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魔星へ集う者達 ~ 第46話 ~

《ホワイトスター(シロガネ)》

[シロガネ ブリッジ]

アクセル「メキボスが…… 月から戻ってきたというのか?」
レモン「ええ」
アクセル「では、奴がムーンクレイドルの 防衛任務を放棄したという話は……」
レモン「本当みたいね。 何のつもりかは知らないけど……」
アクセル「奴らも一枚岩ではない…… ということか、こいつは」
レモン「これで少しでも時間が稼げれば、という所ね」
アクセル「随分と余裕だな、レモン」
アクセル「奴らのゴタゴタのとばっちりも含め…… おれ達は二つのクレイドルを失ったんだぞ?」
アクセル「その分を取り戻すには、 システムXNや時流エンジンが…… それも完全なものが必要不可欠だ、これがな」
レモン「ふふ……意外と心配性ね、あなたは。 準備はちゃんとやっているわ」
レモン「それにヘリオスや グレーデン博士の息子達もいずれは ホワイトスターへ来るでしょうし、ね」
(扉が開閉する)
ヴィンデル「……レモン、 例の量産試作型の開発進行状況は?」
レモン「今のところは予定通りよ。 ……1号基、明日にはロールアウトするわ」
アクセル「量産……試作型? システムXNのか?」
レモン「ふふ、そうよ。……驚いた?」
アクセル「まあ、な。 もうそんな段階まで行っていたのか」
レモン「う~ん……。 まあ、機能的にはまだまだだけど……」
レモン「異星人の坊やに 成果物を提出しなければならないしね。 急遽予定を繰り上げたのよ」
ヴィンデル「ああ、時間を稼ぐためにもな」
アクセル「そんな急ごしらえの量産型で…… 奴らを誤魔化そうというのか?  ……そんな甘い相手ではあるまい」
レモン「不安定ではあるけれど、 現状でも狭い範囲内での通常転移は可能よ」
アクセル「……」
レモン「彼らは機動兵器に搭載できるサイズの 転移装置を持っていない……」
レモン「意外に 興味を持ってくれるんじゃないかと思うけど?」
アクセル「フッ…… なるほど、その一点で押し切るつもりか、こいつは。 通常転移はいいが……次元転移機能は?」
レモン「そんな物、付けるわけないじゃない。 本命の調整も終わってないのに」
ヴィンデル「だが、 状況は徐々に悪化しつつある……」
ヴィンデル「このままでは、ホワイトスターは アインスト共の総攻撃を受けるかも知れん」
レモン「そうね、ここ最近の出現頻度を考えれば、 近いかも知れないわね……」
ヴィンデル「いざという時は アギュイエウスの次元転移装置を使う。 調整を急げ」
レモン「……了解よ」
アクセル(アギュイエウス……か)

[ホワイトスター 内部]

ウェンドロ「……さて、メキボス。 君がムーンクレイドルを放棄した 理由を聞かせてもらおうか」
メキボス「我々は 地球人に対する評価を誤っていた…… そう考えたからです」
ウェンドロ「ふ~ん……。 君は彼らが僕達と対等な存在だと言うのかい?」
メキボス「力に関しては我々以上かと」
ウェンドロ「だが、 地球人はその力の使い方がわかっていない」
メキボス「そう判断するのは 早計ではないでしょうか?」
ウェンドロ「君はこの僕…… いや、枢密院の決断に疑いを持っているのかい?」
メキボス「そういうことになりますかね」
ウェンドロ「相変わらずだね、君は。 肝心な所でくだらない感情に流される……」
ウェンドロ「その証が、君の顔の傷だ」
メキボス「……」
ウェンドロ「それにね、今さらの話なんだよ。 君だって、地球人とさんざん戦ってきたろう?」
メキボス「だからこそ、わかるのです。 今一度、地球人の評価を見直すべきだと」
ウェンドロ「……君は黙って 僕の命令に従っていればいい」
メキボス「……」
ウェンドロ「それから、 月の件の責任を取ってもらうよ」
メキボス「処分は覚悟の上です」
ウェンドロ「ふふ、心にもないことを」
メキボス「……」
ウェンドロ「今から機動部隊を率い、 ハガネとヒリュウ改へ攻撃を仕掛けるんだ」
ウェンドロ「奴らを倒すことに成功すれば、 月の件は不問にしてあげよう」
メキボス(せめてもの情けって奴か?  いや、こいつに限ってそんなことは あり得ねえ……)
メキボス(どうせ駒を捨てるなら、 戦場に……ってことか)
ウェンドロ「これが最後のチャンスだよ、メキボス」
メキボス「……了解。直ちに出撃します」
(扉が開閉する・メキボスが立ち去る)
ウェンドロ「……」
ウェンドロ(ま、結果は見えてるけどね。 それに、保険もかけてある……)
ウェンドロ(メキボス…… 君は僕に勝つことは出来ないんだよ)

