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もう一つの「影」 伊豆基地へ向かう ~ 第23話 ~

《ホワイトスター内部》

アギーハ「ウェンドロ様、ご報告致します。 本日、我が部隊は太平洋ハワイ地区を 奇襲……」
アギーハ「ヒッカム基地、及び全島の 制圧に成功しました」
ウェンドロ「ご苦労だったね、アギーハ。 地球人の兵器の方は?」
アギーハ「約40%を確保しました。 現在、仕様変更中です」
ウェンドロ「悪いね……空間転移装置を そちらへ送ってやれなくて」
アギーハ「いえ、 あれは貴重な物ですから」
アギーハ「それに、転移装置がなくても 地球人などに引けは取りません」
ウェンドロ「頼もしいな。 じゃあ、落ち着いたら極東地区に 挨拶をしてきてくれ」
ウェンドロ「僕達に対して、 色々と準備をしているようだからね」
アギーハ「了解です。それでは」

《伊豆基地司令室》

レフィーナ「そうですか……。 ハワイ地区はもう……」
レイカー「うむ。我々は一刻も早く オペレーション・プランタジネットを 発動せねばならん」
レイカー「ハガネも アフリカでの任務を終え、 日本へ向かっている……」
レイカー「お前達も充分に気をつけ、 この伊豆基地へ来てくれ」
レフィーナ「わかりました。 そちらへの到着予定時刻は 本日1500……あと1時間後です」
レイカー「念のため、コースを太平洋側へ。 インスペクターが現れた場合、 そちらに対応してもらうかも知れん」
レフィーナ「了解しました。 それでは、また後ほど……」
(通信切れる)
レイカー(さて……急がねばならんな)
連邦兵「……レイカー司令、 お客様が見えられました」
レイカー「うむ。 司令官室へ通してくれ」

《連邦軍伊豆基地》

レイカー「待たせたな、少佐。 確か、今は……」
レーツェル「レーツェル…… レーツェル・ファインシュメッカーと 名乗っております」
レイカー「では、レーツェル。 君からの依頼……クロガネの改修だが、 作業の約70%が終了している」
レーツェル「ありがとうございます。 そこまで進んでいれば充分です」
レイカー「すまんが、こちらの方も 雲行きが怪しくなってきた。 すぐに出発してくれたまえ」
レーツェル「そのつもりです。 ところで、私の部下達は?」
レイカー「半年間、この伊豆基地で 窮屈な思いをさせてしまったが……」
レイカー「全員がクロガネへ搭乗。 現在、出港準備を行っている」
レーツェル「了解しました」
レイカー「では、クロガネを君に預ける。 見送ることが出来ず、すまないと 思っているが……」
レーツェル「クロガネは 旧DCの旗艦でもあった艦……」
レーツェル「そして、 我々はハガネやヒリュウの影。 相応しい出立でありましょう」
レイカー「……そうか。 くれぐれも後のことは頼むぞ」
レーツェル「承知いたしました」


