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光強ければ、闇もまた深し

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ミオ「やっほー!  ひっさしぶりー!」
マサキ「ああ、心配かけちまったな」
ミオ「まーまー、お互い様。 それにしてもマサキ、何だか思ったより 元気そうだね」
マサキ「そうか?」
ミオ「うん。何だか肌もつやつやしてるし……
 はっ!? まさか!?  ウェンディさん、リューネさん!」
ウェンディ「えっ?」
リューネ「な、何よ?」
ミオ「……何だか二人共お肌つやつや。
 あー、そーか、そういう事か。 にひひ」
ベッキー「ほう、なるほどねぇ」
マサキ「……何を納得してんのか知らねぇが、 お前らが想像してる様なこたぁねぇぞ」
ベッキー「隠さなくていいんだよ。 そーかい、そーかい。 マサキもついに大人の階段登ったか」
マサキ「違うっつってんだろ。 おい、リューネ、ウェンディ、お前らも 一言……」
ウェンディ「…………」
リューネ「…………」
マサキ「な、何お前ら顔赤くしてんだよ!  そんなだからベッキーに……」
シモーヌ「それくらいにしといてあげなよ。 ちょっとステップアップしたのは 確かみたいだけど」
ベッキー「ま、後でゆっくり聞かせてもらうよ。 それで、ヤンロンとテュッティは どうなんだい?」
マサキ「命に別状はねぇらしいが、 回復には後もう少しかかるとよ」
ベッキー「そうか。それじゃ、早めにファングと ザッシュに戻る様伝えとくよ」
マサキ「お、あの二人、戻ってくるのか?」
ベッキー「ああ、南部もようやく条約を締結して くれたみたいだしね。一部だけど」
セニア「本当なら、もう少し南部にコネを 作っといて欲しかったんだけど……」
ギド「いや、彼らは良くやってくれたよ。 今の状況ではあれがベストだ」
セニア「そうね……ザッシュは、カークス絡みで 少しはコネがあるけど、ファングには ちょっと荷が重かったかも。
 ま、後はアハマドがやってくれるし」
マサキ「南部にコネって…… 何やってんだ、お前ら」
セニア「セニア機関の一環に決まってるでしょ」
マサキ「セニア機関? 何だそりゃ?」
セニア「あれ? 話してなかったっけ?」
マサキ「初耳だぞ。何企んでんだ、お前」
セニア「企んでるとは人聞きが悪いわね。 情報機関の話は、ずっとしてるでしょ」
マサキ「そりゃ、まあ、お前がしょっちゅう 言ってるしな」
セニア「その情報機関の名前よ」
マサキ「セニア機関……まんまじゃねぇか。 ネーミングセンスねぇな」
セニア「あんたに言われたくないわ」
ギド「私はいい名前だと思うぞ」
マサキ「情報機関はいいが、南部にコネとは どういう事だ?」
セニア「だから、南部にも情報提供者が 必要なの。北部にはロドニーとエリスが いるからいいけど」
マサキ「要するにスパイか?」
ギド「そこまで本格的なものじゃない。 マスコミに流れるニュースを、収集して 送ってもらっているだけだ」
マサキ「そんなの、ネットでどうにでも なるだろ。アハマドもいるしよ」
ギド「甘いな。実際に現地にいる人間でないと 感じ取れない空気の様なものが あるんだよ。
 情報収集には欠かせない要素だ。 彼一人ではまかないきれん事も多い」
セニア「ホント、マサキって情報の大切さを まったく理解してないんだから。
 これまで何度あたしの情報に助けられたと 思ってるの?
 アンティラス隊は基本、後手になるしか ないんだから、何よりも情報が生命線なの」
マサキ「わかった、わかったって。 確かに、セニアからの情報で色々 手を打ててるしな」
セニア「だったらこれからは、予算編成時には ちゃんとあたし達の味方してよ」
マサキ「ああ、約束する」
セニア「リューネ、あんたもよ。 特にあんたは主計士の一人なんだから」
リューネ「情報の重要さは理解してるよ。 親父のやり方を見てたからね。
 けど、組織はそれだけじゃ動かないのも 知ってるからね。ま、考慮はしとく」
セニア「……相変わらずお金が絡むと シビアなんだから」
ウェンディ「そうそう、セニア様。 サイバスター、パワーアップしたんですよ」
セニア「えっ!? ホント!?」
ウェンディ「ええ、サイフィスが新たに 契約をしてくれたお蔭で」
セニア「何でそんな大事な事を早く教えて くれないの! 格納庫、行くわよ!」
ウェンディ「はい」
(扉が開く)
マサキ「お、おい、ブリーフィングは……
 って、行っちまった。 どうすんだ?」
ミオ「情報機関の話は済んだし、必要な事は 大体話し終わったから、いいんじゃない?」
ワグネル「あー……私の出番がなくなりましたね。 まあ、今日の所は、特に変わった動きも ありませんし、ゆっくりしましょう」
マサキ「……ま、いいか」

