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貫け、奴よりも早く 伊豆基地へ向かう ~ 第22話 ~

《ホワイトスター内部》

ウェンドロ「ふうん…… 北米地区奪還作戦、 オペレーション・プランタジネットか」
ウェンドロ「彼らも 着々と準備を進めているんだね」
ニブハル「対応策はいかが致しますか?」
ウェンドロ「今は必要ないよ」
ニブハル「連邦軍とノイエDC軍が 手を結ぶ可能性もありますが……」
ウェンドロ「彼らのような野蛮人に そんな分別があるものか」
ウェンドロ「現に内乱は今も続いてる じゃないか。僕達という共通の敵が いるにも拘わらず、ね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「彼らは 自分達の力の使い方を知らない。 幼稚で愚かな生き物なんだよ」
ニブハル「では?」
ウェンドロ「まもなく、アギーハが ハワイへ向かう手はずになっている」
ウェンドロ「あの島を極東侵攻の 足掛かりとするためにね」
ニブハル「……地球人の力を あまり甘く見られぬ方が 良いと思いますが」
ウェンドロ「それは先任者の失敗と、 かつてこのネビーイームにいた者達の 敗北を見た上での言葉かい?」
ニブハル「……ええ」
ウェンドロ「ふん……僕達を 彼らと一緒にしてもらっちゃ困るね」
ニブハル「では、 そちら側の空間転移装置は 何基あるのですか?」
ウェンドロ「……」
ニブハル「我々の技術では、 あの装置を通常サイズの機動兵器に 搭載することはまだ不可能……」
ニブハル「何故なら、 転移装置の使用には膨大なエネルギーが 必要となるからです」
ニブハル「また、 転移可能な範囲も限られており……」
ニブハル「転移先に装置がなければ、 再転移による帰還は不可能です」
ウェンドロ「まあね」
ニブハル「さらに、一基の装置で 一度に転移させられる兵器の量も 限られております」
ウェンドロ「何が言いたいんだい?」
ニブハル「空間転移装置を失えば、 戦略面での我々の優位性までも 失われるということです」
ニブハル「故に、 この戦いは空間転移装置をいくつ 保有しているかで決まると言えます」
ニブハル「ましてや、あの装置が 敵に奪われでもしたら……」
ニブハル「兵器のほとんどを 地球製の物に頼っている我々は……」
ウェンドロ「そんなことは 君に言われなくてもわかっているよ」
ニブハル「では、ウェンドロ監査官。 そちら側の転移装置の数は?」
ウェンドロ「教えるわけにはいかないね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「何故だかわかるかい?  ……それは僕が君のことを 信用していないからさ」
ニブハル「……」
ウェンドロ「君は先任者より前に 地球へやって来たようだが…… その素性は知れたものじゃない」
ウェンドロ「あの南極事件を 引き起こしたシュウ・シラカワという 男と同じくね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「案外、先任者が失脚したのは 君のせいじゃないのかい?」
ニブハル「とんでもございません」
ウェンドロ「じゃあ、 SRX計画とATX計画……」
ウェンドロ「あれを再開させたのは、 地球人の唯一の長所を伸ばし、僕達へ その成果物を渡すためではなく……」
ウェンドロ「自分の物に…… いや、僕達以外の誰かに提出する ためじゃないのかい?」
ニブハル「滅相もございません」
ウェンドロ「ふうん……。 ま、いいけどね」
ニブハル「……では、最後に。 ノイエDC軍の中に興味深い集団が おります……」
ニブハル「そして、 彼らには利用価値があります」
ウェンドロ「……」
ニブハル「こちらで詳しい情報を 入手次第、ご報告致しますので…… 今後の作戦にお役立て下さい」
ウェンドロ「……わかった。 見るだけ見ておくよ」
ニブハル「それでは……」

