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彗星、遥か遠く アビアノ基地に残る ~ 第28話 ~

《アースクレイドル》

[アースクレイドル 内部]

???(ミツコ)「……そうですか。 リクセント公国が……」
ヴィンデル「そのせいで ノイエDCはヨーロッパ侵攻の 足がかりを失った」
???(ミツコ)「まあ、私達にとっては 大きな問題ではございませんわね」
ヴィンデル「うむ……かえって都合がいいぐらいだ」
???(ミツコ)「例の件に関しては、 私から直接バン大佐に伝えますわ」
ヴィンデル「了解した。 ところで、ミッション・ハルパー 決行の日は決まったのか?」
???(ミツコ)「まだですが…… オペレーション・プランタジネットの 前になるようですわ」
ヴィンデル「妥当な線だな」
???(ミツコ)「その頃、ハガネと ヒリュウ改は伊豆基地にいるはず……」
ヴィンデル「伊豆を抑えるのは誰だ?」
???(ミツコ)「ケネス・ギャレット少将です」
ヴィンデル「あの男か……問題ではないな」
???(ミツコ)「いずれにせよ、 あなた方シャドウミラーにとっては チャンスですわよ?」
ヴィンデル「言われるまでもない」
???(ミツコ)「では、最後に……。 彼らとの交渉の糸口が見つかりそうですわ」
ヴィンデル「何? 本当か?」
???(ミツコ)「ええ。 上手くいきましたら、ご連絡します。 ……それでは、ごきげんよう」
(通信切れる)
レモン「…美しいバラにはトゲがあるって言うけど、 あのお嬢ちゃんは別格ね」
ヴィンデル「彼女のような存在は、 時に腐敗の原因となるが……」
ヴィンデル「新たな世界を 生み出すための力の源にもなる」
ヴィンデル「だが、 大抵の者は不相応の権力を望み、 自滅するが……彼女は違う」
レモン「そうね。 あの子、根っからの商売人だもの」
レモンプロジェクトTDだって、 その実は売り込み手段の一つでしょ。 ……彼らに対しての」
ヴィンデル「だろうな」
レモン「ある意味、純粋なのよ。 だからこそ、私達もある程度までの 手の内を見せられる」
レモン「切り札は別にしてね」
ヴィンデル「ああ。 ローズが彼らとの接触に成功すれば、 我らが望む世界はより確実なものとなる」
レモン「……ええ」
ヴィンデル「では、 我らも日本へ向かう準備をしよう」
レモン「その前に……私達の足を手に入れない?」
ヴィンデル「足だと?」
レモン「そ。トライロバイトは虎の子だし、 ライノセラスやキラーホエールじゃ、 今後の作戦に対応しづらいでしょ」
レモン「私達の足として望ましいのはスペースノア級… シロガネなんていいんじゃないかしら?」

[アースクレイドル 内部]

