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受け継がれた呪い

[フリングホルニ ブリッジ]

マサキ「シュウから連絡が来たってのは マジか!?」
シャリアン「ああ、今メインに回す」
(モニターオン)
シュウ「ようやく調査が終わりました。 そちらに合流したいんですが、 許可をもらえますか」
マサキ「ああ、許可はやる。 その代わり、エルシーネの事を ちゃんと説明しろ。いいな?」
シュウ「ええ、私が知り得た限りの事は お話ししますよ。それと、プレシアの 事もね」
マサキ「プレシアの事……何かわかったのか!?」
シュウ「そう焦らなくてもいいですよ。 間もなくそちらに到着します。 そこでゆっくりお話ししましょう」
マサキ「わかった」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

シュウ「ゲストルームや格納庫以外に通して もらったのは初めてですね。なるほど、 ここがブリーフィングルームですか」
マサキ「妙な事に感心してねぇで、 さっさと知ってる事を話せ!」
シュウ「慌てなくとも、まだ時間はあります。 いや、逆に時間がないと困る、というのが 正解ですね」
マサキ「回りくどい言い方はやめろ!  プレシアは、何でエルシーネに 連れてかれたんだ!?」

<No.081:ヴォルクルスの呪い

シュウヴォルクルスの呪いですよ」
マサキ「……マジなのか、それは?」
シュウ「ええ、それも大がかりな呪いです。 何しろ、5000年前から準備されていた 呪いですからね」
マサキ「5000年前……?  一体何の事だ?」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ウェンディ「あ……もしかして、剣神ランドールの ヴォルクルス封印伝説?」
シュウ「さすがはウェンディ。 知っていましたか」
ウェンディ「そりゃあ、有名な伝説だもの。 でも、伝説には呪いの話なんて 出てこないわよ」
シュウ「それはそうです。 呪われたのはランドールではなく、 その妻の方なんですから」
ウェンディ「えっ?  ランドールって独身だったって 話だった様な……」
シュウ「そんなはずはないでしょう?  ゼオルート氏やプレシア、エランなどの 子孫がいるんですから」
ウェンディ「あ……言われてみればそうよね」
シュウ「実は、ラングラン王家にだけ 伝わる裏の伝説がありましてね」
セニア「何よ、それ。 あたし、初耳なんだけど」
シュウ「王位継承権を持った者だけに 伝えられる話ですから」
セニア「あっ……そういえば、 そんな話があるらしいってウワサは 聞いた事がある……」
シュウ「ただし、話自体は特に変わったものでは ありません。ゼノサキス一族は、 ラングラン王家の血を引いている……
 ただ、それだけの事ですから」
セニア「えっ? そうなんだ…… おじさんは知ってたの?」
ワグネル「んー、一応聞いてはいましたが、 言われるまで忘れてましたね」
マサキ「おい、その話が、どうやってプレシアに 繋がるんだよ!?」
シュウ「ふう……今の話で察しがつきませんか?
 要するに、ランドールの妻であった ラングラン王家の女性が、ヴォルクルスの 呪いを受けていた。
 そして、その呪いは、代々遺伝子の様に ゼノサキス家に受け継がれていたのです」
マサキ「……その話が本当だとして、 何だ今更、プレシアにそんな呪いが 降りかかるんだよ?」
シュウ「今更、ではないんですよ。 事は、私にも関わりがあります」
マサキ「お前に?」
シュウ「ええ、直接の原因は、私が ゼオルート氏を殺めてしまったのが そもそもの発端なのです」
マサキ「……ゼオルートのおっさんの件も 関わってるのか?」
シュウ「あなた方も気付いているでしょう?  プレシアは、あの時から身体の成長が 止まっている事に」
ウェンディ「で、でもそれは…… 個人的なばらつきの問題で……」
ミオ「諸般の都合だからじゃないの?」
シュウ「いえ、あの時からプレシアには 呪いが蓄積し始めていたのです。
 ゼオルート氏によって、抑えられていた ヴォルクルスの呪いが」
マサキ「おっさんが抑えていたって…… そんな話、俺は一度も聞いた事ねぇぞ」
シュウ「それはそうでしょう。 ゼオルート氏本人だって 知らなかったのですから。
 ヴォルクルスの呪いが発動するのは、 特定の資質を持った、ゼノサキス一族の 女性のみ。
 それも、一族の肉親が身近にいれば、 抑えられる程度のもの」
マサキ「……プレシアにその資質が あったってのか?」
シュウ「ええ、間違いありません。
 さすがに詳しい事はわかりませんでしたが、 とうやら、それはヴォルクルスの封印を 解く、大きな鍵になっているらしいのです」
マサキ「で、結局プレシアを助けるには どうすりゃいいんだよ?  俺が知りたいのはそこだけだ」
シュウ「残念ですが、具体的な方法までは、 私にはわかりませんでした。 一族の口伝だそうです。
 ゼオルート氏は、それをプレシアに 伝える前に亡くなってしまいましたから」
マサキ「何だと!? それじゃ……」
シュウ「ですが……その方法を知る人物が 一人、います」
マサキ「誰だよ、それは?」
シュウ「わかりませんか?  プレシアと同じゼノサキス一族…… 知り合いがいるでしょう?」
マサキ「おい、ちょっと待て。 まさか……」
シュウ「ええ、そのまさかです。 エラン・ゼノサキス。 彼が全てを知っています。
 ゼノサキス一族に代々伝えられる 神祇無窮流……その技の中に 隠されているものがあるのです」
ガエン「……待て。神祇無窮流ならば 俺も使える。そんな技など聞いた事がない」
シュウ「当然でしょう? ゼノサキス一族の、 しかも特別な女性にのみ現れる呪いに 関する技です。
 伝えられるのは一族のみ、しかも 口伝だと先程も言ったでしょう?」
ガエン「……確かに筋は通っているが」
マサキ「なら、エランに会えって事だな?」
シュウ「ええ。ですが、知っての通り、 彼がそう簡単に協力してくれるとは 思えませんがね」
マサキ「お前、エランとは知り合いだったのか?」
シュウ「そうですね……私とマサキの関係に 近いものがあります」
マサキ「……つまり敵って事だな?」
シュウ「おや、どうやら私とマサキの間には 事実に対する認識の違いがある様ですね」
マサキ「そりゃ結構。お前とおんなじ ものの見方なんざ、したくねぇからな。
 それで、てめぇはエランの居場所を 知ってるのか?」
シュウ「今現在の居場所はわかりませんが、 遠からず彼が現れるであろう場所に 関しては、知っています」
マサキ「じゃ、その場所を教えてくれ」
シュウ「等価交換という言葉を知っていますか?」
マサキ「……何だよ、そりゃ」
シュウ「何かをもらうなら、何かを差し出す 必要があるという事です」
マサキ「さっき、茶を出したろ」
シュウ「あなたにとって、プレシアの情報は お茶一杯程度の価値しかないと?」
マサキ「……わかった。何が欲しい?」
シュウ「ちょっとした情報を頂きたいんです。 セニア、あなたなら持っているでしょう?」
セニア「何の情報よ?  機密事項は渡さないわよ」
シュウ「アクレイド・バロム氏に関する 情報です。今のところ、彼ともっとも 接触したのはあなた方ですから」
セニア「戦闘データって事?」
シュウ「いえ、通信記録などの会話も含めて、 できる限りのデータを」
セニア「……今すぐは無理よ。 色々編集しておかないと、 生のデータは渡せないわ」
シュウ「それくらいは待ちますよ。 あなたの腕なら、小一時間もあれば 編集可能でしょう?」
セニア「……マサキ、構わない?」
マサキ「機密じゃねぇならいいだろ。 代表も異論ねぇよな?」
ワグネル「ええ、もちろん」
セニア「じゃ、準備するから電算室まで 来てよ、クリストフ」
シュウ「わかりました」

