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漆黒の虎、氷の白刃 地上ルート ~ 第35話 ~

[ヒリュウ改 艦長室]

アイビス「イルイを艦から降ろせなかったのは、 あたしのせいなんです……」
アイビス「せめて、あの子の記憶が戻るまでは…… それが駄目なら、次の作戦が終わるまで……」
レフィーナ「わかりました。今、彼女を降艦させるための時間は 取れませんし……本人があなた達といることを 望んでいるのなら、特別に乗艦を許可します」
アイビス「本当ですか!?」
レフィーナ「ただし、私達と行動を共にする以上、 彼女も危機に晒されることになります。 そのことを忘れないように」
アイビス「は、はい」

[ヒリュウ改 艦内(食堂)]

タスク「じゃあ、あの子、このままヒリュウに乗るんだ」
アイビス「うん、みんなもよろしくね」
タスク「ああ、可愛い子ちゃんは大歓迎さ」
フィオナ「デスピニス、歳も近いことだし、 話し相手になってあげてね」
デスピニス「はい、わかりました」
ラッセル「でも、今頃、彼女の家族が 心配しているんじゃないでしょうか……?」
コウタ「名前はわかってるんだから、 そこから検索とか出来ねえのかよ?」
タスク「そうそう。見た感じじゃ、いいトコの お嬢さんっぽいし……捜索願いとか出てないの?」
アイビス「調べてはみたんだけど、めぼしい手掛かりは なかったんだ……それに、もしかしたら あの子を捜す人はもう……」
フィオナ「こんなご時世だもの、 そのケースはあり得るわね……」
タスク「下手すりゃ、天涯孤独の身ってことか……」
デスピニス「それは……とても不安です……。 私もそうでしたから……」
アイビス「この戦いが終わって…… もし、イルイの行く所がなかったら、 あたしが何とかするよ」
タスク「随分と肩入れするんだな」
アイビス「うん、あの子を助けたこともあるしね……」
(扉が開閉する)
ブリット「……みんな、そろそろブリーフィングが始まるぞ」
タスク「ああ、わかった」

[ヒリュウ改 ブリーフィング・ルーム]

レフィーナ「本艦はまもなく北極海に到達します。 現状、ルイーナは北磁軸極周辺を中心とし、 戦力を展開しています」
レフィーナ「連邦軍は三手に分かれ、グリーンランド海、 バフィン湾、クィーン・エリザベス諸島南部から 進攻します」
レフィーナ「そこで、 我々はボーフォート海から北極点方面へ迂回し、 北磁軸極周辺へ突入します」
キョウスケ「それだと、遠回りになりませんか?」
エクセレン「まずは、連邦軍のお手並み拝見ってことじゃない?」
レフィーナ「いえ、無用な混乱を避けるためです。 そして、戦局を見極めた上で、我々が北磁軸極へ 突入するかどうかを決定します」
ジョッシュ「なら、何もせずに撤退することも あり得るわけですか?」
レフィーナ「ええ」
ジョッシュ「しかし、それでは……」
レーツェル「我々の参戦はイレギュラーなのだ。 連邦軍やガイアセイバーズから 刃を向けられる可能性もある」
レフィーナ「独断専行は禁物ですよ、ジョッシュ。 あなたやあなたの機体に万一のことがあれば、 元も子もなくなるのですから」
ジョッシュ「……わかっています」
レフィーナ「我々の目的は次元断層や セプテンプルムと呼ばれるものに 関する情報の収集です」
レフィーナ「なお、途中で連邦軍やガイアセイバーズと 接触した場合は、速やかに撤退します。 各員、くれぐれも軽率な行動を慎むように」
ジョッシュ(撤退、か……。 だが、このチャンスを逃したら……)
エクセレン「入り込む隙さえ見つかれば、後は何とかなるわよ」
ジョッシュ「え?」
エクセレン「突入作戦は鋼龍戦隊の得意分野だし、 分の悪い賭けになればなるほど、 燃える人もいるしね」
ジョッシュ「誰なんです?」
エクセレン「うちの隊長。あと、カチーナ中尉にボスとかね」
ジョッシュ(……分の悪い賭け、か……)