[フリングホルニ 格納庫]

セニア「見た目は変化ないけど…… なるほど、こりゃ、色々と パワーアップしてるわ」
ウェンディ「さすがセニア様。一目見ただけで 気付かれましたね。
 他にも、細部は色々変わってますよ。 全体的にエネルギー効率も上がりましたし。
 何よりも、マサキの意志に応じて ポゼッションが可能になった点が 大きいですね」
セニア「え? ポゼッションが…… マサキの意志でできるの!?」
ウェンディ「さすがに常時発動は無理ですが、 必要に応じて、短期間であれば」
セニア「まあ、そりゃそうか。 生身の人間がポゼッションに 長時間耐えられるワケないもんね」
ウェンディ「使い方を間違えなければ、 心強い味方です。おそらく今回の強化も、 ポゼッションに耐えるためのものでしょう」
セニア「ティアンはそれに耐えきれなかった もんね……」
ウェンディ「テュッティとヤンロンにしても、 一時的なものでしたから」
セニア「前に、クリストフと戦った時に マサキが自然に発動したあれと 同じ様なものね」
ウェンディ「ええ、高位の精霊との契約システムを 組み込んだ私がいうのも変ですが……
 元々、ポゼッションに耐えられる 構造じゃないですし」
セニア「高位の精霊と契約すれば、そりゃ 色々わからない事も出てくるわよ」
ウェンディ「今回の強化にしても、精霊…… サイフィスが行ったものですからね。 私にもまだわからない点が多々あります」
セニア「ちょっと、色々調べてみていい?」
ウェンディ「ええ、もちろん」
セニア「さっすが、ウェンディ!  話がわかる!」
ウェンディ「あ、もう、セニア様。 走らなくても、サイバスターは 逃げませんよ」
ウェンディ(サイバスターの真の力…… ポゼッションは、ほんの一例に過ぎない。
 改良余地は残してはいたけど…… 私ですら把握できないほど、 サイバスターは変化……
 いえ、成長している…… これは、いい事なのかしら……?)

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ワグネル「ファングとザシュフォードから連絡です。 南部の傭兵に襲撃されているとの事です」
マサキ「傭兵に?」
ギド「彼らの動きが、南部にとって不都合だと 判断したんだろう。正式な軍が動けんから、 傭兵にやらせた、というワケだな」
マサキ「だったら、グズグズしてる暇はねぇ!  助けに行こうぜ!」
ワグネル「ええ、そうですね。 急いで向かいましょう」

≪エリアル王国戦技研⇒ニアスビオ火山≫


光強ければ、闇もまた深し

〔戦域:溶岩台地〕

(中央にガルガードとギオラストがいて、ガルガードにレーダー警告が鳴る)
ザッシュ精霊レーダーに反応!  南部軍の傭兵です!」
ファング「ああ、こっちでも確認した。 どうやら、これが俺のギオラストでの デビュー戦になりそうだな」
ザッシュ「大丈夫ですか?」
ファング「下らん心配をするな。 かつて、我が師匠ゼオルートが 乗っていた機体だ。
 この俺に使いこなせぬはずがない」
ザッシュ「すみません、失礼しました」
ファング「どうやらお出ましだぞ」
(南側に敵機が出現する)
ザッシュ「あれは……エウリード!?」
ファングシュテドニアスめ…… エウリードを量産するか……」
ザッシュ「くっ……父さんの不始末は…… 僕がつけないと!」
マーガレット「なんだ、魔装機神がいないんじゃ、 拍子抜けだね」
ファング「フリングホルニ到着までの時間は?」
ザッシュ「20分は掛かるかと」
ファング「充分だな」
ザッシュ「ええ。みんなが来る前に 片付けられそうです」
????(エラン)「ふーん、自信があるんだな」
ファング「むっ!? 何者!?」
(南西にゼルヴォイドが出現する)
エラン「君達とは初対面だよな。 確か……ファングとザッシュか」
ファング「黒いサイバスター……だと!?」
ザッシュ「それじゃこいつが…… エラン・ゼノサキス!?」
エラン「ああ、ちゃんと知ってるんだ。 感心だね。それじゃファング、 君の腕前を見せてもらうよ」
ファング「ゼノサキス一族の面汚しが…… 我が師匠の名に懸けて、貴様は赦さん!」
エラン「おやおや、ゼオルートの弟子は 短気なヤツばっかりだな。 いいよ、かかってくるんだね」
ファング「望むところ!」
ザッシュ「あの……僕は無視、ですか」
(作戦目的表示)