NDC幹部「……現在 我が軍の戦艦はアフリカ北部沿岸まで 後退しつつあります」
バン「リクセント公国の奪還で 連邦軍を勢いづかせたか……」
バン(だが、彼らとて これ以上の攻勢はかけられまい)
バン(インスペクターが次の動きを 見せてもよい頃だからな)
バン「……北部戦線は サマ、ムータ両基地を中心にし、 戦力の立て直しを図らせろ」
バン「他の戦線は現状維持…… 連邦軍、及びインスペクターの襲撃に備えるのだ」
NDC幹部「はっ」
(通信)
一般兵「バン大佐…… ヴィンデル隊より出撃許可の要請が来ております」
バン「作戦目的は?」
一般兵「アフリカ北部の友軍の支援だそうです」
バン「……」
NDC幹部「前回に続き、 また独自の作戦行動か……」
NDC幹部「バン大佐、 いくら彼らがノイエDCの立役者とは言え……」
NDC幹部「これ以上好き勝手に させておいてよろしいのですか?」
バン「……」
NDC幹部「それに、彼らが使用する ゲシュペンストMk-II……エルアインス……」
NDC幹部「さらにスレードゲルミル…… どれも出所が不詳な機体ばかりです」
NDC幹部「しかも、 スレード以外にも数種の特機が 確認されており……」
NDC幹部「第5プラントでは、 我々の知らぬ人型機動兵器が 量産されているとの噂もあります」
バン「……わかっておる。 だが、今はあえて彼らを泳がせておくつもりだ」
NDC幹部「し、しかし……」
バン「ヴィンデルから提供される戦力は、 我々にとって重要……」
バン「それに、彼の真意がどうあれ、 我が軍の不利となる行動を とっているわけではない」
NDC幹部「バン大佐はヴィンデル大佐を 信用なさっているのですか?」
バン「……」
(扉が開閉する)
一般兵「バン大佐、 スレイ・プレスティを連れて参りました」
バン「うむ、ご苦労」
スレイ「……プロジェクトTD所属、 スレイ・プレスティです」
バン「バン・バ・チュン大佐だ。 お前がもたらしたカリオンは、 シリーズ77の機体だな?」
スレイ「ご存じなのですか?」
バン「うむ、βプロト……。 そして、αプロトのこともな」
スレイ「……」
スレイ(旧DCの幹部クラスなら、 プロジェクトTDのことを 知っていてもおかしくはないが……)
スレイDC戦争後に開発された βプロトとαプロトを 知っているということは……)
スレイ(やはり、イスルギ重工側から 情報が漏れていたようだな)
バン「スレイ・プレスティ、 お前がノイエDCに参加する目的は何だ?」
スレイ「北米を占拠した敵異星人を掃討することです」
バン「ほう……。 だが、それならば連邦軍で戦うと言う 選択肢も選べたであろうが」
スレイ「連中のやり方では 時間がかかり過ぎます……」
スレイ「私は一刻も早く 北米を敵異星人の手から取り返したいのです」
スレイ(そう、兄様のためにも……)
バン「……いいだろう。 その志は我らと同じようだ。 ノイエDCへの参加を認める」
バン「また、機体提供の功績もある…… 略式であるが、少尉に任官する」
スレイ「ありがとうございます」
バン「早速だが、やってもらいたいことがある」
スレイ「任務とあらば……」
バン「お前にはある部隊と行動を共にし、 その動きを報告してもらう」
スレイ「……内偵ですか?」
バン「包み隠さず言えばな。 お前は作戦中に見たものを私に報告すればよい」
スレイ「……了解です。 私が同行するその部隊とは?」
バン「……ヴィンデル麾下の特殊任務実行部隊だ」

《地中海上空(移動中・ハガネ)》

[ハガネ ブリッジ]

エイタ「……偵察隊からの定時連絡。 ポイントG1120に敵影なし」
テツヤ「そうか」
エイタ「どうやら、ガベス湾あたりに もう敵はいないみたいですね」
テツヤ「そう考えるのは早計だ。 こちらをピンポイントで 狙ってくる連中がいるかも知れん」
エイタ「そうですね……。 スペースノア級って、何かと目立ちますもんね」
(通信)
エイタ「あ……シロガネからです。 先方はポイントG1050まで 前進するとのことです」
テツヤ「何……?  それではチュニジアの海岸線を超えてしまうぞ」
エイタ「もしかして、リー中佐…… 焦ってるんじゃないですか?」
テツヤ「焦ってる? あの男が?」
エイタ「ほら、ウチの部隊はリクセントの奪還に 成功しましたし……」
エイタ「こっちに負けたくないとか 思っているんじゃないでしょうか」
テツヤ「……とにかく、 シロガネへ警告を出せ。 内陸部には敵がいる可能性が高い」
エイタ「言って聞く相手とは思えませんけど……」
テツヤ「いいから、やるんだ」
エイタ「りょ、了解です」

[シミュレータールーム]

(システムダウン)
ツグミ「……シミュレーション終了。 リザルトは言うまでもないわね」
アイビス「もう一度……!  もう一度頼むよ、レオナ!」
レオナ「ええ、望む所よ。 こちらとしても、高機動戦闘の いい訓練になるから」
アイビス「ありがとう。 ……でも、次は負けないよ!」
ツグミ「それじゃ、もう1セットね」
リュウセイ「あの二人もよく頑張るねえ。 もう20セットぐらいやってるぜ」
ライ「だが、 実戦経験の少ないアイビスにとっては いいトレーニングになる」
リュウセイ「あいつ、 レオナの前にもイルム中尉と10セットぐらい 模擬戦やってたしなあ……」
リュウセイ「タフさにかけちゃ、アラド以上かも」
ライ「そのアラドはどこへ行った?」
リュウセイ「ああ、王女さんと一緒に カイ少佐の講義を受けてるよ」

[ハガネ ブリーフィングルーム]

