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簒奪者オンガレッド

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ワグネル「みんな揃ったかな?」
マサキ「ああ、いや、待て。 リューネがいねぇぞ」
ミオ「トレーニングルームじゃないの?」
ゲンナジー「いや、あそこにはいなかった」
(扉が開く)
リューネ「ご、ごめん、遅れちゃって……」
マサキ「お、やっと来たか。 これで全員だな」
ワグネル「それでは、報告を始めます。 重大ニュースです。南部でオンガレッドが クーデターを起こしました」
ギド「むっ? それは…… しかし、ニュースには流れていないぞ」
セニア「今は情報統制されてるからね。 もうしばらくしたら、情報が 流れ始めると思う」
マサキ「クーデターだと…… 前回の事といい…… あの野郎、ロクでもねぇ事しやがる!」
テュッティ「それで、セニア様。 どうしてその事を?」
セニア「エルシーネさんから情報が来たの」
マサキ「エルシーネ?  何であいつが……」
セニアアクアビナ修養会は、信者同士の ちょっとしたネットワークを 持ってるから。
 前々から動きが変だったし、 この情報は信用できると思う」
ヤンロン「それで、クーデターは成功したのか?」
セニア「ええ、ほぼ。まだ完全には 収束してないけど。
 情報によると、オンガレッドは 現大統領を傀儡に仕立て、議会を解散。 全ての権限を自分に集中してるみたい。
 自分は表に出ずに、裏で全てを 操る、影の権力者になったワケ。
 これで南部はオンガレッド 独裁体制になるのも時間の問題よ」
テュッティ「……危険だわ。 彼はまた、非戦闘員を巻き込んで 戦いを始めてしまう」
マサキ「おまけにヴォルクルス教団とも 繋がってるみたいだしな……」
ヤンロン「うむ、このままにはしけおけん」
ベッキー「けど、どうするんだい?  南部の首都に殴り込みでもかけるかい?」
マサキ「それもいいかもな」
ツレイン「ええっ?  そんな乱暴な……」
ヤンロン「いや、意外といい案だ。 今なら、クーデターによる混乱が 治まりきっていない」
ミオ「急げば間に合うって事?」
マサキ「ああ、オンガレッドさえ倒せば、 今回の戦争は片がつく。 今がチャンスだ」
ギド「……厳しい作戦ではあるが、 可能性はあるな」
ワグネル「んー、本来であれば、クーデターに 対応するのは内政干渉に当たります。
 しかし、今回は聯盟から南部への 制裁決議も出た事ですし、南部政府が 機能していない今ならば……
 やや拡大解釈の恐れはありますが、 南部軍へ攻勢をかけても、法制面での 問題は無さそうですね。
 これ以上、戦果を拡大しないためにも、 マサキの案でいきましょう」
マサキ「リューネ、お前もそれで……
 ん? おい、リューネ、どうした?」
リューネ「えっ? あ……う、うん」
マサキ「? 何だよ、顔が赤いぞ。 熱でもあんのか?」
リューネ「だ、大丈夫だって。 別に……なんとも……」
マサキ「!? おい、すげぇ熱じゃねぇか!?」
リューネ「へ、へーき、へーき…… この……くら……い……」
(倒れる)
マサキ「リューネ!?」
ウェンディ「みせて!
 うわ……かなりの熱ね。 とにかく治療室へ」

<No.077:風邪のリューネ

リューネ「ごめん……こんな時に風邪なんて 引いちゃって」
マサキ「気にすんな。 それにしても、ラ・ギアスでも 風邪ってのは治せないんだな」
ウェンディ「風邪のウィルスは変異が多いから、 抗ウィルス剤でも完全な治療は できないのよ。
 ゆっくり寝て、栄養をとるっていう 対症療法しか手はないわ」
マサキ「日本じゃ、ネギを喉に巻くといいって 話があるけどな」
ウェンディ「ネギの香気成分が、鼻づまりを 緩和するのかしらね。 けど、結局は対症療法だけど」
マサキ「ま、俺達に任せて、お前は ゆっくり寝てな。 まずは風邪を治すのが先決だ」
リューネ「うん……」