〈4PP〉

(北西端にフリングホルニが出現する)
マサキ「間に合ったか!」
ザッシュ「フリングホルニ!  みんな、来てくれたんですね!」
エラン「やっと来た。マサキ、いるんだろ?  出てきなよ。未熟者の相手は飽き飽きだよ」
マサキ「エラン……てめぇか!  いいだろう、相手になってやるぜ!」
(サイバスターが出撃する)
エラン「おや……?  その様子はもしかして……」
マサキ「へっ……見せてやるぜ!  俺が会得した……ポゼッションだ!!」
(マサキの気力が上がり、サイバスターがポゼッションする)

<No.046:サイバスター、ポゼッション!>

エラン「ふうん……ようやくものにしたのか」
マサキ「エラン、てめぇの好きにはさせねぇ!」
エラン「ふふふ……そうこなくちゃな。 僕も骨を折った甲斐があるというものさ」
マサキ「ほざけっ!」

〔戦域:溶岩台地〕

(北東にデュラクシールIIを含む敵機が出現する)
セニア「えっ……!?  何アレ……デュラクシール!?」
ウェンディ「そんな……どうしてシュテドニアスで デュラクシールが……
 あ! まさか……ラセツが……」
ムデカ「そうだ! このデュラクシールIIは、 ラセツ様が遺してくださったもの!  貴様達を葬るのにふさわしい機体だ!」
セニア「……ったく、どいつもこいつも、 あたしのデュラクシールを オモチャにして!!
 赦さない……絶対に赦さないからっ!!」
マサキ「ムデカ……てめぇ、 ただの傭兵に成り下がったのかよ」
ムデカ「アンティラス隊……今度こそ倒す!」
ファング「マサキ、知り合いなのか?」
マサキ「ああ、何度か戦った」
ムデカ「お前……ファングか!?」
ファング「ん? 俺の事を知っているのか?」
ムデカ「貴様……忘れたとは言わせないぞ!  ビエンド杯剣術大会の準決勝の事を!」
ファング「準決勝? 確かにその大会には 参加したが、相手など覚えてない。 お前だったのか?」
ムデカ「な……な…… こ、この屈辱! 決して忘れない!」
マサキ「……ファング、気を付けろよ。 あいつ、しつけぇぞ」
(作戦目的表示、出撃選択。フリングホルニが撤退する)

〈vs マーガレット〉

[ザッシュ]

マーガレット「マサキの前に、まずはあなたを 血祭りにあげてやるよ!」
ザッシュ「な……なんだ…… このどす黒いプラーナ……」

[ファング]

マーガレット「貴様は、マサキに恨みを持っていたと 聞いたが、なぜあんな男の味方をする!?」
ファング「あれは俺の誤解だった。 マサキは殿下の思いをきちんと 受け継いでいる!」
マーガレット「ふん……まともに仇討ちもできぬ ふぬけ男がっ!」

〈vs ムデカ〉

[セニア]

セニア「デュラクシールIIですって!?  バカにしないで!
 そんなの、デュラクシールの本来の 力も引き出せない、劣化品じゃない!」
ムデカラセツ様が遺してくださってものに 対し、何を言うか!」

[ファング]

ムデカ「今度こそ、俺の名を忘れられない様に してやるっ!」
ファング「安心しろ。今はもう覚えた。 ムカデ、だったな」
ムデカ「ムデカだっ!!」

〈vs エラン〉

[ザッシュ]

ザッシュ「このっ!」
エラン「ふーん、見たところ不易久遠流か。 あの流派は、あんまり役に 立たないんだよなぁ」
ザッシュ「なっ……誰が役立たずだって!?」
エラン「おや? 逆鱗に触れたかな?」

