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仕組まれた子供たち アビアノ基地に残る ~ 第30話 ~

《ホワイトスター》

[ホワイトスター]

ウェンドロ「ふうん……北米地区奪還作戦、 オペレーション・プランタジネットか」
ウェンドロ「彼らも 着々と準備を進めているようだね」
ニブハル「対応策はいかが致しますか?」
ウェンドロ「今は必要ないよ」
ニブハル「連邦軍とノイエDC軍が 手を結ぶ可能性もありますが……」
ウェンドロ「彼らのような野蛮人に そんな分別があるものか」
ウェンドロ「現に内乱は今も続いてるじゃないか。 僕達という共通の敵がいるにも拘わらず、ね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「彼らは 自分達の力の使い方を知らない。 幼稚で愚かな生き物なんだよ」
ニブハル「では?」
ウェンドロ「まもなく、アギーハが ハワイへ向かう手はずになっている」
ウェンドロ「あの島を極東侵攻の 足掛かりとするためにね」
ニブハル「……地球人の力を あまり甘く見られぬ方が良いと思いますが」
ウェンドロ「それは先任者の失敗と、 このネビーイームにいた者達の 敗北を見た上での言葉かい?」
ニブハル「……ええ」
ウェンドロ「ふん…… 僕達を彼らと一緒にしてもらっちゃ困るね」
ニブハル「では、 そちら側の空間転移装置は何基あるのですか?」
ウェンドロ「……」
ニブハル「我々の技術では、 あの装置を通常サイズの機動兵器に 搭載することはまだ不可能……」
ニブハル「何故なら、 転移装置の使用には膨大なエネルギーが 必要となるからです」
ニブハル「また、転移可能な範囲は限られており……」
ニブハル「目的地に装置がなければ、 再転移による帰還は不可能です」
ウェンドロ「まあね」
ニブハル「さらに、一基の装置で 一度に転移させられる兵器の量も 限られております」
ウェンドロ「何が言いたいんだい?」
ニブハル「空間転移装置を失えば、 戦略面での我々の優位性までも 失われるということです」
ニブハル「故に、この戦いは空間転移装置を いくつ保有しているかで決まると言えます」
ニブハル「ましてや、 あの装置が敵に奪われでもしたら……」
ニブハル「兵器のほとんどを 地球製の物に頼っている我々は……」
ウェンドロ「そんなことは 君に言われなくてもわかっているよ」
ニブハル「では、ウェンドロ監査官。 そちら側の転移装置の数は?」
ウェンドロ「教えるわけにはいかないね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「何故だかわかるかい?  ……それは僕が君のことを 信用していないからさ」
ニブハル「……」
ウェンドロ「君は先任者より前に 地球へやって来たようだが…… その素性は知れたものじゃない」
ウェンドロ「あの南極事件を 引き起こしたシュウ・シラカワという男と同じくね」
ニブハル「……」
ウェンドロ「案外、先任者が失脚したのは 君のせいじゃないのかい?」
ニブハル「とんでもございません」
ウェンドロ「じゃあ、 SRX計画ATX計画……」
ウェンドロ「あれを再開させたのは、 地球人の唯一の長所を伸ばし、僕達へ その成果物を渡すのではなく……」
ウェンドロ「自分の物に…… いや、僕達以外の誰かに提出する ためじゃないのかい?」
ニブハル「滅相もございません」
ウェンドロ「ふうん……。ま、いいけどね」
ニブハル「……では、最後に。 ノイエDC軍の中に興味深い集団がおります……」
ニブハル「そして、 彼らには利用価値があります」
ウェンドロ「……」
ニブハル「こちらで詳しい情報を入手次第、 ご報告致しますので…… 今後の作戦にお役立て下さい」
ウェンドロ「……わかった。見るだけ見ておくよ」
ニブハル「それでは……」

[???(執務室)]