第23話
もう一つの「影」

〔戦域:海上〕

クルー「……艦長、本艦は 予定通り八丈島海域へ侵入しました」
レーツェル「ダウントリム15。 深度10から120へ」
クルー「了解」
レーツェル「それから…… 艦長はやめてくれ。私は一時的に この艦を預かっているだけなのだから」
クルー「いえ、我々にとっての艦長…… そして、指揮官はあなたただけです」
クルー「旧DCや コロニー統合軍が潰えた今でも、 それに変わりはありません」
レーツェル「……すまんな」
クルー「どうかお気になさらずに。 これはクルーの総意でもあります」
レーツェル「わかった。 ……ところで、ゼンガーと ギリアムから連絡はあったか?」
クルー「はい。ゼンガー少佐は すでに目的地へ向かわれています」
クルー「また、ギリアム少佐は 現在の任務が終了次第、 我々と合流されるそうです」
レーツェル「テスラ研との通信は?」
クルー「依然、つながりません。 施設そのものは健在のようですが……」
レーツェル「そうか……。 急がねばならんな」
クルー「艦長はこの艦でテスラ研へ?」
レーツェル「いや……単独で行く。 クロガネは万が一に備え、 温存しなければならない」
レーツェル「それは レイカー少将からの命令でもある」
クルー「はっ……」
レーツェル「では、警戒を密に。 我らは敵の目をかいくぐり、 北極圏へ辿り着かねばならんのでな」
クルー「了解です」
(アラート)
レーツェル「!」
クルー「ソナーに感あり!  7時方向、キラーホエール級です!」
レーツェル「ノイエDCか?」
クルー「いえ、上空にも熱源反応多数!  機種から想定して、インスペクターだと 思われます!」
(敵機が出現)
レーツェル「噂をすれば影、か」
アギーハ「フフフ…… わざわざ様子を見に来た甲斐が あったね。いい物を見つけたよ」
レーツェル「インスペクターの指揮官機…… こんな所で出くわすとはな」
アギーハ「あのサイズはスペースノア級…… 多分、クロガネって奴だね。 土産代わりにもらっていくとしようか」
レーツェル「……潜水艦がいるなら、 捕捉されるのは時間の問題か」
クルー「艦長、 後詰めでAM部隊を出撃させます!」
レーツェル「いや、 その役目は私に任せてもらおう」
クルー「は!?」
レーツェル「機動部隊は私が食い止める。 お前達は敵潜水艦を振り切り、 先に目的地へ向かえ」
クルー「し、しかし、お一人では!」
レーツェル「先程も言った通り、 クロガネを失うわけにはいかん」
レーツェル「そして、 私はここで死ぬつもりもない。 果たさねばならぬ約束があるのでな」
クルー「りょ、了解です!」
(ヒュッケバインMk-III・Tが出現)
アギーハ「あれは 新型のヒュッケバイン……!」
レーツェル「悪いが、 しばしの間、付き合っていただこう」
アギーハ「あいつ……あの時、 サイバスターと一緒にいた男だね」
クルー「……艦長、ご武運を」
レーツェル「お前達もな」
(クロガネが北東へ移動し戦闘空域外へ)
アギーハ「潜水艦隊はあの艦を追いな。 逃がすんじゃないよ」
レーツェル「はたして、 そう上手くいくかな?」
アギーハ「ハッ、たった1機で あたい達を止めようってのかい!?  お笑いだね!」
レーツェル「好きなだけ笑いたまえ。 だが、簡単にここを通すつもりはない」
アギーハ「フン、こっちとしても 中途半端な試作機なんかに 用はないからね……」
アギーハ「このあたいが 直々に相手をしてやる!  ただで済むと思うんじゃないよ!」
レーツェル「もとより覚悟の上!  行くぞ、トロンベよ!」

〈敵機8機撃墜〉

アギーハ「チッ、しぶとい男だね!  ガーリオン部隊を出しな!」
(ヒュッケバインMk-III・Tの周りにガーリオン出現)
レーツェル「!」
アギーハ「さしものお前も、数で 囲まれちゃどうしようもないだろう?」
レーツェル「……」
アギーハ「ふふふ…… さあ、うまそうに料理してやるよ」
レーツェル「悪いが、 料理は自分で作る主義でな。 その申し出は断らせていただく」
アギーハ「カッコつけるんじゃないよ!  周りの状況を見て物を言いな!」
レーツェル「フ……確かに。 しかし、ここは譲れん。 もうしばらく付き合ってもらうぞ」