第35話
漆黒の虎、氷の白刃

〔戦域:ボーフォート海周辺〕

(ヒリュウ改が南端に出現し、少し北へ進む)
ショーン「現在位置、ボーフォート海、NW0816。 北極海にだいぶ入り込みました」
レフィーナ「この辺りの空は、少し明るいのですね……」
ショーン「太陽光が遮られておりますから、 白夜というわけではないでしょうが…… セプテンプルムと何か関係があるのかも知れませんな」
レフィーナ「一刻も早く陽の光を取り戻さなければ…… 多くの人々が絶望の淵に落ちれば、ルイーナは 労せずして目的を果たしてしまいます」
ショーン「ここは連邦軍の奮闘に期待したい所ですな」
レフィーナ「予定通りなら、進攻を開始した頃合いですね」
ショーン「ええ。おそらくは、ガイアセイバーズも……」

泰北「ふむ、来おったな」
「師父……本当によろしいのですね?」
泰北「うむ、それが光龍の意志じゃ。添うてやれい」
「しかし、巫女が あの船に乗っておられるのなら………」
泰北「神僕が現れれば善哉、 (しこう)して青龍を取り戻せれば、なお善哉」
「承知致しました。 まずは様子を見たいと存じます」
泰北「お主の思うままにするがよい」
「はっ。では」
(妖機人多数が出現、ヒリュウ改にアラート)
ユン「艦前方にデモン出現!」
レフィーナ「こんな時に……! 各機、直ちに出撃!  ただし、エール・シュヴァリアーと ブランシュネージュは後の作戦に備え、待機!」
(龍人機とブリット機が出撃、出撃準備)
カチーナ「チッ、ああいう奴らはちょいと苦手なんだよな」
ラッセル「そう言えば、宇宙おたまじゃくしと戦った時も そんなことを……」
カチーナ「言うな! 思い出しちまったじゃねえか!  魚系が特に駄目なんだよ、あたしゃ!」
コウタ「へえ、意外だな。 怖い物なしかと思ってたぜ」
カチーナ「人間、誰にも弱点はあるんだよ」
エクセレン「ま、カチーナ中尉の 数少ないチャーム・ポイントでもあるわよねぇ」
カチーナ「数少ないって言うな!」
ブリット「……クスハ、嫌な予感がする。気をつけるんだ」
クスハ「うん……ブリット君も」
レフィーナ「ここで足止めされるわけにはいきません。 早急に妖機人の撃破を!」
(作戦目的表示)

〈ヒリュウ改が被弾〉

ショーン「艦長、 損傷部の応急措置は短時間で終わるようです」
レフィーナ「あ、あんなものを至近距離で見るなんて 耐えられない……」
ショーン「艦長?」
レフィーナ「あ、いえ…… 弾幕をもっと厚くし、敵を近づけさせないように」
ショーン「了解です」
(作戦目的表示)

