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甦る青龍 ~ 第25話 ~

(格納庫)

アイビス「レーツェルさん、あたし達に話って…… スレイのことですか?」
レーツェル「既に聞いていたか」
ツグミ「ええ、アラド達から……。 スレイは、レーツェルさん達がいることを知った上で 攻撃して来たのですね」
レーツェル「ああ……彼女は、こう言っていた。 アルテリオンからアイビスを引きずり降ろす…… それが唯一にして、絶対の戦う理由だと」
アイビス「……!」
レーツェル「それは彼女の本音だろうが…… あの集団に属し、我らと敵対する理由は 他にもあると思われる」
ツグミ「ベガリオンの実戦データを取ること、ですか?」
レーツェル「……君もそう考えていたか」
ツグミ「ええ。私達以外でベガリオンを開発できるのは、 イスルギ重工だけです」
ツグミ「通常データを収集するだけなら、 私達に任せるはず……おそらく、彼らは何らかの形で ベガリオンの軍事転用を考えているのでしょう」
アイビス「スレイは、それに荷担している……?」
ツグミ「そうね……イスルギ重工に問い合わせてみたけど、 知らぬ存ぜぬの一点張りだったわ」
レーツェル「だが、スレイとベガリオンの件で、 あの集団とイスルギの間に関係があるとわかった。 ギリアムに報告し、調べてもらうつもりだ」
ツグミ「わかりました」
レーツェル「この後、我々はテスラ研へ行くが…… 君達は来なくていいのか?」
ツグミ「アイビスとも話し合ったんですが、 鋼龍戦隊と行動を共にしていた方が スレイとの遭遇確率が高いと思います……」
アイビス「……アルテリオンのテストパイロットは、 スレイの方が相応しいんじゃないかと 思ったこともあったけど……」
アイビス「ベガリオンが間違った使い方をされているなら、 あたしが止めなきゃならない…… フィリオから託されたアルテリオンで……」
レーツェル「……わかった。 いつの日か、星の輝きが一つになることを祈る」
ツグミ「レーツェルさん、それは……」
レーツェル「シリーズ77の到達点であり、 フィリオの夢を叶えるための通過点だろう?  全ては、君達次第だ」
アイビス「………」

《パリ 地球連邦政府大統領府》

[地球連邦政府大統領府]

