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卑劣な同盟

[フリングホルニ ブリッジ]

マサキ「アクレイドから通信だと?」
ホーリー「直通回線で入ってきてます。 メインに回しますか?」
マサキ「ああ、頼む。 それと、セニアとギドを呼んでおいてくれ」
ホーリー「了解しました。 回線、回します」
(モニターオン)
アクレイド「やあ、どうも。お久しぶり」
マサキ「……相変わらず、見た目は呑気だな」
アクレイド「はは、こりゃどうも」
(扉が開く)
セニア「あ、アクレイド!」
ギド「お目にかかるのは初めてだったな。 私は……」
アクレイド「ああ、知ってますよ。 アンティラス隊随一の作戦家、 ギド・ゼーホーファーさん」
ギド「……さすがだな、大佐」
アクレイド「あー、私、もう大佐じゃないんですよ。 実はついさっき、准将なんかに 任命されちゃいまして」
セニア「ウソっ!?  尋常じゃないわよ、その出世スピード!」
アクレイド「まあ、こちらも人材不足なもので」
マサキ「で、用件は何だ?  出世祝いが欲しいってワケじゃ ねぇんだろ?」
アクレイド「いやあ、もらえるものなら喜んで 頂きますけどね。 何しろ、まだ誰からも頂いてないもので」
ミオ「あらら、人望無いんだ。 そんなんで大丈夫なの?  アクレイドさん」
アクレイド「お恥ずかしい限りで」
マサキ「んなのはどーでもいいっての!  用件を言え、用件を!」
アクレイド「ああ、そうでした。 実はですね、南部とヴォルクルス教団が 接触するという情報を得ましてね」
マサキ「何っ? マジか?」
アクレイド「ええ、情報筋は明かせませんが、 間違いありません。それで、あなた方に 現場を押さえて頂こうかと」
ギド「……そちらもその辺りの疑惑は 掴んでいたのか。 それで、それを我々に依頼する理由は?」
アクレイド「私達が証拠を掴んでも、戦争の当事者です からね。どうしても単なるプロパガンダと 捉えられて説得力に欠けてしまいます」
ギド「我々ならば、第三者であるから、 情報の発信源として好都合、と いう事だな?」
アクレイド「その通りです」
ギド「情報戦の常套手段だな。 言っておくが、こちらは事実を客観的に 伝えるだけだ。
 そちらの意図に添えるかどうかは 保証しかねるぞ」
アクレイド「わかってますよ。今は何より、 その事実が必要なんです」
マサキ「いいだろう。調べに行く。 場所を教えてくれ」
アクレイド「では、暗号で座標データを送ります。 あ、解除キーはセニア様が 知ってると思いますよ」
セニア「うっ!?  ば……バレてたの?」
アクレイド「ああ、やっぱりそうでしたか。 だから危ないって言ってたのに……」
セニア「ああっ!? カマかけたわね!」
アクレイド「いやあ、すみませんね。 まあ、お詫びとしてその件は 上には報告しませんから。
 もっとも、暗号はすぐにでも 変えるつもりですけどね」
セニア「くっ……あたしがはめられるなんて」
アクレイド「そういうワケですので、 よろしくお願いします。 それでは」
(通信が切れる)
マサキ「やっぱりあいつはただもんじゃねぇな」
セニア「それじゃ、もらったデータを元に 善後策を練りましょ。みんなを ブリーフィングルームに集めて」
ギド「了解した」

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

セニア「アクレイドからもらったデータが 正しければ、南部軍とヴォルクルス教団の 会合地点はここ」
ワグネル「んー、そう遠くないですね。 ここからなら、30分も掛かりません」
ジノ「その地点には街などがあるのか?」
セニア「ううん、ただの野原。 近くに街はないわ」
ヤンロン「……では、地下か?」
マサキ「またヴォルクルスの神殿ってワケか。 ここんとこ、やたら見つかってねぇか?」
セニア「うん、そうね…… これまで、ルオゾールとかが調べてたの だって、せいぜい三つ。
 それが、ここ最近は続けざまに新しい 神殿が発見されてる」
ミオ「ラスフィトートの分も考えると、 すごいスピードだよね。 なんか見つける方法でもあるのかな」
テュッティダウジングを使う手もあるけど、 使える術者は少ないし、範囲も 限定されるから実用的とは言い難いし」
ジノ「ならば、ヴォルクルス教団が 独自にその方法を発見した、と いう事かもしれんな」
シモーヌ「だとしたら厄介だよね。 あんなのを相手にしてたら、 たまんないよ」
マサキ「ああ、南部がヴォルクルス教団と 手を組むのは、何としてでも 阻止しなきゃならねぇ」
ワグネル「ええ。会合地点に急ぎましょう」

ヴォルクルス神殿≫

マサキ「この辺りでいいだろう」
ブラッドロイ「フリングホルニ停止!」
ワグネル「ここから先は魔装機だけで 行動するんですね?」
マサキ「ああ、隠形の咒素子は全機体に 装備した。後は入り口を見つけて 内部に潜入するだけだ」
ワグネル「幸運を祈ります」
マサキ「ああ、行ってくる」


