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その名は“破滅” ~ 第28話 ~

[輸送機 内部(コックピット)]

(扉が開閉する)
ヒューゴ「……追っ手は何とか撃破した」
クリフォード「感謝する。 おかげで何とか南極圏から出られたよ」
クリフォード「それと、鋼龍戦隊から連絡があった。 上手くいけば、あと30分ほどで こちらと合流できるそうだ」
アクア「えっ、そんなに早く!?」
ヒューゴ(ハガネとヒリュウ改ならではの話だな)
ジョッシュ「クリフ、ファブラ・フォレースは…… 親父達は、あれからどうなった?」
クリフォード「音信不通のままだよ。あの黒い雲の中の様子は、 まったくわからない」
リム(クリス)「そ、そんな……」
ヒューゴ「あの怪物共の出所は、地下の遺跡だろう。 知っていることを教えて欲しい」
クリフォード「ああ…… こうなった以上、機密というわけにはいかないな」
クリフォード「ファブラ・フォレースとは、 ラテン語で“真実の門”という言葉を意味する」
クリフォード「これまでの調査の結果、ラドクリフ教授…… ジョッシュとリムの父親だが、彼はあれが 異世界に通じる門だと推測していた」
アクア「い、異世界……」
クリフォード「アインストや修羅との戦いを経た今では、 驚くほどのことではなかろう」
ヒューゴ「それで、ファブラ・フォレースは どんな世界とつながっているんだ?」
クリフォード「詳しいことはわかっていない。 門は、ずっと閉ざされたままだったからな」
クリフォード「そして、それを調査するためのツールが シュンパティアとレース・アルカーナだった」
アクア「その二つで、どうやって調査を……」
クリフォード「ラドクリフ教授は、人間の精神とリンクする 機能を持ったシュンパティアが、門の向こう側を 見るための物……」
クリフォード「または、門を開ける鍵なのではないかと 推測していた」
アクア「では、レース・アルカーナは?」
クリフォード「ファブラ・フォレースに関わる装置の 動力源だと考えられていたが……今にして思えば、 現状の使い方が正しいのかも知れない」
リム(クリス)「えっ……」
ジョッシュ「機動兵器の動力源であることが、か?」
クリフォード「ああ」
ジョッシュ「なら、親父はスポンサーに売り込むためじゃなく、 ファブラ・フォレースから出て来る物と戦うために エール・シュヴァリアーを……?」
クリフォード「私は、保険だとしか聞いていないがね」
ジョッシュ「もしかして、親父は予期していた……?  だとしたら、何で俺に黙っていたんだ……!」
クリフォード「……確証が持てなかったからだろう。 逆に、可能性が高ければ、もっと別の手を 打っていたはずだ」
ジョッシュ「………」
アクア「ジョッシュ…… あなた、さっき声が聞こえると言ってたわね。 それって、どういうことなの?」
ジョッシュ「彼らが話していたんです。 ルイーナ……人間に恐怖や絶望を与え、 破滅をもたらす者だと」
クリフォード「ルイーナ…… ラテン語で『破滅』、または『死』という意味だな。 そして、彼らは知能を持ち、我々の言葉を解するのか」
ジョッシュ「だが、連中の声を聞いたのは俺と……」
リム(クリス)「リ……ううん、私も」
クリフォード「ジョッシュとリムだけが 彼らの声を聞いたのなら……シュンパティアに 何らかの原因があるかも知れないな」
(警告シグナル)
アクア「こ、この反応……ルイーナじゃないかしら!?」
ヒューゴ「新たな追っ手か! 行くぞ、アクア!」
アクア「え、ええ!」
ジョッシュ「俺も出ます」
リム(クリス)「お兄ちゃん、私も」
ジョッシュ「お前は駄目だ。 もうブランシュネージュに乗る必要はない」
リム(クリス)「そんなこと言ってられないよ!  この輸送機にはリ・テクの人達が 乗ってるんだから!」
ジョッシュ「だが、お前は……」
リム(クリス)「みんなで生き残るためよ!  でなきゃ、お父さん達を助けられない!  私、出るからね!」
ジョッシュ「リム……」
クリフォード「ジョッシュ、ブランシュネージュのシステムは 私がモニターしておく。何かあれば、報告する」
ジョッシュ「…………わかった」


第28話
その名は“破滅”

〔戦域:群島〕

(大きな島の東側にレイディバードが2隻いる)
ヒューゴ「発進する。ハッチを開けてくれ」
(ヒューゴ機、エール・シュヴァリアー、ブランシュネージュが出撃)
アクア「敵群、レンジ3に侵入!」
(西側にスカルプルムが出現)
ヒューゴ「ジョッシュ、あいつらは俺とお前で食い止める。 リムは輸送機の護衛に回すぞ」
ジョッシュ「了解です。 ……気を遣ってもらって、ありがとうございます」
ヒューゴ「礼を言うのはまだ早い。 鋼龍戦隊が来るまで、何としても……」
(ヒューゴ機に警告シグナル)
アクア「後方からルイーナらしき物体群が接近中!  数が多いわ!」
ジョッシュ「リム、輸送機と一緒に離脱するんだ!」
アクア「待って! 前方に高エネルギー反応!」
(スカルプルムが全機爆発)
ジョッシュ「!!」
ヒューゴ「艦砲射撃か!?」
(ヒリュウ改とハガネが出現)
ショーン「……減速終了、ブレイク・フィールド解除。 間に合いましたな、艦長」
レフィーナ「ええ、フォーメーション・ブレイクアウトによる 高速航行の針路を確保できたのが幸いでした」
ショーン「まあ、宇宙空間でも難しい荒技ですが……非常時で 太平洋上の民間機や民間船の航行が禁止されて いましたし、身内も道を譲ってくれましたからな」
アクア「ハガネとヒリュウ改…… こんなに早く来てくれるなんて!」
ヒューゴテスラ・ドライブ搭載艦ならでは、だな」
レフィーナ「輸送機は本艦の後方へ!  各機は順次出撃せよ!」
カイ「ヒューゴ、ジョッシュ、敵の新手が接近中だ!  お前達もいったんこっちへ来い!」
ヒューゴ「了解!」
(輸送機とヒューゴ機他がヒリュウ改の傍まで移動し、輸送機が撤退後、ヒューゴ機他も撤退)
エイタ「アンノウン群、急速接近!  レンジ2まで食い込んで来ます!」
(フォルティス・アーラが出現、ベルグランデが多数出現)
レーツェル「レフィーナ大佐、我らも出撃します」
レフィーナ「我が隊と途中合流してから さほど時間が経っていませんが、大丈夫ですか?」
レーツェル「ええ、戦力の出し惜しみをしている場合では ないでしょう」
レフィーナ「では、お願いします」
(出撃準備)

ジョッシュとリムが
出撃している 出撃していない


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