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呼応する偽核 宇宙ルート ~ 第32話 ~

[ハガネ ブリッジ]

テツヤ「確認された爆発光の位置は、 月面都市や連邦軍基地とほぼ一致しました。 仕掛けたのは、ゲストです」
カイ「地球が封鎖されたのを好機と見て、動いたか。 現在の状況は?」
テツヤ「戦闘は現在も続行中です。 爆発光は散発的になってきていますが……」
ヴィレッタ「ゲストの目的がインスペクターと同じなら、 拠点は極力無傷で抑えようとするだろうが……」
イルム「連邦軍側も始めて戦う相手じゃないですからね。 戦況は一進一退って所でしょう」
イルム「ただ、ロフが最初からいた戦力じゃなく、 敵本国からの増援だとしたら…… 物量で押し切られる可能性はありますね」
カイ「……どうする、艦長?  このままヘブンゲートへ向かうか、 それとも月へ行くか」
テツヤ「………」
(アラート)
エイタ「レーダーに感あり!  高熱源体多数接近、0時方向、仰角15より 真っ直ぐ!」
テツヤ「その方向は……ヘブンゲートか!」
エイタ「識別! ルイーナです!」
ヴィレッタ「ヘブンゲート方面から彼らが来たということは……」
テツヤ「ともかく、敵を迎撃する!  総員、第一種戦闘配置! カイ少佐、出撃を!」
カイ「ああ、了解した!」


第32話
呼応する偽核

〔戦域:宇宙空間〕

(ハガネは出撃済み)
テツヤ「本艦はこの位置で固定。 各機は前方のルイーナ機を撃破し、 本艦の針路を確保せよ!」
(アッシュとフリッケライ・ガイストが出撃、出撃準備)
イング(この戦域に漂う気配……何だ……?  誰かに見られている……?)
カイ「エレーブ1より各機。 ここで手間取るわけにはいかん。 速攻で突破口を開くぞ!」
(作戦目的表示)