〈6EP or 敵機10機以上撃墜〉

泰北「ふむ……なかなかやりおるのう」
「では、彼らを出します」
泰北「うむ」
(ブリット機に念動感応)
ブリット「! この感じは!?」
(西端に虎王機が出現)
クスハ「あ、あれは!!」
ブリット「虎王機!!」
虎王機「………」
クスハ「で、でも、色が!」
タスク「黒くなってやがるぜ!」
(東端にマガルガが出現)
ククル「其は罪科の色……」
ゼンガー「むっ、ククルか!」
ククル「主の恩寵を忘れ、 俗人に身を許した罪……その穢れぞ」
ブリット「俺達と一緒に、人界を護るために戦ったことが 罪だと言うのか!」
ククル「その通り。 虎王機はあるべき姿、然るべき立場に戻ったのじゃ」
クスハ「あの色……私には、あなた達が虎王機を 無理矢理ねじ伏せた証のように見えます!」
ククル「何……?」
クスハ「虎王機は四神、白虎の超機人…… その色が失われた状態が、あるべき姿だなんて おかしくないですか!」
ククル「………」
泰北「ふむ、理にかなっておるのう。 あの青龍の少女、夏喃が目を付けただけのことは あるか」
ブリット「……そもそも、虎王機を強制的に連れて行ったこと 自体が怪しい。お前の上にいる者が正当な主なら、 虎王機も龍王機も素直に従ったはずだ!」
ククル「………」
泰北「白虎の強念者は真直な気を持っておるの。 善哉、善哉」
ククル「……其は、そなたらの理。 全ての超機人は、我が主の眷族…… 青龍と白虎は、愚かにもそれに逆らっておるのじゃ」
ゼンガー「虎王機と龍王機は、 クスハとブルックリンと共に 人界を脅かす敵と戦ってきた……」
ゼンガー「俺もこの目でそれを見た。 人外の理など、我らには通用せんぞ」
ククル「人外…… ふっ、そうじゃな。今の妾は然り」
ゼンガー(何……?)
ククル「じゃが、他の四神の超機人は、我が主に従っておる。 道を誤っておるのは、青龍と白虎の方じゃ」
ククル「現にそなたらは超機人の色どころか、 姿を歪めておるじゃろうが」
クスハ「そ、それは……!」
ブリット「惑わされるな、クスハ。 龍人機を信じるんだ、今までそうしてきたように」
ブリット「俺も虎王機を信じる……そして、取り戻す」
クスハ「ブリット君……!」
タスク「黒くなって出て来たってのが、 いかにもって感じのパターンだからな。 ありゃ、確実に向こうで何かやっただろ」
コウタ「そうだ…… Gサンダーゲートも出て来た時は黒かった。 その後は、知っての通りだぜ」
クスハ「わかったわ……虎王機を取り戻しましょう!」
ククル「それはこちらの台詞じゃ!  白虎よ、そなたは青龍を! 妾はあの天鳥船を!」
(マガルガから砲撃、ヒリュウ改に爆煙)
レフィーナ「!!」
ショーン「フレーム20左舷! 直撃です!」
イルイ「あ、あああ……」
トウマ「大丈夫だ、イルイ。みんなを信じるんだ」
イルイ「う、うん……」
ゼンガー「ヒリュウの近くにいる者は、ヒリュウを護れ!  ブルックリン、お前は虎王機を抑えろ!」
ブリット「了解!  クスハ、俺が虎王機を説得してみる!  援護してくれ!」
クスハ「わかったわ!」
(作戦目的表示)

〈vs 虎王機〉

[ブリット]

ブリット「まず虎王機の動きを止めなければ……!」

[クスハ]

クスハ「何とかして虎王機の動きを止めなきゃ……!  龍人機、力を貸して!」

[説得(ブリット)]

ブリット「虎王機、俺の声を聞け!」
虎王機「………」
ブリット「お前は人界を守護する超機人なんだろう!?  そのために、俺の力を必要としたんだろう!?  そのことを思い出してくれ!」
虎王機「………」
ブリット「応えないのか……!  だが、俺はお前を……初めて出会った時、 俺とクスハに言った言葉を信じる!」
ブリット「お前に掛けられた呪縛、 力尽くでも解いてみせるぞ!」

[クスハ]

クスハ「お願い、応えて!  私やブリット君、龍人機に!」
虎王機「………」
クスハ「あなたが妖機人と一緒に 私達の世界へ災いをもたらすなんて…… そんな姿、見たくない……」
クスハ「だから、私はあなたを止めますっ!」

〈vs ククル〉

[ゼンガー]

ゼンガー「ククルよ、お前もかつては人だったのか?」
ククル「……!」
ゼンガー「もしや、お前も虎王機と同じく……」
ククル「黙れ!  妾の邪魔をするなら、そなたから先に 打ち倒してやろうぞ!」

