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超音速の妖精 アビアノ基地に残る ~ 第27話 ~

〈ユウキ機のHP70%以下〉

ユウキ「チッ、 このままではこちらが不利か」
(エルアインス・アーチボルド機がアーチボルド艦の南に出現)
アーチボルド「……やれやれ、 とんだ大番狂わせでしたよ」
アーチボルド「プリンセス・シャインが あんな形で舞い戻り、しかも身内に あざむかれるとはね」
カーラ「え!?」
ユウキ「……」
アーチボルド「各員へ。遺憾ながら、 リクセント公国を放棄します。 直ちに戦闘区域から離脱して下さい」
ライ「! アーチボルド!!」
アーチボルドASRS展開。 またお会いしましょう、 ライディース君」
(アーチボルド機が撤退)
カーラ「少佐!!」
ユウキ「俺達も撤退するぞ、カーラ」
カーラ「で、でも!」
ユウキ「少佐が切り札を出した時点で 俺達の敗北は決まっていた」
カーラ「ユウ……あんた……!」
ユウキ「……行くぞ」
カーラ「う、うん!」
(カーラ機、ユウキ機、増援で現れた敵機が撤退)
アラド「に、逃げやがった!?」
テツヤ「艦長!」
ダイテツ「追撃は別働隊に任せる。 我々は城内と市街地の安全の 確保を優先するぞ」

[リクセント城 城内]

ジョイス「お、おお……シャイン様……!」
シャイン「爺、 私……戻って参りましたわ」
ジョイス「まさか、シャイン様ご自身が 奪還作戦に加わっておられたとは……」
シャイン「ええ……。 でも、この国を取り戻せたのは……」
シャイン「ラトゥーニやライディ様、 ハガネの皆様のおかげです」
ジョイス「シャイン様……」
シャイン「皆は無事ですか?」
ジョイス「はい。 私も含め、城の者は市内のシェルターへ 避難しておりましたので」
ジョイス「しかし、 よもやノイエDCの者達がシェルターに 爆弾を仕掛けていたとは……」
シャイン「ええ……。 敵の中には、あのような真似を 平然と行う者もいるのです……」
シャイン「そして…… 同じようなことが私の国だけでなく、 他の所でも……」
ジョイス「………」
シャイン「爺……お願いがあります」

[ハガネ 格納庫]

リュウセイ「しっかし、 色んな意味でビックリしたな。 このフェアリオンには」
アイビス「う、うん……。 連携戦闘と回避能力に主点を置いた 機体だってことは知ってたけど……」
アイビス「まさか、 あんな動きをするなんて……」
リュウセイ「あれ、 カザハラ所長とフィリオ少佐が 考えたモーションなのかな?」
ツグミ「ま、まさか……」
イルム「二人で踊りながらモーションデータを 入れ込んだんじゃないだろうな…」
ツグミ(そ、想像したくない……。 フィリオはともかく、所長のそんな姿は……)
アラド「ところで、ラト…… なんでそんな格好してんの?」
ラトゥーニ「こ、これは……タカクラチーフから、 まずは形から、最初だけって言われて……」
アラド「新型のパイロットスーツかと思ったよ。 で、お前……こいつに乗るの?」
ラトゥーニ「外見の方を もうちょっと何とかしてもらえば……」
ツグミ「嘘……。 このデザインが気に入らないの……」
ラトゥーニ「え……?」
ツグミ「その服、そのリボン……。 パイロットと機体の完璧な コーディネイトなんだけど……」
ラトゥーニ「コ、コーディネイト……?」
アイビス(そ、そう言えば、 タカクラチーフの趣味って……)
イルム「外見ねえ。 なら、装甲を変えなきゃならないな」
ツグミ「じゃあ……機体は重くなるし、 可愛くなくなってしまうけど、 ガーリオンの装甲を……」
リュウセイ「……俺はあれでいいと思うけどなあ」
ラトゥーニ「え?」
リュウセイ「とりあえず、 機体性能の方に問題はないんだろ?」
ラトゥーニ「う、うん……」
リュウセイ「じゃあ、あれ…… 可愛いし、スカートはいてるし。 ラトゥーニに似合ってると思うぜ」
ラトゥーニ「……」
アラド(スカート……関係あるのかな?)
ラトゥーニ「なら……あのままにする……」
ツグミ「良かった……。 私も少尉に似合ってると思うわよ」
アイビス(や……やっぱり?)
リュウセイ「さて……そうと決まれば、 早速写真を撮っとくとするか」
ツグミ「じゃあ、私が撮ってあげるわ。 フェアリオンと一緒にね」
リュウセイ「お! いいねえ、それ!」
ラトゥーニ「……」
ツグミ「ほらほら、ラトゥーニ少尉も入りなさいな」
ラトゥーニ「え……?  で、でも、リュウセイに悪いから……」
リュウセイ「なに言ってんだ。 お前、こいつのパイロットだろ?  一緒に撮ろうぜ」
ラトゥーニ「う、うん……」
アラド「じゃあ、おれも!」
イルム「こらこら、野暮を言うんじゃねえの」
アラド「え? あ……そ、そうッスね」
ツグミ「じゃあ二人共、撮るわよ」
リュウセイ「おう、頼むぜ」
ラトゥーニ「……」
イルム(親父の奴、 あの外見はこれも見越してのことか?)
イルム(……いや、さすがに考えすぎか)