カイ「……敵機との相対距離が100。 パターン14で反撃された場合、 こちらがとるべき行動は?」
アラド「加速して突っ込んで、 相手より先に攻撃する!」
シャイン「いったん距離を取って、 相手の攻撃をかわした方がいいと思いますわ」
カイ「……シャイン王女が正解だ」
アラド「え?」
カイ「お前は攻撃範囲の差を忘れとる。 パターン14だと最悪の場合、相討ちになるぞ」
アラド「そ、そこはイチバチってことで」
ラトゥーニ「ア、アラド……」
カイ「二人共、接近戦で 心がけなければならないことは 何なのか……言ってみろ」
シャイン「敵との間合いをちゃんと 見極めることでございましょうか?」
アラド「肉を切らせて、 骨も切らせることだと思います!」
ラトゥーニ「アラド…… それじゃ、やられっぱなしだから」
カイ「やれやれ……誰の影響を 受けとるんだか。お前はもう一度 基礎から叩き込んだ方が良さそうだな」
アラド「トホホ……よ、よろしくお願いします」

[ハガネ 食堂]

ツグミ「結局、かなり負け越したわね。 落ち込んでる?」
アイビス「……見ての通りです……」
レオナ「アイビス、模擬戦は所詮模擬戦よ」
アイビス「え……?」
レオナ「確かに日々の訓練は大切…… でも、腕は実戦の中でこそ 磨かれていくものだと思うわ」
アイビス「でも、あたし……」
レオナ「……まだ戦うことに 違和感を感じているの?」
アイビス「ちょっとね……。 でも、そんなことを言ってられない 状況だってのもわかってる……」
アイビス「目指す先が 戦いの向こうにあるのなら、 あたしは戦うことをためらわない……」
ツグミ(アイビス…… フィリオと同じことを言うのね……)
レオナ「大事な夢があるのなら、 今は生き残ることを第一に 考えた方がよくてよ」
アイビス「生き残ること……」
レオナ「ええ。 プロジェクトTDであなたの やるべきことが残されているなら」
アイビス「……そうだよね……。 負けたって生きていれば、 何度でも挑戦出来る……」
アイビス「やろうっていう意志があれば、 いつか何だって出来るよね……」
レオナ「それはあなた次第よ」
アイビス「ありがとう、レオナ。 ……またシミュレーターで 相手してくれるかな……?」
レオナ「ええ、喜んで」

[ハガネ ブリッジ]

カイ「……アイビスはプロジェクトTDで 受けたアストロノーツ訓練が 大きな礎となっているようです」
カイ「また、シャイン王女も いい筋をしておられます」
ダイテツ「そうか。アラドの方は?」
カイ「見所はあるんですが…… まだそれを生かし切れていません」
イルム「やっぱり、別のスタイルってのが よくないんですかね」
ヴィレッタ「そうね……。 彼の場合はコンビネーション戦闘の 訓練を受けていたようだから」
イルム「パートナーがいてこそ 真価を発揮するってことか……」
ヴィレッタ「おそらく、ラドム博士は そのことを踏まえて彼をビルガーの パイロットに選んだのでしょうね」
カイ「ま、肝っ玉は座っとるんだ。 これからガンガン鍛えてやるさ」
(アラート)
エイタ「3時方向に敵影確認!  こちらへ接近中です!」
カイ「来たか!」
ダイテツ「総員第一種戦闘配置!」
テツヤ「了解!」
(通信)
エイタ「11時方向にも敵影確認!  シロガネの方へ向かっているようです!」
テツヤ「何だと!?」
ダイテツ「数はどちらが多い?」
エイタ「シロガネの方です!」
カイ「向こうは敵の勢力圏内に近い…… まずいな」
ダイテツ「カイ少佐、 足の速い機体に11時方向の敵を追撃させろ」
カイ「了解。 では、アイビスに行かせます」