《L1宙域(クロガネ)》

[クロガネ 格納庫]

エイタ「……本艦とヒリュウ改は 1500にL5宙域に向けて発進する。 各員は作業を急げ」
エイタ「繰り返す。本艦とヒリュウ改は 1500にL5宙域に向けて発進する。 各員は作業を急げ」
ラージ「……間近で見ると尚更興味深いですね、 このヴァイスリッターは……」
ラージ「異物との融合ではなく、 未知の物質へ変化しているとは……」
ツグミ「ええ……」
ラージ「フレームは骨、サーボモーターは関節、 シリンダーは筋肉……より人間に近づいてますね。 人型機動兵器としては、ある意味理想的かも」
ミズホ「今の私達の技術じゃ、 ここまで見事な物は作れませんね……」
ラウル「そんなに凄いのか?」
ミズホ「はい。 龍虎王もそうですけど、材質自体に柔軟性が ありますから、動きがより自然なんです」
ラウル「へ~え」
リオ「装甲が柔らかいってことなの?」
ミズホ「そう、かなりの弾性を持っていて…… しかも、柔らかいのは装甲だけじゃないんです。 フレームまでそうなんです」
リオ「え……?」
リョウト「……人間だって、骨は硬いだろ?」
リオ「ええ」
リョウト「でも、このヴァイスリッターは骨格部分も かなりの柔軟性を持っているみたいなんだ」
アラド「つまり……ゴム人間ってことッスか?」
エクセレン「もしかして、 ズームなパンチとか打てちゃったりする?」
ミズホ「さ、さすがにそこまでは……」
ラージ「……材質や構造より興味深いのは、 ジェネレーター……もしかしたら、サイバスターと 同様、一種の永久機関なのかも知れません」
ラウル「エクサランスのエンジンより凄いのか?」
ラージ「ええ、まあ……方向性は違いますけどね」
ラージ「サイバスターや龍虎王のジェネレーターは、 パワー効率を上げるために搭乗者の“気”みたいな ものを必要とするようですが……」
ラージ「このヴァイスリッターはもしかしたら……」
エクセレン「あらら、目の色変わっちゃってるわよ」
ラージ「……分解しましょう」
ラウル「な、何!?」
ミズホ「ラ、ラージさん!?」
ラージ「分解して、徹底的に調査すべきです」
ラウル「お、お前な……」
ミズホ「興味があるものをすぐに分解して 調べようとするクセ、よくないです」
ラージ「どうしてですか?  研究者として当然の行動だと思いますが」
ミズホ「時と場合によりけりです!」
エクセレン「そうそう。 バラバラにするのは勘弁して欲しいのよね~。 これ、今から使うんだから」
リオ「えっ!? 本気なんですか!?」
エクセレン「モチのロン。 ラドム博士もマッツァオの超絶マ改造……」
エクセレン「それに、 マイマイからもお墨付きをもらったことだし」
アラド「お墨付き?」
マイ「うん……。 あれは抜け殻……ただの器。 アインストの思念も受信できない」
マイ「だから、大丈夫……」
アラド「だ、大丈夫って……。 あれ、アインストのパーツとかが 混じってるんだろ?」
リョウト「色々と調べてみたんだけど、 アインストとしての機能は ほぼ停止しているみたいなんだ」
リオ「ど、どういうことなの?」
ツグミ「さっきラージさんが言った通り…… あのヴァイスはアインストのパーツを 組み込まれているんじゃなくて……」
ツグミ「元々のパーツが何らかの方法で 変化させられているみたいなの」
リオ「つまり……本質は同じってことですか?」
ツグミ「ええ……語弊はあるけど、 ヴァイスはアインストの力を借りて パワーアップしたのよ」
エクセレン「そんなわけで、次のホワイトスター戦、 華麗に過激にパワーアップしたヴァイスちゃんの 活躍にご期待ください! ……って感じ?」
エクセレン「でも、分解はごめんしてね」
ラージ「……わかりました」
(アラート)
リオ「!!」
アラド「て、敵か!?」