ニブハル「……」
ニブハル(なかなか勘の鋭い人物ですね。 あの年齢で異文明監査官を務めている ことにも納得がいきます)
ニブハル(しかし…… 地球人の力を見くびり過ぎですね)
ニブハル(グライエンの思惑通り、 ノイエDCがオペレーション・プランタジネットに 加われば……)
(扉が開閉する)
ミツコ「失礼致します」
ニブハル「おやおや、ノックもなさらずに。 ……困りますね」
ミツコ「あら、ごめんあそばせ。 ドアがロックされていなかったので、 中へ入ってよろしいのかと……」
ニブハル「フッ……。 それで、私にアポを取られた理由は何ですかな?」
ミツコ「ニブハル補佐官に ビジネスの話をさせていただきたいと思いまして」
ニブハル「ほう……見返りは?」
ミツコ「あなたが必要とされている情報です」
ニブハル「……では、そちらが 希望されるビジネスの相手とは?」
ミツコ「それはもちろん……」
ミツコ「インスペクターですわ」

《アースクレイドル》

[アースクレイドル 内部]

オウカ「ゼオラ……具合はどう?」
ゼオラ「大丈夫です。 母様に診てみてもらったおかげで、 頭痛も収まりました」
オウカ「そう……良かった。 この間のこともあったから、心配していたのよ」
ゼオラ「ごめんなさい……。 あの時、私はラトを助けて あげることが出来なかった……」
ゼオラ「まさか、 アラド・バランガがビルトビルガーで 私に挑んでくるなんて……」
オウカ「ビルガー……。 あなたのファルケンと対で 開発されたという機体ね?」
ゼオラ「ええ……。 でも、ファルケンの中にあったデータとは 違っていたせいで……」
ゼオラ「いえ、私が未熟だったせいです……」
オウカ「元気を出しなさい、ゼオラ。 あなたの代わりに、私が アラド・バランガを倒してあげる」
ゼオラ「え? じゃ、じゃあ……」
オウカ「そう。ラピエサージュが 使えるようになったのよ」
オウカ「だから、私が行って…… ラトを連れ戻してくるわ」
ゼオラ「はい……。姉様なら、きっと……」

[アースクレイドル 内部]

アギラ「あの二人の記憶調整は 上手く行っておるようじゃの」
クエルボ「……ええ」
アギラ「だが、ブロンゾ27が持つ ブロンゾ28の記憶は、予想以上に 根深い所へ食い込んでおる……」
アギラ「前回のようなケースが起きた場合は、 人格書き換えも検討せねばならんか」
クエルボ「し、しかし、それは……!」
アギラ「危険度が高いのはわかっておる。 調整に失敗すれば、廃人じゃからの」
アギラスクール時代のように サンプルの数が揃っておれば 使い捨てでも構わんのじゃが……」
アギラ「今はブーステッド・チルドレンも 残り少なくなってしまったからのう」
クエルボ「……ラピエサージュの ゲイム・システムの方は 大丈夫なのでしょうか?」
クエルボ「いくらオウカとは言え、 あれを使いこなせるかどうか……」
アギラ「ふむう…… 確かに不安な点ではあるのう」
(扉が開閉する)
イーグレット「……アウルム1は 俺にとっても貴重なサンプルだ。 奴に何かあっては困る」
アギラ「フェフか。何の用じゃ?」
イーグレット「アウルム1に 保険が必要ではないかと思ってな」
アギラ「保険じゃと?」
イーグレット「ああ。 テストを兼ねて、俺の子供達を出す」
アギラ「!」
クエルボ「彼らが目覚めたのですか?」
イーグレット「その通り。 すでに出撃準備は出来ている。 どうだ、セトメ博士?」
アギラ「フン、いいじゃろう。 奴らの能力を見せてもらおうか……」

[ハガネ ブリッジ]

ヴィレッタ「サマ基地奪還作戦?」
テツヤ「ああ。 今、あそこはムータ基地と並び、 ノイエDCの前線基地となっている」
テツヤ「そこで、我々が サマ基地の奪還に成功すれば…… 敵はまた大きく後退することになる」
ヴィレッタ「敵中央への 直接攻撃を担当するのは私達か?」
テツヤ「そうだ、 リクセントの時と同じくな」
アラド「な、何かおれ達…… 突っ込んでばっかりッスね」
ヴィレッタ「でも、 あなたはその方が性に合っているのでしょう?」
アラド「そりゃもちろん。 正面突破、望むところッス。 細かいことは後で考えるッス」
ヴィレッタ「フッ…… カイ少佐がにらんでいるわよ」
アラド「え!?」
カイ「アラド、貴様……まだそんなことを」
アラド「い、いえ!  臨機応変に対応するであります!」
ダイテツ「総員第三種戦闘配置。 海岸線を越え、サマ基地へ向かうぞ」
テツヤ「了解です、艦長」