ミツコ「ガイアセイバーズのデビュー戦、拝見致しましたわ。 エア・クリスマスの乗り心地はいかがでしょう?」
アルテウル「悪くはない」
ミツコ「最終艤装までお任せいただければ、 もっと色好いお返事が聞けましたものを」
アルテウル「こちらの方で 仕込まねばならぬ物があるのでな」
ミツコ「それは何ですの?  弊社の工場長は、艦艇用テスラ・ドライブ級の物が 入るのではないかと言っておりましたが」
アルテウル「企業秘密だ。 それより、本題はそのような話ではあるまい?」
ミツコ「ええ。エア・クリスマス2番艦の建造を 正式に決定していただきたいと思い、伺いました」
アルテウル「他の万能母艦は、ろ獲したトライロバイト級と それを基にした艦にしようと考えていたのだがな」
ミツコ「あら……大統領閣下の直属部隊が 出自の怪しい艦を使うのは、いかがなものでしょう」
アルテウル「予算のことを考えると、 そうも言ってられないのだがな」
ミツコ「そちらのご希望に添えるよう、 見積もりの見直しをさせますわ」
アルテウル「………」
ミツコ「私共は、次世代リオン『レリオン』の生産ラインも 優先的に回しましたし、ケルベリオンも 提供致しました」
ミツコ「これからもガイアセイバーズに より一層の協力を……と考えておりますの」
アルテウル「レリオンはともかく、 ケルベリオンは稼働データの収集という メリットがあるだろう?」
ミツコ「……今回のお話を決めていただければ、 我が社で開発中の高速戦闘用アーマードモジュールを 試供品として提供致しますわ。パイロット付きで」
アルテウル「……どのような機体だ?」
ミツコ「恒星間航行計画、プロジェクトTDは 御存知ですわね?」
アルテウル「ああ」
ミツコ「シリーズ77の本命、“α”と“β”、 その後者をベースにして開発した高性能機で……」
ミツコ「運動性、機動性、航続距離はこれまでの アーマードモジュールを凌駕し、MTD誘導弾という 新機軸の武装も搭載しておりますのよ」
アルテウル「MTD誘導弾とは?」
ミツコ「マイクロ・テスラ・ドライブ・ミサイル…… その名の通り、テスラ・ドライブそのものを ミサイルにした武器です」
ミツコ「これから逃れられる機体は、 そうございませんわよ?」
アルテウル「テスラ・ドライブを使い捨てにするのか。 高価そうだな」
ミツコ「それが唯一の欠点でして…… 今回は試供品の一つにさせていただきますけど」
アルテウル「では、詳細な資料を提出してもらおう。 2番艦の件は、それを見た後で検討する」
ミツコ「ありがとうございます。 では、今後もよしなに……」
(足音・扉が開閉する・ミツコが立ち去る)
ニブハル「……社長自ら営業とは、熱心ですな」
アルテウル「探りを入れに来たのだよ。エア・クリスマスの 仕様変更の件で、何か思う所があるとしたら…… 噂以上に勘のいい女だな」
ニブハル「まさか、あれだけでそこまで……」
アルテウル「いずれにせよ、時間の問題だ。 それで……報告事項とは?」
ニブハル「鋼龍戦隊が地上へ帰還したそうです」
アルテウル「ほう……このタイミングでか。 ガンマ・セイバーのブーステッド・チルドレンが 言っていた通りだったな」
ニブハル「口実としては申し分ないかと」
アルテウル「そうだな…… 我らが用意していたものより無理がない」
ニブハル「では、例の計画を実行に移しますか?」
アルテウル「いや、まだだ。ピースが足りん。 欠陥品が余計な真似をしたせいでな」
ニブハル「ドゥバンが独断で動くとは…… オヅヌ博士の死が遠因となり、 エゴが強まっているのかも知れません」
ニブハル「ですが、以前にもご報告した通り、 脱出ポッドは確実に射出されたことが 判明しております」
アルテウル「だが、ドゥバンの妨害によって、タイムラグが 生じてしまっている。鋼龍戦隊が行方不明となる前に 接触した可能性は低いだろう」
ニブハル「申し上げにくいことですが、 死亡しているケースも……」
アルテウル「ナンバー22は、突発波をも制御し得る高レベルの 蔵匿性T-α波を、人為突然変異ではなく、 自然突然変異によって得た希有な個体だ」
アルテウル「マシンナリー・チルドレンの 改良型素体を用いながらも、素性隠蔽のため 強化措置は施していないが……」
アルテウル「それでも、自然な形で高い生存性を発揮する。 しかも、リマコンに対しても柔軟だ」
アルテウル「あれは天の配剤とも言える逸材……そして、その力を 発現させる最も効果的なファクターは鋼龍戦隊だ」
アルテウル「早急に捜し出し、彼らと接触するよう仕向けろ。 計画を次の段階に移すのは、それを成し遂げてからだ」
ニブハル「はっ」
アルテウル「また、伊豆のケネスに命じ、鋼龍戦隊を ヒッカム基地に待機させておけ。来たるべき時に備え、 なるべく近場に彼らを置いておきたい」
ニブハル「了解しました」
アルテウル「それと……大統領閣下に グランド・クリスマス視察の件を伝えろ。 移送はエア・クリスマスで行う」
ニブハル「では、早急に準備を」
アルテウル「最後に…… 遺跡関連で新たに判明したことはあるか?」
ニブハル「ナフード砂漠、バミューダ諸島沖、南極…… 現状でめぼしい報告はございません」
アルテウル「バミューダは望みが薄かろう。 ナフードか南極……そのいずれかだ」
ニブハル「デモンが現れたことから、 LTR機構はナフードが本命ではないかと 推測しているようですが……」
アルテウル「であれば、調査班は今頃全滅していても おかしくはない。まだ確信は持てんよ……」

《グランド・クリスマス》

[グランド・クリスマス 基地内部(ラボ)]