〈4 NEXT PP or 虎王機のHP10000以下 or マガルガのHP16000以下〉

ジョッシュ(……何だ?  この……俺の中に別の誰かがいるような感覚は……?  冷たく、暗い……これは……?)
ジョッシュ(シュンパティアのシンクロ・ゲージに乱れが…… 近づいているのか……?)
リム(リアナ)「どうしたの、アニキ?」
ジョッシュ「リム……シンクロ・ゲージはどうだ?」
リム(リアナ)「特に異常はないけど……」
(ヒリュウ改にアラート)
ユン「飛行物体群、接近! 0時方向より真っ直ぐ!  識別……ルイーナです!」
(ファービュラリスが出現、ルイーナ機が出現)
グラキエース「やはり、あの艦か。 人間め、このような所からも攻め込んでくるとはな」
リム(クリス)(あの人……グラキエース……!)
ジョッシュ「ブリッジ!  エール・シュヴァリアー、出るぞ!」
リム(リアナ)「あ、あたしも!」
ユン「艦長、 ジョッシュとリムが出撃許可を求めています」
レフィーナ「………」
ショーン「相手があのメリオルエッセなら、 出した方がよろしいでしょう。 新たな情報が得られるかも知れません」
レフィーナ「……わかりました。出撃を許可します」
(エール・シュヴァリアーとブランシュネージュが出撃)
グラキエース(やはり、いたか。 だから、あの艦の位置がわかった)
ジョッシュ(さっきの感じは、お前だったのか……?)
グラキエース(あの人間は、私の思念を読む。 危険だ。早急に排除しなければならない。 そのために私はここへ来た)
ジョッシュ(待て!  何故、俺とお前だけがこうなるんだ!?  お前は何か知っているのか!?)
グラキエース(戸惑い、怒り……これはあの男の感情か。 ジョシュア・ラドクリフ…… 何故、私はそれがわかる?)
グラキエース(いや、その理由を探ってはならない。 ただ排除するのみ)
ジョッシュ「グラキエース、答えろ!」
リム(クリス)(お、お兄ちゃん!?)
グラキエース(………)
ジョッシュ(暗さと冷たさが増した……?  心を閉ざしたのか……?)
ククル「ちっ、彼奴らが現れるとは!」
「この状況でも神僕は姿を現さぬのか……」
泰北「現す必要がないのかも知れんのう」
「……師父、 ここで彼らと事を構えるのは避けるべきかと」
泰北「ワシは既に目的を果たした。 お主の思うままにするがよい」
「はっ、では。 ……ククル、虎王機、退いてくれ」
ククル「承知した」
(マガルガと虎王機が撤退。残っている妖機人が撤退)
ブリット「虎王機!!」
キョウスケ「追うな、ブリット。 目の前にルイーナがいる」
ブリット「くっ……!」
ジョッシュ「グラキエース、俺達は先へ進む……!  陽の光を取り戻すために」
コウタ「ああ、お天道様が顔を出しゃあ、 希望の光ってのも見えてくるってもんよ!」
カーラ「そうだよ、あたし達は諦めない!」
グラキエース「その感情が潰えた時、 絶望と苦しみがいや増すだろう。 そして、我らはそれを糧とする……!」
(作戦目的表示)

〈vs グラキエース〉

[ジョッシュ]

ジョッシュ「くっ、またシュンパティアが……!  それに、この感じ……こないだとは違う……!?」
グラキエース「……!」
ジョッシュ(何故だ?  あいつが心を閉ざしても、何故こんな……!)

[HP20000以下]

グラキエース(くうっ、ファービュラリスが……!  閉ざしても、あの人間が近くにいるだけで 機能が損なわれるのか……!?)
グラキエース(前より悪化している……何故だ……!?)
ジョッシュ(少し開いた……!? あいつが、俺に……!)
グラキエース(この現象……やはり確かめねば……!)
(ファービュラリスに通信)
ウンブラ「戻れ、グラキエース。 お前一人でその者達と戦うのは危険だ」
グラキエース「ウンブラ……!」
ウンブラ「人間達の一部隊が、 こちらへの強行突破を目論んでいる…… それが本命のようだ」
ウンブラ「戻って、私と共にセプテンプルムの防衛を」
グラキエース「わかった……」
(ファービュラリスが撤退。残っている敵機が撤退)
ジョッシュ「待て、グラキエース!」
ユン「メリオルエッセ機、高速で戦域から離脱!」
ショーン「北磁軸極の方角ですな。 いかがします、艦長?」
レフィーナ「………」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

レフィーナ「副長、ここから北磁軸極へ向かった場合、 連邦軍部隊と接触する可能性は?」
ショーン「こちらは逆の方向から進入しておりますから、 鉢合わせをすることはないと思いますが……」
ショーン「目指す所は同じなのです。 北磁軸極で三すくみ……いえ、ルイーナを入れて 四すくみというケースはあり得ますな」
レフィーナ「………」
ショーン「虎穴に入らずんば虎児を得ずと言います。 それに、ジョッシュとグラキエースのことも 気になりますな」
レフィーナ「わかりました。 本艦はこのまま北磁軸極へ突入します」

REPORT
強化パーツ『ねじりハチマキ』を入手しました。


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