≪ワイドント市

(レーダー警告が鳴る)
ホーリー精霊レーダーに反応!  2時の方向、距離、200!」
ブラッドロイ「迎撃部隊か!  総員戦闘配置!」


簒奪者(さんだつしゃ)オンガレッド

〔戦域:火山〕

(敵機が出現し、フリングホルニが出現する)
ムデカ「アンティラス隊め…… やはり首都に迫ってきたか」
マサキ「ムデカか!  待ち伏せしてやがったな!」
シモーヌ「邪魔しないで!  オンガレッドのクーデターなんて、 あんたも望んじゃいないだろ!」
ムデカ「ふん、そんなもの、俺には 関係ない。俺の目的は、貴様達を 倒す事だけだ!」
シモーヌ「まったく…… 聞く耳も持ってないんだから」
(作戦目的表示、出撃選択、フリングホルニが撤退する)

〈vs ムデカ〉

[シモーヌ]

シモーヌ「何でそこまで、ラセツに義理立て するのさ!?」
ムデカラセツ様は、俺の才能を認め、 引き立ててくれた恩人だ!」
シモーヌ「恩人が悪い事をしたら、あんたは それを助けるっての!?」
ムデカ「当然だ!」
シモーヌ「……話し合う余地はなさそうね」

[ファング]

ムデカ「大会で貴様に敗れてから  2年と185日……  修行の成果をみせてやる!」
ファング「……何でそんな細かい日にちまで」

[マサキ]

マサキ「てめぇ、いい加減しつこいってんだよ!」
ムデカ「自慢じゃないが、受けた恨みは 決して忘れないんでな!」
マサキ「……ホントに自慢じゃねぇぞ、それ」

[ロザリー]

ロザリー「あたし達の邪魔しないでよ!」
ムデカ「!? ロザリー!?  ロザリー・ギムナスなのか!?」
ロザリー「へっ? あんた…… 何であたしの本名知ってんの?」
ムデカ「俺だよ! 忘れたのか?  ムデカ・ラーベンスだ!  昔、一緒に遊んだだろ?」
ロザリー「そっただ事言われても、 あたし、あちこち引っ越したし……」
ムデカ「8年3ヶ月と9日前だ!」
ロザリー「あー……その言い方で思いだしたわ。 あのムデカね?」
ムデカ「そうだ! 思い出してくれたか!  それにしても君はまた、一段と 可愛く……」
ロザリー「そういやあんた、何かっていうと あたしに意地悪してくれたっちゃね!  思い出したらむかつくったい!」
ムデカ「ええっ!?  い、いやそれはその、 何とか君の気を惹こうと……」
ロザリー「せからしか!  かかってこんね!」
ムデカ「ろ、ロザリー……」

[撃墜]

ムデカ「くっ……まだ修行が足りん。 出直すぞ!」
(バイラヴァが爆発する)

〈敵機全滅〉

(経験値入手)

[フリングホルニ ブリッジ]

マサキ「ちっ……思ったより時間が 掛かっちまったな」
シャリアン「そうだな……先を急がねば。 我々には時間がない」
ミオ「フリングホルニの超巡航形態って 使えないの?」
ブラッドロイ「使えん事はないが、ここは敵地だ。 超巡航形態時は、シールドが手薄になる。 迎撃されると危険だからな」
ミオ「あー、そうなんだ」
マサキ「今は、やれるだけの事をやるだけだ。 艦長、急いでくれ」
ブラッドロイ「わかっている」

≪ケッティアム火山

<No.077:風邪のリューネ

マサキ「よっ、リューネ」
ウェンディ「具合はどう?」
リューネ「あ、マサキ、ウェンディさん。 戦闘、終わったんだ」
マサキ「ああ」
リューネ「ごめん、こんな時に……」
ウェンディ「いいのよ、病人はそんな事を 気にしちゃダメ。早く治すのが仕事よ」
マサキ「それにしてもリューネが 風邪引くなんてな。何とかは 風邪引かないっていうけど」
リューネ「な、何よ」

[フリングホルニ リューネの部屋]

