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アイス・ドール 地上ルート ~ 第32話 ~

[ヒリュウ改 艦内(通路)]

ヒューゴ(このままでは…… 受け身になっていては、埒が明かない)
ヒューゴ(ミタールの真意を…… ツェントル・プロジェクトの正体を 見極めるためには……)
アクア「……どうしたの、ヒューゴ。 いつになく思い詰めた顔をして」
ヒューゴ「何でもない」
アクア「また、その手の返事?  悩んでることがあったら、相談してよ。 パートナーなんだから」
ヒューゴ「……お前は、TEアブゾーバーの オペレーションのことだけを考えていればいい」
(足音・ヒューゴが立ち去る)
アクア(はああ……この調子じゃ、キョウスケ中尉と エクセレン少尉みたいなコンビになることなんて、 到底無理かも……)

[ヒリュウ改 艦内(食堂)]

ルスラン「10歳ぐらいの女の子? はて……」
カーラ「名前はイルイっていうんだけど」
ルスラン「トウマ、ホテルの客のリストは?」
トウマ「そもそも、子供連れのお客さんは いないんですが……」
クスハ「あの……イルイちゃんの服は 濡れて、乾いた形跡があったんですが……」
ユウキ「海上で遭難して、 コモディン島へ流れ着いたとでも?」
ルスラン「ヒリュウ改が来る前日は嵐だったからな。 可能性がゼロだとは言い切れん。 トウマもそうだったし」
クスハ「えっ?」
ユウキ「本当なのか?」
トウマ「ああ。マグロ漁船に乗ってて、遭難してね……」
ルスラン「ともかく、事情はそのイルイって子に 直接聞いた方がいいんじゃないか?」
カーラ「それが……記憶を失ってるみたいなの。 島に来る前のことは覚えてないって……」
ルスラン「何? そりゃ、本当か?」
カーラ「うん、身元がわかる物もなくてね。 それで……ルスランさんがこの艦から降りる時に あの子も連れて行って欲しいんだ」
カーラ「出来れば、家族がどこにいるか、その調査も……」
ルスラン「カーラちゃんの頼みなら、断れないな。 わかった、何とかしよう」

[ヒリュウ改 艦内(メディカル・ルーム)]

イルイ「ごめんなさい…… 肝心なことを思い出せなくて……」
アイビス「ううん、謝ることなんてないよ」
ブリット「焦る必要もないさ。 その内、何かのきっかけで記憶が戻るかも知れないし」
ブリット「それに、この艦に乗っていれば大丈夫だ。 みんなが君を守ってくれる。だから、安心してくれ」
イルイ「うん……」
ツグミ「もうすぐブリーフィングの時間よ。 行きましょう」
アイビス「じゃあね、イルイ。また後で顔を出すよ」

[ヒリュウ改 ブリーフィング・ルーム]