ミタール「AI1の教育は、順調に進んでいるようだな」
エルデ「はい、まもなくレベル3に移行します。 問題はございませんわ」
アルベロ「いや……ヒューゴ・メディオが俺の存在に気づけば、 今まで以上にプロジェクトへ疑いの目を向けるぞ」
ミタール「心配はいらん。 ヒューゴ少尉が私のことをどう思おうと、 従うしかない。薬を手に入れるためにな」
アルベロ「奴だけではない……出向先の特殊戦技教導隊や 鋼龍戦隊も疑惑を深める一方だと思うがな」
ミタール「それは今後の実績で晴らせばいい。 ガイアセイバーズは地球防衛の 急先鋒になるのだ……」
ミタール「大統領閣下の下、外敵を退ければ、 多少の瑕疵など問題にならなくなる」
ミタール「そして……君の息子も生き存えるのだよ」
アルベロ「………」
ミタール「わかっていると思うが、 我らの指示に従わなければ……」
アルベロ「言われるまでもないが、 回復の見込みはあるのだろうな?」
ミタール「ヒューゴ少尉がその根拠となる。 もっとも、君の息子は死体同然だったのでね…… 意識を取り戻すには、相当の時間が掛かる」
ミタール「これまで通り、私を信じて任せてくれたまえ」
アルベロ「ふん……」
(扉が開閉する・アルベロが立ち去る)
エルデ「……やはり、人選に問題があるのでは?  ツェントル・プロジェクトとクライウルブズには 因縁があるのですから」
ミタール「だからこそ、御し易い」
エルデ「しかし、アクア・ケントルムは……」
ミタール「後ろめたさを感じるのかね?」
エルデ「私は彼女がAI1の相手として 相応しくないと思っているだけです。 何故、TEエンジンをあちらの機体に?」
エルデ「あれの制御もAI1に任せた方が 遥かに良い結果を出せると思うのですが」
ミタール「ハンデだよ。今のままでは釣り合いが悪いからな。 それに、現状のAI1にDFCシステムを 理解し、制御することなど不可能だろう?」
エルデ「感覚制御など……非常識ですわ」
ミタール「人間の勘というものは、時として機械を超える。 アクア少尉のデータは、いずれAI1にとって 貴重な物となるだろう」
エルデ「では、8号機と9号機も 彼らに委ねるつもりですか?」
ミタール「ああ、今の所はな。 10号機……MODEL-Xについては、 その結果次第だ」
エルデ「………」

[グランド・クリスマス 基地内部(コンピュータルーム)]

(キー操作)
アリエイル(これがファウ・ケルンの実態…… こんな危険な物を動力源として用いるなんて……)
アリエイル(オヅヌ博士が許可したとは思えない……。 もしや、ツェントル・プロジェクトからの 横槍で……?)
アリエイル(だとしたら、博士は……)
(キー操作)
アリエイル(!!)
アリエイル(こ、これは……!  プロジェクト・イデアランツは……!!)
アリエイル(私とドゥバンは…………そんな……!)
???(エリック)「アリエイル……やはり、お主じゃったかの」
アリエイル「!」
(銃を構える)
???(エリック)「ああ、銃を下ろしてくれんかの。 騒ぎにするつもりはないでの」
(足音)
エリック「ここへ忍び込むだけでなく、 プロテクトまで解くとはさすがでの」
アリエイル「ワン博士……!」
エリック「……オヅヌ博士が殺された理由を 探っておったのかの?」
アリエイル「殺された……!? それは本当なのですか!?」
エリック「んむ。 あの男はガイアセイバーズの在り方に 疑いを持っておった……」
エリック「それで諸々の秘密を暴こうとしての、 口封じのために暗殺されたでの」
アリエイル「……!」
エリック「さて……困ったことになったの。 秘密を知られた以上、お主を放っておけんでの」
アリエイル「ワン博士、私は……」
エリック「お主には選択肢が二つあるでの。 出頭して、処分を受けるか…… オヅヌ博士の遺志を継いで、ここを出るか」
アリエイル「え……!?」
エリック「どうするかの?  後者を選んだ場合は、ガイアセイバーズの 裏切り者となるがの」
アリエイル「……一つお聞きしたいことがあります」
エリック「何かの?」
アリエイル「このイデアラントのデータ…… これは、真実なのですか?」
エリック「……そうじゃ」
アリエイル「で、では……私とドゥバンは……」
エリック「残された時間をどう使うか…… それはお主次第での」
アリエイル「………」
アリエイル「私は……私は、ここを出ます」
エリック「なら、ワシについてくるでの。 銃を向けたままでの」
アリエイル「え……?」

[グランド・クリスマス 格納庫]