ウェンディ「リューネ、キッチン借りるわね。 オートミール、作ってあげる」
リューネ「うえっ、あたしオートミール嫌い なんだけど……」
ウェンディ「そう? それじゃお粥は?」
リューネ「オカユ? ああ、時代劇に出てくる 貧乏な親子が食べてる、あれ?」
マサキ「……その喩えはどうかと思うぞ」
リューネ「あたし、お粥って食べた事ない」
ウェンディ「じゃ、お粥にしましょう」
マサキ「ウェンディ、お粥なんて作れるんだな」
ウェンディ「ええ、任せて」
マサキ「で、リューネ。 熱はどうだ?」
リューネ「うん、大分下がってきた。 今日いっぱい寝てれば、元通りになるよ」
マサキ「そうか、そりゃ良かった。 あ、そうだ。イチゴ、食うか?」
リューネ「あ、うん」
マサキ「ほれ」
リューネ「…………」
マサキ「ん? どうした?  食べねぇのか?」
リューネ「え、えーとね……その……」
マサキ「何だよ。 練乳でもかけて欲しいのか?」
リューネ「そ、そうじゃなくて、その…… た、食べさせて欲しいなって」
マサキ「なっ!?」
(皿を落とす)
ウェンディ「きゃっ!?  ご、ごめんなさい、お皿、割っちゃった」
リューネ「あ、いいよいいよ、 どうせ安物だし」
マサキ「お前な、食器類はプラスチックに しとけよ」
リューネ「それよりマサキ…… さっきの……」
マサキ「さ、さっきのって…… な、何だよ?」
リューネ「……あーん」
マサキ「こ、こら! リューネ!?」
マサキ(!? な、なんだ…… この殺気は……)

<No.078:その姿はまるで魔女の様……

(煮立っている)
マサキ「!? う……ウェンディ?」
ウェンディ「なあに? マサキ。 お粥ならもう少しでできるから」
マサキ「え? あ、いや……」
マサキ(……気のせいか?  さっき、ウェンディがまたテューディ化 した様な気が……
 つーか、お粥作るのに、 あのでっかい寸胴鍋ってのは どうなんだ?)

<No.077:風邪のリューネ

リューネ「もう、マサキ。どこ見てるの。 ほら、イチゴ……食べさせてよ」
マサキ「!? そ、そんな事……」
マサキ(うっ? また殺気が……)

<No.078:その姿はまるで魔女の様……

(ウェンディの髪が赤い)
ウェンディ「うふ……うふふふ……」
マサキ(!? み、見間違いじゃねぇ!?  またウェンディがテューディ化…… しかも笑ってる……)

[フリングホルニ リューネの部屋]

(煮立つ音が消える)
リューネ「マサキ、よそ見しないっ!」
(ぶつかる)
マサキ「ぐあっ!?  く、首が……首が……」
リューネ「ほら、ちゃんとあたし見て」
ウェンディ「うふふふ……い~わねぇ…… リューネは病人だから、思いっきり 甘えちゃって……うふふ。
 いいのよ~、マサキ。 リューネのリクエスト、聞いてあげたら?  うふふ……」
マサキ(こ、こえぇって!  笑ってるのに、声がこえぇっ!)
リューネ「ほら、ウェンディさんもああ言って くれてるんだし、いいでしょ?」
マサキ「お、お前……その位置からじゃ ウェンディが見えないから、 そういう事が言えるんだっ!」
リューネ「ねーったら~」
ウェンディ「うふふ…… 遠慮しないでいいのよ~、マサキ。 私はちっっっっとも気にしないから~」
リューネ「ふふ、ウェンディさん、ありがと」
マサキ「い、いや……」
リューネ「……それとも、首を後360度ほど 回して欲しい?」
マサキ「ぜ……前門の虎、後門の狼……」
ウェンディ「うふふ……火ネズミの衣、 猫の足音、がまの油……」
マサキ(な、何か、おどろおどろしい 単語が聞こえた様な……)
リューネ「はい、あーん」
マサキ「くっ……こうなりゃヤケだ…… やってやるっ!」
リューネ「はむっ♪ うん、おいしい……」
マサキ「う……ううっ……」
ウェンディ「うふふ……仲が良くて 羨ましいわぁ~」
マサキ(や……やべぇ…… 本格的にやべぇ…… 俺の勘が、逃げろって言ってる……)
ウェンディ「さあ、これで完成よ。 ウェンディ特製お粥」
マサキ「!? お、お粥って……」
マサキ(違うっ! この匂いは絶対 お粥じゃねぇっ!!  もっと禍々しい何かだっ!)
リューネ「え……えっと…… ウェンディ……さん?」
ウェンディ「うふふ…… 味の方はちょ~っと保証できないけど、 薬効は満点よ」
リューネ「い、いや、保証できないっていうか、 その、匂いの時点でもうヤバいっていうか」
ウェンディ「ダメよ~、リューネは病人なんだから~。 病気を治すのが第一。ね?」
リューネ「ね? って言われても!  ま、マサキ……」
マサキ「……すまん。 俺は力になれねぇ……無力だ。 後は任せたっ!」
(扉が開く)
リューネ「あっ!?  マサキっ! 逃げるなっ!!」

