「ヒリュウは軍艦なのよ。このまま乗り続けたら、 また戦いに巻き込まれてしまうわ」
クスハ「ルスランさんと一緒にいた方が安全よ。 それに、あなたの家族を捜してくれるし……」
イルイ「で、でも……」
ツグミ(過去の記憶がないんだもの…… 不安を感じて当然だろうけど……)
アイビス「ツグミ…… この子が望むんだったら、あたし達と一緒に……」
ツグミ「……駄目よ、アイビス。 今の私達は、連邦軍やガイアセイバーズに 追われている身だということを忘れたの?」
アイビス「う……」
ツグミ「ねえ、イルイ。 ルスランさんの所にいれば、また私達と会えるわ」
イルイ「………」
アイビス「……必ず会いに行くよ、イルイ……約束する。 だから……」
イルイ「……う、うん……」
アイビス「ねえ、ツグミ。 アルテリオンでイルイを送って行っていい?」
ツグミ「え? でも……」
クスハ「カーラやコウタ君達も一緒ですから、 大丈夫だと思いますけど……」
ツグミ「……わかったわ」

<海上を飛行しているエクサランス・レスキューなど>

ラウル「ルスランさん、あと5分程で海岸へ着きます」
ルスラン「わかった。 それにしても……快適だな、 エクサランス・レスキューは」
ルスラン「この救護ポッド兼キャビンなんか、 キャンピング・カー並の設備じゃないか」
ミズホ「ええ。搭乗者が3人ぐらいなら、 数日間過ごすことも出来ますよ」
フィオナ「ラージなんか、 たまにここでサボってたりしてますし」
ラージ「失礼な。 一人で集中して仕事をしたい時に 使っているんですよ」
ルスラン「こいつを参考にしてキャンピング・ポッドを 作れば、売れるかもな」
フィオナ「でしたら、 設計は当社のミズホ・サイキにお任せ下さい。 いい仕事しますよ」
(ランドグリーズ・レイブンが視界に入る)
カーラ「ねえねえねえ、本当に作ったら、 モニターはあたしにやらせてくんない?」
フィオナ「ユウと一緒に、じゃないの?」
カーラ「えへへ、まあね」
ルスラン「恋人とのデートを楽しみたいんなら、 ルイーナの次元断層を何とかしてもらわなきゃな」
カーラ「わかってるよ、ルスランさん。 あたし、頑張るから」
ルスラン「頼むぜ、カーラちゃん。 そろそろお天道様が恋しくなってきたしな」
(アルテリオンが飛行している)
アイビス「……イルイ、アルテリオンの乗り心地はどう?」
イルイ「………」
アイビス「そんな顔しないで。 ルスランさんの所にいれば、また会えるって 言ったでしょ?」
イルイ「………」
アイビス「……ね、イルイ。 もうちょっとアルテリオンで飛ぼうか」
イルイ「え? う、うん……」
アイビス「ラウル、あたし達、ちょっと寄り道していいかな」
ラウル「寄り道って、どこへ?」
アイビス「この辺りを飛ぶだけだよ。 みんなは先に行ってて。待たせないようにするから」
ラウル「いや、でも……」
デスピニス「アイビスさん、イルイちゃんを気遣って……?」
ルスラン「いいさ、少しだけなら」
コウタ「アルテリオン1機だけじゃ、心配だ。 俺も行こうか?」
アイビス「ううん。 Uターンして、また戻ってくるから大丈夫だよ」
フィオナ「気をつけて下さいね、アイビスさん」
アイビス「うん……じゃあ、行ってくる」
(アルテリオンがターンして飛び去る)