〈敵機全滅〉

エイタ「目標群、全機撃墜!」
テツヤ「各機、全周警戒を厳となせ」
ラミア「……先程の敵はヘブンゲート方面から到来した。 もしや、あそこは既に……?」
アリエイル「その可能性は……否めません」
イング「………」
リオ「どうしたの、イング?」
イング「……まだこの戦域に何かがいるような気配が……」
リオ「え? でも、センサーには何も……」
リョウト「アッシュのT-LINKシステムに 反応があるの?」
イング「そういうわけではありませんが、 地上にいた時と感覚が違って……」
イルム「宇宙に出ると、五感が敏感になるって話はあるがな」
アラド「そうなんスか?  おれはあんまり変わりませんけど」
ゼオラ「それはあなたが鈍感なだけでしょ」
マイ「実は私も……そんなに変わらない」
ゼオラ「えっ、そうなの?」
イルム「地上と宇宙で感覚が変わらんのなら、 それはそれで凄いってことになるぜ。 空間把握能力の面でな」
(ハガネにアラート)
エイタ「レーダーに感あり! 高熱源体、複数接近!  10時方向、俯角20より真っ直ぐ!  まもなくレンジ3へ進入!」
テツヤ「またルイーナか!?」
エイタ「いえ、違うようです!」
テツヤ「識別急げ!  各砲座、各機、迎撃用意!」
(フリッケライ・ガイストに警告シグナル)
アリエイル「! このエネルギー反応は……」
(敵機が出現)
ドゥバン「フッ、反逆者と脱走者がこんな所にいるとはな」
アリエイル「ドゥバン!」
イング「ガイアセイバーズ……!」
アリエイル「ベータ・セイバーは 宇宙へ上がっていたのね……!」
ドゥバン「そう、南極での作戦を上空からサポートするためにな。 お前達こそ、宇宙で何をしている?」
アリエイル「私達はヘブンゲートを目指し、移動していたのです」
ドゥバン「大統領を殺害したお前達が、か?  出向くべき場所を違えているぞ」
リュウセイ「あれは濡れ衣なんだよ!  そもそも、あのタイミングで大統領機を 発進させたこと自体が……」
ドゥバン「何をほざこうと、 大統領が死亡した事実は変わらん」
リュウセイ「う……!」
リョウト「僕達のせいで大統領が……そのことは……」
ドゥバン「速やかに武装解除し、投降しろ。 従わぬ場合は、攻撃を開始する」
ライ「それがお前の最優先事項か?  地球が消失したという異常事態を 何とも思っていないのか?」
ドゥバン「無論、由々しき事態だと認識している」
アヤ「だったら!」
ドゥバン「外敵は我らガイアセイバーズの手で駆逐する。 お前達こそ、この事態を憂慮するなら、 さっさと投降しろ」
ドゥバン「おれはヘブンゲートへ急がねばならん…… 時間がないのでな」
アリエイル「なら、私達に構わず行けばいいでしょう?」
ドゥバン「黙れ、アリエイル。 おれは、お前に最後のチャンスを与えてやっている」
アリエイル「え……?」
ドゥバン「今、投降すれば、お前の罪が軽減されるよう おれからも働きかけてやる」
ドゥバン「それがたった2人の…… 同じイデアラントとして出来る配慮だ」
アリエイル「ドゥバン……」
ドゥバン「ただし、イング……お前の身柄は保証せんぞ」
イング「……僕の気持ちは変わらない。 お前には従わない」
ドゥバン「ふん……では、指揮官の見解を聞こうか」
テツヤ「本艦が大統領機に衝突し、破壊してしまった 事実は認める……だが、そこに至るまでの 経緯には、疑義が多々ある」
テツヤ「それ以前に、現状のGS特権は連邦軍への命令を 保証するものではない」
テツヤ「故に我々は、然るべき筋を通し、 然るべき場所にて、責に対する申し開きを行うと 述べ、大統領への直接説明も希望した」
テツヤ「だが、大統領があの場にいたにも関わらず、 アルテウル・シュタインベックは それを拒否したのだ」
テツヤ「そして、ガイアセイバーズは一方的に戦端を開き、 交戦状態の中、大統領搭乗機を発進させた。 あの状況では、危険かつ不自然な措置だ」
ドゥバン「何か裏があるとでも言いたいのか?」
テツヤ「ああ。アルテウルの本当の目的は、大統領暗殺…… そして、我々をその犯人に仕立て上げることでは なかったのか?」
ドゥバン(ふん……あの男なら、やりかねんがな)
テツヤ「あの時のガイアセイバーズの艦隊陣形は、 意図的に我々を特定方向へ離脱させるべく 組まれたとも思える」
テツヤ「そして、その先へ都合よく現れたアーチン…… 何故、ゲストが威力偵察用の機体だけを 送り込んで来たのだ?」
ドゥバン「奴らの都合など知ったことか」
テツヤ「アーチンはDC戦争前後から現れていた。 ろ獲し、運用することも出来る」
ドゥバン「たくましい想像力だな。 そんな筋書きなど、どうとでも作れる」
テツヤ「ならば、人々はガイアセイバーズが 作り上げ、公表した話を信じているとも言える」
ドゥバン「ほざくな。 先程も言ったが、お前達が大統領を 亡き者にしたという事実は翻らんぞ」
テツヤ「今は叛乱者の汚名を被ろうとも、 然るべき場所で真実を明らかにしてみせる。 そして、その後で犯した罪に対する裁きを受けよう」
ドゥバン「……つまり、降伏勧告を拒絶するのだな?」
テツヤ「そうだ」
ドゥバン「アリエイル、お前もそうか?」
アリエイル「ええ。 ガイアセイバーズは危険な存在です。 大統領の件で、それを一層確信しました」
ドゥバン「だが、イデアラントであることを捨てられはせんぞ。 そして、おれとお前が揃わなければ、 プロジェクト・イデアランツは完遂できん」
アリエイル「でも、私達だけでは!」
ドゥバン「ファウ・ケルンだ…… あれの力を最大限に引き出せれば、 おれ達の本懐は成就する!」
アリエイル「あなたの、でしょう!  その考えが危険なのです、ドゥバン!」
ドゥバン「押し通す!  各機、攻撃開始! 奴らをねじ伏せろ!」
カイ「艦長、向こうが動き次第、迎撃する。構わんな?」
テツヤ「やむを得ません。 ただし、ここでの損耗を避けるため、 本艦は現戦域からの離脱を試みます」
カイ「了解した。 離脱コースが確定次第、針路を確保する。 各機、ハガネからあまり離れるなよ」
(作戦目的表示)

ドゥバンとアリエイルが
戦闘した 戦闘しなかった


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