第30話
仕組まれた子供たち

〔戦域:サマ基地周辺〕

一般兵「中佐! 敵部隊が 最終防衛ラインに到達しました!」
基地司令「うぬっ、何て速さだ!  支援要請は出したか!?」
一般兵「はっ!」
基地司令「よし……!  援軍が来るまで基地を死守せよ!」
NDC艦長「了解。総員、迎撃準備!」
(ライノセラスにアラート)
一般兵「敵は最終防衛ラインを突破!  こちらへ侵入してきます!!」
(西側にハガネが出現)
テツヤ「艦長、基地エリア内への進入に 成功しました!」
ダイテツPT各機、出撃せよ!」
(アラド機、ラトゥーニ機が出撃、出撃準備)
ダイテツ「これより残存敵機を掃討し、 サマ基地を奪還する!」
テツヤ「スティール2から各機へ!  攻撃を開始せよ!」
リュウセイ「了解!」
アラド「ファルケンが見当たらねえ……。 ゼオラはここにいねえのか?」
カイ「アラド、 今は目の前の敵に集中しろ。 いいな?」
アラド「は、はい!」
カイ「臨機応変な対応も忘れるな!」
アラド「もちろんッス!」
カイ「よし、行くぞ!!」
(作戦目的表示)

〈敵機15機撃墜〉

一般兵「敵部隊、さらに侵攻!  こ、このままでは!」
基地司令「援軍はどうなっている!?」
一般兵「そ、それがまだ……!」
基地司令「やむを得ん、 残存機を全て出撃させろ!」
(敵機が出現)
リュウセイ「チッ、 まだ出てくるのかよ!」
イルム「やれやれ…… 逃げ出すのかと思ったら、 往生際の悪い連中だな」
レオナ「彼らとしてもあの基地を 失うわけにはいかないのでしょう」
レオナ「もしかしたら、 援軍が来るまで持ちこたえる つもりなのかも知れません」
イルム「じゃ、そいつが 無駄だってことを教えてやるか」
ライ「了解」