アリエイル「この機体は……」
エリック「アレス・ガイストの前に作られた試作機での。 プロジェクト・イデアランツでは 廃棄される予定じゃったんだが……」
エリック「ツェントル・プロジェクトの方で 使えるかも知れないと思っての」
エリック「んで、かつてシャドウミラーが回収した アルトアイゼンの腕やラピエサージュという機体の 予備パーツが回り回って、ここへ来ていての」
エリック「それらを組み込んで仕上げた…… フリッケライ・ガイストでの」
アリエイル「フリッケライ……」
エリック「まあ、見ての通り、継ぎ接ぎじゃからの」
アリエイル「ですが、この機体にもファウ・ケルンが……」
エリック「アレスの物とは違い、欠陥品での。 ジェネレーターとして使えるが、 それ以上は無理での」
エリック「これに乗って、テスラ研に行くがええ。 あそこなら、ファウ・ケルンの危険性を データ的に証明できるでの」
アリエイル「しかし、私を逃がせば、博士が……」
エリック「ワシにはまだ仕事があるでの。 TEアブゾーバーやフェリオから託された NVユニットを仕上げねばならんでの」
アリエイル「で、でも、博士に疑いが掛けられてしまいます」
エリック「ワシはお主に脅されて、やむなく従っただけでの。 さあ、その銃でワシを撃つでの」
アリエイル「で、ですが!」
エリック「……ワシはオヅヌ博士を助けてやれんでの。 せめて、お主だけでもと思っての」
アリエイル「………」
エリック「ワシを案ずるなら、撃つでの。 その方が言い訳をし易いでの」
アリエイル「……わかり……ました……」
(銃声)
エリック「ふぎゃっ!!」
アリエイル「……ごめんなさい、ワン博士……」
エリック「さ、さあ、早く行くでの…… 後はお主次第での……」
アリエイル「はい……このご恩は忘れません……!」
(速い足音・アリエイルが立ち去る)
エリック(こ、これでええんじゃろ、エンジ・オヅヌよ……)

《テスラ・ライヒ研究所(クロガネ)》

[テスラ・ライヒ研究所 内部(病室)]

リシュウ「ブリット、クスハ、よく戻ってきたのう」
ブリット「リシュウ先生、お体の具合は……?」
リシュウ「なに、あと1週間もすれば動けるようになるわい。 それより、すまなんだの。ワシがいながら、龍王機や 虎王機があのようなことになってしもうて……」
クスハ「いえ……」
ブリット「あの後、妖機人はテスラ研に現れていないと 聞きましたが……」
リシュウ「うむ、残った龍王機を奪いに来るのではないかと 思っておったが……」
(モニターオン)
ソフィア「クスハ、龍人機のマインド・センシングの 準備が整ったわ」
クスハ「龍人機?」
ソフィア「あら、所長はまだ話してなかったのね。 その説明もするから、格納庫まで来て」
クスハ「わかりました」

[テスラ・ライヒ研究所 内部(超機人ケージ)]

ジョナサン「……見ての通り、龍王機の失われた部分を グルンガスト系のパーツで補填している」
ジョナサン「その結果、龍王機は人型となり…… 呼称を区別するため、龍人機と名付けたんだ」
クスハ「そうだったんですか……」
ロバート「組み込んだパーツの癒着が進んでいますね」
ジョナサン「ああ。 君の読み通り、自力での融合を図っているが…… 五行器の出力は微弱なままだ」
ジョナサン「クスハ、君の念で龍人機を完全に 覚醒させることが出来れば、残っているパーツの 装着がスムーズに行えるかも知れん」
クスハ「わかりました。すぐに乗り込みます」
ジョナサン「アンザイ博士、ネート博士、モニターを頼む」
エリ「了解です」
ソフィア「クスハ、コックピット・モジュールは 軽傷で済んだから、T-LINKシステム周りの セッティングは前のままよ」
クスハ「はい」

[テスラ・ライヒ研究所 内部(格納庫)]