第34話
流星と彗星

〔戦域:海上〕

(東端にアルテリオンが出現し、少し西へ進む)
アイビス「……イルイ、そろそろ戻ろうか」
イルイ「うん……」
アイビス「本当は、星空の下を飛べれば良かったんだけどね」
イルイ「星空……」
アイビス「そう。あたしの夢は、このアルテリオンで 星の海を飛ぶことなんだ」
イルイ「アイビスの夢……」
アイビス「いつか叶えてみせるよ、きっと……」
イルイ「………」
イルイ「アイビス……一緒に飛べて、嬉しかった。 ありがとう」
アイビス「あたしこそ。 イルイと過ごせて、楽しかったよ」
(アルテリオンに警告シグナル)
アイビス「接近警報! このコードは!」
(大量のマスカレオンなどが出現)
アラセリ「ルイーナ戦でのデータ取りで出張ってきたが…… 面白い獲物が掛かったな」
アラセリ「もっとも、君にとっては僥倖だろうが」
スレイ「………」
アイビス「ベガリオン……! スレイ!」
スレイ(ようやく会えたな、アイビス……!)
アラセリ「このサイリオンをルイーナ戦以外で使うのは 望ましいことではないが……私にとっては、 今回が最後の任務となるからな」
アラセリ「さて、どうするか……」
アイビス「あの機体、データにない……新型機なの!?」
イルイ「ア、アイビス……!」
アイビス「大丈夫だよ、イルイ。みんなが来てくれた」
イルイ「え?」
(東端にヒリュウ改が出現)
スレイ「ヒリュウ改……!」
アラセリ「ほう、鋼龍戦隊の旗艦が現れたか。 相手が彼らなら、問題はあるまい。 確認をしておくか」
レフィーナ「彼らが例の……」
レーツェル「ええ、新型機や改修機を狙う集団です。 こちらとの交戦が目的のようですから、 仕掛けてくる可能性は高いでしょう」
レーツェル「しかも、向こうにはベガリオン…… スレイ・プレスティもいます」
レフィーナ「ですが、戦闘は極力避けたいと思っています。 まずは、アルテリオンを帰艦させて下さい」
ツグミ「アイビス、今の内よ!  早く戻って、イルイを降ろして!」
アイビス「了解!」
(アルテリオンがヒリュウ改の東側まで移動)
アイビス「グライド・スロープ、インターセプト。 これより着艦する!」
イルイ「あ、あの、アイビス……これ、受け取って……」
アイビス「ペンダント……?  受け取ってって……大切なものじゃないの?」
イルイ「いいの…… アイビスに持っていてもらいたいから……」
アイビス「イルイ……」
イルイ「お守りよ…… アイビスが星の海を飛ぶための…… 夢を叶えるための……」
アイビス「星の海……夢……」
アイビス「ありがとう、イルイ。ペンダント、大切にするよ」
(アルテリオンがヒリュウ改に隣接し、撤退)
レフィーナ「こちらは鋼龍戦隊司令、 レフィーナ・エンフィールド大佐です。 我々に交戦の意志はありません」
アラセリ「フッ、反乱者風情が何を言うか。 各機、攻撃開始だ」
スレイ「いいのか? 我らのターゲットは……」
アラセリ「今の彼らは、連邦軍やガイアセイバーズに 追われる立場だからな。許可が下りたよ」
アラセリ「これはボーナスだ。 ガイアセイバーズに対しても示しがつく。 君も決着をつけたい相手がいるのだろう?」
スレイ「それは……!」
アラセリ「フッ……まあ、いい。 今回は任務と君の個人的事情が一致したのだからな」
アラセリ「各機、撃て」
(ヒリュウ改に爆煙)
レフィーナ「!!」
ショーン「どうやら聞く耳を持っておらぬようですな」
レフィーナ「やむを得ません、応戦します!  各機は直ちに出撃を!」
(アルテリオンが出撃、出撃準備)
アイビス「ラウル、ルスランさん達は?」
ラウル「大丈夫、ちゃんと降ろしてきたよ」
スレイ「戻って来たか、アイビス……!」
ツグミ「スレイ!  今がどういう時か、あなたにもわかっているでしょう!  私達が戦ったって、何の意味もないわ!」
スレイ「意味はある! 戦う理由もな!  アイビスがアルテリオンに乗っている限り!」
アイビス「スレイ……あんたは!」
スレイ「お前では……ナンバー04のお前では、 兄様の夢を実現させることなど出来ない!」
アイビス「どうしてもあたしを認められないって言うの……!?」
ツグミ「スレイ……アイビスは成長し続けているわ。 だから、フィリオはアルテリオンをアイビスに託した」
スレイ「……!」
ツグミ「そして、あなたにはベガリオンを…… あの人は、それを望んでいたの」
ツグミ「アイビスとあなたの二人が揃って プロジェクトTDは完成するのよ……!」
ツグミ「それなのに、 アルテリオンとベガリオンが戦うなんて…… そんなこと、フィリオが望んでいたと思うの!?」
スレイ「黙れ!  兄様の傍にいながら、お前は……お前は!!」
ツグミ「!」
スレイ「兄様が不治の病にかかっていたとわかれば、 私は……!!」
ツグミ「私達の所へ戻って来てくれたの……?  アイビスとの確執を捨てて……」
スレイ「それは……」
ツグミ「フィリオはこう言っていたわ…… 自分のことを理由にするのではなく、 あなた自身の意志で戻って来て欲しいって……」
スレイ「黙れ!  シリーズ77は兄様と私の機体だ!  兄様の夢はナンバー01である私が受け継ぐ!」
ツグミ「スレイ……!!」
アイビス「……行くよ、ツグミ」
ツグミ「え?」
アイビス「口で言ってわからないなら、 あたしの力をスレイに示し、認めさせる……!」
アイビス「こんな所で立ち止まってなんていられない。 イルイにも約束したんだ、星の海へ行くって……」
アイビス「そのためにはルイーナの次元断層を 破らなきゃならない……あたしが目指すものは、 スレイのもっと向こうにあるんだ……!」
ツグミ「アイビス……」
アイビス「あたしは負けない。負けてたまるもんか……!」
ツグミ「わかったわ……!」
レーツェル「スレイの相手は君達に任せる。 我らは他の機体の相手をしよう」
レオナ「アイビス、 あなたの翼でスレイの妄執を断ち切るのよ。 今のあなたなら、きっと出来るわ」
クスハ「スレイさんは誤解していると思います…… それを解けるのは、アイビスさんしかいません」
アイビス「了解……! 行くよ、スレイ!」
スレイ「アイビス!  私とお前、どちらが兄様の夢を継ぐ者なのか、 力で思い知らせてやる!」
(作戦目的表示)