〈敵機全滅〉

基地司令「お、おのれ!  もはやこれまでか……!?」
一般兵「中佐!  後方より友軍機が接近中です!」
基地司令「おお、間に合ってくれたか!」
(アラド機の北側にラピエサージュが出現)
アラド「な、何だ!?」
ヴィレッタ「データにない機体……!  敵の新型か?」
リュウセイ「たった1機で 飛び込んでくるたあ、 いい度胸じゃねえか!」
アラド「あいつ、何となく似てる…… ビルガーやファルケンに……!」
ライ「右手の格闘用武器、 左手の機関砲、背部の翼……」
ライ「手持ちの武器は オクスタン・ランチャーか?」
リュウセイ「ああ……ATX計画機が ごちゃ混ぜになってやがるぜ」
オウカ「このラピエサージュは ATX計画のデータを基にして 作られた機体……」
オウカ「そして、 あなた達を貫くための牙なのです」
ラトゥーニ「!!」
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
リュウセイ「オウカだと!?」
シャイン「なら、 あの人がラトゥーニやアラドの……」
ライ「ええ、かつてのスクールで 彼らの姉代わりだった人物です」
オウカ「……」
アラド「ね、姉さん……!」
オウカ「アラド・バランガ…… あなたに姉呼ばわりされる 覚えはありません」
アラド「!!」
ラトゥーニ「そんな……!  この間はアラドのことを弟だと……」
オウカ「何を言うの、ラト?  アラド・バランガは私達から あなたを奪い去った男……」
オウカ「私達の憎むべき敵…… そして、倒すべき標的なのよ」
ラトゥーニ「……!!」
カイ「……前と言っていることが違う。 記憶操作を受けているのか?」
ラーダ「ええ。それも、強力な……」
オウカ「聞き捨てなりませんね。 記憶操作を行っているのは、 あなた達の方でしょう?」
ラーダ「え!?」
オウカ「よくも私のラトを……自分達の 兵器として利用するために……!」
アラド「姉さん、それは違う!  利用されてんのは姉さんや ゼオラの方なんだ!!」
オウカ「お黙りなさい!」
(アラド機に爆煙)
アラド「う、うわっ!!」
ラトゥーニ「姉様!」
アラド「く、くうっ……!!」
オウカ「あなたがラトを 連れ去ったりしなければ、 こんなことには……!」
アラド「ね、姉さん……!  本気なのか!? おれのことを 本気で忘れちまってるのか!?」
オウカ「私にあなたのような弟は いません。ラトを惑わすような 真似はもうおやめなさい」
アラド「!」
アラド「ち、ちきしょう!  ゼオラと同じだってのかよ!?」
オウカ「アラド・バランガ…… 前の戦闘では、ゼオラをひどい目に 遭わせてくれたようですね」
アラド「そ、それは違う!」
オウカ「その罪…… そして、ラトをたぶらかした罪…… あなたの命をもって償いなさい」
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
ヴィレッタ「アラド、 それ以上言っても無駄よ」
アラド「で、でも!!」
ヴィレッタ「おそらく、 言葉だけでは彼女の呪縛を 解くことは出来ない……」
ラーダ「でも、 私達の所へ連れてくることが 出来れば、あるいは……!」
アイビス「どんな力を持った機体か 知らないけど、たった1機……!  あたし達で力を合わせれば!」
オウカ「フフフ、私を捕らえられると 思っているのですか?」
アイビス「やってみせるよ……!  このアステリオンで!」
オウカ「いいでしょう。あなた達に スクールの長姉たるこの私と……」
オウカ「ラピエサージュの力を 見せてあげましょう」
アイビス「!?」
オウカゲイム・システム、起動……!  シンクロ!」
(ゲイム・システム起動、オウカに『ひらめき』『集中』『必中』)
ラトゥーニ「ゲイム・システム!?」
レオナ「まさか、あの時の……」
ラーダ「ヴァルシオン改に搭載されていた マン・マシン・インターフェース……!」
リュウセイ「じょ、冗談じゃねえ!  あれを使ったら、テンザンみてえに 暴走しちまうんじゃねえのか!?」
シャイン「そ、そうでございますわ!  わ、私もあのシステムで……!」
ラトゥーニ「ね、姉様!」
オウカ「心配はいらないわ、ラト。 私は以前からゲイム・システムへの 適応調整を受けている……」
オウカ「だから、必ずアラド達を倒し…… あなたを救ってあげるわ」
リュウセイ「何を言ってやがる!  例え、ゲイム・システムを 使いこなしたってな……」
リュウセイ「あんたが アギラ・セトメって奴に操られてる事に 変わりはねえだろうが!!」
オウカ「お黙りなさい。 母様を愚弄することは許しません」
リュウセイ「なっ……!!」
イルム「ゲイム・システムなんて 代物を持ち出された以上、 強攻策でいくしかないな」
ライ「ええ、あの時と同じ方法で」
リュウセイ「あの時!?」
シャイン「ライディ様達が 私を助けてくれた時のことで ございますわ!」
ラーダ「そう、彼女を物理的に システムから切り離す。つまり……」
リュウセイ「あのロボットの ゲイム・システムを ブッ壊せばいいんだな?」
ライ「ああ、そうだ」
ラトゥーニ「……」
シャイン「ラトゥーニ、 私もお手伝い致します!  あなた達の姉君を助けなさいませ!」
ラトゥーニ「はい!」
アラド「そうだ……!  ゼオラも姉さんも必ずスクールの 呪縛から解き放ってみせるっ!!」
(作戦目的表示)

〈vs オウカ〉

[リュウセイ]