[ヒリュウ改 ブリッジ]

ユン「6時方向、5000に転移反応!  数は3です!」
レフィーナ「各作業を一時中断!  総員、第一種戦闘配置!」


第46話
魔星へ集う者達

〔戦域:月周辺宙域〕

レフィーナ「ユン、転移反応の識別は!?」
ユン「終了しました!  敵はインスペクターです!」
(インスペクターが出現)
レフィーナ「各機、 直ちに出撃して下さい!」
(サイバスター、イルム機、リン機が出撃、出撃準備)
リン「あの機体は……!」
(グレイターキンを指す)
イルム「メキボスだな。 さしずめ、仲間の仇討ちって所か?」
メキボス「そう言うわけじゃねえが、 俺達にも立場ってものがあるんでな」
リン「立場……!?」
メキボス「ああ。 地球人にやられっぱなしじゃ、 上に対して面目も丸潰れ……」
メキボス「だから、 お前らをネビーイームへ 行かせるわけにはいかねえ」
メキボス「ここいらで 決着をつけさせてもらうぜ、イルム」
イルム「いいだろう、 こっちもそのつもりだからな」
マサキ「メキボス! 残りの二人と シャドウミラーはどうした!?」
メキボス「ああ、 あいつらはあいつらで忙しいのさ」
メキボス「今、 ネビーイームはアインストの猛攻を 受けているからな」
キョウスケ「やはり……!」
メキボス「お前ら、俺達とアインストが 戦ってる隙を突いて、ネビーイームへ 踏み込もうってンだろ?」
リン「ああ、そうだ」
メキボス「たった2艦で 俺達やアインストを倒そうなんざ、 馬鹿げてるぜ」
リン「フ……まったくだ」
イルム「しかし、 その役目は俺達がやるしかないのさ」
メキボス「何のために?」
イルム「悪いが、そいつを面と向かって 言うキャラじゃないんでね、俺は」
メキボス「……そうかい。 じゃ、始めるとするか」
レフィーナ「ドラゴン2より各機へ!  攻撃を開始して下さい!」
メキボス(……さて……)
メキボス(確かめさせてもらうぜ。 お前ら地球人の力と……意思をな)
(作戦目的表示)

〈敵機15機以上撃墜〉

メキボス「フン、ネビーイームへ 攻め入ろうってだけのことはあるな」
メキボス「だが、 そう簡単にここを通すつもりはねぇ」
(エルアインスなどが出現)
マサキ「チッ、 ゾロゾロと出て来やがって!」

〈戦艦を1隻撃墜〉

メキボス「戦艦がやられたか……!  なら、もう出し惜しみはしねえぜ!」
(量産型アシュセイヴァーが出現)
ユウキ「量産型の アシュセイヴァーか……!」
マサキ「そんなもんで 俺達を止められると思うなよ!」

グレイターキンを
撃墜した 撤退させた


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