卑劣な同盟

〔戦域:ヴォルクルス神殿〕

(南東を中心に魔装機、咒霊機が出現する)
ドレップ「これが大統領からの親書です」
サティルス「うむ、確かに頂きました。 閣下にはよろしくと伝えてください」
ドレップ「ただし、そこにも書いてある通り、 表だった布教は禁止です」
サティルス「心得ていますよ。ダミーとなる 宗教法人はいくらでもあります。
 補助金さえ頂ければ、活動は どの様にでもできます故……」
ドレップ「いずれ、南部による再統一が なされたあかつきには、大々的に 恐怖による統治が……」
ウーフ「!? お待ちを!  ……どうやら不逞の輩が 潜り込んだ様です」
ドレップ「何っ!?」
(北西端にサイバスター、ノルス・レイ、ディアブロ、ラ・ウェンターが出現する)
マサキ「ちっ、いい勘してやがるな、ウーフ。 もう少し話を聞いておきたかったが…… まあ、証拠は充分だ」
ウーフ「やはりお前達か……アンティラス隊」
セニア「観念なさい!  今の会話は録音済みよ。
 聯盟に提出すれば、間違いなく 南部は制裁決議されるわ!」
ドレップ「おのれ……」
サティルス「ご安心を、ドレップ殿。ここは我が ヴォルクルス様の神殿。あやつらは 生きてここから抜け出す事はできません。
 ドレップ殿はお引き上げを」
ドレップ「……わかりました。 ここはあなた方にお任せします」
(エウリードが撤退する)
サティルス「さて、どの様にしてここを 嗅ぎつけたか……などと無粋な事は 聞きますまい。
 要はあなた方をここで始末すれば いい事ですからな」
(大きな扉が閉じる)
サティルス「さて、これで地上への道は 閉ざされました」
ベッキー「どういうつもりだい?  それじゃ、あんたらも出られないんだろ?」
サティルス「ご配慮には感謝しますが、 それはあなた方が知る必要もない事。
 それでは……手すさびではありますが、 ヴォルクルス様の分身のお相手を して頂きましょうか」
(北東と南西にヴォルクルスが出現する)
マサキ「ちっ……またあの分身か……」
プレシア「ううっ……また…… 気持ち……悪い……」
マサキ「? プレシア、どうかしたか?」
プレシア「う、ううん……何でもない…… 大丈夫だよ……」
マサキ「そうか? 何か顔色が悪いぞ」
プレシア「そ、そうかな……」
マサキ「無理すんな。 外に……は出られねぇか。 しょうがねぇ、できるだけ大人しくしてろ」
プレシア「う、うん……」
(作戦目的表示、出撃選択)

〈vs ヴォルクルス〉

[プレシア]

プレシア「ううっ……何で…… 何でこんなに気持ち悪いの?」
(戦闘)
プレシア「!? 何これ…… 力が……抜ける……」
(プレシアのプラーナが50減る)

〈vs ウーフ〉

[プレシア]

プレシア「うっ……ま、また気持ち悪く なってきた……」
ウーフ「ほう……これは面白い。 このプラーナに反応するとは……」

[撃墜]

ウーフ「くっ……やられたか。 まあいい、お前達はどうせ ここからは出られん」
(ウーフ機が爆発する)

〈グレプス機撃墜〉

グレプス「むうっ……この俺のボーヰンが 倒されるとは…… 急いで戻って再改良せねば」
(グレプス機が爆発する)

〈vs サティルス〉

[マサキ]

マサキ「ここを嗅ぎつけたのは見事ですが、 ここが貴公らの墓場となりましょう」
マサキ「へっ、ヴォルクルスと一緒に 眠るなんざ、まっぴらだね!」

[撃墜]

サティルス「また力を上げたようですな…… ですが、この神殿からは逃げられませんぞ。 ここで朽ち果てて頂きましょう」
(ナグツァート改が爆発する)

〈敵機全滅〉

(経験値入手)

[ヴォルクルス神殿内]

ヤンロン「妙だな……一緒に閉じ込められたはずの 連中の姿が、一向に見えん」
ガエン「……ヤツらは、秘密の抜け道を使って 脱出したんだろう」
マサキ「秘密の抜け道?  そんなもんがあるのか?」
ガエン「ヴォルクルス神殿には、例外なく 複数の抜け道が存在している」
ミオ「じゃあさ、ガエンさんはその 抜け道の場所って知ってるの?」
ガエン「……それを知っているのは、 司教以上の地位にある者だけだ。 俺は助祭だった」
マサキ「ちっ、使えねぇヤツ……」
ミオ「でも、抜け道があるのは 確かなんだよね?  だったらみんなで探せば……」
ガエン「ムダだ。見つけられるのは ヴォルクルスと契約を交わした者のみ」
ファング「……役に立たん男だな」
プレシア「ふう……」
マサキ「プレシア、大丈夫か?」
プレシア「う、うん…… ちょっと気分が悪いけど……」
テュッティ「少し熱があるみたいね。 治癒術をかけてあげるから、 ちょっとじっとしてて」
プレシア「う、うん……」
マサキ「まあ、こんな所に長くいちゃ、 確かに邪気にあてられちまうな」
プレシア「んーとね……それなんだけど、 あっちの方から気持ち悪いものが 吹き込んでくるみたいなの……」
マサキ「あっちって……祭壇みたいなヤツの 後からか?」
プレシア「うん……」
デメクサ「……言われてみれば、かすかですが 魔力の様なものを感じますね。 調べてみます」
マサキ「気を付けろよ」
デメクサ「ええ」
テュッティ「プレシア、気分はどう?」
プレシア「ありがとう、テュッティさん。 少し……楽になったよ」
デメクサ「皆さん! ちょっと来てください!」
マサキ「おっ? 何か見つけたのか?」