リュウセイ「いくらゲイム・システムに 慣れてるって言ったって……」
リュウセイ「長時間使い続けたら、 タダじゃすまねえはずだぜ!!」
オウカ「あなたに そのような心配をしてもらう 必要などありません……」
オウカ「そして、ラトを あなた達の好きにはさせません」
リュウセイ「くそっ!  ラトゥーニやアラドの気持ちも 知らねえで!」
オウカ「ラトの記憶を操作しておいて、 よくそのようなことが 言えるものですね」
リュウセイ「誰がそんなことをするか!  それに、あいつはあんたを 助けようとしてんだぞ!」
オウカ「あなたも そうだと言うのですか?」
リュウセイ「ああ!」
オウカ「何のために?」
リュウセイ「ラトゥーニとアラドのために 決まってんだろうが!!」

[アラド]

オウカ「ラトを連れ去り、 ゼオラを苦しめた罪…… その命で購いなさい!」
アラド「今、姉さんがおれのことを どう思っていようが構わねえ!」
アラド「おれはそのマシンを壊し、 姉さんを正気に戻してみせる!!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「姉様!  ゲイム・システムを使ってはダメ!」
オウカ「これは あなたを連れ戻すための……」
オウカ「あなたを利用する者達を 倒すための手段なのよ!」
ラトゥーニ「違う!  利用されているのは姉様の方よ!」

[シャイン]

シャイン「私はゲイム・システムの 恐ろしさを知っております!  それを使うのはお止めなさいませ!」
オウカ「この機体のゲイム・システムは 改良型……あなたが知っている物とは 違うのですよ?」
シャイン「それでも危険であることに 変わりはございませんわ!」
シャイン「私の時と同じ方法で、 あなたをお助けします!」
シャイン「お友達のラトゥーニと アラドのために!!」

[ラーダ]

ラーダ「時間が経てば、 システム暴走の可能性が高まる……!」
オウカ「だから、 どうだと言うのです?」
ラーダ「暴走したら、 あなたが取り戻すべき記憶まで 失ってしまうかも知れないのよ!」
オウカ「取り戻すべき記憶……?  戯れ言を!」

[HP70%以下 or ラピエサージュ出現から5 NEXT PP]

