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ミクスト・トルーパーズ ~ 第26話 ~


第26話
ミクスト・トルーパーズ

〔戦域:テスラ・ライヒ研究所周辺〕

(エクサランス・レスキュー、ブリット機、クスハ機、リョウト機、リオ機、イング機が滑走路上に出撃済み)
デスピニス「目標、さらに減速。まもなく視界に入ります」
ミズホ「こちらから呼びかけてみましたが、 応答ありません」
ラウル「カザハラ所長は何か言ってたか?」
ミズホ「いえ、来訪者の予定はないそうです」
フィオナ「ま、緊急でもない限り、 こんな朝っぱらからお客なんて来ないわよね」
ラウル(緊急……か)
ブリット「来るぞ! 念のため、迎撃態勢を!」
(テスラ・ライヒ研究所の東側にフリッケライ・ガイストが出現)
アリエイル(何とかテスラ・ライヒ研究所に辿り着けた……。 それに、鋼龍戦隊の機体もいる……)
クスハ「あれ……パーソナルトルーパー?」
リョウト「右腕の武装は……リボルビング・ステークみたいだ。 左腕は3連装のマシンキャノン……」
リオ「それじゃ、まるでアルトアイゼンじゃない」
リョウト「系列機が開発されてたなんて聞いていないよ。 コピーなのか……?」
ラージ「その割に、肩部は軽装備ですけどね。 あれならアルトアイゼンより姿勢制御が 楽そうですが、気になるのは胴体の……」
フィオナ「それより、乗ってるのは誰なのよ」
ブリット「俺がコンタクトを取ってみる」
(ブリット機に通信)
ブリット「! 向こうから……」
アリエイル「そちらと交戦する意思はありません。 私の名はアリエイル・オーグ……」
アリエイル地球連邦政府大統領直轄の特殊作戦部隊 ガイアセイバーズ、ベータ・セイバーに 所属していた者です」
ブリット「ベータ・セイバー……」
フィオナ「しかも、女の子……」
リオ「所属していた、って言ったわね。どういうこと?」
アリエイル「私は…… ガイアセイバーズから脱走して来たのです」
リオ「えっ!?」
ブリット「何故、そんなことを?」
アリエイル「あなた達にガイアセイバーズの真実の一部を お伝えするため……」
アリエイル「私の機体、フリッケライ・ガイストが その証拠となります」
フィオナ「所属していた組織を脱走してまで 伝えなければならないことがあるなんて…… 穏やかじゃないわね」
ラージ「でも、鵜呑みには出来ませんよ」
アリエイル「ごもっともです。これより武装解除し、 フリッケライ・ガイストを預けます。 調査方法はそちらにお任せします」
ラージ(もしや、それで……)
ジョナサン「諸君、彼女の申し出を受けることにするよ」
ラージ「好奇心ですか、所長?」
ジョナサン「それは科学者にとって必要不可欠なものだよ、 ラージ君。加えて、あの機体の胴体部…… コアらしき物が気になっていてね」
ラージ「その点については、同感ですが……」
アリエイル(ファウ・ケルンにいち早く目を付けるとは……。 ワン博士が言った通り、彼らならば……)
(エクサランス・レスキューにアラート)
デスピニス「こちらへ高速移動物体群が接近中!  人型機動兵器のようです!」
フィオナ「え!?」
(ベータ・セイバーが出現)
ドゥバン「そこまでだ、アリエイル」
アリエイル「ドゥバン……! 追ってきたのですか?」
ドゥバン「ああ。 エリック・ワンを撃ち、脱走した お前を見逃すわけにはいかん」
アリエイル「ワン博士は……どうなったのです?」
ドゥバン「詰めが甘かったな。奴は生きている。 そのおかげで、お前の行方がすぐに判明した」
アリエイル(博士が疑われずに済むのなら、それで……)
イング「う……!  あ、あの機体、どこかで……!?」
リオ「何か思い出したの、イング!?」
イング「う、うう……!」
アリエイル「あ、あなたは……!! 何故、ここに!?」
イング「ぼ、僕を知っているんですか……!?」
アリエイル(彼が生きていて……鋼龍戦隊の人間と 行動を共にしていたなんて……)
ドゥバン「フッ、脱走者め……悪運が強いな」
リオ「脱走者ですって!?」
ドゥバン「知らなかったのか?  そいつもアリエイルと同じく、 元々はガイアセイバーズの兵士だ」
イング「!!」
ブリット「何だって!?」
イング「僕が……ガイアセイバーズ……!?」
ドゥバン「ふん、記憶を失っているのか。 あの時、自爆してまで脱出を図った 代償ということか」
イング「……!」
リオ「あなた、いったい何者なの!?」
ドゥバン「おれはドゥバン・オーグ。 ガイアセイバーズ、ベータ・セイバーの隊長だ」
リオ(オーグ……アリエイルと同じ姓だわ)
ドゥバン「お前達と戦う気はない。 おれの目的は、脱走者の身柄拘束だ」
アリエイル「ドゥバン、私はガイアセイバーズには戻りません。 私は真実を知ってしまった…… オヅヌ博士のこと、ファウ・ケルンのこと……」
アリエイル「あれには“ヘッド”のコアが……!」
ドゥバン「何……? それは本当なのか?」
アリエイル「ええ……調べたのです……」
ドゥバン「フッ、フフ……そうか……そういうことだったのか。 それで納得がいった」
アリエイル「え……!?」