〈敵機8機撃墜〉

アギーハ「ええい、 本当にしぶとい奴だね!」
レーツェル(くっ、操縦系に支障が……!  急場凌ぎの調整が祟ったか)
レーツェル(だが、まだだ。 まだ時間を稼がねばならん……!)
アギーハ「こうなったら、 一気にケリをつけてやるよ!!」
(アギーハに『熱血』『加速』『気迫』、シルベルヴィントがヒュッケバインMk-III・Tに隣接)
レーツェル「!!」
【強制戦闘】
アギーハ[ボルテックシューター]vsレーツェル[防御]
(ヒュッケバインMk-III・TのHP5%に)
レーツェル「うぐっ……!!」
アギーハ「おや、まだ生きてたのかい?  あたいのダーリン並の頑丈さだねぇ」
レーツェル「くっ、トロンベが……!」
アギーハ「わかったかい?  この間のはただのまぐれ……」
アギーハ「そんじょそこらの機体じゃ、 あたいのシルベルヴィントの スピードにはついてこれないのさ」
レーツェル「……」
アギーハ「ま、 よくやったと褒めてあげるよ。 ……じゃあ、死にな」
(シルベルヴィントに爆煙)
アギーハ「うぐっ!!」
(潜水艦とシルベルヴィント以外が撃墜される)
レーツェル「!!」
アギーハ「な、何だい!?  何が起きた!?」
(グランゾンが出現)
レーツェル「あれは……!!」
アギーハ「まさか……!?  いや、このデータは!」
???(シュウ)「……」
アギーハ「ま、間違いない!  あいつは……グランゾン!!」
???(シュウ)「やはり…… ご存知ですか、私の機体を」
アギーハ「シュウ・シラカワ……!  あんたがそうなのかい!?」
シュウ「ええ。 以後、お見知り置きを」
レーツェル「……」
シュウ「お久しぶりですね、エルザム少佐」
レーツェル「シラカワ博士…… 何故、ここに?」
シュウ「理由はあなたと同じですよ」
レーツェル「何……!?」
シュウ「異星人に対する切り札の 一つを失うのは、私にとっても あまり望ましいことではないのです」
シュウ「それに……個人的に 確かめたいこともありましてね」
レーツェル「確かめたいことだと?」
アギーハ「シュウ・シラカワ!  ここで会ったが百年目って奴だ!  その機体を渡してもらうよ!」
シュウ「フッ、その物言い…… あなたも彼と同じですね」
アギーハ「どういう意味だい!?」
シュウ「猪突猛進……。 相手をするだけ時間の無駄だと いうことですよ」
アギーハ「ふざけんじゃない!  命が惜しければ、さっさと グランゾンをよこしな!」
シュウ「私の機体を手に入れて、 何をなさるつもりなのです?」
アギーハ「応える必要なんてないよ!  あんたは黙ってそいつを あたい達に引き渡せばいいのさ!」
シュウ「……そうですか。 しかし、今はまだ蒔いた種の 刈り取り時ではないはず……」
シュウ「どうやら、 あなた方は『違う』ようですね」
アギーハ「何だって!?」
シュウ「ならば、 あなた方に用はありません。 ……彼らも来たことですしね」
(ヒリュウ改が出現)
レーツェル「ヒリュウ改……!  こちらの戦闘を感知して来たのか」
ショーン「ええ。 伊豆へ戻る前にレイカー司令から 命令を受けましたので」
レフィーナ「各機、直ちに……」
(サイバスターとヴァルシオーネが出撃)
シロ「マサキ、間違いニャいよ!  あれはグランゾンだニャ!」
マサキ「あの野郎、 こんな所にいやがったか!」
レフィーナ「あ、あの…… まだ出撃命令は……」
ショーン「事情が事情です。 今回ばかりは仕方ありませんな」
レフィーナ「そ、そうですね……!  残りの各機も出撃して下さい!」
(出撃準備)
マサキ「シュウ!  ここで会ったが百年目って奴だぜ!」
シュウ「おやおや、 先程も聞いた台詞ですね」
マサキ「何だと!?」
アギーハ「チッ、 あの連中がここへ来るなんてね!」
リューネ「あいつ、 確かインスペクターの年増……!」
アギーハ「だ、誰が年増だい!  あたいの名はアギーハ!  忘れたとは言わせないよ!」
リューネ「心配しなくても、 キッチリ覚えてるよ!」