ギリアム「ジェイコブ・ムーア中将からの新情報によれば、 南極大陸そのものも次元断層に覆われ、 攻撃、侵入が不可能……」
ギリアム「現在、連邦軍とガイアセイバーズが 南米パタゴニアを中心として、ルイーナとの 戦闘を繰り広げている」
ギリアム「さらに、北極のクイーン・エリザベス諸島周辺に 敵機動兵器群が複数出現し、人間の侵入を 拒んでいる」
ジョッシュ(北極……北の果て……)
キョウスケ「ルイーナは何故、北極に?」
ギリアム「その問いに答える前に、 まず我々が直面している異常事態…… それに関する最新の推論から述べよう」
ギリアム「端的に言えば、次元断層は地球周辺の空間を 切り取り、丸ごと異次元へ落とし込むことで 元の次元から地球そのものを切り離している」
ギリアム「もっとわかり易く説明すれば…… 紙の上に地球の絵を描き、その周りを一部だけ つないだ状態で切り、下へ折り込む」
ギリアム「そうすれば、地球からは紙の表面が見えなくなる。 その逆も然りだ。紙の表面……つまり、宇宙から 見れば、地球の姿は消えていると思われる」
タスク「何かわかるような、わからないような……」
コウタ「俺はさっぱりわからねえよ」
ラージ「あくまでも概念的な話ですが…… 地球を切り抜いた後の孔は見えているのでは?」
ギリアム「その可能性はある。 また、ルイーナが何らかの手段で それを塞いでいることも考えられ得る」
エクセレン「どのみち、今の私達は地球の外に 出られないんだから、そこにツッコミを 入れてもしょうがないわね」
ラージ「ええ、まあ……仰る通りです」
ラウル「待てよ、さっきの紙の話…… 一部だけつながってるってことは……」
ツグミ「地球は、完全に異次元の中へ 切り離されたわけではない……と?」
ギリアム「諸々の事象を鑑みて、そう推測されている」
ギリアム「また、ルイーナが人類全てを破滅させる気であれば、 宇宙にいる者達も標的となり得る」
ギリアム「つまり、彼らは宇宙への移動手段…… 次元断層の突破手段を確保している可能性がある」
レーツェル「それが南極と北極に存在していると言うのか?」
ギリアム「ああ。加えて、地球を包む次元断層は、 南極と北極に設置された何らかのジェネレーターに よって、維持されているという説もある」
カチーナ「じゃあ、片方をブチ壊せば、 次元断層は消えるかも知れねえってのか」
ユウキ「……そう簡単な話ではないと思います。 両方を破壊しなければならない可能性もありますし」
ゼンガー「北極もまた南極大陸のように 次元断層で覆われる可能性は?」
ギリアム「あり得るが、北極で同じような現象が起きたという 報告は、まだ入って来ていない」
レフィーナ「連邦軍は、何らかの対策を立てているのですか?」
ギリアム「ええ、ガイアセイバーズとの連係による 北極海への突入作戦が進行中です」
ギリアム「そして、この件は既に民間へ発表されています。 地球を元へ戻すための方法として」
ユウキ「確証があるわけではないのに、 急ぎ過ぎではないですか?」
ギリアム「そうしなければ、民衆の混乱を抑え切れんのだ。 いくつかの都市では、厳戒令が敷かれている そうだからな」
クスハ「じゃあ、もし、何の効果もなければ……」
ギリアム「混乱は、今以上に拡大することになるだろう」
ジョッシュ(親父のせいで、事態がどんどん悪化していく……)
ジョッシュ(北極に次元断層の謎を解く鍵があるのなら、 俺は…………)
(アラート)
クスハ「!!」
(モニターオン)
ショーン「艦長、本艦の針路上で 連邦軍のPT部隊とルイーナが交戦中です。 いかが致しますか?」
レフィーナ「状況は?」
ショーン「友軍が劣勢……このままでは全滅しかねません」
レフィーナ「では、直ちに救援へ向かいます。 各員、第一種戦闘配置!」


第32話
アイス・ドール

〔戦域:海岸部〕

(北西に量産型ヒュッケバインMk-IIが3機いる)
連邦軍兵「アベッハ2、3! また敵が来るぞ!」
(海上にルイーナ機が多数出現)
連邦軍兵「あ、あの数を自分達だけで!?」
連邦軍兵「ふん、L5戦役を思い出すぜ。 あの時は、チーズに群がる蠅みたいに バグスが出て来やがった」
連邦軍兵「こ、これでは……!」
連邦軍兵「心配するな、ルーキー。 俺達の部隊にゃ、幸運の女神がついてるんだ。 お前も生きて帰れるさ」
(警告シグナル)
連邦軍兵「むっ、この反応は!」
(南西にヒリュウ改が出現)
連邦軍兵「あの艦は……!」
レフィーナ「こちらは鋼龍戦隊司令、レフィーナ・エンフィールド 大佐。あの敵は我々が引き受けます。 そちらは後退し、市街地防衛に回って下さい」
連邦軍兵「自分はアルミランテ所属、第112PT小隊隊長、 ダニエル・ロメロ中尉であります。 この件は上に報告せざるを得ません」
レフィーナ「承知の上です。 あなた達が後退する理由にもなりましょう?」
連邦軍兵「……了解。 アベッハ1よりアベッハ2、3。 我々は後退する」
連邦軍兵「いいんですか、隊長?」
連邦軍兵「我々がいない方が、彼らも戦い易いだろうさ。 各機、行くぞ」
連邦軍兵「了解!」
連邦軍兵「……先輩、幸運の女神って、そういうことですか」
連邦軍兵「ツキがあるだろ、俺達の部隊は。 だが、リアルを見たのは、俺も初めてさ」
連邦軍兵「……アベッハ1よりドラゴン2へ。 どうかご武運を」
(量産型ヒュッケバインMk-II3機が撤退)
ショーン「連邦軍の全てが、 我々を敵視しているわけではなさそうですな」
レフィーナ「そう願いたいものです」
ユン「各機、発進どうぞ!」
(エール・シュヴァリアーが出撃、出撃準備)
レフィーナ「ルイーナ機をここで食い止めます!  本艦の現在位置より後方へ行かせないように!」
(防衛ラインを指す)
ジョッシュ「ルイーナ…… お前達がいう破滅など、させるものかよ!」
(作戦目的表示)