ドゥバン「素晴らしい……おれに相応しい力だ……!」
アリエイル「ドゥバン、あなた…… 本気でそのようなことを……!?」
ドゥバン「ああ。ファウ・ケルンがさらなる力を発揮すれば、 イデアラントに与えられた本来の役目を 果たすことが出来るだろう」
ドゥバン「そして、おれがトップとなり、 いずれガイアセイバーズを……そして……」
アリエイル「ドゥバン……プロジェクト・イデアランツは、 オヅヌ博士の意思に反し、歪められてしまったのです」
ドゥバン「歪んだのは、オヅヌの方だ。 だから、あの男は粛清されたのではないか?」
アリエイル「それは……違います」
ドゥバン「誰に何を吹き込まれたか知らんが…… おれに逆らうことは許さん」
ドゥバン「ベータ1より各機へ。 アリエイルと……イング、だったな。 あの二人を拘束しろ」
イング「……!」
リオ「ちょっと待ちなさいよ!」
ドゥバン「お前達と戦う気はないと言ったぞ。 これはガイアセイバーズ内の問題だからな」
リオ「だとしても、強引過ぎない!?  イングの意思の確認もせずに!」
イング「リオ少尉……」
ドゥバン「意思確認など不要だ。今回は確実に捕らえる。 それに、お前達はおれ達に刃を向けた時点で 反逆者となるぞ」
ラウル「何……!?」
ドゥバン「ガイアセイバーズは、連邦大統領直轄の部隊だ。 それに弓引くことは、大統領……連邦政府への 叛意と同義。重罪は免れん」
ラウル「そんな脅しに!」
ドゥバン「脅しではない、警告だ。 それを無視するのなら、連邦軍の軍人、そして 連邦の人民という立場を失うだけでは済まんぞ」
ラージ「……終身刑や銃殺刑の類を覚悟しておけと?」
ミズホ「えっ……!」
ドゥバン「そうだ。 そこで大人しくしていれば、罪に問われず、 そのような刑を受けることもない」
ラウル「そんなこと、いきなり言われたって……!」
ジョナサン「諸君、ガイアセイバーズに手を出すな」
ラウル「所長!」
ジョナサン「向こうから仕掛けて来たのならともかく、 迂闊な行動に出れば、君達だけの問題で済まなくなる。 鋼龍戦隊にも累が及ぶぞ」
リオ「だからって、黙って見てろって言うんですか!?」
ジョナサン「ああ。相手は異星人やDC残党じゃない、 君達と同じ体制側の組織だ。この状況では、 理は向こうにある」
ブリット「……!」
アリエイル「皆さん、お気遣いは結構です。 これは私の戦い……ここは自力で切り抜けます」
ドゥバン「切り抜けるだと?  おれを倒す気か、失敗作のガイストで」
アリエイル「……必要とあらば、そうします」
ドゥバン「言ったな、アリエイル」
イング「ドゥバン・オーグ……僕もあなたには従わない」
ドゥバン「ほう」
リョウト「イング……!」
イング「ガイアセイバーズが、僕の記憶を呼び戻す きっかけになるとしても……そこに行っては いけないような気がするんです」
リョウト「だったら、なおさら!」
イング「僕は失った過去を知りたい……。 でも、そのことで、これ以上皆さんに ご迷惑をお掛けするわけにはいきません」
ラウル「フィオナ、 ブリット達が動けなくても、俺達なら!」
フィオナ「駄目よ。テスラ研が無事では済まなくなるわ」
ラウル「お前はそれで平気なのかよ!」
フィオナ「落ち着いて、モニターを見て。 所長からのメッセージが入ってるわ」
ラウル「!?」
ブリット「これは……!」
ラウル「そうか、レーツェルさん達が戻ってくれば……!」
ジョナサン「……彼らは、ガイアセイバーズ側から見れば、 追うべき相手になるからな。面倒を押しつける形に なってしまうのは心苦しいが……」
ジョナサン「後はいかに時間を稼ぐか。 ロブ、もう一つの策は?」
ロバート「火は入れました。コーティング・クロークの装着と 遠隔操作のセッティングは、まもなく終わります」
ロバート「しかし、パッチ・アーマーをADテープで 固定しているような状態では……」
ジョナサン「万が一の場合、リモート・コントロールで出す。 それで少しでも時間を稼ぐ。作業を急いでくれ」
イング「……アリエイルさん、 あなたは僕の過去を知っているんですね?」
アリエイル「ほんの一部ですが……」
イング「それでも結構です。後で話を聞かせて下さい」
アリエイル「……わかりました」
ドゥバン「アリエイル、イング……手間取らせるなよ」
アリエイル「来る……!」
【デモムービー『フリッケライ・ガイスト起動』】
(作戦目的表示)

〈vs ドゥバン〉

[アリエイル]

ドゥバン「そんな欠陥品でおれのアレスに挑むか」
アリエイル「だからこそ、制御が可能なのです。 しかし、アレスのファウ・ケルンは!」
ドゥバン「言ったはずだ、このおれに相応しい力だとな!」

[イング]

ドゥバン「自分の過去が知りたければ、大人しくおれに従え」
イング「僕はガイアセイバーズへ…… 記憶にない所へ戻るつもりはない!」

状況選択

アレス・ガイスト以外の敵機を全滅させた
5PPになった、またはアレス・ガイストのHPを80%以下にした
アレス・ガイストを撃墜した


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