[フリングホルニ 通路]

マサキ「はぁ……心臓に悪いぜ」
リューネ「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」
マサキ「……リューネ、成仏しろよ」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ギド「残念な情報だ。オンガレッドはすでに、 完全に南部の権力を掌握した」
マサキ「くそっ! 間に合わなかったのか!」
ミオ「えー? 首都まで後2時間ほど だったのに……」
ワグネル「オンガレッドが全世界に向けて 新政権の樹立を発表しました。 軍も完全に統率している様です。
 聯盟の決議に対しても、一時停止の 意義を申し立てました。
 政府が機能を回復した以上、私達の 介入は、たとえ聯盟決議に則っていても 内政干渉に当たります。
 決議では、武力介入は紛争地帯に 限定されていますので」
ヤンロン「これ以上、ここには留まれんと いう事だな」
セニア「そうね。下手に手を出しても、 こっちが不利になるだけ。
 最悪、オンガレッドに、あたし達に 対抗する口実を与える結果になるかも」
ワグネル「一旦国境付近まで戻りましょう」

[フリングホルニ 道場]

マサキ「何だよ、リューネ。話って」
リューネ「……さっきはよくも見捨ててくれたわね」
マサキ「そ、そりゃ、お前が無茶振りするからだ!  それに、効果は抜群だったんだろ」
リューネ「まあ、確かに…… お蔭ですっかりよくなったけど」
マサキ「なら、いいじゃねぇか」
リューネ「結果論じゃないの。 あのお粥、すごい味だったんだよ」
マサキ「自業自得だ」
リューネ「実はまだ、残ってるのがあるんだけど、 食べる?」
マサキ「全力で断る!
 つーか、そんな話のために わざわざ道場に呼んだのか?」
リューネ「一言文句言っときたかっただけ。 本題はここからよ。
 寝込んでたときに思いついたんだけど、 あたし達でさ、同時攻撃ってできない?」
マサキ「同時……ああ、確か合体攻撃とか 言うんだっけ?」
リューネ「そう、それ!  あたし達ならできると思うんだ。 息も会うしね」
マサキ「まあ、結構長い事、一緒に戦ってるしな」
リューネ「ね、試してみない?」
マサキ「試すって……それで道場か」
リューネ「まずは身体に覚え込ませるのが 一番でしょ」
マサキ「なるほどな……面白そうじゃねぇか。 ちょっとやってみるか」
リューネ「うん! やろやろ。 練習用の木偶ロイドも用意しといたから」
マサキ「準備がいいなぁ…… ま、いっか。で、どうやるんだ?」
リューネ「えーとね、まずは……」

[フリングホルニ 道場]

マサキ「あいてっ!
 こら、リューネ! 今のわざと 俺に当てただろ?」
リューネ「細やかな仕返しだよ」
マサキ「あのなぁ……」
リューネ「次からは真面目にやるってば。 ほら、続き、続き」
マサキ「……ったく」

[フリングホルニ 道場]

マサキ「おっ!  今の、いい感じだったんじゃねぇか?」
リューネ「うん! バッチリ!」
マサキ「よし、じゃあ後は技の名前だな」
リューネ「それだったら、あたしにいいアイデアが あるんだ」
マサキ「ほう、言ってみな」
リューネ歌舞伎十八番、参会名護屋、 暫……ってどう?」
マサキ「歌舞伎の演目か?」
リューネ「うん。ちょうど今の立ち回りと似たような 感じなんだ。どうかな?」
マサキ「へぇ、いいんじゃねぇの。それで」
リューネ「じゃ、決まりだね!」
マサキ「それにしてもお前、時代劇だけじゃ なくて、歌舞伎も詳しかったんだな」
リューネ「そりゃ、時代劇だって元は 歌舞伎みたいなもんだし。 ま、有名なのは大体知ってるよ。
 遅かりし由良之助、とか、 お釈迦様でも気がつくめぇ、とか」
マサキ「へぇ、そういうのも歌舞伎が 元ネタだったのか」
リューネ「語呂がいいから覚えやすいってのも あるしね」
マサキ「まぁ、確かにな」

インフォメーション

サイバスターヴァルシオーネR
十八番参会名護屋暫(合体)Ⓟ
が使用可能になりました

インフォメーション

特殊スキルが追加されました
   気炎万丈
   無念無想
   免許皆伝
   士気高揚


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