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剣神現る 月へ行く ~ 第19話 ~

〔戦域:衛星軌道付近〕

一般兵「デザートスコール、 最終フェイズへ移行します」
連邦艦長「月からのメインディッシュは まだ到着せんのか?」
一般兵「予定ではまもなく…… いえ、来ました」
(南西にタウゼントフェスラーが出現)
連邦兵「こちら、T16。 待たせたな、ご馳走を持ってきたぞ」
一般兵「スプートニク1、了解。 パーティはもうすぐ始まる。 すぐに料理を並べてくれ」
連邦兵「T16、了解」
(タウゼントフェスラーが東へ移動)
一般兵「ハッチ開放。各機、発進せよ」
(オクト小隊などが出撃)
連邦艦長「あの連中が L5戦役の最功労者……。 そして、今回の作戦の本命か」
カチーナ「こちらオクト1。 すぐにパーティが始まるぞ。 ダイブ・シェルの最終確認をしな」
ラッセル「了解。 チェックシーケンス…… 耐熱殻装備、オールグリーン」
レオナ「冷却剤、充填よし」
タスク「突入軌道、確認!」
リュウセイ「その他みんなまとめて オールOK!」
一般兵「降下開始まで、あと60秒」
連邦艦長「スプートニク1よりオクト1へ。 最優先でベルフォディオ基地へ 降下し……」
連邦艦長「基地奪還任務を遂行中の シロガネ隊を援護せよ」
カチーナ「オクト1、了解」
エクセレン「…はぁ…またあの艦長さんと 合流する羽目になるなんてねぇ」
カチーナ「そうか、 お前はシロガネにいたんだっけな。 どんな奴なんだ?」
エクセレン「ん~…… 意地悪な教頭先生って感じ?」
カチーナ「教頭?  何にせよ、そっち系の野郎なら 張り倒し甲斐があるってモンだぜ」
ラッセル「は、張り合い……ですよね、 中尉?」
エクセレン(カチーナ中尉とリー中佐…… 別の意味で相性が良さそうかも)
エクセレン(ファーストコンタクトで 営倉行き! …笑えない感じねぇ…)
一般兵「降下開始まで、あと10秒」
カチーナ「よし、いよいよだな」
タスク「緊張する~」
一般兵「3……2……1…… カウントゼロ!」
連邦艦長「デザートスコール、スタート!  全機、降下開始!」
カチーナ「よ~し、野郎共!  フリーフォールの始まりだせ!!」
エクセレン「了解! そいじゃ、 砂漠に一雨降らせましょっか!」
(ダイブ・シェルの降下)


第19話
剣神現る

〔戦域:基地周辺〕

(基地周辺に敵機が出撃済み、シロガネとリオンが出現)
一般兵「敵残存艦1、 最終防衛ラインを突破しました!」
基地司令「フン、 思った以上にしぶとい連中だな。 さすがはスペースノア級だと言うことか」
基地司令「全機、迎撃を開始せよ!」
一般兵「リー艦長!  第405、501航空連隊が敵と接触!  本艦と合流できません!」
リー「チッ、こちらの戦力を 分断され過ぎたか。このままでは、 あの基地を奪還することが出来ん」
リー「こちらの援軍、 デザートスコールはとうなっている?」
一般兵「すでに降下を開始しています!  124秒後に落着予定!」
リー「今はそれをあてにするしかないか。 全機、攻撃を開始せよ!」
(作戦目的表示)