リューネ「ホワイトスターで あんた達から受けた仕打ちも 含めてね!」
シュウ「フ……向こうは向こうで 因縁があるようですね」
ラミア(あれがグランゾン…… 我々の方にも詳細なデータがない 謎の機体……)
ラミア(ベーオウルフやヘリオスと 同じクラスのターゲット……出来れば、 マークしておきたい所だな)
シロ「それにしても、 シュウはニャんでここにいるニャ?」
マサキ「まさか、あの野郎…… インスペクターと!?」
シュウ「短絡的な所は 本当に相変わらずですね、マサキ」
マサキ「うるせえ!  今度は何を企んでやがる!?」
シュウ「勘違いしてもらっては 困りますね。私はあなた達の お手伝いをしたと言うのに」
マサキ「手伝いだぁ?  冗談は大概にしやがれ!」
レーツェル「いや、事実だ……マサキ」
マサキ「!」
レーツェル「シラカワ博士の真意は どうあれ、私は彼に救われた」
マサキ「本当なのか!?」
シュウ「ええ。 そして、あなたとここで揉め事を 起こす気もありません」
シュウ「もっとも、 それを信用するかどうかは あなた次第ですがね」
マサキ「だったら、 答えは決まってるぜ!」
シュウ「おや、いいのですか?  ここでインスペクターを止めなければ、 後々不利になりますよ」
マサキ「何っ……!?」
シュウ「わかりませんか?  彼らがここまで来た以上、極東地区が 襲撃されるのは時間の問題……」
シュウ「あなたは 私に構っている暇などないはずです」
マサキ「……!」
シュウ「それに……人の忠告は 素直に受け入れるものですよ、マサキ」
マサキ「ふざけんな!  誰がてめえの忠告なんか!」
エクセレン「まあまあ、マーサ。 ここはシラカワ博士を信じましょ」
マサキ「冗談じゃねえ!  俺はここで奴とのケリをつける!」
エクセレン「でも、 インスペクターのお偉いさんが わざわざ出張って来てるのよ」
エクセレン「ここで お帰り願っとけば、極東侵攻の 出島を築けるんじゃない?」
タスク「築いてどうするんスか!  崩す、でしょ!」
エクセレン「いやん、ジョークだってば」
リョウト「あの…… 『出鼻をくじく』じゃないですか?」
エクセレン「あらら、リョウト君も 意外にツッコミ厳しいのね」
ショーン「ま、冗談はさておき…… 我々としても、ここでサイバスターと 彼に抜けられては困りますな」
レフィーナ「……マサキ、 あなたにはあなたの事情が あるのは承知しています」
マサキ「……」
レフィーナ「ですが、 私達はあなたとサイバスターの力を 必要としています」
レフィーナ「身勝手なお願いだと 思いますが、どうか……」
マサキ「……」
マサキ「……しょうがねえ。 シュウ、今回は見逃してやるぜ」
シュウ「フッ…… 一応、お礼を言っておきましょうか」
マサキ「だが、忘れるな!  てめえが何を企もうと、 必ずこの俺が食い止めてやるぜ!」
シュウ「あなたに それが出来るとは思えませんが…… まあ、いいでしょう」
シュウ「では、少佐……行きましょうか。 途中までお送りしますよ」
レーツェル「……承知した」
シュウ「そうそう、マサキ…… 最後にもう一つ忠告しておきましょう」
マサキ「今度は何だ!?」
シュウ「今回の事件の裏に潜む 『影』に気をつけなさい」
マサキ「影……!?」
シュウ「油断していると、 足下をすくわれますよ。 ……それでは」
(グランゾンとヒュッケバインMk-III・Tが撤退)
マサキ「どういうことだ……!?」
ブリット「影って…… 何かの謎かけか?」
リオ「わ、わからないわ」
ラミア(まさか、あの男…… 気づいているとでも?)
アギーハ「とんだ邪魔が入ったね!  こうなったら、お前達だけでも ここで始末してやるよ!」
(敵機増援)
マサキ「チッ、 まだあんなにいやがるのか!」
キョウスケ「ここで奴らを叩けば、 次の作戦までの時間を稼ぐことが 出来る……」
カチーナ「ああ! 宇宙人共め、 ただで帰れると思うなよ!」
レフィーナ「全機、 攻撃を開始して下さい!」
(作戦目的、熟練度獲得条件変更)