第28話
彗星、遥か遠く

〔戦域:海辺〕

量産型W「……まもなく 目標が戦闘エリア内に侵入」
エキドナ「単独でか?」
量産型W「他に艦影は見当たらない」
エキドナ「予定通りだな。 スレイ・プレスティ少尉の カリオンは?」
量産型W「こちらからの命令通り、 後方警戒任務に就いている」
エキドナ「意外に素直だな。 やはり、バン大佐の命令で こちらの動きを調べる気か」
量産型W「必要ならば、処置を」
エキドナ「放っておけ。 知られて困る任務ではない」
エキドナ「では、 突入班は直ちに出撃準備を」
量産型W「了解」
エキドナ「フェイズ3に移行する。 艦回頭180度」
(シロガネが出現)
一般兵「敵艦を確認!  こちらへ回頭しています!」
リー「ふん、逃げられんと悟ったか」
リー「艦前面へフィールド展開。 機関、第3戦速。有効射程内に 敵艦が入り次第、砲撃戦を仕掛ける」
一般兵「了解!」
リー(……逃がしはせんぞ。 あれは私の獲物だ)
一般兵「艦長、ハガネへの報告は?」
リー「不要だ。 本艦だけで奴らを仕留める。 戦果を挙げてみせろ」
一般兵「はっ!」
リー(そう、私は戦果を挙げねばならん。 オペレーション・プランタジネットでの 中核戦力となるために……)
リー(私の戦場はここではなく、北米…… 私の戦うべき敵はノイエDCでなく、 インスペクターなのだ)
(作戦目的表示)

〈1EP〉

エキドナ「このまま後退。 目標を引きつけろ」
量産型W「了解」
(ライノセラスが南へ移動)
一般兵「艦長、敵艦が後退します!」
リー「こちらを誘い込む気か……?  いや、『偽撃転殺の計』だな」
一般兵「偽撃転殺?」
リー「そうだ。見え透いた手こそ、 その裏に計略がある」
リー「敵は本艦を誘き出し、 その間に手薄な方…… つまり、ハガネを討つ気だ」
連邦兵「では、 反転してハガネの救援を……!」
リー「その必要はない。 このまま突撃し、敵艦を撃沈する」
連邦兵「はっ!」
リー(ふん……シロガネは ハガネのオプションではない)
リー(そのことを ダイテツ中佐やテツヤ・オノデラ…… そして、上層部の連中に教えてやる)