〈3EP or 敵機を10機以上撃墜〉

(ヒリュウ改にアラート)
ユン「新たなルイーナ機、海岸線へ接近!」
(ファービュラリスとアンゲルスが出現)
アクア「あの機体、初めて見るわ!」
レオナ「今までのパターンから判断して、 メリオルエッセの搭乗機かも知れません」
カチーナ「直接聞いてやるぜ!  おい、そこの! てめえの名は何だ!?」
グラキエース「私はメリオルエッセ、氷のグラキエース。 人よ……恐怖の中で滅するがよい」
ジョッシュ(グラキエース…… もしや、イグニスが言っていたラキとは、 あいつのことか?)
グラキエース「……何? 私の名を口にしたのは、誰だ?」
ジョッシュ(!? 俺は、声を出しちゃいないぞ)
(エール・シュヴァリアーに共振)
ジョッシュ「くあっ!!」
(ファービュラリスに共振)
グラキエース「つっ!」
ジョッシュ「シュンパティアが……けど、これは!?」
グラキエース「何だ……貴様……貴様かっ!!」
ジョッシュ「くっ、何だよ、これ……あいつ……あの敵!?」
リム(リアナ)「ア、アニキ!?」
キョウスケ「どうした、ジョッシュ?」
ジョッシュ「ち、違う……今までの奴と!」
キョウスケ「お前、何を……!?」
エクセレン「ひょっとして、ジョッシーだけに 何か聞こえてる感じ……!?」
レーツェル「もしや、あのメリオルエッセの……?」
グラキエース(何が起きている……?  ジョシュア……ラドクリフ……?  何だ、これは?)
グラキエース(あの人間の意識が……同調してくるのか!?)
ジョッシュ(く、うう……これは……!)
グラキエース(貴様……南極の……!?)
ジョッシュ(お、お前は……お前のその意識は……!  う、ううう……!!)
(エール・シュヴァリアーに共振)
ジョッシュ「う、うわあああっ!!」
(エール・シュヴァリアーが揺れ、スパークが走る)
クスハ「ジョ、ジョッシュ君!?」
アクア「エール・シュヴァリアーが……!」
ジョッシュ「く、くそっ……何が起きた……?  シュンパティアに……過負荷が……」
リム(リアナ)「ねえ、アニキ! どうしたのよ!?」
ジョッシュ「リム……お前はどうなんだ……?」
リム(リアナ)「ど、どうって……」
リム(クリス)(この子やシュンパティアのこと……!?)
リム(リアナ)「だったら、 システムにノイズが走って、アクイラや イグニスの時みたいに声が聞こえて……」
ジョッシュ「それだけか?」
リム(リアナ)「えっ!?」
リム(クリス)(ど、どういうこと?)
ジョッシュ(意識がリンクした……俺とあいつだけ…… しかし、あいつの中は……!)
グラキエース「う、うう…… あれは……早急に排除すべきものと……認識する」
ヒューゴ「ジョッシュ、 お前は、あのメリオルエッセと 何か関係があるのか?」
ジョッシュ「あんな……あんな虚ろな……!」
ヒューゴ「ジョッシュ!」
ジョッシュ「あいつが何なのか……それを直接確かめる……!」
ヒューゴ「お前……」
ギリアム「……大丈夫なのだな、ジョッシュ?」
ジョッシュ「こんなことは初めてですが……」
ギリアム「わかった。 我々としても、ルイーナの情報が欲しい。 君はグラキエースとの接触を試みてくれ」
ジョッシュ「そのつもりです」
ギリアム「では、各機はジョッシュの援護を」
キョウスケ「了解」
エクセレン「こういうのって、すっきりしないもんね。 はっきりさせとかないと!」
リム(クリス)(お兄ちゃん……)
(作戦目的表示)

〈敵機が防衛ラインを超える〉

ショーン「艦長、敵機が防衛ラインを越えましたぞ」
レフィーナ「現戦域からの離脱を許してはなりません!  急ぎ撃破を!」
(作戦目的表示)

〈vs グラキエース〉

[ジョッシュ]

ジョッシュ「グラキエース……お前は何なんだよ!?」
グラキエース「ジョシュア・ラドクリフ…… 貴様を倒せば、この不調は消えるのか?」

[リム]

グラキエース「この人間は……」
リム(リアナ)「アクイラやイグニスの時と似たような反応…… この子は、アニキの機体ほど影響を受けてない……」
リム(クリス)(じゃあ、何でお兄ちゃんだけ……?)
グラキエース「妙なノイズだ。この揺らぎは何だ……?」

状況選択

グラキエースを説得した
ファービュラリスのHPを25000以下にした


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