〈vs アギーハ〉

[キョウスケ]

キョウスケ「俺達と ここで出会ったのが 運の尽きだったな……!」
アギーハ「ハッ!  それはあたいの台詞だよ!」

[ラミア]

ラミア「インスペクターか。 実際に交戦するのは始めてだな」
アギーハ「そうかい!  なら、これで最後にしてやるよ!」

[ブリット]

アギーハ「図体の割には 動きの速い奴だね……!」
アギーハ「でも、 あたいのシルベルヴィントには 追いつけやしないよ!」
ブリット「いや、追いついてみせる!  この虎龍王でな!!」

[クスハ]

クスハ「あの時、私達を追ってきた インスペクターの指揮官機……!」
アギーハ「見慣れない機体だね……!  そいつを寄こしな!  あたい達で使ってやるよ!」
クスハ「龍虎王は 私達と一緒に戦うと言ってくれた…… だから、あなた達には渡しません!」

[リオ]

リオ「あなた達を倒し、 父様やマオ社のみんなを 必ず取り戻してみせる!」
アギーハ「ハッ!  もう手遅れかも知れないよ!!」

[リョウト]

リョウト「ここであいつを倒さなきゃ、 マオ社を取り戻すことだって 出来やしないんだ!」
アギーハ「その台詞は メキボスの奴に言うんだね!!」

[マサキ]

アギーハ「さあ、 こないだのスピード勝負の続きと いこうか、サイバスター!」
マサキ「ヘッ、結果は見えてるぜ!」

[リューネ]

リューネ「行くよ、 インスペクターの年増!」
アギーハ「この小娘が!  あたいはアギーハだって 言ってるだろ!」

[カチーナ]

カチーナ「無理すると身体に響くぜ、 年増女!」
アギーハ「ハッ、 他人のことが言えるのかい!?」
カチーナ「ふ、ふざけんな!  あたしはまだ25だ!!」

[レフィーナ]

アギーハ「しょうがないね……!  あの艦の代わりに、そいつを 持って帰ることにするよ!」
レフィーナ「あの艦……!?」

[撃墜]

アギーハ「ええい!  ここまで来て、手ぶらで 帰らなきゃならないのかい!?」
エクセレン「お土産なら、あげるわよ?」
キョウスケ「ただし…… 別の所へ行ってもらうことになるがな」
アギーハ「チッ、覚えておいで!!」
(シルベルヴィントが撤退)
エクセレン「あらら、 スタンダードな捨て台詞ねぇ」
マサキ「シロ、グランゾンの反応は?」
シロ「完全に消えちゃってるニャ……」
マサキ「チッ……」
マサキ(あいつが言ってた影ってのは、 もしかして……?)
キョウスケ「……」
キョウスケ(ついにインスペクターが 極東地区にまで現れたか……)
キョウスケ(先手を取るか、 後手に回るか……いずれにせよ、 奴らとの決戦は近いな)