〈vs アラセリ〉

[アイビス以外]

アラセリ「サイリオンの初実戦…… 後々のこともある、あまり無茶は出来んが……」
アラセリ「相手がお前達なら、いいデータが取れる。 そして、それはガイアセイバーズへの手土産にもなる」

[アイビス]

アイビス「あの新型、速い!」
ツグミ「機首がカリオンに似てる……!  それに、あの運動性や速度……AXと同レベルの テスラ・ドライブを積んでいる……!?」
ツグミ「プロジェクトTDのノウハウを応用して作られた 新型リオン……それもβ系列の機体と見て 間違いないわ!」
アイビス「じゃあ、カリオンの後継機……!?」
ツグミ「おそらくね……!」
アイビス「くっ……!  あのリオンにフィリオの夢や願いは込められてない!  そんなのに負けるもんか!」

〈vs スレイ〉

[アイビス]

スレイ「アイビス!  流星の名の意味を思い出させてやる!」
アイビス「流星は闇に堕ちるんじゃない!  夜を切り裂いて飛ぶんだ!」
アイビス「アルテリオンは渡さない!  この翼は、あたしのものだ!」

[クスハ]

クスハ「スレイさん!  アイビスさん達と共に星の海を目指すことが、 フィリオさんの願いなんじゃないですか!?」
スレイ「テスラ研にいた時とは違う……!  兄様の夢を叶えられるのは、私しかいない!」

[レオナ]

レオナ「成すべきことを見失っているようね、スレイ」
スレイ「部外者のお前に何がわかる!」
レオナ「あなたのプライドは、妄執に変わってしまっている。 自分でもそれに気づいているのではなくて?」
スレイ「……!」

[レーツェル]

レーツェル「スレイ…… 君はまだナンバー01に固執しているのか?」
スレイ「何……!?」
レーツェル「フィリオがいなくなった今こそ、 君は気づかねばならない。彼の真意に……」
スレイ「黙れ……!  私は……私は……!」

状況選択

龍人機が出撃していて
  サイリオンのHPを22000以下にした
  サイリオンを撃墜した
  ベガリオンのHPを20000以下にした
龍人機が出撃していなくて
  サイリオンのHPを22000以下にした
  サイリオンを撃墜した
  ベガリオンのHPを20000以下にした


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