〈シロガネが南側の島の北端より南側へ移動 or ライノセラスのHP90%以下〉

エキドナ「……頃合いだな。 これよりフェイズ4に移行する」
(敵機が出現)
一般兵「艦長!  敵艦から敵機が発進しました!」
リー「悪あがきを……!」
エキドナ「……ランドグリーズ隊、 エルアインス隊、目標へ攻撃」
(ランドグリーズからミサイル、エルアインスからビーム砲の発射、シロガネはEフィールドを張り爆煙)
リー「ふん、その程度で 本艦を沈められると思うな」
リー「フィールド解除!  主砲で一気に敵艦を仕留める!」
(フィールド解除)
エキドナ「懐を開いたな。 ……行くぞ」
(ガーリオンとラーズアングリフ(エキドナ機)がシロガネの周りへ移動)
一般兵「て、敵機が 本艦へ突っ込んできます!」
リー「上部機銃群、弾幕を張れ!」
(シロガネの周りへ動いたガーリオンが更に接近)
一般兵「う、うわあっ!  間に合わない!?」
リー「うろたえるな!  確実に狙い、撃ち落とせ!」
エキドナ「ガーリオン隊はそのまま突撃。 対空火器を破壊しろ」
量産型W「了解」
(ガーリオンが4機がシロガネに隣接し、機械音の後、爆発、シロガネに爆煙)
一般兵「うあああっ!!」
リー「と、特攻だと!?」
エキドナ「……悪いが、 代わりはいくらでもいるのでな。 突入班、目標に取りつけ」
(レイディバード2機がシロガネに隣接)
一般兵「て、敵機が!!」
リー「近接高機動ミサイルで迎撃せよ!」
エキドナ「……突入班、降下」
量産型W「了解」
一般兵「か、艦長!  敵機から敵兵が降下してきます!」
リー「この期に及んで白兵戦か!?」
エキドナ「彼らはただの兵士ではない。 止められると思うな」
(シロガネのハッチをこじ開ける)
一般兵「て、敵兵が艦内に侵入!」
リー「主要部の隔壁閉鎖!  対人要撃システムを作動させろ!」
エキドナ「……主要部の制圧を急げ。 必要最低限の人員以外は処分しろ」
(機関銃銃声)
一般兵「な、何だ、あいつら!?  銃が効かない!!」
リー「何だと!?」
(機関銃銃声×2と爆発)
量産型W「機関部へ突入」
量産型W「観測室、制圧完了」
量産型W「メインブリッジへ突入」
リー「!!」
(機関銃銃声、爆発、機関銃銃声)
量産型W「メインブリッジ、制圧完了」
エキドナ「了解。 他ブロックの制圧を急げ」
(ラーズアングリフがシロガネに隣接、レイディバードが撤退)
リー「き、貴様ら……!」
エキドナ「陽動部隊と深読みし、 突撃したお前のミスだ。 まさに策士策におぼれる、だな」
リー「く……!」
エキドナ「もっとも、我々の手勢は お前達にとって意外だっただろうが」
量産型W「……」
リー「貴様ら、いったい何者だ……!?」
エキドナ「説明をする必要はない。 ただちに武装解除し、投降しろ。 この艦は我々がもらい受ける」
リー「ふざけるな、誰が……!」
(重い銃声)
リー「うぐっ!!」
量産型W「抵抗すれば射殺する」
エキドナ「そう……警告は一度きりだ」
リー「う、うぬっ……!!」
エキドナ「艦長以下の主要メンバーは 全員拘束……シロガネごと連行する」
量産型W「W16、こちらへ 接近してくる機体を感知した」
エキドナ「……来たか」
(北東にアステリオンが出現)
アイビス「! シ、シロガネが!!」
エキドナ「あの機体は……」
アイビス「まさか、あいつら…… シロガネを持って行く気!?」
エキドナ「間違いない、 プロジェクトTDの試作機か」
アイビス「このままじゃ、まずい……。 何とかしなきゃ……!」
(アステリオンにアラート)
アイビス「! こ、この反応は!?」
(南側にカリオンが出現)
スレイ「……やはり、 アステリオンか!」
アイビス「スレイ! スレイなの!?」
スレイ「アイビス……!」
アイビス「スレイ…… 戻ってきてくれたんだね……」
スレイ「………」
アイビス「状況は見ての通りよ!  シロガネを奴らの手から救うのに 手を貸してよ!」
スレイ「……お前がアステリオンに 乗っているということは、ツグミも お前を認めたということか……」
アイビス「スレイ……?」
スレイ「忘れたか、流星!  次に会う時は敵同士だと言ったのを!」
アイビス「!」
スレイ「今の私はノイエDCの スレイ・プレスティ少尉…… お前の敵だ!」
アイビス「どういうことよ、スレイ!?  ノ、ノイエDCって…… なに考えているのよ!?」
エキドナ「……スレイ少尉、お前の任務は 後方の警戒だったはずだが?」
スレイ「邪魔者は私が引き受ける。 そちらはそちらの任務を遂行しろ」
エキドナ(命令に違反しても 決着をつけたい相手と言うことか。 ……こちらの時間が稼げるな)
エキドナ「いいだろう」
アイビス「スレイ……あんた!」
スレイ「……」
量産型W「……主要ブロックの制圧、 及び操舵方法の学習完了」
エキドナ「よし、 お前達はシロガネで後退しろ」
量産型W「了解」
(シロガネが撤退)
アイビス「ああ! シロガネが!」
スレイ「他人の心配をするより、 自分のことを考えるのだな」
アイビス「!」
スレイ「お前がアステリオンに 乗るのなら、私はお前を コックピットから引きずり降ろす!」
アイビス「スレイ……。 フィリオは……戦いが続くことに ずっと心を痛めていた……」
スレイ「……」
アイビス「でも、あの人は それを終わらすためにシリーズ77の 戦線投入を決意した……」
アイビス「自分の心を 押し隠して……!」
スレイ「…………」
アイビス「なのに、どうしてあんたは 自ら戦いを広げようとするのよ!?」
アイビス「あんた、 本当に宇宙を飛ぶ気があるの!?」
スレイ「黙れ! 宇宙々々と…… お前はそれしか頭にないのか!?」
アイビス「それがあたし達の プロジェクトTDじゃないの!」
スレイ「やはり、 お前とは相容れないようだ……」
アイビス「スレイ!!」
スレイ「見せてもらうぞ、アイビス!  お前がアステリオンに相応しいか どうかを!」

〈vs スレイ〉

[アイビス]

スレイ「アイビス! どんな手段を 使って兄様をたぶらかした!?」
アイビス「た、たぶらかしたって、 何のこと!?」
スレイ「とぼけるな!  その白銀の機体が何よりの証拠!」
スレイ「私はお前を許さない!  私の誇りに賭けて、お前の全存在を 否定してやる!!」

状況選択

スレイ機のHPを20%以下 または エキドナ機のHPを90%以下にした
2ターン経過した


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