〈2PP〉

(アラート)
基地司令「何だ!?」
一般兵「基地直上1110に 熱源反応多数! 急速降下中!」
基地司令「ミサイルか!?」
一般兵「いえ、敵の降下部隊です!」
基地司令「対空ミサイルを発射しろ!」
一般兵「はっ!」
(ミサイル飛来)
リー「……上空の反応は デザートスコールか?」
一般兵「はっ! 間違いありません!」
リー(これで巻き返せるか……!?)
一般兵「対空ミサイル群、 目標へ接近します!」
(アラート)
一般兵「駄目です、中佐!  ミサイルが撃墜されました!」
基地司令「降りてくる連中は 着地直前に減速するはずだ!  対空火器でそこを叩け!」
一般兵「りょ、了解!」
リー「降下部隊を援護する!  チャフ弾、高度250で連続発射!」
(ミサイル飛来、基地の3箇所に爆煙)
基地司令「うぬっ、小癪な!」
一般兵「て、敵降下部隊、来ます!」
(ジガンスクード・ドゥロが出現)
タスク「ガンドロ、参上!  10点満点の着地でござーい!」
(ジガンスクード・ドゥロ以外の降下部隊が出現)
エクセレン「はぁ~い!  こっちも空中三回転!」
ラッセル「さ、三回転?」
カチーナ「ともかく、あたしらが 来たからには一安心だぜ!」
リー「チッ… うっとうしい連中が来たか」
カチーナ「なっ……!?」
エクセレン(あっちゃあ~、 想像以上に最悪のファーストコンタクト…)
カチーナ「てめえ!  わざわざ助けに来たってのに、 その言い草は何だ!?」
ラッセル「ちゅ、中尉!」
リー「……命令を伝える。 貴様らは己の命に代えても 本艦を守り、基地を奪還しろ」
カチーナ「おい! そいつぁ、あたしらに 死ねって言ってんのかよ!?」
リー「…そう言った方が良かったか?」
カチーナ「こ、この野郎……!」
リー「貴様らは私の命令に黙って 従っていればいい。その結果、 戦死することになってもな」
リュウセイ「な、何だって!?」
カチーナ「てめぇ、上等じゃねえか!!」
リー「フン、 上官侮辱と受け取っておくぞ?」
カチーナ「このあたしがそれぐらいで ビビると思うんじゃねえ!」
ラッセル「中尉、もうやめて下さい!  今は内輪もめをしている場合じゃ ありませんよ!」
カチーナ「チッ……!  全機、攻撃開始! 行くぞ!!」
リー(……あのような連中が 連邦戦力の中核の一部になるだと?)
リー(認めん……私は認めんぞ)

〈敵機全滅〉

一般兵「ちゅ、中佐、友軍機が……!」
基地司令「ば、馬鹿な……!  たったあれだけの数で……!?」
リー「外の連中は片づいたな。 各機は周辺を警戒。 歩兵小隊に基地内部を制圧させろ」
一般兵「はっ!」
(友軍機が撤退し、味方PTは警戒のため基地の要所へ移動)
基地司令「くっ!  もはや、これまでか……!」
リー「私はシロガネ艦長、 リー・リンジュン中佐だ。 直ちに武装解除し、降伏しろ」
基地司令「おのれ、 貴様ら連邦などに……」
(シロガネでアラート)
リー「何だ?」
一般兵「こ、こちらへ 急速接近中の物体を感知!」
リー「数と識別は?」
一般兵「1機です!  識別コード、該当データなし!」
リー「敵の援軍だと判断する。 各機、迎撃用意!」
(スレードゲルミルが西端に出現)
【デモムービー『スレードゲルミル登場』】
???(ウォーダン)「…………」
リュウセイ「な、何だありゃ!?」
一般兵「中佐、あれは!?」
基地司令「友軍機か……!?」
(スレードゲルミルに『気迫』)
ウォーダン「我はウォーダン…… ウォーダン・ユミル!」
ウォーダン「メイガスの剣なり!!」
カチーナ「!!」
エクセレン「ちょ、ちょい待ち!  今の声って!?」
リュウセイ「ま、まさか!?」
ウォーダンDCとメイガスに 敵対する者は全て破壊するッ!!」
(スレードゲルミルがジガンスクード・ドゥロに隣接)
タスク「う、うわあっ!!」
ウォーダン「一意専心!!」
【強制戦闘】
ウォーダン[斬艦刀]vsタスク[防御]
(ジガンスクード・ドゥロのHP30%、戦闘後、ジガンスクード・ドゥロは着地)
レオナ「タ、タスクッ!!」
エクセレン「タスク君!!」
リュウセイ「タスク、大丈夫かっ!?」
タスク「う、ううっ……ぐ……!」
ウォーダン「貴様…… 我が斬艦刀を受けきったか」
タスク「ド、ドゥロって名は…… 伊達じゃ……ねえんだ……」
タスク「それに…… 斬艦刀を……受けたのは……」
タスク「初めてじゃ……ね……え……」
レオナ「タスク!? どうしたの!?」
(タスクの反応なし)
レオナ「タスク、 冗談では済まされなくてよ!  返事をなさい!」
(タスクの反応なし)
ラッセル「タ、タスク少尉!」
カチーナ「まさか、あいつ!?」
レオナ「タスク、お願い……!」
レオナ「返事を……! 返事をして!」
カチーナ「ち、ちっきしょう!  どういうつもりだ、ゼンガー!  ゼンガー・ゾンボルト!!」
ウォーダン「……」
カチーナ「答えやがれ!!」
ウォーダン「俺の名は ウォーダン……ウォーダン・ユミル。 ゼンガー・ゾンボルトなどではない」
カチーナ「な、何だとォ!?」
リュウセイ「けど、 あの声に名乗り、斬艦刀…… ど、どう考えたって!」
エクセレン「もしかして、 そっくりさんとか…?」
カチーナ「あんなトンデモ野郎が 他に何人もいるか!」
エクセレン「双子の弟とかっていう 線はなし?」
カチーナ「ウォーダンだか 冗談だか知らねえが、奴はゼンガーだ!  そうに決まってる!!」
リー(ゼンガー・ゾンボルト……。 旧特殊戦技教導隊のメンバーで、 ATXチームの前隊長……)
リー(だが、 あの男はDC戦争中、敵に寝返った。 やはり、これは……)
ラッセル「あ、あの人が 本当にゼンガー少佐だとしたら、 どうしてDC残党に!?」
エクセレン「昔が懐かしくなったとか、 向こうの方のお給料がいいとか…… そんなわけないわよねえ、ボス?」
ウォーダン「…………」
リー「貴様ら、何をしている!  敵機を……」
ウォーダン「斬艦刀! 電光石火!!」
(剣戟、シロガネに爆煙)
リー「ぐああっ!!」
(基地のあちこちに爆煙)
リュウセイ「シ、シロガネが!!」
(アラート)
ラッセル「カ、カチーナ中尉!  基地外周部に新たな敵影が!!」
カチーナ「何ィ!?」
(ランドグリースが基地を囲むように出現)
ラッセル「な、何て数……!!」
カチーナ「あ、あれが本命かよ!?」
(西の真ん中のランドグリースからミサイル、味方PTの中心に爆煙)
リュウセイ「うああっ!!」
レオナ「きゃああっ!!」
(シロカネに爆煙)
一般兵「う、右舷カタパルトに直撃!  高次空間レーダードーム、大破!!」
一般兵「さ、さらに 新たな敵部隊が接近中!!  このままでは危険ですっ!!」
リー「や、やむを得ん!  後退だ! 全機、後退せよ!!」
カチーナ「リュウセイ!  しんがりはあたしとお前だ!」
リュウセイ「了解!」
カチーナ「他の連中はガンドロを!」
エクセレン「レオナちゃん、 ジガンちゃんを持ってくわよ!?」
レオナ「了解!  テスラ・ドライブ、出力全開!  フィールド展開!」
(エクセレン機とレオナ機がジガンスクード・ドゥロに隣接)
カチーナ「急げ!  囲まれる前にズラかるぞ!!」
(味方機が全機撤退)