[フリングホルニ ブリッジ]

セニア「座標データ、持ってきたよ」
マサキ「ああ、サンキュ。 シュウは出てったのか?」
セニア「うん、データを交換したらすぐ」
マサキ「けど、何であいつ、アクレイドの データなんて欲しがったんだ?
 エルシーネだけじゃなく、 アクレイドも狙ってやがるのか?」
セニア「ていうか、敵に回した時の対処を 考えてるだけじゃない?  アクレイドの戦略ってすごいし」
マサキ「それだけだったらいいんだがな……
 それで、ホーリー。 座標の入力は終わったか?」
ホーリー「ええ、完了したわ。 航路も設定済み」
ワグネル「では、艦長、お願いします」
ブラッドロイ「うむ。フリングホルニ、発進」

≪エクリア市郊外ベランセン火山≫

ホーリー精霊レーダーに反応!!  本艦に接近する部隊あり!  識別信号は……南部のものです!」
ブラッドロイ「南部軍の残党か?  総員、戦闘配置!」


受け継がれた呪い

〔戦域:火山〕

(北側に敵機が出現し、南西側にフリングホルニ、サイバスターが出現する)
マサキ「ムデカ、マーガレット…… また、てめぇらか!  戦争は終わったんだぞ!!」
ムデカ「戦争など関係ない。俺達は、 お前達を赦さない…… ただそれだけだ!」
リューネ「デミン、あんたは何が目的なのさ?」
デミン「お忘れですかい?  あっしは傭兵ですからね、報酬さえ もらえりゃ、どこにだって行きますぜ」
(作戦目的表示、出撃選択、フリングホルニが撤退する)

状況選択

ディーゴとセニアが戦闘した
ディーゴ機を撃墜した


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