[ハガネ ブリッジ]

ライ「……結局、アーチボルドの行方は わからずじまいですか?」
テツヤ「ああ。 彼らは別働隊の追撃を振り切り、 地中海方面へ逃げたようだ」
ライ「……」
レオナ「ライディース……」
ライ「今回の作戦目的はリクセントの奪還……。 それが達成できただけで充分だ」
レオナ「ええ……」
(扉が開閉する)
エイタ「艦長、シャイン王女と ルダール卿をお連れしました」
ダイテツ「うむ、ご苦労」
ジョイス「ダイテツ・ミナセ艦長…… あなた方のおかげで、我が国は救われました」
ジョイス「何とお礼を申し上げれば 良いのやら……」
ダイテツ「いや……。 以後、貴国には連邦軍部隊が駐留し、 防衛任務に就くことになる」
ダイテツ「また、今回の件で ノイエDCは地中海方面から後退……」
ダイテツ「我々も追撃を行うため、 貴国が再び彼らによって危機に さらされることはないと思われる」
シャイン「ですが、 完全に……と言うわけではないのでしょう?」
ダイテツ「……」
シャイン「それは私の国だけでなく、他の所も…… ノイエDCや異星人の脅威を振り払わぬ限りは……」
ダイテツ「……」
ダイテツ「……王女は 我々と行動を共になさるつもりか?」
シャイン「はい……」
ライ「!」
レオナ「な……!」
テツヤ「ほ、本気なのですか、王女!?」
シャイン「……ええ」
ジョイス「私も説得したのですが、 リクセント公国を守るだけでは 駄目だと申されて……」
ライ「しかし、王女…… あなたがいなければ、リクセント公国は……」
シャイン「わかっております。 それもまた……逃げであることを」
シャイン「でも、さらに大きな脅威から 逃げるわけには参りません……」
ライ「……」
シャイン「私も……ライディ様達と同じく、 この星のために戦いたいのです……!」
シャイン「リクセントだけでなく、 多くの地と人々を守るために……!」
ダイテツ「……」
ダイテツ「……相手が王女であろうと 本人が志願される以上、我々には それを拒む理由も権利もありません」
シャイン「では……!」
ダイテツ「ですが、 忘れないでいただきたい……」
ダイテツ「戦場に出れば 王女の命も兵一人のそれと 何ら変わりはないということを」
シャイン「私も一人の兵として 扱うということでしょうか……?」
ダイテツ「敵の弾は平等に当たる以上、 御身の命の保証は出来ませんぞ。 それでもよろしいか?」
シャイン「はい、覚悟の上でございます……!」
テツヤ「し、しかし、 これは我々だけの問題では……!」
ジョイス「王女の意思は我が国の意思…… 連邦政府の方には私の方からご説明致します」
ジョイス「そして…… 王女がおられぬ間のリクセントは、 我々で維持していく所存です」
テツヤ「……」
ダイテツ「大尉、 お前の言いたいことはわかる。 が、ワシは王女の意思を尊重したい」
ダイテツ「この地球を守るという強い意思…… これからの戦いは、それがなければ勝てん」
テツヤ「……わかりました。 シャイン王女、これからもよろしくお願い致します」
シャイン「こちらこそ……ありがとうございます」
ライ「……」
シャイン「ライディ様……」
ライ「出撃前にも申し上げた通り…… 成すべきことを成しましょう。 お互いに……このハガネで」
シャイン「はい……」
ジョイス「では、シャイン様……。 くれぐれもお身体にはお気をつけて」
ジョイス「そして、 我々はあなた様のお帰りを いつまでもお待ちしております」
シャイン「ええ。 私は必ずリクセントへ……皆の所へ帰ります」
シャイン「この地球に……平穏を取り戻した後で……」

[ノイエDC戦艦 ブリッジ]

アーチボルド「……やれやれ、 また潜水艦の中に逆戻りとはね」
ユウキ「……」
アーチボルド「では、ユウキ君。 先程の件について釈明して いただきましょうか」
ユウキ「自分は…… バン大佐の命令を守ったまでです」
アーチボルド「ほう……。 それで、起爆装置に細工をしたと?」
ユウキ「……ええ」
アーチボルド「……」
アーチボルド「ま、いいでしょう。 おかげでバン大佐への言い訳も立ちますからね」
ユウキ「……」
アーチボルド「ただし、ユウキ君…… 君には相応の罰を受けてもらいます。 他の部下への示しもあるのでね」
ユウキ「……了解です」
アーチボルド「では、彼を独房へ」
一般兵「はっ」
(扉が開閉する・ユウキと一般兵が立ち去る)
アーチボルド「……」
アーチボルド(……僕は このまま終わりはしませんよ……)
アーチボルド(あのハガネに…… そして、プリンセス・シャインに 報復するまでは……)

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