《ヒリュウ改艦橋》

ショーン「艦長、先程のインスペクターは ハワイ方面へ撤退しました」
ショーン「また、彼らの別働隊も 見当たらぬようですな」
レフィーナ「わかりました。 では、これより伊豆基地へ向かいます」
ショーン「了解です」
エクセレン「それにしても、 色男さんのお兄さんは 何であんな所にいたのかしらん?」
ショーン「神出鬼没な方ですが…… だいたいの見当はつきますな」
エクセレン「見当? 何なんです?」
ショーン「その答えは 後々のお楽しみということで」
ショーン「あ、いや……出来れば、 答えは出ない方が望ましいですな」
エクセレン「?」
カチーナ「それにしても、 シュウ・シラカワが言ってた 影ってのは何だ?」
タスク「中尉、下を見てください」
カチーナ「下ァ?」
タスク「ほら、足の下にあるっしょ?」
(平手)
タスク「いてっ!!」
カチーナ「あたしは 真面目に聞いてんだよ!!」
タスク「ほ、ほんの冗談なのに~」
ショーン「ドツキ漫才はともかく…… 教えて下さった人が人だけに、 気になるところですな」
エクセレン「そっちの方の見当は?」
マサキ「……ついてるぜ」
エクセレン「え? マーサが?」
マサキ「が、って付けんな!」
エクセレン「メンゴメンゴ。 で、マーサの見当ってのは?」
マサキ「多分、 転移してきた謎のロボットや ゼンガーのおっさんの偽者……」
マサキ「そして、アクセル・アルマーって 奴のことだろうな」
エクセレン「な~る…… ノイエDCにひそむ影って感じ?」
マサキ「ああ、 何かと怪しい連中だからな」
カチーナ「じゃあ、 足下をすくわれるってのは どういうこった?」
マサキ「いや、それはわからねえ」
カチーナ「何だよ、中途半端だな」
タスク「……もしかしたら、 スパイがいるってことかも」
カチーナ「スパイだぁ? どこに?」
タスク「足下って言うぐらいッスから、 身近にいるのかも……」
レフィーナ「え……?」
ショーン「……」

《連邦政府・大統領府》

ブライアン「……5日後の午前0時?」
ニブハル「ええ。 それがオペレーション・プランタジネットの 開始日時です」
ブライアン「予定より 少し早まったようだね。 やはり、ハワイの件が原因で?」
グライエン「そうだ」
ブライアン「作戦指揮官は 当初の予定通り、極東方面軍の レイカー少将かい?」
グライエン「ああ。 それにケネス・ギャレットが オブザーバーとしてつく」
ブライアン「ほう…… あの二人は犬猿の仲だと 聞いているが、大丈夫なのか?」
グライエン「ケネスは 北米方面軍の司令官であり、 インスペクターとの交戦経験者だ」
グライエン「彼の知識は オペレーション・プランタジネットの 作戦指揮に役立つ」
ブライアン「つまり、 敗軍の将が兵を語るわけだね」
グライエン「何が言いたい?」
ブライアン「いや、別に。 ところで、あなたが進めている ノイエDCとの交渉の方は?」
グライエン「根回しは済んでいる。 後はバンの確約を得るだけだ。 作戦開始までには間に合わせる」
ブライアン「そうか…… それをきっかけに連邦軍とノイエDCの 戦いが終わればいいんだが」
ブライアン「いや…… そういう流れになっているかな?」
グライエン「……」
グライエン(こやつ…… 気づいておるのか?)
ブライアン「では、ムブハル補佐官。 インスペクターとの交渉の方は?」
ニブハル「残念ながら、未だ彼らとの パイプは見つかっておりません」
ブライアン「ふうん……意外と 近くにあるんじゃないのかい?」
ニブハル「……」
ブライアン「まあいい。 プランタジネット発動後も彼らとの コンタクトを試みてくれたまえ」
ニブハル「承知致しました」
ブライアン「さて……後は待つだけか」
グライエン(フン……お前が 今後のことを気に病む必要はない)
グライエン(オペレーション・ プランタジネットが始まった時……)
グライエン(お前は その椅子に座っていないのだからな)

《伊豆基地・ラボ》

スタッフ「……R-GUN、 スタンバイモードで起動」
ケンゾウ「T-LINKコネクター、 1番から10番までを接続しろ」
スタッフ「……接続。 パイロットの脳波、脈拍共に異常なし」
ケンゾウ「R-3の方は?」
スタッフ「すでに準備は出来ています」
ケンゾウ「よし……。 アヤ、T-LINKツインコンタクトの テストを開始するぞ」
アヤ「わかりました」
ケンゾウ「仮想サイコドライブ、起動。 R-GUN、T-LINK開始」
スタッフ「R-GUN、 T-LINKコンタクト確認」
ケンゾウ「アヤ、 マイのTPレベルが4に到達した時点で ツインコンタクトを始めろ」
アヤ「はい……」