イルム「……やれやれ、ホントに見た目も 中身もガチガチだな、ありゃ」
カイ「このままでは こちらが消耗する一方だ。 何か手を打たんと……!」
オウカ「……これ以上、 あなた達と無駄な時間を 過ごすつもりはありません」
オウカ「ラト以外の者は抹殺します。 そうすれば、あの子も私に 従わざるを得ないでしょう」
(長い感応)
オウカ「!?」
オウカ「つ……うっ!!」
ラトゥーニ「!?」
オウカ「う……く……!  も、もうシステムの限界が……!?」
レオナ「ラピエサージュが 動きを止めた……!?」
オウカ「早過ぎる……!?  ど、どうして……!?」
オウカ「身体が……動かない……!  何故……!?」
オウカ「私は……あの者達を 討たねばならない……のに……!」
ラトゥーニ「オ、オウカ!」
基地司令「あの機体はどうしたのだ!?  何故、攻撃を中断した!?」
一般兵「わ、わかりません!」
基地司令「ええい、ここまで来て……!」
(基地にアラート)
基地司令「何だ!?」
一般兵「識別不明の機体が こちらへ接近中です!」
基地司令「敵の援軍か!?」
一般兵「い、いえ、これは!」
(東端にベルゲルミルが3機出現)
アイビス「!!」
カイ「新手か!?」
一般兵「機体にDCのマーキングが!  友軍です! 友軍機です!」
基地司令「だが、あんな機種は 見たことがないぞ……!?」
オウカ「あ、あなた達は……!?」
アンサズ「フフフ…… どうしたんだい、アウルム1?  苦しいのかい?」
ウルズ「所詮、あの女は旧型の ブーステッド・チルドレン……」
ウルズ「強化措置を受けても、 改良型のゲイム・システムを 完全に使いこなすことは無理か」
オウカ「あなた達は何者です!?  ここへ何をしに……!?」
アンサズ「もちろん、出来損ないの 人形を助けに来たのさ」
アンサズ「このベルゲルミルのテストを 兼ねて、ねえ」
オウカ「く……!」
スリサズ「テストなんてもう充分さ!  ここまで来て、あの女を助けるだけ なんて、僕は嫌だね!」
ウルズ「スリサズ、 パパの命令を忘れたのか?  アウルム1の回収が先だ」
スリサズ「あんな不良品など 知ったことか! 僕は好きにやる!  パパだってわかってくれるさ!」
基地司令「お前達、何をしている!?  早くこちらの援護を!!」
スリサズ「! うるさいんだよ!!」
(スリサズ機がミサイル発射、中央の基地の司令部辺りに大きな爆煙)
ラーダ「!!」
リュウセイ「し、司令部を!?」
アイビス「あいつら、ここの部隊を 助けに来たんじゃないの……!?」
スリサズ「アハハハ!  愚かなヒトの分際で僕に命令するから そうなるんだよ!」
ウルズ「スリサズ……」
アンサズ「いいじゃないか、ウルズ。 どうせこの基地は終わりさ」
アンサズ「それに、 無能な人間は排除するに限る。 ……少しずつ……少しずつね」
ウルズ「……」
アンサズ「それとも、 僕達の間で話し合って決めたことに 異存があるのかい?」
ウルズ「……いいだろう。 僕はアウルム1を連れて帰る」
アンサズ「それが今回の任務だからね。 スリサズ、君はどうする?」
スリサズ「決まっている!  あの中にいる遺伝子提供者を 消去するのさ!」
アンサズ「なるほど……僕達の 名誉のために、というわけかい?」
スリサズ「そうさ! 出来損ないの データが組み込まれているなんて、 僕には我慢できないんだ!」
ウルズ「わかった。 パパには僕から話をしておく」
ウルズ「だが、くれぐれも 彼らの力を甘く見るなよ」
ウルズ「僕達マシンナリー・チルドレンが ヒトに敗北するなど、 あってはならないことだからな」
スリサズ「わかっているよ、ウルズ」
ウルズ「……じゃあ行こう、アンサズ」
アンサズ「ああ」
(ウルズ機とアンサズ機がラピエサージュに隣接)
アイビス「! は、速い!!」
オウカ「! な、何をするのです!?」
スリサズ「言ったろう?  出来損ないの人形を助けに来たって」
オウカ「あ、あなた達などに!」
スリサズ「僕だってパパの命令でなきゃ、 こんなことはしたくないさ」
ウルズ「パパ達は お前のデータを必要としている……。 ただそれだけだ」
オウカ「……!」
(ウルズ機、アンサズ機、ラピエサージュが撤退)
アラド「オ、オウカ姉さん!!」
ラトゥーニ「アラド、追跡を!!」
アラド「お、おう!!」
(スリサズ機がアラド機の側へ移動)
スリサズ「お前達の相手は僕がする!」
アラド「邪魔すんじゃねえ!  そこをどけぇっ!」
スリサズ「そうはいかない!  アラド・バランガ…… いや、ブロンゾ28!」
アラド「!!」
スリサズ「お前には ここで死んでもらう!  僕達の名誉のためにね!!」
アラド「な……何だって!?  どういう意味だ!?」
スリサズ「それを知る必要はない!」
スリサズ「さあ、行くよ!  ゲイム・システム、フルコンタクト!」
(スリサズに『ひらめき』『集中』『必中』)
(作戦目的表示)

〈vs スリサズ〉

[アラド]

アラド「何でおれがお前の名誉のために 死ななきゃならねえんだ!?」
スリサズ「知る必要はないと 言ったはずだ!」
スリサズ「ブロンゾ28!  お前は黙って僕に殺されれば いいんだよ!!」
アラド「おれをその名で呼ぶんじゃねえ!  おれはアラド・バランガだ!!」

[アイビス]

アイビス「この機体、何なの!?  アステリオン並の機動性が……!」
スリサズ「ハッ! お前の下らない玩具と 一緒にするな!」

[ラトゥーニ]

ラトゥーニ「あの動き…… スクールのデータがベースに なっているの……!?」
スリサズ「それに気づいたか?  なら、お前も殺さなきゃならないな!」

[ラーダ]

ラーダ「あの子、ゲイム・システムを 使いこなしている……!?」
スリサズ「当たり前だ!  僕をアウルム1と同じにするな!」

スリサズ機を
撃墜した 撃墜できなかった


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