[ヴォルクルス神殿内(階段下)]

ヤンロン「何があった?」
デメクサ「ここに、強力な結界があります。 おそらく、これが抜け道でしょう」
テュッティ「なるほど……結界でカムフラージュ してるワケね?」
デメクサ「ええ、強力な割りに範囲が狭いですから、 普通に探していてもなかなか 見つかりませんよ、これは」
プレシア「うっ……うぇっ……」
マサキ「プレシア!?」
プレシア「ご、ごめん…… ここ……すごく気持ち悪い……」
マサキ「プレシア、ちょっと我慢してくれ。
 デメクサ、この結界は破れるんだな?」
デメクサ「ええ、なんとか」
マサキ「よし、頼む! 他のみんなは、神殿の もろそうな場所に爆薬を仕掛けてくれ。 ここは破壊しとかねぇとな」
ギド「了解した」

[フリングホルニ ブリッジ]

(爆発)
シャリアン「ヴォルクルス神殿の破壊を確認」
テュッティ「これで、あの神殿が悪用される事は もう無いでしょうね」
ブラッドロイ「例の、南部とヴォルクルス教団の密談の 証拠は、聯盟に送ったんだな?」
シャリアン「ええ、すぐにでも会議が招集されるはず」
テュッティ聯盟決議で南部の暴走を止められれば いいんだけど……」

[フリングホルニ 治療室]

(扉が開く)
マサキ「プレシアの具合はどうなんだ?」
ホーリー「微熱が下がらないわね…… ただの風邪だと思うんだけど……」
リューネ「もしかして……あたしが うつしちゃったのかな?」
ホーリー「気になる事もあるから、一度 精密検査をしてみましょう」
ウェンディ「プレシア、食欲はある?」
プレシア「んー……あんまり」
ウェンディ「ちゃんと食べないとダメよ。
 そうだ、お粥作ってあげましょうか?」
マサキ「なっ!? ま、待てっ!!」
リューネ「ウェンディさん!!  早まっちゃダメ!!」
ウェンディ「え? でも、リューネはあのお粥で すぐに良くなったじゃない」
リューネ「そ、そうだけど、ダメなの!!」
マサキ「悪いがウェンディ…… これだけは、俺の命に代えても 許すワケにはいかねぇ」
ウェンディ「そ、そう?  よくわからないけど……残念ね」

[フリングホルニ 道場]

ミオ「はっ!
 ……違うな。こうかな?
 りゃっ!」
ヤンロン「何をやっている? ミオ」
ミオ「あ、ヤンロンさん、見てたの?  ちょっと技の練習」
ヤンロン「発勁か?」
ミオ「ううん、もっととんでもない技。 気を飛ばすの」
ヤンロン「気を? それでは武術ではなく魔術だ」
ミオ「うん、まあ、そうなんだけど、 お爺ちゃんはそれ、やってたんだよね」
ヤンロン「お前の祖父がか?」
ミオ「ウチのお爺ちゃん、なんでも 合気道の達人だったって」
ヤンロン「合気道というか……それはもう、 武術家の域を超えているな」
ミオ「あたしもそう思う。 やっぱ、再現は無理なのかなぁ」
ヤンロン「いや、魔術としてなら、再現は 可能じゃないのか?」
ミオ「……あ、そっか。 合気道ってトコにこだわりすぎてた。 確かに魔術としてなら……
 あ、でも、それってお爺ちゃんの 技と違うものにならないかな?」
ヤンロン「僕はお前の祖父の技を見た事が ないからな。なんとも言えん。
 大体、なぜ急に技の練習を?」
ミオ「プレシアが病気みたいだし、 少しは戦力アップにならないかなって」
ヤンロン「なるほど、たしかにな。 いいだろう、魔術なら僕も多少心得がある。 手伝おう」
ミオ「え? いいの?  ありかどう、ヤンロンさん」
ヤンロン「では、早速始めるぞ」
ミオ「はい! お願いします!」

ミオ「あ……今の感触……」
ヤンロン「ふむ、確かに気を飛ばしていたな」
ミオ「うん。間違いないよ。 今のが、お爺ちゃんが使ってた技…… 裏合気遠当て・木霊」
ヤンロン「この短時間でものにしたか。 見事だ、ミオ」
ミオ「ううん、ヤンロンさんの指導のお蔭だよ。 ありがとう、ヤンロンさん」

インフォメーション

ザムジード
裏合気遠当て・木霊
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