《???》

(精神感応)
マイ「う、うう……!」
???(レビ)「……」
マイ「ま、また……お前が……!」
???(レビ)「お前は そこで何をしている……?」
???(レビ)「そんな物に乗って 何をしている……?」
マイ「お、お前は……誰だ……?  何故、私に語りかけてくる……?」
???(レビ)「まだ私のことが わからないのか……?」
マイ「うう、う……!」
???(レビ)「思い出せ……私の名を……」
マイ「ううう……!」
レビ「レビ・トーラー…… お前の真の名を……思い出せ」
マイ「レ、レビ……!?」
(精神感応)
マイ「うっ! うあああっ!!」
(精神感応)
アヤ「マイ、どうしたの!?  しっかりして!」
マイ「ア、アヤ……!!」
レビ「また……あの女か……!」

《伊豆基地・ラボ》

(アラート)
マイ「うあああああっ!!」
スタッフ「念が逆流します!  自我境界線、レッドゾーンに!!」
マイ「あああ……ああああっ!」
アヤ「マ、マイ!!」
ケンゾウ「……」
スタッフ「博士、 このままでは危険です!!」
ケンゾウ「T-LINK中止。 R-GUNのサイコ・クラッチを切れ」
スタッフ「は、はいっ!」
(システムダウン)
マイ「はあっ、はあっ……は……」
ケンゾウ「……」
ケンゾウ(マイ…… もしや、お前は……?)

《連邦軍伊豆基地》

アヤ「マイ……大丈夫?」
マイ「……」
アヤ「何があったの?  ツインコンタクト中に……」
マイ「夢を……見た」
アヤ「夢?  あなた、この間もそんなことを……」
マイ「アヤ……教えて。 あれはいったい誰……?」
アヤ「え……?」
マイ「私と同じ顔をした者…… あれはいったい……?」
アヤ「!!」
マイ「レビ・トーラー…… あの子は……私の何なの……?」
アヤ(そ、そんな……!  彼女がまだマイの中に……!?)
マイ「もしかして…… 私が失った記憶と関係が……?」
アヤ「そ、それは……」
マイ「怖い……自分が自分で なくなるような感じが……」
マイ「あの時、アヤが 呼びかけてくれなかったら……」
マイ「アヤが 私を助けてくれなかったら、 私は……」
アヤ「マ、マイ……」

《伊豆基地・ラボ》

ロバート「何ですって!?  マイにあの時の記憶が!?」
ケンゾウ「ああ。 もしかしたら、深層意識の中に 彼女が残っているのかも知れん」
ロバート「そ、その根拠は?」
ケンゾウ「本人がレビの名を口にした」
ロバート「!!」
ケンゾウ「それに、ツインコンタクトの テスト中に不可解なテレキネシスα波が 検出された」
ケンゾウ「その時のTPレベルは14…… 今のマイの倍近い」
ロバート「……ど、どうするんです?  あの子に事実を教えるんですか?」
ケンゾウ「いや。 現状でもアヤとマイのツインコンタクトは 予想以上の結果を出している……」
ケンゾウ「これにリュウセイの力が 加われば、SRXは安定した状態で HTBキャノンを使用できるだろう」
ロバート「しかし、今のあの子が 自分の過去のことを知ったら……!」
ケンゾウ「マイとアヤには 口止めしてある。このことは 我々の間での秘密にするぞ」
ロバート「そんな!  いずれはわかることです!  隠し通せはしない!」
ケンゾウ「それでも、だ。 今、マイの自我を崩壊させるわけには いかん。全ては計画のためだ」
ロバート「……」

『大型ジェネレーター』を入手した
『アポジモーター』を入手した
『メガブースター』を入手した

『アーマーブレイカー』を入手した


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