《???》

ニブハル「……」
ニブハル(なかなか勘の鋭い人物ですね。 あの年齢で異文明監査官を務めている ことにも納得がいきます)
ニブハル(しかし…… 地球人の力を見くびり過ぎですね)
ニブハル(グライエンの思惑通り、 ノイエDCがオペレーション・ プランタジネットに加われば……)
(扉が開閉する)
ミツコ「失礼致します」
ニブハル「おやおや、 ノックもなさらずに。 ……困りますね」
ミツコ「あら、ごめんあそばせ。 ドアがロックされていなかったので、 中へ入ってよろしいのかと……」
ニブハル「フッ……。 それで、私にアポを取られた理由は 何ですかな?」
ミツコ「ニブハル補佐官に ビジネスの話をさせていただきたいと 思いまして」
ニブハル「ほう……見返りは?」
ミツコ「あなたが 必要とされている情報です」
ニブハル「……では、そちらが 希望されるビジネスの相手とは?」
ミツコ「それはもちろん……」
ミツコ「インスペクターですわ」

《シロガネ艦橋》

レモン「さすが、スペースノア級。 中が広くていいわね」
ヴィンデル「ああ、我らシャドウミラーの 母艦となるに相応しい」
レモン「この艦を持ってきてくれた W16に感謝しなくちゃね」
アクセル「その人形はどうした?  奴の部隊も見当たらんぞ」
レモン「怒らずに聞いてくれるなら、 教えてあげるけど」
アクセル「……いや、見当がついた。 またヒリュウの足止めか」
レモン「ええ。 向こうとこのシロガネが伊豆へ着く タイミングをなるべく合わせたいの」
レモン「ミッション・ハルパーと…… 私達の作戦のためにね」
アクセル「ふん……」
(扉が開閉する・アクセルが立ち去る)
レモン「やれやれ…… ベーオウルフに関しては 相変わらずね、彼」
ヴィンデル「だが、 奴には自重してもらわねばならん」
レモン「ええ、この段階で 失敗するわけにはいかないものね」
ヴィンデル「ところで、 リー・リンジュンの様子は?」
レモン「独房で 大人しくしているみたいだけど…… 本気で彼を引き入れるつもり?」
ヴィンデル「うむ。 リーはハガネやヒリュウと 行動を共にしていた……」
ヴィンデル「だから、 彼らを排除せねばならぬ状況を 迎えた時、あの男の経験が役に立つ」
レモン「素直に こちらの言うことを聞くかしら」
ヴィンデル「心配はいらん。 奴は異星人と戦う力を求めている」
ヴィンデル「そして、 それを我らが与えれば……」
ヴィンデル「いずれ、 混沌をも望むようになるだろう」
レモン「つまり、ローズお嬢ちゃんや フェフ博士と同じように…… こちらの手の内を見せるのね?」
ヴィンデル「ああ、その方が早い」
(アラート)
レモン「どうしたの?」
量産型W「第2格納庫のハッチが 内側より強制開放されました」
量産型W「EG-Xソウルゲイン、 発進シーケンスに入ります」
ヴィンデル「何?」
レモン「ソウルゲイン……!  アクセルが!?」

《ヒリュウ改艦橋》

(アラート)
ユン「5時方向に敵影確認!  本艦へ急速接近中です!」
レフィーナ「総員、 第一種戦闘配置について下さい!」
ショーン「やれやれ、 もう少しで東シナ海へ 出られる所でしたのに……」
ショーン「敵はよほど我々を 日本へ行かせたくないようですな」

〔戦域:基地周辺〕

ユン「敵機動部隊、戦闘エリアへ侵入!  識別はRPT-007です!」
(ゲシュペンストが出現)
ショーン「量産型のゲシュペンスト…… おそらく、敵は例の部隊でしょうな」
レフィーナ「ええ……!  各機、直ちに出撃して下さい!」
(アルトアイゼン、エクセレン機、ラミア機が出撃、出撃準備)
エクセレン「お相手は また謎のゲシュちゃん部隊ね」
カチーナ「あいつら、 しつこく襲ってきやがるな」
ラッセル「ええ……」
カチーナ「随分と連中の恨みを 買ってるみてえだな、あたしらは」
エクセレン「ん~…… 身に覚えがあるような、ないような」
クスハ「ブリット君、あの敵は……」
ブリット「ああ、 こないだと同じ連中だろうな」
ラミア「……」
エクセレン「ボス仮面と言い、 怪しいゲシュちゃんと言い…… そろそろ素性を知りたいところねぇ」
キョウスケ「奴らが何であろうと、 敵であることに違いはない。 ……全機、攻撃を開始しろ」
ラミア「了解でございますです」
ラミア(……指令が出ていない以上、 やむを得んな)