《アースクレイドル》

[アースクレイドル 内部]

レモン「……デザートクロス作戦、 上手くいってるみたいじゃない?」
ヴィンデル「うむ。 こちらが戦力の同時多数展開を行うなど、 敵には予測もつかなかったはずだからな」
レモン「バン大佐のお手並みも 予想以上だし……」
レモン「スレードゲルミルも含めて、 こっちの戦力を提供した甲斐があったわね」
ヴィンデル「ああ。 ところで、奴の調整は上手くいっているのか?」
レモン「そうね……。 ベルフォディオ基地の防衛には成功したし……」
レモン「制御関係に問題が残っているけど、 今の所は安定しているわ」
レモン「多分、今頃向こうは彼の登場に 面食らっているでしょうね……」
ヴィンデル「では、奴にはしばらく アクセルの代わりを務めてもらおう」
レモン「……わかったわ」

[シロガネ ブリーフィングルーム]

エクセレン「……で、 タスク君の容態はどうなの?」
ラッセル「斬艦刀を受けた衝撃で 頭を強く打ったらしく…… まだ意識が戻っていません」
ラッセル「今、メディカルルームで レオナ少尉が彼の様子を見ています」
リュウセイ「命に別状はねえんだな?」
ラッセル「ええ…… 後は意識を取り戻すのを待つだけです」
カチーナ「ち……あの野郎、 よくもあたしの舎弟を……!」
ラッセル「でも、 まだ自分は信じられません……」
ラッセル「あのゼンガー少佐が DC残党側についただなんて……」
エクセレン「……」
カチーナDC戦争の時、奴は敵側についた。 L5戦役の後、行方をくらませたのも怪しいぜ」
リュウセイ「けど、少佐は アードラー・コッホと戦った時、 DCと決別したはずなのに……」
カチーナ「あいつを見てゼンガーだと 思わねえ方がどうかしてるぜ」
リュウセイ「もしかして、敵に捕まって 精神操作を受けちまったとか……」
エクセレン「その可能性はあるとは思うけど… なんか、引っかかるのよね」
ラッセル「そうですよ、あのゼンガー少佐が そう簡単に敵に捕まるとは……」
カチーナ「とにかく、 ウダウダ言ってても始まらねえ」
カチーナ「今のあたしらにとって、 あいつが敵なのは事実なんだ」
リュウセイ「……」
エクセレン(少しあからさますぎるのが…ね)


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