[ファング]

ファング「貴様っ!! なぜ我々の邪魔をする!」
エラン「生温い試練じゃ、成長できないだろ?  君達にはもう少し頑張ってもらわないと」
ファング「どういう意味だ!?」
エラン「そんな事、自分で考えるんだね」

[マサキ]

エラン「へぇ…… いい感じに成長してるじゃないか。 結構、結構」
マサキ「てめぇは…… 遊んでんじゃねぇぞっ!!」
エラン「別に僕だって遊んでるワケじゃないさ。 これでも真剣なんだよ」

[撃墜]

エラン「なるほど……前より少しは 成長したな、マサキも。
 いいさ、今回はここまでにしよう。 それじゃ、また会おう」
(ゼルヴォイドが撤退する)

〈敵機全滅〉

(経験値入手)

[フリングホルニ ブリーフィングルーム]

ワグネル「二人共、無事で何よりです」
ファング「お久しぶりです、閣下」
ワグネル「おや、以前に比べて、随分表情が 柔らかくなりましたね」
ファング「そう……ですか?  自分ではわかりませんが……」
ワグネル「いい事ですよ、ファング。 あなたは少し、猪突猛進な所が ありましたからね。
 今の様に、少し余裕を持てば、 素晴らしい操者になりますよ」
ファング「ありがとうございます、閣下。 ご期待に添えるよう、頑張ります」
ワグネル「ザシュフォードも大きくなりましたね」
ザッシュ「え? あ、あの、閣下は僕の事 知ってるんですか?」
ワグネル「ええ。あなたの父上、カークス将軍とは 旧知の仲でしたから。あなたが5歳位の 時に、遊んであげた事があります」
ザッシュ「そうだったんですか。 これからもよろしくお願いします」
ワグネル「こちらこそ」
セニア「それにしても、デュラクシールまで コピーするなんて…… シュテドニアスも節操がなくなったわね」
ファング「ですが、あれは傭兵が使っていたもの。 南部軍の正式な機体ではありません」
セニア「独自のカスタム機か…… 南部じゃないとすると、傭兵に魔装機を 提供できる会社……
 いくつか心当たりがあるわ。 調べてみましょう」

[フリングホルニ 電算室]

マサキ「どうだ?」
セニア「間違いない、一致したわ」
ウェンディ「ええ、マルテナ社の仕様ですね」
マサキ「マルテナ社?」
ウェンディラングランに本社がある、 人材派遣会社よ。表向きはね」
マサキ「表向きって事は、裏があるんだな?」
ウェンディ「ええ、マルテナ社は戦争請負会社よ」
マサキ「戦争請負……?  そんな会社があるのか?」
ミオ「何言ってんの。 地上にだってあったでしょ」
マサキ「そうなのか?」
ギド「まあ、一般人は知らない方が 多いだろう」
マサキ「戦争請負って、そんなので 会社ができるのかよ?」
ウェンディ「トレーニングや警備、機材の貸し出し、 傭兵の派遣。全部ビジネスになるわ」
マサキ「戦争に乗じて金儲けしようってのか?  ろくなヤツらじゃねぇぞ」
セニア「そう簡単に割り切れるものでもないわよ。 逆に言えば、国にとっては軍備費を 外部に出して節約できるし」
マサキ「けど、ヤツらは俺達を襲ってきたんだぞ。 そんな会社、ほっとけるか?」
セニア「会社じゃなくて、雇ってた南部が 襲わせたのよ。会社は関係ないわ」
マサキ「う……ま、まあ、そうなんだが……」
セニア「まあ、そうは言っても、マルテナ社が 独自に持ってる戦力は、かなりのもの だから、気を付けるに越した事はないわね」
マサキ「気を付けるったって、どうすりゃ いいんだよ?」
セニア「傭兵だからって、甘く見ちゃダメって事。 実戦経験豊富な兵が多いから、新型機の テストを任される事もあるし」
マサキ「ああ、そういう事か」
ワグネル「いい情報ですよ、皆さん」
マサキ「ん? 何かあったのか?」
ワグネル「ヤンロンとテュッティの 意識が回復したそうです」
マサキ「そうか……良かった」
ワグネル「これからソラティス神殿まで 迎えに行きます」
マサキ「ああ、わかった」


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