〈敵6機以上撃墜〉

(アラート)
レフィーナ「! 敵の増援ですか!?」
ユン「はい! 9時方向に敵影を確認!  こちらへ向かってきます!」
(北西に戦闘機が出現)
カチーナ「戦闘機か……前ン時と違って、 小出しで来やがったな」
マサキ「だが、オチは同じだろうぜ」
キョウスケ「マサキの言う通りだ。 それに、奴らが例のECMを 使っていない点も気になる……」
カチーナ「ああ、連中は前座だ。 今回は長丁場になるぞ」
キョウスケ「アサルト1より各機へ。 敵の増援はまだ来る。 無駄弾を撃つなよ」
ブリット「了解!」

〈敵6機以上撃墜〉

(アラート)
ユン「1時方向、敵の増援部隊です!」
レフィーナ「各機、迎撃態勢を!」
(北東にエルアインスが出現)
マサキ「チッ、今度はあんな所に」
シロ「おいら達を 挟み撃ちにする気ニャのか!?」
キョウスケ「いや、こちらの戦力を 分散させるつもりだろう」
エクセレン「どうする、キョウスケ?  向こうの手に乗ってみる?」
キョウスケ「ああ…… 敵の狙いも読めてきたからな」
マサキ「連中のターゲットは、ヒリュウと おめえかも知れねえってことか?」
キョウスケ「ヒリュウはともかく、 おれを狙う理由は今一つ解せんが…… おそらくな」
タスク「もしかして、 赤い機体にご執心なんスかねえ」
カチーナ「牛じゃあるめえし、 そんなワケあるか!」
エクセレン「あらん、カチーナ中尉も 他人のこと言えないんじゃない?」
カチーナ「茶化すな。 ……キョウスケ、ヒリュウのガードと 連中の相手はあたしらでやってやる」
カチーナ「その代わり……」
キョウスケ「了解。的を分散させるため、 こちらはヒリュウから離れる。 エクセレン、フォローを頼むぞ」
エクセレン「オッケー、任されて」
カチーナ「ヒリュウの近くにいる奴は ガードに回れ! 本命に備えろ!」

〈敵6機以上撃墜〉

(アラート)
ユン「か、河川部に熱源反応多数!  本艦へ急速接近中です!」
レフィーナ「直ちに Eフィールドを下方へ展開!  近くの友軍機を呼び戻して下さい!」
(南の河川部にランドグリースが出現)
マサキ「あれが本命か!」
カチーナ「奴らの狙いはヒリュウだ!  ガードを固めろ!!」
エキドナ「……各機へ。 今回の作戦目的は、あくまでも ヒリュウの足止めだ」
エキドナ「狙いをあの艦へ絞れ」
量産型W「了解」
ラミア(おそらく、 彼らを指揮しているのはW16……)
ラミア(だが、連絡がない。 現状の任務を続行しろということか)
エキドナ「……各機、攻撃を開始しろ」
量産型W「了解」
エクセレン「どうも今回は ふられちゃったみたいね、キョウスケ」
キョウスケ「いや、まだわからん」
エクセレン「え?」
キョウスケ「確かに、ここまでは ウォーダンの時とパターンが似ている」
キョウスケ「だが、奴らがおれ達の裏を かくつもりだとしたら……」
エクセレン「次があるかも 知れないってこと?」
キョウスケ「ああ……おれの勘だがな」

〈vs エキドナ〉

[キョウスケ]

エキドナ(ベーオウルフの 撃墜命令は出ていない。 やり過ごすしかないな)
キョウスケ(こいつが本命なら、 真っ先におれを狙ってくるはずだ)
キョウスケ(本命は……どこにいる?)

状況選択

エキドナ機をのHPを60%以下にした
次の敵フェイズになった


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