ラウル「これがエクスバインか……」
リョウト「今はアッシュ…… エクスバイン・アッシュと呼ばれているんだ」
フィオナ「アッシュ? 灰ってこと?」
ラージ「いえ、フランス語の『H』では?」
カーク「その両方だ」
フィオナ「不死鳥は灰の中から甦る…… 凶鳥もまた、ということですか?」
カーク「ああ」
ミズホ「装甲が半分近くなくなっているようですが……」
リョウト「そこはパッチ・アーマーや コーティング・クロークで補う予定なんだ」
ラージ「まさに応急措置ですね」
カーク「本来、エクスバインに装着する予定だったパーツは、 月のマオ・インダストリー本社で開発していたのだが、 ゲストの出現で移送が不可能となった」
カーク「幸い、武装の一部はオルレアンで調整中だったから、 ここへ持ち込めたが……」
ラージ「もしかして、エクスバインに 強化改造を施す予定だったのですか?」
カーク「そうだ。Mk-III同様、T-LINKシステムを 搭載した高性能機として仕上げようと考えていた」
ラージ「何か手伝えることがありましたら、言って下さい」
カーク「ああ」
リョウト(ここにいるみんなで力を合わせれば、 アッシュはきっと……)
(足音)
イング「……リョウト少尉、 僕はどこで待機していればいいんでしょうか」
デスピニス「あなたは……!」
イング「え?」
ラウル「もう怪我は大丈夫なのか?」
リオ「そっか、イングを助けたのって、 ラウル達だったのよね」
フィオナ「ええ……イングっていう名前なのね。 結局、どこに所属していた子だったの?」
リョウト「それが……彼は記憶を失っていて、 まだわかっていないんだ」
ラウル「そ、そうなのか……」
イング「皆さんは僕の命の恩人です。 助けていただき、ありがとうございました」
フィオナ「最初にあなたを発見したのは、 うちの優秀な秘書のデスピニスなの。 運が良かったわよ、ホント」
デスピニス「あ、あの……優秀だなんて、そんな……」
イング「改めて感謝します、デスピニスさん」
デスピニス「い、いえ……」
フィオナ(……素直な子みたいね。 でも、いったいどんな過去があったのかしら……)

[クロガネ ブリッジ]

クルト「レーツェル様、救難信号を傍受しました。 フォートモーガンが何者かの襲撃を 受けているようです」
レーツェル「襲撃……ゲストか?」
クルト「詳細は不明です」
レーツェル「フォートモーガンなら、 連邦軍より我々の方が早く現場に到着するな?」
クルト「ええ」
レーツェル「では、クロガネで急行する。 艦長、総員に第一種戦闘配置命令を。 テスラ研にも警戒を厳にするよう伝えろ」

〔戦域:フォートモーガン市街〕

(妖機人が出現していて、中央あたりに爆煙)
市民「わあああ!!」
市民「に、逃げるんだ! 早く!!」
(北東端に爆煙)
ククル「………」
ククル(街を焼くなど…… 遥か昔、立場は逆であったのに……)
ククル(いや、感傷にふけっている場合ではない。 我が一族を黄泉返らせるために、妾は……)
(クロガネ、ゼンガー機、レーツェル機、ユウキ機、カーラ機が出現)
カーラ「あいつら、よくも街を!!」
ユウキ「……今までに妖機人が街を襲ったケースは?」
レーツェル「私が知る限りでは、ないな。 だが、今は彼らの意図を詮索している場合ではない」
ゼンガー「然り。眼前の敵を打ち砕くのみ」
ククル「ふっ……待っておったぞ」
ゼンガー「!」
カーラ「妖機人が喋ったよ!」
ククル「彼奴らと同じにするでない。 妾はククル……黄泉の巫女じゃ」
ゼンガー「ククルだと……?  ならば、師匠に手傷を負わせたのはお前か」
ククル「師匠…… ああ、あの老いぼれは黄泉路へ去んだか?」
ゼンガー「それは、お前自身が赴いて、 その目で確かめるがいい」
ククル「ふふふ……妾に向かってよく言う。 名を聞いておこう」
ゼンガー「ゼンガー……ゼンガー・ゾンボルトだ」
ククル「ならば、ゼンガーとやら…… そなたがまず黄泉へ行くがよい!」
(作戦目的表示)

〈vs ククル〉

[ゼンガー]

ククル「妾の舞にて冥府へ誘ってやろうぞ!」
ゼンガー「師が受けた借りは、門人である俺が返す!」

[レーツェル]

レーツェル「ククル、お前達の目的は何だ?」
ククル「妾が素直にそれを教えると思うておるのか?」
レーツェル「フッ、想定内の返答だ。 当面の狙いは、陽動か?」
ククル「………」

[ユウキ]

ユウキ「待っていた、と言ったな。 目的は俺達の陽動か?」
ククル「ふっ……それはどうかな?」

[カーラ]

カーラ「街を襲うなんて…… 民間人を巻き込むなんて、許せないよ!」
ククル「それは……そなたらの都合だ」
カーラ「じゃあ、あんたにはどんな都合があるってのさ!?」
ククル「それを知る必要はない…… マガルガの舞にて、冥府へ堕ちよ!」
カーラ「ダンスなら、負けない! 覚悟しなよ!!」

状況選択

マガルガのHPを85%以下にした
4PPになった、またはマガルガ以外の敵機を全滅させた


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